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2022-09-08 13:30:54

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診療マル秘裏話  号外Vol.2265 令和3年11月6日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)ガン細胞の細胞膜を硬くして浸潤/転移を抑制可
2)心不全の際、心臓線維芽細胞が炎症細胞を誘引

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ガン細胞の細胞膜を硬くして浸潤/転移を抑制可

 
 
 
 
 
 
 
 神戸大学と東京薬科大学(東
薬大)は10月13日、ガン細胞の
細胞膜が正常細胞と比較して柔
らかいこと、また細胞膜を硬く
操作することにより、マウスモ
デルにおいて、浸潤・転移を抑
制できることを発見したと共同
で発表しました。

 研究グループは今回、光ピン
セットを用いて、細胞表面の膜
を引っ張って解析しました。そ
の結果、ガン細胞の細胞膜が正
常細胞と比較して柔らかいこと
を突き止めました。細胞膜の硬
さは、細胞膜と膜直下にあるア
クチン細胞骨格蛋白質との接着
により制御されます。今回の研
究により、ガン細胞では、この
接着構造を維持するERM 蛋白質
が細胞膜から外れて、細胞膜が
柔らかくなっていることが分か
りました。

 そこで、ERM 蛋白質をガン細
胞の細胞膜に強制的に付着させ
て、この接着構造を正常細胞の
ように回復させた所、ガン細胞
の細胞膜が硬くなり、細胞形態
の異常な変化や運動性が抑えら
れました。この膜が硬い乳ガン
細胞は、マウスモデルにおける
肺への転移能を消失していたと
いうことです。これらの結果か
ら、細胞膜を硬く操作すること
で、ガンの転移を抑制できる可
能性が考えられました。

 細胞膜を硬くする化合物を見
つけることで、ガンの浸潤・転
移に効果的な薬として利用でき
る可能性があります。今回の研
究により、ガン細胞の物理特性
を標的とした新しいガン治療の
開発につながる可能性が考えら
れると、研究グループは述べて
います。

 同成果は、神戸大 バイオシ
グナル総合研究センターの辻田
和也講師、同・伊藤俊樹教授、
東薬大の佐藤礼子講師、同・深
見希代子名誉教授らの共同研究
チームによるものです。詳細は、
英オンライン科学誌「Nature C
ommunications」 に掲載されま
した。

 ガンの浸潤・転移について解

説している動画です。

 
 


 
 
 経堂で共同作業をした。 笑

 光ピンセットとは、レーザー
光を対物レンズで集光させ、レ
ーザー光を物体に照射したとき
に生じる光の放射圧によって、
1μm 以下から数十μm の大き
さの細胞や粒子を捕え、自由に
動かすことのできるものです。
1980年代にアシュキンによって
初めて実験が行われてから、医
学や生物学などの分野で応用さ
れています。

 
 
 
 
 
 
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2】 心不全の際、心臓線維芽細胞が炎症細胞を誘引

 
 
 
 
 
 
 
 
 国立循環器病研究センターは
10月13日、マウスを用いて心不
全の際に心臓の機能に障害を与
える炎症細胞を血液から心臓に
呼び寄せるのは心臓線維芽細胞
であることを発見したと発表し
ました。この研究は、同センタ
ーの大津理事長と英国のキング
スカレッジロンドン、インペリ
アルカレッジ、米国のインジア
ナ大学との国際共同研究として
行われたものです。研究成果は、
「Science Signaling」 に掲載
されています。

 心不全は、日本を含めた先進
国で発症率が高いとされていま
す。また高齢者に多いためこれ
からの超高齢社会では増加する
ことが予想されています。その
ため病気の原因を明らかにして
有効な治療法の開発が急務です。

