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2022-09-07 17:19:23

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診療マル秘裏話  Vol.880 令和2年10月21日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)細胞鉄減少で障害ミトコンドリア排除,肝臓発ガン抑制
2)日常の僅かな刺激で顔面激痛を産む三叉神経痛

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 細胞鉄減少で障害ミトコンドリア排除,肝臓発ガン抑制

 
 
 
 
 
 川崎医科大学は9月26日、細
胞の鉄が減少すると障害ミトコ
ンドリアが選択的に排除され、
肝臓の発ガンが抑制されること
を発見したと発表しました。こ
れは、同大肝胆膵内科学の原裕
一講師と日野啓輔教授、名古屋
大学大学院医学系研究科生体反
応病理学の簗取いずみ助教、山
形大学医学部メディカルサイエ
ンス推進研究所の田中敦准教授、
米サウスカロライナ大学のLema
sters 教授らの研究グループに
よるものです。研究成果は、「
EMBO Reports」に掲載されてい
ます。

 代謝性疾患、神経変性疾患、
ガンなどの疾患や加齢において、
ミトコンドリアの機能障害が認
められています。機能が低下し
たミトコンドリアは、酸化スト
レスの発生源となり、細胞環境
の増悪因子と考えられています。
ヒトのミトコンドリア機能の完
全性(品質)を維持する機構と
して、細胞内分解系のひとつで
あるオートファジーによる「障
害ミトコンドリアの選択的排除
(マイトファジー)」が存在し、
マイトファジーの障害は上記疾
患の発症・進展機構として注目
されています。

 これまでに報告されてきたマ
イトファジーの誘導方法の多く
は、ミトコンドリア自体の機能
損傷を引き起こすため、臨床応
用には不向きでした。一方、医
薬品として使用されている鉄キ
レート剤によるマイトファジー
の誘導は報告されていましたが、
その分子機構は明らかではあり
ませんでした。そこで研究グル
ープは、鉄キレート剤による細
胞内の鉄欠乏がどのようにマイ
トファジーを誘導し、これによ
り発ガンが抑えられるか否かを
検討しました。

 研究グループは、鉄キレート
剤(ディフェリプロン)の投与
により、マウス肝臓組織および
肝ガン由来培養細胞においてマ
イトファジーが誘導される際、
ミトコンドリアフェリチン(FT
MT)の発現が増強することを発
見しました。このFTMTの発現誘
導には、鉄キレート剤による転
写因子HIF1αの増加と、それに
引き続いて転写因子SP1 の発現
誘導が必須であることも見いだ
しました。さらに、発現誘導さ
れたFTMTは、膜電位の低下・消
失した障害ミトコンドリアの外
膜に蓄積し、細胞質に存在する
オートファジーレセプターであ
るNCOA4 と相互作用することで、
障害ミトコンドリア選択的なマ
イトファジーが引き起こされる
ことが分かりました。加えて、
FTMTとNCOA4 の相互作用につい
ては、それぞれの蛋白質が特異
的に結合する部位についても同
定しました。

 また、マイトファジーが誘導
されることで活性酸素種(ROS)
の産生は抑制され、肝細胞ガン
の発生が有意に抑制されること
も判明しました。FTMTの発現を
人工的に抑制すると、鉄キレー
ト剤投与にもかかわらずROS 産
生抑制や肝発ガン抑制効果が見
られなくなりました。これまで
にも鉄キレート剤による肝ガン
進展抑制についての報告はあり
ましたが、今回の研究から、単
に鉄キレート剤による酸化スト
レスの軽減だけでなく、マイト
ファジーの誘導が障害ミトコン
ドリアの蓄積を抑制し肝発ガン、
進展抑制に有用であることを示
唆するものだと考えられるとい
うことです。

 鉄欠乏によるマイトファジー
の誘導ならびに肝発ガン抑制に
はFTMTの誘導が不可欠であるこ
とが明らかになりました。一方、
FTMTの細胞増殖抑制効果やFTMT
を強制的に発現させたマウスで
の腫瘍増大抑制が報告されてい
ます。以上より、FTMTの発現を
促進しうる化合物の検索はマイ
トファジーを誘導し、障害ミト
コンドリアの蓄積を排除しうる
薬剤の開発につながり、さらに
はガンに対する新たな治療戦略
になりうると考えられます。

 C 型肝炎ウイルス(HCV )の
排除は、直接作用型抗ウイルス
剤により容易となりましたが、
今なおHCV 排除後の肝発ガンは
臨床的に重要な問題です。「HC
V 排除後も肝組織において形態
学的に異常なミトコンドリアが
残存しているとの報告もあるた
め、障害ミトコンドリアの排除
を促進するマイトファジーの誘
導は新たな治療手段となりうる
のではないか」と、研究グルー
プは述べています。

