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2022-11-04 20:12:05

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診療マル秘裏話  号外Vol.2314 令和4年1月2日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)未治療進行性悪性黒色腫,ICI併用の有効性確認
2)静脈での血液うっ滞が腎機能障害強力悪化因子

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 未治療進行性悪性黒色腫,ICI併用の有効性確認

 
 
 
 
 
 
 2021年11月24日、医学誌『Jo
urnal of Clinical Oncology』
にて未治療の進行性悪性黒色腫
(メラノーマ)患者に対する抗
PD-1抗体薬オプジーボ(一般名:
ニボルマブ、以下オプジーボ)
+抗CTLA-4抗体薬であるヤーボ
イ(一般名:イピリムマブ、以
下ヤーボイ)併用療法、オプジ
ーボ単剤療法の有効性、安全性
を比較検証した第3相のCheckMa
te 067試験の長期フォローアッ
プ結果がMemorial Sloan Kette
ring Cancer CenterのJedd D.
Wolchok 氏らにより公表されま
した。

 CheckMate 067 試験は、未治
療の進行性悪性黒色腫(メラノ
ーマ)患者さん(N=945人)に
対して、3週を1サイクルとして
オプジーボ1mg/kg+ヤーボイ3m
g/kg併用療法を4サイクル実施
後、2週を1サイクルとしてオプ
ジーボ3mg/kg単剤を投与する群
(N=314人)、または2週を1サ
イクルとしてオプジーボ3mg/kg
+プラセボ療法を投与する群(
N=316人)、または3週を1サイ
クルとしてプラセボ+ヤーボイ
3mg/kg療法を4サイクル投与す
る群(N=315人) に1対1対1対
の割合で無作為に振り分け、主
要評価項目として全生存期間(
OS)、無増悪生存期間(PFS),
副次評価項目として客観的奏効
率(ORR) などを比較検証した
第3相試験です。

 本試験の結果、フォローアッ
プ期間中央値6.5 年時点におけ
る主要評価項目である全生存期
間(OS)中央値は、オプジーボ
+ヤーボイ併用群の72.1ヶ月に
対して、オプジーボ単剤群で36
.9ヶ月、ヤーボイ単剤群で19.9
ヶ月を示しました。

 6.5年全生存率(OS)は、BRA
F 遺伝子変異型群でオプジーボ
+ヤーボイ併用群の57%に対し
て、オプジーボ単剤群で43%、
ヤーボイ単剤群で25%でした。
BRAF遺伝子野生型群では、オプ
ジーボ+ヤーボイ併用群の46%
に対して、オプジーボ単剤群で
42%、ヤーボイ単剤群で22%を
示しました。

 Melanoma-specific survival
(MSS) 中央値は、オプジーボ
+ヤーボイ併用群の未到達に対
して、オプジーボ単剤群で58.7
ヶ月に対してヤーボイ単剤群で
21.9ヶ月でした。

 以上のCheckMate 067 試験の
長期フォローアップ結果よりJe
dd D. Wolchok 氏らは「未治療
の進行性悪性黒色腫(メラノー
マ)患者に対する抗PD-1抗体薬
オプジーボ+抗CTLA-4抗体薬ヤ
ーボイ併用療法、オプジーボ単
剤療法、ヤーボイ単剤療法は持
続的で良好な抗腫瘍効果を示し
た」と結論を述べています。

 悪性黒色腫の体験談について

解説している動画です。

 
 


 
 
 懸賞金を比較検証した。 笑

 
 
 
 
 
 
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2】 静脈での血液うっ滞が腎機能障害強力悪化因子

 
 
 
 
 
 
 京都府立医科大学は12月7日、
心不全で生じる静脈での血液の
うっ滞(うっ血)が、腎機能障
害の強力な悪化因子であること
を確認し、そのメカニズムにつ
いて解明したと発表しました。
この研究は、同大大学院医学研
究科腎臓内科学の草場哲郎学内
講師、木谷昂志研修員および川
崎医科大学腎臓高血圧内科の城
所研吾講師の共同研究グループ
によるものです。研究成果は、
Kidney International」に掲載
されています。

 高齢化に伴い心不全、腎不全
の患者数は全世界で増加してお
り、患者さん本人の負担となる
だけでなく、国民医療費への影
響も考慮すると、その対応は急
務です。心不全と腎不全の間に
は「心腎連関」といわれる互い
の病状を悪化させる悪性サイク
ルが存在します。腎機能が低下
していることは、心不全の発症
や重症化、死亡率の悪化因子で
あることが、多くの臨床研究で
示されています。

