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2022-10-01 16:31:50

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診療マル秘裏話  号外Vol.2285 令和3年11月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)細胞外小胞が,鉄を輸送しアスベスト発ガン一端担う
2)神経ブロックや手術後神経症状に,漢方治療が有用

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 細胞外小胞が,鉄を輸送しアスベスト発ガン一端担う

 
 
 
 
 
 
 
 名古屋大学は11月4日、細胞
外小胞(EV:エクソソーム、マ
イクロベジクルなど)が発ガン
要因となる鉄を輸送しアスベス
ト発ガンの一端を担うことを明
らかにしたと発表しました。こ
の研究は、同大大学院医学系研
究科生体反応病理学の伊藤文哉
研究員、梁取いずみ助教、豊國
伸哉教授の研究グループが、同
大循環器内科学の加藤勝洋病院
助教と室原豊明教授による研究
グループとの共同研究として行
ったものです。研究成果は、「
Redox Biology」 (電子版)に
掲載されています。

 アスベストはいまだに世界中
で多量に使用されており、悪性
中皮腫や肺ガンのリスクとなる
発ガン物質として広く問題視さ
れています。アスベスト繊維の
発ガン機構の研究は2つの観点
から進められてきました。すな
わち、アスベスト繊維が中皮細
胞に取り込まれ、核内へも直接
作用することで発ガンが起こる
という仮説と、アスベストが引
き起こす炎症を介して間接的に
中皮細胞をガン化させるという
仮説です。研究グループは、後
者の分子機構の寄与を仮定して
研究をデザインしました。

 研究グループは昨年、アスベ
スト曝露により形成される炎症
環境(肉芽腫)内部にアスベス
トがマクロファージに貪食され
る発ガン環境を同定しました。
その炎症環境を再現した実験系
で、中皮細胞はアスベストに直
接接していないにも関わらず、
ガン抑制遺伝子p16INK4aの欠失
が確認されました。しかし、ど
のように肉芽腫内のアスベスト
から中皮細胞へと発ガン因子が
伝搬するかという疑問は解決さ
れていません。そこで今回、研
究グループは、生理活性物質を
伝搬するEVに着目し、EVがアス
ベスト発ガンに関与するのでは
ないかという仮説のもとで、発
ガン性の高いアスベストである
クロシドライト(青石綿)曝露
により生じるEVに焦点を定めた
実験を行いました。

 最初に、マウスの腹腔内にク
ロシドライトを投与するモデル
を用いて、生体防御反応として
生じる肉芽腫におけるフェロト
ーシス依存性EV(FedEV) の存
在について検討しました。蛍光
免疫染色の結果から、アスベス
ト繊維はCD68陽性マクロファー
ジに存在しており、SMA 陽性筋
線維芽細胞やメゾセリン陽性中
皮細胞には確認されませんでし
た。特筆すべき点として、EVの
マーカーであるCD63の発現は筋
線維芽細胞および中皮細胞にお
いて強い顆粒状パターンで認め
られました。

 次に、中皮細胞のFedEV 取り
込みの実験を実施しました。GF
P-CD63を恒常的に発現するTHP1
マクロファージ細胞およびフェ
ロトーシス陽性細胞であるHT10
80線維肉腫細胞の2つを樹立し、
これらの細胞からGFP がラベル
されたEVを回収しました。この
FedEV を中皮培養細胞MeT-5Aに
添加した所、添加後6~9時間で、
FedEV はエンドサイトーシスに
て完全に取り込まれることが判
明しました。とくに、レシピエ
ント中皮細胞の内在性CD63とマ
クロファージ由来のGFP-CD63は
添加後24時間においてサイトゾ
ル(エンドソーム、後期エンド
ソーム~リソソーム様パターン)
に強く共局在していることが判
明しました。

  に含有する蛋白質を調
べるために、LC-MS による蛋白
質の網羅的解析を行った所、Fe
dEVにはフェリチン(FtLおよび
FtH) が多く含まれていること
が判明しました。とくに、鉄あ
るいは鉄とアスベスト繊維の曝
露下においてのみ、細胞外小胞
の鉄貯蔵蛋白質であるフェリチ
ンが増大することは、鉄過剰病
態において重要な点であると考
えられます。

 次に、FedEV 曝露による中皮
細胞へのDNA 傷害について解析
しました。FedEV 曝露後24時間
にて、レシピエント中皮細胞の
核内でDNA の酸化傷害(8-OHdG)、
DNAの2重鎖切断(γH2AX)が増
大することが判明しました。ま
た、肉芽腫近傍の中皮細胞では
CD63、フェリチン、DNAの2重鎖
切断が共存することが確認され
ました。

 今回、EVの新たな病態への関
与として、発ガンに寄与する可
能性が示されました。今後、EV
の発ガンにおける役割に関する
研究展開が期待できます。同時
に、アスベスト発ガンにおいて
もFedEV が内包するフェリチン
や触媒性Fe(2)を中皮細胞へ
と供与する発ガン機構の一端が
明らかにされました。この機構
は、ガン予防のための標的とな
る可能性があります。研究グル
ープは、「より詳細なFedEV の
解析により中皮腫患者のバイオ
マーカーとしての利用も期待で
きる」と、述べています。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 理容店を利用する。   笑

 
 
 
 
 
 
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2】 神経ブロックや手術後神経症状に,漢方治療が有用

 
 
 
 
 
 
 日本ペインクリニック学会第
55回学術集会(会長・山崎光章
富山大学医学部麻酔科学講座教
授)が7月22-24日、富山市内で
の現地開催とWeb 開催を併用す
るハイブリッド方式で開かれま
した。24日には、シンポジウム
7「漢方医療と他の医療の融合」
がありました。平田ペインクリ
ニック(福岡県粕屋町)の平田
道彦院長は「相互補完する漢方
治療と神経ブロック治療」をテ
ーマに講演し、神経根症や仙腸
関節痛、手術療法後の神経症状
では漢方治療も有用だとまとめ
ました。

