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2022-08-07 22:35:36

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診療マル秘裏話  号外Vol.2238 令和3年10月5日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ガン早期診断を簡便に行う遺伝子検査技術確立
2)吸入するタイプの武漢熱ウイルス感染症治療薬を開発

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ガン早期診断を簡便に行う遺伝子検査技術確立

 
 
 
 
 
 
 東京大学の一木隆範教授は、
ガンの早期診断を診療所や在宅
で簡便に行える遺伝子検査技術
を確立しました。微量の血液を
検体に使い、ガン発症との関連
が指摘されているマイクロRN
Aを小型装置で解析します。新
型コロナウイルス診断にも技術
応用でき、持ち運びができる検
査装置を開発しました。昨年発
足したスタートアップのイクス
フロー(川崎市)を通じて事業
化します。企業と連携しながら
1~2年での製品化を目指しま
す。

 新技術によるガンの早期診断
は、血液中に存在するマイクロ
RNAを検出します。東京医科
大学の落谷孝広教授らは、血液
中のマイクロRNAを解析する
ことで、肺ガンや膵臓ガンなど
13種類のガンを早期診断できる
ことを突き止めました。この研
究成果を利用して東レや東芝な
どが診断技術の開発に取り組ん
でおり、一木教授も落谷教授と
共同研究を進めてきた経緯があ
ります。

 マイクロRNAは血液中で、
細胞外小胞体のエクソソームに
包まれて存在しています。一木
教授の新技術は、名刺サイズの
樹脂製の検査チップを使います。
チップの内部は微細加工技術で
ミリメートル幅の細い流路をい
くつも刻んでいます。この流路
の関所に計40~50個のバルブを
設けて検体や試薬溶液などの流
れをプログラミング技術を駆使
して自動制御します。

 指先から一滴ほどの血液を採
取して検査チップに滴下し、流
路内で試薬などと反応させてエ
クソソームを精製してマイクロ
RNAを取り出します。抽出し
たマイクロRNAは相補的な塩
基配列と結合し、検査チップを
卓上型の解析装置に装填して読
み取ります。検体を導入してか
ら1時間以内に一度に数十種類
のマイクロRNAを検出できま
す。

 検査チップや解析装置の試作
を終え、「要素技術を確立した」
(一木教授)段階にあります。
一木教授は、川崎市産業振興財
団ナノ医療イノベーションセン
ター(iCONM)の中核プロ
ジェクト「COINS」に参画
しました。検査チップはiCO
NMの切削装置を用いて試作し、
事業化に際しては射出成形によ
る量産を想定します。

 マイクロRNAの解析は従来、
大型装置が必要とされ、ガン診
断も専門性の高さが求められて
きました。新技術を使えば地域
の診療所や在宅診療で簡便に検
査できるようになります。検体
は微量の血液で済み、患者さん
の身体的な負担は小さいとされ
ています。マイクロRNAによ
るガンの早期診断が身近な予防
医療として社会実装につながる
可能性があります。

 ガン診断に加えて、新型コロ
ナ(武漢熱)ウイルスの診断に
も技術応用しました。日本医療
研究開発機構(AMED)の「
ウイルス等感染症対策技術開発
事業」の一環で、約3カ月と短
期間で開発にこぎ着けました。

 検体は唾液を用い、検査チッ
プの流路内で不純物を選別して
ウイルスの核酸物質を抽出し、
持ち運びできる小型装置で核酸
を増幅させて感染の有無を判別
します。実際の武漢熱ウイルス
の検体試料を用いて検証し、正
確に検出できることを確認しま
した。

 これらの新技術は昨年8月に
設立されたイクスフローが事業
化を担います。販路を持つ検査
薬メーカーなどと連携し、1~
2年内をめどに実用化したい考
えです。

 東大とニコンの共同研究成果
をもとに開発された複数の技術
シーズの社会実装を目的に、20
18年にスタートアップのイクス
トリームが発足しました。同社
はエクソソームの解析システム
などを手がけ、その子会社とし
て設立されたイクスフローは診
断デバイスの製品化に取り組ん
でいきます。

 ガンの血液マイクロRNA検査

について解説している動画です。

 
 


 
 
 社会実装の実相を発表する。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 吸入するタイプの武漢熱ウイルス感染症治療薬を開発

 
 
 
 
 
 
 
 日本新薬は、口から吸入する
タイプの新型コロナ(武漢熱)
ウイルス感染症治療薬を開発し
ます。吸入剤は薬剤が肺などに
直接作用するため、呼吸器系へ
の抗ウイルス効果と安全性が期
待できます。ウイルスの変異し
にくい部分をターゲットにし、
あらゆるコロナウイルスに有効
な核酸医薬の実用化を目指しま
す。開発候補品を絞り込む最終
段階に進んでおり、来年度にも
治験を始める計画です。開発に
成功すれば、軽症患者さんが自
宅で服用できる治療選択肢が広
がります。

