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2022-09-19 17:04:58

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診療マル秘裏話  号外Vol.2275 令和3年11月18日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)iPS-NKT細胞の頭頚部のガン治療への臨床試験
2)脳が食欲代謝を制御する時に重要な蛋白質発見

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 iPS-NKT細胞の頭頚部のガン治療への臨床試験

 
 
 
 
 
 
 
 
 人工多能性幹細胞(iPS細
胞)の実臨床への応用は、幅広
い分野で進みつつあります。ガ
ン治療への応用では、理化学研
究所生命医科学研究センター免
疫器官形成研究チームの古関明
彦チームリーダーらが千葉大学
と共同で進めているiPS-N
KT(ナチュラルキラーT)細
胞の臨床試験が挙げられるでし
ょう。NKT細胞はリンパ球の
一種で、糖蛋白質である「CD
1d」という糖脂質抗原を認識
すると、非常に高い抗腫瘍効果
を示します。一方で、NKT細
胞の数は、ヒト末梢血中T細胞
のうち0.01~0.1%と極
めて少なく、CAR-T細胞の
ように体内から取り出して培養、
増殖するのが極めて難しいとさ
れていました。体内のNKT細
胞をいかに活性化するかが、ガ
ン治療応用へのカギとなると考
えられていました。

 樹状細胞などによりNKT細
胞を増加させる研究は21世紀初
頭から行われてきましたが、20
05~2006年ごろから胚性幹細胞
(ES細胞)、iPS細胞を体
外でNKT細胞に分化させ、患
者さんの腫瘍血管内に直接投与
するための試みが始まりました。
マウスなどでの多数の実験や医
薬品医療機器総合機構(PMD
A)との折衝を経て、15年ほど
経過した2020年6月から千葉大
で頭頸部ガン患者さんへのiP
S-NKT細胞の初期治験がス
タート、現在2例目まで終了し
ています。今後は投与量を変え
つつ行う安全性評価とともに、
樹状細胞の併用によるNKT細
胞活性化、さらなる抗腫瘍効果
を狙う研究なども進め、2022年
の第2相臨床試験(P2)入り
を目指します。

 iPS細胞自体の技術も発展
してきています。京都大学iP
S細胞研究所(CiRA)では、
免疫拒絶を低減するためHLA
ノックアウトiPS細胞を作製
するプロジェクトなど遺伝子組
み換え技術をベースとしたiP
S細胞自体の機能強化研究を進
めています。

 引き続き問題としてつきまと
うのが培養効率です。より広範
な医療として提供するには、細
胞数の安定確保が不可欠となり
ます。古関チームリーダーは、
「iPS細胞を供給するプラッ
トフォームができないと本格的
な医療展開は難しい」と語り、
GMP(医薬品適正製造基準)
製造可能な施設の整備を訴えま
す。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 精微な機械を整備する。 笑

 
 
 
 
 
 
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2】 脳が食欲代謝を制御する時に重要な蛋白質発見

 
 
 
 
 
 
 
 脳が食欲や代謝を制御するの
に重要な役割をする蛋白質を発
見した、と沖縄科学技術大学院
大学の研究グループが発表しま
した。この蛋白質が脳で欠ける
と食欲が旺盛になり、肥満とな
ることがマウスの実験で明らか
になったということです。研究
グループは多くの病気をもたら
す肥満に対する治療法につなが
る可能性があると期待していま
す。

 世界中で6億5000万人以上の
成人が肥満とみられ、肥満は循
環器病や2型糖尿病など多くの
病気と関係しています。このた
め国を問わず、肥満対策が重要
な健康、医療問題になっていま
す。研究グループによると、肥
満は食物の摂取量とエネルギー
消費の不均衡により起こります
が、脳がどのように食欲や代謝
を制御しているかについてはほ
とんど解明されていませんでし
た。

