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2022-08-31 15:39:15

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診療マル秘裏話  Vol.879 令和2年10月14日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)AD患者の武漢熱ウイルス認識率と抑うつ傾向の関連
2)富山大が子どもの運動不足に関する新知見発表

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 AD患者の武漢熱ウイルス認識率と抑うつ傾向の関連

 
 
 
 
 
 東京医科大学は9月16日、武
漢熱ウイルス感染拡大下での、
アルツハイマー病(AD)患者さ
んにおける、武漢熱ウイルスの
認識率と抑うつ傾向との関連を
調査した研究結果を発表しまし
た。これは、同大高齢総合医学
分野の清水聰一郎主任教授らの
研究グループによるものです。
研究成果は、「Journal of Alz
heimer’s Disease 」(オンラ
イン版)に掲載されています。
武漢熱ウイルス感染拡大により、
高齢者、特に認知症患者さんと
その介護者への影響が大きいと
考えられており、多くの研究者
がそのリスクについて警告して
います。しかし、多くの研究で
は、電話アンケートや介護者の
主観的評価による質的データの
みで、実際の患者さんの心理状
態を評価した報告はありません。
さらに、実際の臨床の現場にお
いては、武漢熱ウイルス感染拡
大を気にしてふさぎ込んでいる
患者さんがいる一方、全く気に
していない患者さんも少なから
ずいます。そして、認知症が重
度であるほど、武漢熱ウイルス
感染拡大を気にせず、あっけら
かんとしていることに気づいた
ということです。そこで、研究
グループは、実際の患者さんを
対象に調査を行いました。武漢
熱ウイルス感染拡大による緊急
事態宣言の解除された2020年5
月25日~6月30日までの間に、
東京医科大学病院高齢診療科を
受診したAD患者さん126 人を対
象に、日常臨床で行う「Mini M
ental State Examination」(M
MSE)と,高齢者うつスケール(
GDS-15)に加え、「武漢熱ウイ
ルスを知っていますか?」「な
ぜマスクを着ているのですか?」
の2つについて質問しました。
患者さんは、軽度ADグループ(
MMSEスコア≧21、n=51 )と、
中等度-重度のADグループ(MMS
Eスコア<21、n=75 )に分け、
比較しました。

 その結果、重度の認知機能障
害のあるAD患者さんは武漢熱ウ
イルスの認識率が低く、マスク
を着用している理由を完全には
理解していないことが分かりま
した。さらに、新型コロナウイ
ルス発生の深刻さを理解してい
ないため、うつ傾向についても、
軽度AD患者に比べ、大幅に軽度
であるという結果でした。これ
は研究グループの仮説と一致し
ていました。これらの結果は、
重度の認知症の人が時事問題を
知らないことを単に示している
ように見えるかもしれません。
しかし、今回の研究は、新型コ
ロナウイルス感染症や災害時の
緊急事態宣言下における認知症
患者さんのケア方法の工夫と、
限られたスタッフやサポートを
効率的に使用する方法について
のヒントになります。

 軽症の認知機能障害患者には
心理的ストレスの軽減とうつ傾
向などの精神的ストレスを優先
し、一方、重度の認知機能障害
のある患者さんでは、認知機能
低下の予防とADL の維持に努め
るべきです。また、重度の認知
症の患者さんにマスク着用の必
要性を説明する時も、武漢熱ウ
イルス感染症を理解していない
前提でマスク着用を説得する必
要があります。「今回の調査結
果は、単一機関による小さなサ
ンプルサイズのため、今後さら
に大きなサンプルサイズで、さ
らには介護者の心理状況も踏ま
えた検討をする必要がある」と、
研究グループは述べています。

 コロナ禍における認知症のア

プローチについて解説している

動画です。

 
 


 
 
 交通遺児の生活維持を考える。


 
 
 
 
 
 
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2】 富山大が子どもの運動不足に関する新知見発表

 
 
 
 
 
 
 富山大学は9月15日、富山県
教育委員会との連携事業として
実施された文部科学省スーパー
食育スクール事業の追加調査を
行った結果、子どもの運動不足
に関する新たな知見が得られた
と発表しました。これは、同大
学術研究部教育学系の澤 聡美
講師、同・関根道和教授らの研
究グループによるものです。研
究成果は、「Environmental He
alth and Preventive Medicine」
に掲載されています。今回の調
査では、高岡市内の5つの小学
校に通う1年生~6年生までの全
児童2,129 人を対象として、20
16年1月に家庭の社会経済環境、
親子の生活習慣などに関するア
ンケート調査を実施しました。
回収数は1,987 人(回収率:93
.3%)、1,721 人を分析対象と
しました。