 日本新薬は世界で最も長いR
NA(リボ核酸)を作れるとい
う独自技術を生かし、コロナ治
療向けの核酸医薬を開発してい
ます。コロナウイルスのRNA
に結合して分解し、ウイルスが
増殖しないようにする作用が期
待されます。

 このほど就任した中井亨新社
長によると、「軽症から中等症
の患者が自宅でも治療しやすい
投与形態で開発を進めたい」考
えで、吸入剤として開発する方
針です。吸入投与すると薬剤の
有効成分が肺や気管にとどまり
やすいため、呼吸器系に対して
直接的な抗ウイルス効果が期待
されます。肺などに直接作用す
るため、副作用リスクを低減で
きる可能性もあります。

 同社が目指すのは、コロナウ
イルス全般に有効な治療薬です。
過去に流行した重症急性呼吸器
症候群(SARS)や中東呼吸
器症候群(MERS)、昨年以
降に出てきた新型コロナウイル
ス変異株などに共通する遺伝子
配列を解析しました。共通領域
から変異が起こりにくい領域を
複数選んで標的にするため、今
後出てくる新たなコロナウイル
スや変異株にも有効とみていま
す。投与する時は長鎖の一本鎖
RNAだが、細胞内に入ると標
的別のsiRNAに切断されて
各標的を分解します。

 現在は開発候補品を絞り込む
最終段階で、医薬品医療機器総
合機構(PMDA)と協議しな
がら年内にも決定します。GL
Pレベルの前臨床試験などを行
ったうえで、来年度中のヒトに
対する第1相臨床試験(P1)
開始を目指します。

 コロナ治療向けの核酸医薬は
他社も開発しています。核酸医
薬ベンチャーのボナック(福岡
県久留米市)も吸入剤を開発中
で、来年の治験入りを目指して
います。米アルナイラム・ファ
ーマシューティカルズも吸入剤
を開発していましたが、優先度
が下がったとして開発中止しま
した。

 日本新薬は核酸医薬以外の武
漢熱治療薬開発も検討中です。
肺動脈性肺高血圧症(PAH)
などの治療薬として販売してい
る「ウプトラビ」には抗血栓症
作用があり、とくに血栓症リス
クが高い武漢熱重症患者に有効
な可能性があります。米国で今
年度中の治験開始を目指します。
同国では元々、米ジョンソン・
エンド・ジョンソン(J&J)
グループと開発・販売提携して
います。ほか自社創製品のJA
K阻害剤2剤も、免疫暴走によ
る重症肺炎などに対して開発を
検討します。

 吸入治療薬オルベスコについ

て解説している動画です。

 
 


 
 
 治験開始を会誌で発表する。


 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東京大学の一木隆範教授が、
ガンの早期診断を診療所や在宅
で簡便に行える遺伝子検査技術
を確立したのは素晴らしい業績
です。マイクロRNAの解析は
従来、大型装置が必要とされ、
ガン診断も専門性の高さが求め
られてきたとされています。し
かし、新技術を使えば地域の診
療所や在宅診療で簡便に検査で
きるようになるということなの
で、本当に凄いことです。指先
から一滴ほどの血液を採取して
検査チップに滴下し、流路内で
試薬などと反応させてエクソソ
ームを精製してマイクロRNA
を取り出します。抽出したマイ
クロRNAは相補的な塩基配列
と結合し、検査チップを卓上型
の解析装置に装填して読み取り
ます。検体を導入してから1時
間以内に一度に数十種類のマイ
クロRNAを検出できるという
のは驚天動地としか言いようが
ありません。一刻も早い実用化
が望まれます。ただ、診断がつ
いた時に、患者さんが、結果を
軽視したり、無視することがな
いことを祈念します。
 日本新薬が、口から吸入する
タイプの新型コロナ(武漢熱)
ウイルス感染症治療薬を開発す
るのは、画期的な企画だと思い
ます。吸入剤は薬剤が肺などに
直接作用するため、呼吸器系へ
の抗ウイルス効果と安全性が期
待できます。ウイルスの変異し
にくい部分をターゲットにし、
あらゆるコロナウイルスに有効
な核酸医薬の実用化を目指すと
いうのも、エレガントな手法で
あると思いました。開発候補品
を絞り込む最終段階に進んでお
り、来年度にも治験を始める計
画ということで急ピッチで開発
が進んでいるのが分かります。
日本新薬は核酸医薬以外の武
漢熱治療薬開発も検討中であり、
具体的には、肺動脈性肺高血圧
症(PAH)などの治療薬とし
て販売している「ウプトラビ」
には抗血栓症作用があり、とく
に血栓症リスクが高い武漢熱重
症患者さんに有効な可能性があ
ります。米国で今年度中の治験
開始を目指すのは、スピーディ
ーと言えましょう。自社創製品
のJAK阻害剤2剤も、免疫暴
走による重症肺炎などに対して
開発を検討しているので、幅広
い薬剤開発がなされるようです。

 血栓症と吸入薬で決戦を行う。


 
 
 
 
 
 
 
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