 同大「細胞シグナルユニット」
の山本雅教授や栁谷朗子研究員
らは、メッセンジャーRNA(mRN
A)分解の最終段階を制御し,遺
伝子活性に重要な役割をしてい
る「XRN1」という蛋白質に着目
しました。mRNAの分解速度によ
って蛋白質の合成量が増減する
ためです。

 研究グループは脳(前脳)の
一部でXRN1を欠損したマウスを
作製して実験しました。その結
果、脳内にXRN1がないマウスは
生後6週間で急速に体重が増え
始め、生後12週までに肥満にな
りました。マウスの体内の脂肪
組織や肝臓などに脂肪が蓄積し
ていることを確認できました。
また、欠損マウスは、対照群の
正常マウスと比べて1日当たり
の摂食量が約2倍に増えていま
した。

 山本教授らはXRN1欠損マウス
の過食の原因を調べるために、
食欲を抑えるホルモンである「
レプチン」の血中濃度を測定し
ました。すると、欠損マウスは
正常マウスと比べて有意に高い
値となっていました。レプチン
量が正常であればマウスは食欲
を感じなくなるはずで、欠損マ
ウスはレプチンの濃度が高くな
ってもその効果が表れず、食欲
が抑制されないという「レプチ
ン抵抗性」があることが判明し
ました。

 このほか、XRN1欠損マウスは
加齢に伴って血糖値を下げるホ
ルモンであるインスリンの値が
レプチン値の上昇とともに著し
く高くなることも確認できまし
た。欠損マウスはレプチンに反
応しなかったために摂食行動を
続けて血糖値が上がり、その結
果インスリン値も上がったとみ
られるということです。

 研究グループはさらに、エネ
ルギー消費量の低下と肥満の関
係も調べました。マウスを酸素
消費量が測定できる特殊なケー
ジに入れて実験しました。その
結果、6週齢のマウスは正常マ
ウス、欠損マウスともエネルギ
ー消費量に差はありませんでし
た。しかし正常マウスは最も活
動的になる夜間に炭水化物を燃
焼し、活動量の少ない日中に脂
肪を燃焼するという切り替えが
できていましたが、欠損マウス
は昼夜問わず脂肪を効率的に消
費できず、炭水化物を主なエネ
ルギー源としていたことが分か
ったということです。

 栁谷研究員は「レプチン抵抗
性がどのように生じるのかを完
全に解明することで最終的には
肥満に対する(分子レベルの)
標的療法につながるかもしれな
い」としています。成果は米科
学誌「アイ・サイエンス」に掲
載され、沖縄科学技術大学院大
学が10月15日に発表しました。

 蛋白質について解説している

動画です。

 
 


 
 
 
 キャンプの班名が、判明した。


 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 理化学研究所生命医科学研究
センター免疫器官形成研究チー
ムの古関明彦チームリーダーら
が千葉大学と共同で進めている
iPS-NKT(ナチュラルキ
ラーT)細胞の頭頚部ガンに対
する臨床試験は、大変興味深い
ものだと思います。免疫拒絶を
低減するためHLAノックアウ
トiPS細胞を作製するプロジ
ェクトなど遺伝子組み換え技術
をベースとしたiPS細胞自体
の機能強化研究や、培養効率の
問題が解決できれば臨床で使え
るめどが立つものと私は考えて
います。
 脳が食欲や代謝を制御するの
に重要な役割をする蛋白質を発
見した、と沖縄科学技術大学院
大学の研究グループが発表した
のは素晴らしい業績です。この
蛋白質が脳で欠けると食欲が旺
盛になり、肥満となることがマ
ウスの実験で明らかになったと
いうことなので、多くの病気を
もたらす肥満に対する治療法に
つながる可能性をぜひ追究して
頂きたいものです。食欲や代謝
を脳が簡単にコントロールでき
るようになれば、本当に画期的
なことではないかと私は考えて
います。

 画期的な発見で研究室に活気
が戻る。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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