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2022-10-21 17:01:31

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診療マル秘裏話  号外Vol.2302 令和3年12月19日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)DS-1062のHR陽性、HER2陰性乳ガン対象治験開始
2)亜急性期の脳梗塞治療の新規超分子ペプチドゲル

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 DS-1062のHR陽性、HER2陰性乳ガン対象治験開始

 
 
 
 
 
 
 第一三共は、自社創製した抗
ガン剤「DS-1062」で,特定の乳
ガンを対象とする第3相臨床試
験(P3)を開始したと発表し
ました。手術不能または転移性
で化学療法の治療歴があり、遺
伝子型がHR陽性、HER2陰性の乳
ガンが対象となります。主要評
価項目は無増悪生存期間と全生
存期間で、化学療法と比較しま
す。最初の患者に投与しました。
日本を含むアジア、欧米、アフ
リカで約700人を登録予定で
す。HR(ホルモンリセプター:
エストロゲンリセプター)陽性、
HER2陰性の乳ガンは、乳ガン全
体の約7割を占めます。

 DS-1062は,ガン細胞の細胞膜
上に高発現する抗原TROP2 と特
異的に結合するヒト化モノクロ
ーナル抗体と薬物(ペイロード)
をリンカーを介して結合したAD
C です。ペイロードは強力な薬
効を示すトポイソメラーゼ1阻
害薬で、膜透過性を有するとの
特性により周辺のガン細胞をも
殺傷します。現在、手術不能で
進行・転移性の非小細胞肺ガン
とトリプルネガティブ乳ガンを
対象としたフェーズ1を日米で
実施しています。

 エンハーツについて解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 特性のある徳政令を出す。笑
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2】 亜急性期の脳梗塞治療の新規超分子ペプチドゲル

 
 
 
 
 
 
 東京医科歯科大学は11月15日、
体内投与した箇所で蛋白質を効
果的に徐放するゲル、ジグソー
型ペプチド「JigSAP」を開発し
たと発表しました。この研究は、
同大統合研究機構の味岡逸樹准
教授(神奈川県立産業技術総合
研究所(KISTEC)「超分子ペプ
チドを用いた脳梗塞の再生医療」
プロジェクトリーダー兼任)、
東京農工大学大学院工学研究院
の村岡貴博教授、矢口敦也大学
院生(博士)、KISTECの押川未
央元研究員、北里大学、台湾國
立陽明交通大學、名古屋市立大
学の研究グループによるもので
す。研究成果は、「Nature Com
munications」 にオンライン掲
載されています。

 脳梗塞は、手足の麻痺などの
後遺症が残ることが多く、患者
さんや家族のQOL を著しく低下
させるため、社会問題となって
います。また、国内の脳梗塞患
者にかかる年間総費用は2兆円
を超えると言われていますが、
20年後には患者数が2倍になる
と予想されており、脳梗塞患者
さんの健康寿命の延伸が重要課
題とされています。

 現在、脳梗塞の治療には血栓
溶解治療と血栓回収治療が有効
だとされていますが、それぞれ
発症から4.5時間以内と8時間以
内に治療が限定され、概ね発症
1週間後の亜急性期かつ重度の
患者さんに対して治療効果のあ
る、革新的な治療法開発が待ち
望まれています。

 今回の研究では、亜急性期の
脳梗塞治療を目的とし、脳梗塞
モデルマウスの運動機能回復能
を発揮し、臨床応用可能な新規
超分子ペプチドゲルの開発を目
指しました。

 蛋白質をゲル内に取り込ませ
ることとゲル外に放出させるこ
とはトレードオフの関係にあり、
両方を同時に達成することは技
術的に難しいという問題点があ
ります。両親媒性ペプチドは自
己集合によりゲル化することが
知られていますが、アミノ酸側
鎖の疎水基側は平面状になって
いるため、その疎水性相互作用
による凝集力が強く、両親媒性
タグを付けた蛋白質の取り込み
には優れているものの、効率的
に徐放させることが困難でした。

 そこで研究グループは、両親
媒性ペプチドの疎水基側をジグ
ソーパズルのような凹凸型に設
計することで、生体環境でゲル
化する両親媒性ペプチド「JigS
AP」を開発しました。生体と同
等環境での試験により、VEGFの
C末端側に「JigSAP」 配列を付
加した「VEGF-JigSAP」 を過剰
量の「JigSAP」と混合してゲル
化すると、1週間ほどかけて「
VEGF-JigSAP」 がゲルから徐々
に放出されることが明らかにな
りました。

 この「VEGF-JigSAP」と「Jig
SAP」の混合物を脳梗塞発症1週
間後のマウス脳内に投与すると、
脳損傷周辺部における血管新生
促進効果とニューロンの細胞死
抑制効果、脳梗塞により生じた
歩行機能傷害の改善効果が認め
られました。

 幹細胞を移植する脳梗塞の再
生治療が注目を浴びていますが、
安定した品質の細胞供給は容易
ではなく、大量生産ができる医
薬品等の開発が待ち望まれてい
ます。超分子ペプチドゲルは、
体内分解後も元のペプチドにな
るため安全性が高く、臨床応用
が期待されます。

 亜急性期の脳梗塞患者さんに
対して高い治療効果を発揮する
医薬品等は未開発であり、今回
の研究成果は、亜急性期脳梗塞
に対する細胞フリー再生医療を
実現する第一歩となった、と研
究グループは述べています。

 脳梗塞について解説している

動画です。

 
 


 
 
 
 研究成果を生家で盛夏に発表
する。          笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 第一三共が、自社創製した抗
ガン剤「DS-1062」で,特定の乳
ガンを対象とする第3相臨床試
験(P3)を開始したと発表し
たのは喜ばしいことです。HER2
陽性の乳ガンには、エンハーツ
が、ありますがHER2陰性の乳ガ
ンには、有効なADC がないため、
DS-1062が、臨床試験を行ってい
るのだと考えられます。乳ガン
全体の15〜20%がトリプルネガ
ティブ乳ガン(TNBC)というこ
とで将来的には,DS-1062はTNBC
に対して使われるようになるの
ではないかと予想しています。
今回、HR陽性、HER2陰性の乳ガ
ンが対象になっているのは、た
くさんの患者さんを臨床試験で
集めるためだと思われます。
 東京医科歯科大学が11月15日、
体内投与した箇所で蛋白質を効
果的に徐放するゲル、ジグソー
型ペプチド「JigSAP」を開発し
たと発表したのは、素晴らしい
業績です。現在、脳梗塞の治療
には血栓溶解治療と血栓回収治
療が有効だとされていますが、
其々発症から4.5時間以内と8時
間以内に治療が限定され、概ね
発症1週間後の亜急性期かつ重
度の患者さんに対して治療効果
のある、革新的な治療法開発が
待ち望まれているということで
す。この革新的な治療法として、
新規超分子ペプチドゲルは有用
であると予想され、臨床試験が
待ち望まれる限りです。

 革新的な治療法の核心の質問
を行った。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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