 ミトコンドリアについて解説

している動画です。

 
 


 
 
 生涯を障害ミトコンドリアの
研究に捧ぐ。       笑

 
 
 
 
 
 
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2】 日常の僅かな刺激で顔面激痛を産む三叉神経痛

 
 
 
 
 
 
 三叉(さんさ)神経痛は、日
常のわずかな刺激がきっかけで、
顔面に激痛を生じます。痛みは
電撃痛と言われるほどで、睡眠
時でも起こり得ます。東京八重
洲クリニック(東京都中央区)
の小川節郎医師は「痛む場所に
よっては歯痛と勘違いするケー
スもあります。歯のトラブルが
ないのに痛むときは、三叉神経
痛かもしれません」と話してい
ます。

 三叉神経は顔面と口腔(こう
くう)内の感覚を脳に伝える神
経です。脳幹という脳の中心部
から始まり、脳の下部を通って、
3本に枝分かれします。第1枝
は額からまぶたにかけての眼神
経、第2枝は目の下から上唇、
上あごにかけての上顎(じょう
がく)神経、第3枝は下唇から
下あごの下顎(かがく)神経と
なります。

 三叉神経痛は顔の片側の第2
枝と第3枝に起こることが多く、
小川医師は「食事や会話、歯磨
き、風が当たるなどのささいな
刺激で顔面の神経部分に激痛が
生じ、数秒~1、2分続きます」
と説明します。痛みの出現には
周期性があり、頻繁に発生する
時期と落ち着いている時期があ
ります。50~60代の発症が目立
ち、男女比は1対2で女性に多
いとされています。

 原因は後頭部にある小脳橋角
(きょうかく)部と呼ばれる部
分で、三叉神経の根元が周囲の
血管に圧迫されることです。「
動脈硬化による血管の蛇行や屈
曲が影響していると考えられま
す。圧迫が続くと発作が起こり
やすくなります」と小川医師は
言っています。しかし、脳腫瘍
や副鼻腔(ふくびくう)炎など
他の病気が原因の場合もありま
す。その場合、ずきずきとした
持続性の痛みと、神経の上の皮
膚に知覚異常を伴うのが特徴で
す。

 診断では問診と併せて、磁気
共鳴画像装置(MRI)検査や
磁気共鳴血管造影(MRA)検
査で脳腫瘍の有無を確認し、三
叉神経を圧迫している血管を特
定します。しかし、原因となる
疾患や血管が特定できない場合
もあるということです。

 治療は薬物療法が中心で、カ
ルバマゼピンなどの抗てんかん
薬を服用します。「肝機能障害
などの副作用が出た場合は、麻
酔薬や神経破壊薬を使った神経
ブロック療法を行います」と小
川医師は言っています。脳腫瘍
などがある場合は、その治療も
併せて行います。

 薬が効きにくく症状が進行す
るケースでは手術を考慮します。
耳の後ろを切開し、三叉神経と
三叉神経を圧迫している血管を
離す。小川医師は「三叉神経痛
が自然に治るのは非常にまれで
す。早期に神経内科や脳神経外
科を受診してください」と呼び
掛けています。

 三叉神経痛について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 欠陥のある血管を切除する。


 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 川崎医科大学が9月26日、細
胞の鉄が減少すると障害ミトコ
ンドリアが選択的に排除され、
肝臓の発ガンが抑制されること
を発見したと発表したのは素晴
らしい業績です。FTMTの発現を
人工的に抑制すると、鉄キレー
ト剤投与にもかかわらずROS 産
生抑制や肝発ガン抑制効果が見
られなくなったということです
からFTMTの発現の増強がいかに
重要であるかが分かります。FT
MTの発現を促進しうる化合物の
検索はマイトファジーを誘導し、
障害ミトコンドリアの蓄積を排
除しうる薬剤の開発につながり、
さらにはガンに対する新たな治
療戦略になりうることを今後の
研究で、確かめて頂きたいもの
です。
 三叉(さんさ)神経痛は、日
常のわずかな刺激がきっかけで、
顔面に激痛を生じます。痛みは
電撃痛と言われるほどで、睡眠
時でも起こり得るので、本当に
厄介な神経痛と言えます。私は、
片頭痛も、三叉神経痛の一種で
はないかと考えています。三叉
神経領域の血管が拡張すること
で、その周りの神経が引き延ば
されて、痛みを生じると考えら
れているからです。実際に耳の
前の三叉神経が奏功している所
に、アイスノンなどを押し当て
ると片頭痛が和らいだという、
患者さんも過去いらっしゃいま
した。治療は薬物療法が中心で、
カルバマゼピンなどの抗てんか
ん薬を服用して脳の活動電位を
下げることが有用とされていま
す。

 装甲車による攻撃が奏功した。


 
 
 
 
 
 
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