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診療マル秘裏話  Vol.886 令和2年12月2日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)乳ガンの新バイオマーカーを発見し、微小乳ガンを発光
2)運動開始後、咳・痰が出現する運動誘発性喘息

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 乳ガンの新バイオマーカーを発見し、微小乳ガンを発光

 
 
 
 
 
 東京大学は11月6日、乳ガン
の新たなバイオマーカーとして
「α-マンノシダーゼ2C1」(MA
N2C1)を発見し、肉眼では識別
の難しい微小な乳ガンを迅速か
つ高感度に光らせることに成功
したと発表しました。これは、
同大大学院薬学系研究科・医学
系研究科の浦野泰照教授、同医
学系研究科・生体物理医学専攻
生体情報学分野の神谷真子准教
授、藤田恭平博士課程学生らの
研究グループによるものです。
研究成果は、「ACS Central Sc
ience」に掲載されています。

 乳ガンは、女性で最も罹患率
の高いガンで、早期では手術に
よる摘出が行われます。しかし、
微小なガンの取り残しによる再
発や、術中の良性腫瘍との識別
などが患者さんの予後を左右す
る課題となっていました。外科
医が適切な切除範囲を術中に判
断するために、乳ガン組織だけ
を迅速かつ高感度に可視化でき
る手法や、乳ガンと良性腫瘍を
術中に迅速識別できる手法の開
発が強く望まれています。

 研究グループはまず、乳ガン
の糖質加水分解酵素に新たに着
目し、12種類の糖質加水分解酵
素の活性を高感度に光らせて検
出する蛍光試薬「蛍光プローブ」
を開発しました。これらの蛍光
プローブは分子骨格に糖基質が
組み込まれている状態では無色・
無蛍光性の分子ですが、標的の
糖質加水分解酵素と反応すると、
糖との結合が加水分解され蛍光
性の分子へと変換されます。

 開発した蛍光プローブ群を、
乳ガン患者から摘出した乳ガン
組織と正常乳腺組織に添加して、
蛍光変化を比較評価しました。
その結果、糖質加水分解酵素の
1つである「α-マンノシダー
ゼ」の活性を光らせる蛍光プロ
ーブにより、乳ガン組織を正常
組織と見分けて、高い感度・特
異度で光らせることが可能であ
ることを発見しました。

 さらに、α-マンノシダーゼ
の中でも「α-マンノシダーゼ2
C1」(MAN2C1)と呼ばれるタイ
プの酵素が乳ガン組織を光らせ
る鍵となっていることを突き止
め、この酵素の活性と発現量が
正常組織に比べて乳ガン組織で
上がっていることを新たに発見
しました。MAN2C1はこれまで乳
ガンにおいて全く着目されてこ
なかった酵素です。今回初めて
その標的バイオマーカーとして
の有効性が明らかとなりました。
加えて、α-マンノシダーゼ活
性を光らせる試薬は、ガンが疑
われる部位へ散布するだけで、
肉眼では確認できない1mm以下
の微小な乳ガン組織を10分程度
で迅速かつ精確に光らせること
が可能であることも分かりまし
た。

 さらに、乳腺の良性腫瘍であ
る乳腺線維腺腫(FA)ではMAN2
C1の活性が乳ガンよりも高い傾
向にあることを見出しました。
この結果から、良性腫瘍FAに強
く応答するMAN2C1を標的とした
緑色蛍光プローブと、乳ガン(
悪性腫瘍)と良性腫瘍において
同様に応答することが知られる
「γ-glutamtyltranspeptidase」
(GGT) と呼ばれる酵素を標的
とした赤色蛍光プローブの双方
を組み合わせることで、悪性腫
瘍と良性腫瘍を異なる蛍光色で
識別する技術を開発しました。
実際にこれらの2つの蛍光プロ
ーブをカクテルにして両腫瘍に
散布した所、悪性腫瘍組織は赤
色に、良性腫瘍組織は黄色に可
視化され、両者を酵素活性の差
に基づいて異なった色で識別す
ることに成功しました。

 今回開発したMAN2C1の活性を
光らせる蛍光プローブは、迅速
かつ高い精度で微小な乳ガンを
光らせることが可能であり、乳
ガン手術で切除した部位の断端
などに散布することで、ガンの
取り残しがないかをその場で迅
速に確認する試薬として応用で
きる可能性があります。「開発
した蛍光プローブ群は、乳ガン
以外のガン種においても同様な
評価を実施することで、新たな
ガン組織を光らせる蛍光プロー
ブと、その標的酵素の探索に応
用できることが期待される」と、
研究グループは述べています。

