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2022-12-21 10:40:55

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診療マル秘裏話  Vol.895 令和3年2月3日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)破骨細胞の抑制剤を内包したナノ複合体を開発
2)再生医薬品治験患者組み入れ1/4時点で,未完了

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 破骨細胞の抑制剤を内包したナノ複合体を開発

 
 
 
 
 
 産業技術総合研究所は、1月7
日、破骨細胞の抑制剤を内包し
たナノ複合体を開発したと発表
しました。この研究は、同研究
所ナノ材料研究部門ナノバイオ
材料応用グループの中村真紀主
任研究員、CNT 機能制御グルー
プの湯田坂雅子客員研究員ら、
信州大学先鋭領域融合研究群バ
イオメディカル研究所の齋藤直
人所長らの研究グループによる
ものです。研究成果は、「ACS
Applied Materials & Interfac
es」にオンライン掲載されてい
ます。

 骨を作る骨芽細胞と骨吸収す
る破骨細胞がバランス良く働く
ことにより、健康な骨が維持さ
れます。一方、骨に到達したガ
ン細胞が増殖して転移性骨腫瘍
を形成すると、破骨細胞が活性
化されて骨吸収が進行するため、
骨がもろくなり骨折や強い痛み
を生じるなど患者さんのQOL が
著しく低下します。また、壊さ
れた骨からガンを増殖させる蛋
白質が放出され、ガンが浸潤ま
たは、転移します。

 破骨細胞抑制剤ビスホスホネ
ートは、骨の表面に強く吸着し、
骨の成分と共に破骨細胞に取り
込まれて細胞死を誘導します。
破骨細胞が減ると骨吸収が抑え
られ、骨の破壊や痛みの軽減と
同時にガン細胞の増殖抑制も期
待できます。一方、ビスホスホ
ネートは静脈内に投与されるた
め、全身循環による重篤な副作
用の発生も報告されており、少
量のビスホスホネートで効果が
出る薬剤送達システムの実用化
が望まれています。

 産総研では、直径100nm 程度
の球状構造で物質吸着能力も高
いカーボンナノホーン集合体が
薬剤送達システムの薬剤運搬体
として有用と考え、これまでに
薬剤送達システムへの応用に適
したカーボンナノホーンの表面
修飾技術や薬剤複合化技術を開
発してきました。また、骨の主
要無機成分であり、優れた生体
親和性を示すリン酸カルシウム
のナノメートル~サブマイクロ
メートルサイズの粒子が薬剤運
搬体として有用と考え、薬剤や
抗菌剤などとの複合粒子作製技
術を開発してきました。

 一方、信州大では、カーボン
ナノチューブなどのナノカーボ
ン材料を用いた破骨細胞抑制剤
の研究・開発を進めてきました。

 今回の研究では、カーボンナ
ノホーンを薬剤運搬体とし、ビ
スホスホネートと複合化させる
ことで、効果の増加と副作用の
軽減を目指しました。

 今回、低毒性で破骨細胞への
取り込みに適したサイズである
カーボンナノホーン集合体を薬
剤運搬体として用いました。産
総研の持つカーボンナノホーン
の表面修飾・薬剤複合化技術や
リン酸カルシウムの複合粒子作
製技術を応用し、リン酸カルシ
ウムを仲介させてカーボンナノ
ホーンとビスホスホネートの一
種であるイバンドロネートを複
合化させることにより、破骨細
胞抑制剤内包ナノ複合体(ナノ
複合体)を作製しました。強力
な疎水基を持たないイバンドロ
ネートは、疎水性の高いカーボ
ンナノホーンにほとんど吸着せ
ず直接複合化することができな
いため、イバンドロネートと親
和性の高いリン酸カルシウムを
仲介させることで複合化を実現
できたということです。

 カーボンナノホーンとイバン
ドロネートをリン酸カルシウム
の原料となるイオン水溶液(カ
ルシウムイオンやリン酸イオン
などにより構成)に添加すると、
カーボンナノホーン、イバンド
ロネート、リン酸カルシウムの
3成分から成る破骨細胞抑制剤
内包ナノ複合体を得ることがで
きました。