 生活習慣病や動脈硬化、ガン、
神経変性疾患、自己免疫疾患な
ど慢性病の発症や進展には細菌
やウイルス感染は関与しない炎
症(無菌性炎症)が重要な役割
を果たしていることが知られて
います。心不全も例外ではなく
無菌性炎症が病気の発症に関わ
っています。高血圧などの圧負
荷が心臓に加わると血液中の白
血球が心臓内に侵入して無菌性
炎症が起こります。白血球、特
に単球が心臓内で分化したマク
ロファージは心臓に障害を及ぼ
します。単球はCCL2と呼ばれる
分子(ケモカイン)によって遊
走します。心臓には心筋細胞、
線維芽細胞、内皮細胞、平滑筋
細胞など多種類の細胞が存在し
ます。心臓の数多くの細胞の内、
どの細胞がCCL2を産生して心臓
内に単球を引き付けるか、これ
まで分かっていませんでした。

 線維芽細胞は、心臓内で心筋
細胞と同程度の数が存在する主
な構成細胞で、構造を保持する
役目をしています。研究グルー
プは、この線維芽細胞に着目し、
圧負荷後にマウス心臓から単離
した線維芽細胞を調べたところ、
CCL2を発現していました。そこ
で一つ一つの線維芽細胞にどん
なメッセンジャーRNA が発現し
ているかを調べた所、その発現
パターンから11種類に分類され
ました。そのうち一つの細胞群
は、CCL2などの炎症を起こす分
子を高発現していたので「炎症
性線維芽細胞」と名付けました。

 炎症性線維芽細胞に高発現し
ている分子は、NF-kB と呼ばれ
る転写因子で調整されている分
子でした。さらに、線維芽細胞
内のみでNF-kB が活性化しない
マウスを作製して圧負荷をかけ
てみた所、心臓に単球やマクロ
ファージの蓄積がなくなるとと
もに心不全への進行が抑制され
ました。つまり、線維芽細胞は、
細胞間を接着し臓器の構造を保
つ静的なものと思われていまし
たが、炎症を起こす機能を持っ
ていることが明らかになりまし
た。心臓に圧がかかると、心臓
線維芽細胞でNF-kB が活性化し
て、CCL2が産生され、そしてCC
L2が血中の単球を心臓に引き付
け、心臓内でマクロファージに
分化して、心筋細胞に障害を与
え、心不全になることが分かり
ました。

 研究グループは今後、炎症性
線維芽細胞の特徴をさらに検討
してその活性を抑制する化合物
を同定し、新規の心不全治療薬
の開発につなげたいと考えてい
るとしています。

 左室の線維化と心血行動態に

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 単球の機能を探求する。 笑

 
 
 
 
 
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編集後記

 
 神戸大学と東京薬科大学(東
薬大)は10月13日、ガン細胞の
細胞膜が正常細胞と比較して柔
らかいこと、また細胞膜を硬く
操作することにより、マウスモ
デルにおいて、浸潤・転移を抑
制できることを発見したと共同
で発表したのは素晴らしい業績
です。細胞膜を固くするだけで、
浸潤・転移を抑制できるならば、
原発巣の治療に専念できてガン
治療が容易になることが推測さ
れます。ガン治療が困難を極め
るのは、浸潤・転移があるから
とされているからです。早くこ
の細胞膜を固くする方法が一般
に知れ渡り、臨床で使えるよう
になることを期待しています。
 国立循環器病研究センターが
10月13日、マウスを用いて心不
全の際に心臓の機能に障害を与
える炎症細胞を血液から心臓に
呼び寄せるのは心臓線維芽細胞
であることを発見したと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
心臓に圧がかかると、心臓線維
芽細胞でNF-kB が活性化して、
CCL2が産生され、そしてCCL2が
血中の単球を心臓に引き付け、
心臓内でマクロファージに分化
して、心筋細胞に障害を与え、
心不全になることが分かったと
のことです。それゆえに炎症性
線維芽細胞の特徴をさらに検討
してその活性を抑制する化合物
を同定し、新規の心不全治療薬
の開発につなげて頂きたいもの
です。

 心機一転、新規の心不全治療
薬の開発に携わる。    笑

 
 
 
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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