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2022-11-05 18:20:16

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診療マル秘裏話  号外Vol.2315 令和4年1月3日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)claudin-6高発現固形癌CAR-T細胞mRNA併用投与
2)老化細胞除去抗体投与で糖尿病や動脈硬化改善

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 claudin-6高発現固形癌CAR-T細胞mRNA併用投与

 
 
 
 
 
 
 claudin-6を標的としたCAR-T
細胞の単剤投与,体内でCAR-T細
胞を増殖させるためのclaudin-
6のmRNAワクチン(CARVac) と
の併用投与が,claudin-6高発現
の進行固形ガンで有効である可
能性が明らかとなりました。進
行中のフェーズ1/2試験であるB
NT211 試験で初めて行われた有
効性の予備的な評価で良好な抗
腫瘍効果が認められました。12
月8日から11日にWEB上で開催さ
れたESMO IMMUNO-ONCOLOGY CON
GRESS 2021(ESMO IO 2021)で、
オランダNetherlands Cancer I
nstitute のJohn Haanen氏が発
表しました。

 CAR-T 細胞は血液ガンにおい
ては高い効果を示し臨床で使用
されていますが、固形ガンにお
いては有効性を示せず実用化が
進んでいません。研究グループ
は武漢熱ワクチンで使用された
技術であるリポソームにmRNAを
くるんだワクチンをCAR-T 細胞
投与後に複数回投与し、生体内
でCAR-T 細胞を増殖させて体内
のCAR-T 細胞量を増やして有効
性を高めることを目指していま
す。

 BNT211-01 試験は、再発・難
治性固形癌で腫瘍におけるclau
din-6発現が50%以上の測定病変
を有する患者さんを対象に行わ
れています。CAR-T 細胞の量を
変えて投与する用量漸増を行う
フェーズ1部分は、CAR-T細胞を
単剤で投与するパート1と固定
したCARVacを併用投与するパー
ト2から構成されています。

 現在、パート1のCAR-T細胞の
低用量(3人)、中用量(6人)、
パート2のCAR-T細胞低用量とCA
RVac併用部分(3人)が完了し、
CAR-T 細胞中用量とCARVac併用
部分が進行しています。 CAR-T
細胞中用量とCARVac併用部分は、
リンパ球枯渇療法を行った患者
さん2人とリンパ球枯渇療法を
行っていない1人が参加してお
り、全体で15人が参加していま
す。15人のうち精巣癌が7人、
卵巣癌が4人で、その他は子宮
内膜癌、卵管癌、肉腫、胃癌が
1人ずつでした。

 試験でCAR-T 投与後最初の50
日間で、持続的なCAR-T 細胞の
生着が起こり、臨床活性が期待
できる109 個に多くの患者さん
で到達していました。抗腫瘍効
果については、評価が可能だっ
た10人中4人で部分奏効(PR)
が認められました。PRが認めら
れたのはパート1の中用量で2人、
パート2のCAR-T細胞低用量とCA
RVac併用部分で1人、CAR-T細胞
中用量とCARVac併用部分で1人
でした。4人で標的病変の縮小
を伴う病勢安定(SD)が認めら
れ、投与後6週時点で1人におい
てSDとなり、病勢制御は9人で
できました。PRが得られた患者
さんのうち3人は精巣癌患者さ
んでした。

 治療関連が疑われるグレード
3以上の副作用は、パート1の低
用量で4件、中用量で9件、パー
ト2のCAR-T細胞低用量とCARVa
併用部分で9件認められました。
用量制限毒性の発現は1件で、
リンパ球枯渇療法後の長期の血
球減少だったことから、高用量
化学療法と自己幹細胞移植を受
け、リンパ球枯渇療法を行わな
いコホートを設定しました。治
療関連が疑われるグレード3以
上の副作用の多くはリンパ球枯
渇療法によるものか無症状の酵
素の上昇でした。

 CAR-T療法について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 血球減少の現象の原因を突き
とめる。         笑

 
 
 
 
 
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2】 老化細胞除去抗体投与で糖尿病や動脈硬化改善

 
 
 
 
 
 
 年齢を重ねることに伴って起
きやすい、生活習慣病などの人
の体内では、老化して正常に働
かなくなった細胞がたまってい
るとされます。順天堂大学など
のグループは、マウスの実験で
ワクチンのように免疫を刺激す
る物質を投与して「老化細胞」
を取り除くことができたと発表
し、将来、老化に伴う病気の治
療につながる可能性もあるとし
ています。

 糖尿病や動脈硬化といった生
活習慣病やアルツハイマー病な
どでは、老化して細胞分裂をし
なくなった細胞がたまっていて、
慢性的な炎症が起きていると考
えられています。

 順天堂大学などの研究グルー
プは「老化細胞」の表面に「GP
NMB」 と呼ばれる蛋白質が多く
現れることに注目し、免疫の働
きでこの蛋白質を標的にして攻
撃することで「老化細胞」を取
り除けるのではないかと考えま
した。

 そしてマウスを使った実験を
行って、人工的に作った「GPNM
B」 の断片の物質をワクチンの
ように投与したところ、免疫細
胞が刺激されて抗体が作られ、
実際に「老化細胞」を取り除く
ことができたということです。
さらに、糖尿病や動脈硬化にな
ったマウスでは症状が改善し、
老化したマウスでは身体機能の
低下が抑えられたとしています。

 順天堂大学の南野徹教授は「
将来的には、アルツハイマー病
など加齢とともに増える病気の
治療につながる可能性もあり、
研究を進めていきたい」と話し
ています。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 鰈が華麗に加齢する。  笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 claudin-6を標的としたCAR-T
細胞の単剤投与,体内でCAR-T細
胞を増殖させるためのclaudin-
6のmRNAワクチン(CARVac) と
の併用投与が,claudin-6高発現
の進行固形ガンで有効である可
能性が明らかとなったのは、素
晴らしい業績です。研究グルー
プは武漢熱ワクチンで使用され
た技術であるリポソームにmRNA
をくるんだワクチンをCAR-T 細
胞投与後に複数回投与し、生体
内でCAR-T 細胞を増殖させて体
内のCAR-T 細胞量を増やして有
効性を高めることを目指してい
るということで、CAR-T 細胞療
法が、固形ガンで用いられる日
もそう遠くないかもしれません。
 順天堂大学などのグループは、
マウスの実験でワクチンのよう
に免疫を刺激する物質を投与し
て「老化細胞」を取り除くこと
ができたと発表し、将来、老化
に伴う病気の治療につながる可
能性もあるとしているのは画期
的な治療法です。老化細胞除去
については、東大医科研がGLS1
という物質を発見したばかりで
す。天然の物質では、苺などに
多く含まれるフィセチンの研究
も進んでいるようです。糖尿病
や動脈硬化になったマウスに、
免疫を刺激する物質投与するこ
とで、症状が改善し、老化した
マウスでは身体機能の低下が抑
えられたとしているのは、注目
に値すると考えられます。糖尿
病や、動脈硬化が簡単に治療で
きる日が来ることを期待したい
と思います。

 廊下で老化細胞除去物質の話
をする。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
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