 平田院長は最初に、神経ブロ
ック療法の長所に、即効性があ
り、強い鎮痛効果と持続的な効
果が期待できる点がありますが、
短所に実施困難な場合がある点
があると説明しました。一方、
漢方治療は、痛くない、急性期
から慢性期まで応用でき禁忌が
少ない点が長所ですが、短所に、
味が悪いことが多い点、神経ブ
ロックほど即時的に効果がある
ことはまれで、効果発現までの
期間がまちまちである点を挙げ
ました。

 理想的な疼痛治療は、患者さ
んの状態によらず適応でき、苦
痛を与えない、すぐ効く、持続
的な効果があり、副作用が少な
く費用が安いことと述べました。
しかし、そういった理想的な疼
痛治療の条件を神経ブロック療
法だけ、漢方治療だけで実現す
るのはほぼ不可能で、両者を相
補的に用いることが必要だと指
摘しました。

 続いて、漢方治療が効いた典
型例を紹介しました。2年前に
線維筋痛症と診断された50歳女
性は、プレガバリン、トラマド
ール製剤は眠気がくるうえに効
かない気がするということでし
た。長年の病悩からうつ的にな
っていること、体力的にも弱っ
ていることから、麻黄附子細辛
湯2.5gと桂枝加朮附湯2.5gを服
用したところ、15分後には気分
が良くなり、数週間の服用で社
会復帰できたという。本当に線
維筋痛症だったかは疑問だが、
慢性痛に効果があったケースだ
と述べました。

 大後頭神経三叉神経症候群と
思われる後頸部、頭頂部、前額
部、眼窩部に痛みを訴える40代
の女性に対して、治打撲一方7.
5gと桂枝茯苓丸加意苡仁7.5gを
毎食前に服用したところ、服用
2日目で痛みがほとんどなくな
ったということです。大後頭三
叉神経症候群には頸椎の椎間関
節ブロックが奏効します。漢方
的にも関節の異常を是正する方
向で処方するとよいと述べまし
た。

 8年間、歯痛に悩まされた45
歳女性は、抜歯、根管治療を受
けましたが痛みがとれず、大学
病院のペインクリニックでの治
療も効果がありませんでした。
これも大後頭神経三叉神経症候
群の一種と診て、頸部筋群の緊
張を取る目的で桂枝茯苓丸加意
苡仁7.5gと葛根加朮附湯7.5gを
食間に服用した所、1週間後に
は痛みが大幅に改善したという
ことです。

 Jannetta手術後に三叉神経痛
が再発した男性は、カルバマゼ
ピン200mg を再開しましたが食
事で痛くなるため食べられない
と訴えていました。五苓散5gと
抑肝散5gを10時と20時に服用し
たところ、痛みがとれたという
ことです。

 一連のケースから分かるよう
に、神経ブロックが不要な症例
は一般に考えられているよりも
多く、漢方治療を併用すると治
療効果が高まる場合も多いと総
括しました。各種の神経根症や
仙腸関節痛、後頭神経痛など神
経ブロックや手術後の神経症状
には漢方治療が有用だと述べま
した。

 最後に、漢方治療に神経ブロ
ックを併用した方がよいと思わ
れる疼痛性疾患を紹介しました
。複合性局所疼痛症候群(CRPS)
の初期には四逆散と抑肝散と交
感神経ブロックの併用、カルバ
マゼピン効果が不十分な三叉神
経痛の激痛発作には五苓散、紫
胡桂枝湯、桂枝加朮附湯、抑肝
散と三叉神経ブロックの併用、
神経根症の激痛に柴苓湯・四物
湯、疎経活血湯・桂枝茯苓丸な
どと硬膜外ブロックや神経根ブ
ロックの併用、慢性疼痛で筋緊
張を一過性に緩和した方がいい
場合には漢方薬とトリガーポイ
ントブロックの併用が効果的だ
と報告しました。

 痛みの改善に特化したクリニ

ックの紹介動画です。

 
 


 
 
 捜査一課の捜査が一過性に忙
しくなる。        笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 名古屋大学が11月4日、細胞
外小胞(EV:エクソソーム、マ
イクロベジクルなど)が発ガン
要因となる鉄を輸送しアスベス
ト発ガンの一端を担うことを明
らかにしたと発表したのは、素
晴らしい業績です。肝細胞ガン
で鉄の関与が示されたことがあ
ったと記憶していますが、悪性
中皮腫でも鉄が関与しているこ
とで、発ガンについて鉄が重要
な役割を果たしているのだと再
認識しました。鉄の輸送につい
て、細胞内外の輸送については、
細胞外小胞、即ち、エクソソー
ムが担っていることは、予想が
つきました。
 日本ペインクリニック学会第
55回学術集会(会長・山崎光章
富山大学医学部麻酔科学講座教
授)が7月22-24日、富山市内で
の現地開催とWeb 開催を併用す
るハイブリッド方式で開かれ、
シンポジウム7「漢方医療と他
の医療の融合」の中で、平田ペ
インクリニック(福岡県粕屋町)
の平田道彦院長が「相互補完す
る漢方治療と神経ブロック治療」
をテーマに講演し、神経根症や
仙腸関節痛、手術療法後の神経
症状では漢方治療も有用だとま
とめたのは、素晴らしい企画だ
と思います。個人的には、神経
ブロックより、鍼灸治療の方が
漢方治療に合っていると考えて
います。

 倉庫での保管場所を分散させ
ることで、倉庫間の補完を行っ
た。           笑

 
 
 
 
 
 
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