 運動習慣は「運動の実施頻度」
について、「たいへんよくする」
「よくする」「あまりしない」
「しない」の4段階で評価し、
「あまりしない」「しない」と
評価した子どもを、「運動不足」
としました。なお、この質問に
よる運動習慣は、腕時計型活動
記録計による消費カロリーの推
計値と相関することを、研究グ
ループの過去の研究で確認され
たものです。今回の調査で、運
動不足と判断された子どもは27
.7%でした。調査の結果、運動
不足の子どもの特徴として、(
1)仲のよい友達がいない(オ
ッズ比5.40(p<0.001))、(2)
2時間以上のメディア利用(オ
ッズ比1.47(p<0.001))、(3)
母親の生活習慣が良くない(オ
ッズ比1.54(p<0.05))、(4)
親とのコミュニケーションが少
ない(オッズ比1.59(p<0.01))、
という4つの特徴が明らかにな
りました。

 なお、(3)の親の生活習慣
は、Breslowの7つの生活習慣で
評価しました。質問項目は、1.
適切な睡眠時間(7~8時間)を
とる、2. 喫煙をしない、3. 適
正体重を維持する、4.過度の飲
酒をしない、5.定期的な運動を
行う、6. 朝食を毎朝食べる,7.
間食をしない、の7つの項目か
らなり、当てはまる項目が多い
ほど生活習慣が良いと判断され
ます。当てはまる項目が0~3個
の場合を生活習慣が「わるい」、
4~5個の場合を「ふつう」、6
~7 個の場合を「よい」として、
子どもの運動習慣との関係を評
価しました。

 その結果、親の生活習慣が悪
いと、子どもは運動不足の傾向
があることが分かりました。さ
らに、親の年齢や性別等の他の
要因を考慮した統計分析の結果、
父親の生活習慣が「よい」家庭
を基準とした「わるい」家庭に
おける、子どもの運動不足に対
するオッズ比は、1.28でした。
母親の生活習慣が「よい」家庭
を基準とした「わるい」家庭に
おける、子どもの運動不足に対
するオッズ比は1.54(p<0.05)
でした。今回の研究成果により、
子どもの望ましい運動習慣づく
りには「社会環境の要素」「家
庭環境の要素」「子ども自身の
生活習慣の要素」という3つの
要素があることが分かりました。
要素の中には、社会環境のよう
な自分自身の力だけでは見直し
が難しいものと、親の生活習慣
や子どもの生活習慣のように、
見直しが可能なものがあります。

 これに対して研究グループは、
「子どもの望ましい生活習慣づ
くりには、子どもに対する健康
教育だけではなく、親に対する
健康教育も必要であり、地域社
会や学校の協力の下に、子ども
の健康習慣づくりを進める必要
がある」と、述べています。

武漢熱による子どもの運動不

足について解説している動画です。

 
 


 
 
 
 健康習慣を週刊誌が報じる。


 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東京医科大学が9月16日、武
漢熱ウイルス感染拡大下での、
アルツハイマー病(AD)患者さ
んにおける、武漢熱ウイルスの
認識率と抑うつ傾向との関連を
調査した研究結果を発表したの
は、素晴らしい業績です。重度
のアルツハイマー病患者さんの
武漢熱認識率が低いことは、武
漢熱ウイルスが、アルツハイマ
ー病患者さんを通じて、クラス
ターを作りやすいということだ
と思います。そのため、感染の
予防には、十分注意を払うべき
だと思います。今回の調査結果
は、単一機関による小さなサン
プルサイズのため、今後さらに
大きなサンプルサイズで、さら
には、介護者の心理状況も踏ま
えた検討を早急にして頂きたい
と切に願う次第です。
 富山大学が9月15日、富山県
教育委員会との連携事業として
実施された文部科学省スーパー
食育スクール事業の追加調査を
行った結果、子どもの運動不足
に関する新たな知見が得られた
と発表したのは素晴らしい業績
です。子どもの運動不足は喫近
の問題だと思いますが、運動に
向かない環境にある子どもを、
無理やり運動させるのは困難だ
と思います。たとえば、重大な
病気をもつ子どもさんに運動は、
させられないし、貧困や飢餓で
苦しんでいるので、それどころ
ではないという場合もあると考
えます。ただ、運動できる環境
にあるのに、親の考えで運動さ
せてもらえないというのは問題
だと思います。

 治験で新たな知見を得る。笑

 
 
 
 
 
 
 
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