 これまでは、心臓の機能が低
下することに伴い、腎臓に十分
血液を送り込めないことが、心
不全患者さんで腎不全が発症し
やすくなる原因と考えられてい
ました。しかし近年は、心臓か
ら十分に血液が送り出せている
患者さんでも腎不全を発症する
ことが示されており、心臓へ血
液を戻す静脈内の血液のうっ滞
(うっ血)がその原因として注
目されています。しかし、うっ
血が腎機能障害を引き起こす機
序についてはいまだ不明な部分
が多いとされています。そこで
研究グループは今回、マウスを
用いた実験で機序の解明を試み
ました。

 研究グループは、うっ血が腎
臓に及ぼす影響を検討するため、
マウスを用いた新たな動物実験
モデルを作製しました。左右の
腎静脈の間の下大静脈を糸でく
くることで狭窄させ、左の腎臓
だけ下大静脈へ血液が戻りにく
くなる(腎うっ血を生じる)よ
うに処置を加えました。さらに、
生体内イメージングを用いて、
マウスが生きた状態のまま顕微
鏡で腎臓を観察すると、うっ血
のある腎臓では毛細血管が拡張
し、その中を流れる血液の速度
が極端に低下していることが分
かりました。

 うっ血腎に対して、一過性の
血流遮断(虚血再灌流モデル)
によるごく軽度の傷害を加えた
だけでも、腎臓の顕著な障害が
出現しました。その傷害された
腎臓では毛細血管の中に大量の
白血球が充満していました。生
体内イメージングでは、うっ血
した腎臓に傷害を加えた際に白
血球が血管内に接着し、血管外
へ遊走していく様子が観察され
ました。また傷害を与えた7日
後には、うっ血腎では高度に線
維化を来たしていました。この
ことから、うっ血は腎臓での傷
害を悪化させること、傷害後の
組織の修復を妨げることが明ら
かになりました。

 組織の傷害時には、血管内皮
細胞で炎症を惹起するシグナル
(NFκBシグナル) の活性化に
より、白血球が接着する際に必
要な接着因子が発現します。先
の観察で傷害と腎うっ血を与え
たマウスの毛細血管内に白血球
が充満していたことから、白血
球と血管内皮細胞の接着を抑制
する薬剤(NFκB シグナルの抑
制薬)に注目しました。マウス
にNFκB シグナルの抑制薬を投
与すると、毛細血管内の白血球
の充満も抑制され、うっ血に伴
う腎障害の悪化が予防されまし
た。これは、血管内皮への白血
球の接着が同薬によって抑制さ
れ、結果として腎臓の障害が予
防された効果と考えられるとい
うことです。

 今回の研究成果により、血液
が全身から心臓に戻る通り道で
ある大静脈内の血圧が上昇し腎
臓のうっ血を生じると、腎臓内
の血流の速度が低下すること、
そして、ごく軽度でも腎臓に障
害が加わると、血液を流れる白
血球が腎臓に蓄積し、腎機能の
障害を起こすことが明らかとな
りました。

 「現在の主な治療法であるう
っ血を取り除く治療に加え、今
後は白血球の接着に介入する薬
剤の投与により、心不全時の腎
機能障害を予防、改善させるこ
とが期待される」と、研究グル
ープは述べています。

 心不全を起こすと腎機能が悪

くなる3つの理由について解説

している動画です。

 
 


 
 
 全身を使って、匍匐前進した。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 2021年11月24日、医学誌『Jo
urnal of Clinical Oncology』
にて未治療の進行性悪性黒色腫
(メラノーマ)患者に対する抗
PD-1抗体薬オプジーボ(一般名:
ニボルマブ、以下オプジーボ)
+抗CTLA-4抗体薬であるヤーボ
イ(一般名:イピリムマブ、以
下ヤーボイ)併用療法、オプジ
ーボ単剤療法の有効性、安全性
を比較検証した第3相のCheckMa
te 067試験の長期フォローアッ
プ結果がMemorial Sloan Kette
ring Cancer CenterのJedd D.
Wolchok 氏らにより公表された
のは素晴らしい業績です。特に
未治療の進行性悪性黒色腫に使
ったのが、良かったと思います。
通常の化学療法後であると良い
結果がでなかった可能性がある
からです。
 京都府立医科大学が12月7日、
心不全で生じる静脈での血液の
うっ滞(うっ血)が、腎機能障
害の強力な悪化因子であること
を確認し、そのメカニズムにつ
いて解明したと発表したのは、
素晴らしい業績です。今回の研
究成果により、血液が全身から
心臓に戻る通り道である大静脈
内の血圧が上昇し腎臓のうっ血
を生じると、腎臓内の血流の速
度が低下すること、そして、ご
く軽度でも腎臓に障害が加わる
と、血液を流れる白血球が腎臓
に蓄積し、腎機能の障害を起こ
すことが明らかとなりました。
現在の主な治療法であるうっ血
を取り除く治療に加え、今後は
白血球の接着に介入する薬剤の
投与により、心不全時の腎機能
障害を予防、改善させることを
期待したいと思います。

 強力な助っ人が協力する。笑

 
 
 
 
 
 
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