 信州大では、破骨細胞のモデ
ルとなる細胞を培養し、それに
今回開発したナノ複合体分散液
を添加してナノ複合体の細胞へ
の影響を評価しました。ナノ複
合体は細胞内に多く取り込まれ、
細胞生存率を低下させる細胞抑
制効果を示しました。添加した
ナノ複合体に含まれるのとほぼ
同濃度のカーボンナノホーンや
イバンドロネートを単独で添加
しても細胞抑制効果は見られな
かったことから、複合化によっ
てイバンドロネートの破骨細胞
抑制効果が増加したといえると
いうことです。

 細胞内に取り込まれたナノ複
合体はリソソームという器官に
集積します。リソソーム内部は
弱酸性に保たれており、中性か
ら弱酸性環境になるにつれて溶
解性を増すリン酸カルシウムが
リソソーム内で徐々に溶解し、
イバンドロネートを放出、破骨
細胞の細胞死を引き起こしたと
考えられます。従って、今回開
発したナノ複合体を転移性骨腫
瘍部位に局所投与すれば、ガン
細胞により活性化された破骨細
胞に積極的に取り込まれ、少量
で効率的にイバンドロネートに
よる破骨細胞抑制効果を発揮す
ると予想され、また、全身性の
副作用の軽減も見込まれるため、
転移性骨腫瘍治療への応用が期
待されるとしています。

 研究グループは今後、動物実
験などによる効果の検証を行い、
それらの検証をもとに破骨細胞
抑制剤内包ナノ複合体の構造お
よび組成についてさらなる最適
化を図り、より効率的に破骨細
胞に取り込まれるように改良を
目指すということです。

 また、使用するビスホスホネ
ートの種類なども検討して薬効
を向上させ、臨床応用を目指す
としています。

 骨芽細胞と破骨細胞の生化学

について解説している動画です。

 
 


 
 
 見性成仏を検証する。  笑

 
 
 
 
 
 
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2】 再生医薬品治験患者組み入れ1/4時点で,未完了

 
 
 
 
 
 
 医薬品開発のヘリオスは、米
バイオベンチャーからライセン
スを取得して国内向けに開発を
進める体性幹細胞再生医薬品「
HLCM051」について、治
験患者さんの組み入れが今月4
日時点で完了していないと発表
しました。治験は脳梗塞急性期
と急性呼吸窮迫症候群(ARD
S)を対象としており、それぞ
れ2020年10~12月中の完了を目
指していました。両治験の組み
入れ進捗はすでに9割を超えて
いますが、新型コロナウイルス
の感染再拡大の影響を受け、と
くに12月からペースが予想より
低下したとしています。

 再生医療について解説している動画です。

 
 


 
 
 
 今日時点で、次点の人が確定
していない。       笑

 
 
 
 
 
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編集後記

 
 産業技術総合研究所が、1月7
日、破骨細胞の抑制剤を内包し
たナノ複合体を開発したと発表
したのは、喜ばしいことです。
カーボンナノホーンとイバンド
ロネートをリン酸カルシウムの
原料となるイオン水溶液(カル
シウムイオンやリン酸イオンな
どにより構成)に添加すると、
カーボンナノホーン、イバンド
ロネート、リン酸カルシウムの
3成分から成る破骨細胞抑制剤
内包ナノ複合体を作ることがで
きます。このナノ複合体を転移
性骨腫瘍部位に局所投与すれば、
ガン細胞により活性化された破
骨細胞に積極的に取り込まれ、
少量で効率的にイバンドロネー
トによる破骨細胞抑制効果を発
揮すると予想され、また、全身
性の副作用の軽減も見込まれま
す。この内包ナノ複合体により、
転移性骨腫瘍治療への応用を期
待したいものです。
 医薬品開発のヘリオスは、米
バイオベンチャーからライセン
スを取得して国内向けに開発を
進める体性幹細胞再生医薬品「
HLCM051」について、治
験患者さんの組み入れが今月4
日時点で完了していないと発表
したのは残念なことです。武漢
熱のおかげで、治験患者さんや
臨床研究の患者さんの対象患者
さんを獲得するのは至難の業だ
と言われています。私のクリニ
ックで行っているガンや難病の
自費診療の患者さんもほとんど
は、臨床研究の対象の患者さん
ですが、本当に患者さんに来院
してもらうのが非常に、困難な
状況に陥っています。早く武漢
熱が収束して、元通りたくさん
の患者さんが通院していただけ
るようになることを期待して止
みません。

 上京して状況を確認する。笑

 
 
 
 
 
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