 一滴の涙から乳ガンが分かる

という検査について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 蛍光プローブを携行する。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 運動開始後、咳・痰が出現する運動誘発性喘息

 
 
 
 
 
 
 運動を始めるとすぐに、息切
れやせき、たんなどの症状が出
て、周囲から後れを取るアスリ
ートは少なくありません。日本
スポーツ内科学会の田中祐貴代
表理事は「運動時にだけ表れる
運動誘発性喘息かもしれません」
と話しています。

 運動誘発性喘息は、日常生活
では何ともないのに、運動開始
後5分ほどで喘息の症状が表れ
ます。運動を中止すれば、症状
は数時間以内に消失します。「
アスリート本人も、指導者も運
動誘発性喘息に気付いていない
ケースが多い」と田中代表理事
は指摘しています。

 陸上やサッカーといった比較
的激しい持久系の競技や、スキ
ーなどの冬季競技のアスリート
に多いとされています。田中代
表理事は「冷たく乾燥した空気
を繰り返し吸うことで、空気の
通り道である気道に炎症が生じ
て、喘息の発作が起こります」
と説明しています。

 喘息には、アレルギーが関係
しています。アトピー性皮膚炎
や花粉症などの治療を受けてい
る、または受けた経験があるア
スリートは、運動誘発性喘息を
起こすリスクが高いということ
です。

 運動誘発性喘息の診断には、
運動負荷肺機能検査が重要とな
ります。肺活量(息を最大限吸
い込んだ後に肺から吐き出せる
空気量)や1秒量(息を最大限
吸った状態から最初の1秒間で
吐き出せる空気量)を測定しま
す。安静時と規定の運動負荷を
加えた後の2度測定して値の差
を見ます。運動負荷後の1秒量
の値が安静時から10%以上低下
すると、運動誘発性喘息と診断
されます。

 治療の基本は、予防的な運動
開始5~15分前の吸入治療(短
時間作用型β刺激薬)です。程
度に応じて、吸入ステロイド薬
や内服薬を用いることもありま
す。加えて、運動前の十分なウ
オーミングアップも効果的です。
さらに、天候の確認も重要にな
ります。前日と比べて気温が大
きく下がる日、花粉の飛散が多
い日などは、喘息発作のリスク
が高まるため、負荷の大きい練
習を避ける配慮が必要です。そ
の他、症状を悪化させやすい風
邪などの対策として、日ごろの
手洗い、うがいを徹底した方が
良いでしょう。

 田中代表理事は「運動を始め
るたびに不調を来すようなら、
専門医を受診してください。治
療を受け、予防に努めれば、問
題なくスポーツを続けることが
できます。パフォーマンスも向
上するでしょう」と受診を呼び
掛けています。

 運動誘発性喘息について解説

している動画です。

 
 


 
 
 
 予防法が分かる人を呼ぼう。


 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東京大学が11月6日、乳ガン
の新たなバイオマーカーとして
「α-マンノシダーゼ2C1」(MA
N2C1)を発見し、肉眼では識別
の難しい微小な乳ガンを迅速か
つ高感度に光らせることに成功
したと発表したのは素晴らしい
業績です。今回初めてその標的
バイオマーカーとしての有効性
が明らかとなり、加えて、α-
マンノシダーゼ活性を光らせる
試薬は、ガンが疑われる部位へ
散布するだけで、肉眼では確認
できない1mm以下の微小な乳ガ
ン組織を10分程度で迅速かつ精
確に光らせることが可能という
のは、本当に凄いことだと思い
ます。開発した蛍光プローブ群
で、乳ガン以外のガン種におい
ても同様な評価を実施すること
で、新たなガン組織を光らせる
蛍光プローブと、その標的酵素
の探索に応用して頂きたいもの
です。
 運動を始めるとすぐに、息切
れやせき、たんなどの症状が出
て、周囲から後れを取るアスリ
ートは少なくないということで、
運動時にだけ表れる運動誘発性
喘息という病気を考えなければ
ならないということでしょう。
喘息は、アレルギー性疾患です。
アレルギーの病気は血管が拡張
することによって、増悪します。
運動を行っている時には、筋肉
に酸素と栄養を送るために血管
が拡張します。インフルエンザ
の予防接種の後も血管が拡張し
ないように、激しい運動や入浴
や飲酒を避けてもらうように、
指導しています。トレーニング
ジムでも、食直後の運動は避け
るようにトレーナーが言ってい
るはずです。それは、食物アレ
ルギーが、運動によって血管が
拡張し、ひどい場合、アナフィ
ラキシーショックを起こすこと
を恐れているのです。

 各庁に格調高い連絡を入れる
ことで、権限を拡張する。 笑

 
 
 
 
 
 
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