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2022-08-05 19:36:28

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診療マル秘裏話  号外Vol.2236 令和3年10月3日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)遷移金属触媒と細胞毒性物質を静脈投与で延命
2)大日本住友製薬2型糖尿病治療薬イメグリミンを発売

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 遷移金属触媒と細胞毒性物質を静脈投与で延命

 
 
 
 
 
 
 理化学研究所は9月2日、特定
の化学反応の反応速度を速める
物質「遷移金属触媒」と細胞毒
性をもつ物質を静脈投与するこ
とで、マウス体内で化学反応を
起こす事を強制することで腫瘍
の成長を抑制し、延命させるこ
とに成功したことを発表しまし
た。同研究所の開拓研究本部田
中生体機能合成化学研究室の田
中克典主任研究員らの研究グル
ープによるものです。

 ガンの化学療法は、細胞に対
して毒性を示す「抗ガン剤」を
投与し、ガン組織にダメージを
繰り返し与えることで、ガンの
縮小を目指す治療法です。しか
し、抗ガン剤はガン細胞だけで
なく正常細胞にも影響を及ぼす
ことから、さまざまな副作用が
現れるという問題があります。

 正常細胞への影響を減らし、
副作用を最小限に抑える手法と
して、抗ガン剤を選択的にガン
組織に送り届ける方法や、毒性
を持たない化合物をガン組織で
毒性を示す化合物に変換する薬
剤(プロドラック)を使用する
方法などがあります。

 これまでに研究グループは、
体内遷移金属触媒反応を利用し、
プロドラッグを活性化させる方
法を開発してきました。通常、
遷移金属触媒を生体に投与する
と、触媒の作用を減退・消失さ
せる「触媒毒」によって、その
機能が失われます。しかし、遷
移金属触媒を安定化させ、生体
内で効率的に触媒反応を進行さ
せる方法を2019年に見出しまし
た。この技術に基づき、2021年
にはガン細胞に抗ガン活性物質
を貼り付けることで副作用がな
く、ガン細胞の増殖やガンの転
移を抑制することに成功しまし
た。しかし、この治療には「効
果が発揮されるまで複数回の薬
物投与が必要」という課題があ
りました。

 今回研究グループは、遷移金
属触媒を使いガン細胞表面に貼
り付け、その反応で抗ガン活性
を示す化合物を探索しました。
その結果、そのままでは無毒で、
細胞表面に貼り付けると毒性を
示す「細胞毒性ペプチド」を発
見しました。細胞毒性ペプチド
は、ガン組織に選択的に送り届
けられるように設計されている
ため、ガン細胞だけに貼り付き、
抗ガン作用が効率的に発揮され
ます。

 さらに、体内金属触媒反応に
よる細胞毒性ペプチドの治療効
果を、担ガンマウスに投与した
所、1回の投与で腫瘍の成長が
抑えられ、生理食塩水、触媒の
み、ペプチドのみを投与したマ
ウスに比べ、生存期間が2倍近
く延長することが明らかになり
ました。また、副作用も見られ
なかったということです。研究
グループは今後の期待として、
次のように述べています。

 「本研究では、独自に見いだ
した細胞毒性ペプチドを体内金
属触媒反応によりマウスにおい
て、ガン細胞に貼り付けること
で、副作用なくガンを治療する
ことに成功しました。これまで
の生体内合成化学治療では、投
与回数を減らすことができませ
んでしたが、ルテニウム触媒に
より、静脈からたった1回の投
与で腫瘍の成長を抑えるという、
これまでにない効果的な生体内
合成化学治療が実現しました。
本成果により、これまでの研究
室レベルの小さなスケールの研
究からより現実的なガン治療へ
と発展することが可能になりま
した。今後、生体内合成化学治
療の概念がガン治療における有
用な治療基盤の一つとして発展
するものと期待できます。」

 デザインペプチドについて解

説している動画です。

 
 


 
 
 主要な腫瘍を治療する。 笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 大日本住友製薬2型糖尿病治療薬イメグリミンを発売

 
 
 
 
 
 
 
 大日本住友製薬は本日(9月
10日)、2型糖尿病治療薬イメ
グリミンについて、9月16日付
けで国内で発売すると発表しま
した。同薬の発売は世界発とな
ります。

 同薬は、既存の経口血糖降下
剤とは異なるテトラヒドロトリ
アジン構造を有する新しいクラ
スの経口血糖降下薬です。ミト
コンドリアへの作用を介して、
グルコース濃度依存的なインス
リン分泌を促す膵作用と、肝臓・
骨格筋での糖代謝を改善する膵
外作用(糖新生抑制・糖取込み
能改善)の2つのメカニズムに
より血糖降下作用を示すとされ
ています。これまでに実施した
国内臨床試験において有効性、
安全性および忍容性に関するデ
ータが得られており、2型糖尿
病における単剤およびインスリ
ンを含む他の血糖降下薬との併
用による全ての血糖降下療法で
幅広く使用されることが期待さ
れています。

 ツイミーグ(イメグリミン)

について解説している動画です。

 
 


 
 
 端坐位で単剤の内服薬を内服
する。          笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 理化学研究所が9月2日、特定
の化学反応の反応速度を速める
物質「遷移金属触媒」と細胞毒
性をもつ物質を静脈投与するこ
とで、マウス体内で化学反応を
起こす事を強制することで腫瘍
の成長を抑制し、延命させるこ
とに成功したことを発表したの
は素晴らしい業績です。そのま
までは無毒で、細胞表面に貼り
付けると毒性を示す「細胞毒性
ペプチド」を発見し、この細胞
毒性ペプチドは、ガン組織に選
択的に送り届けられるように設
計されているため、ガン細胞だ
けに貼り付き、抗ガン作用が効
率的に発揮されるというのは、
凄い作用だと思いました。担ガ
ンマウスに投与した所、1回の
投与で腫瘍の成長が抑えられ、
生理食塩水、触媒のみ、ペプチ
ドのみを投与したマウスに比べ、
生存期間が2倍近く延長すると
いうのは、本当に凄い効果と言
えるでしょう。
 大日本住友製薬は本日(9月
10日)、2型糖尿病治療薬イメ
グリミンについて、9月16日付
けで国内で発売すると発表した
のは、喜ばしいことです。イメ
グリミンは、メトホルミンに似
た化学構造を持つ物質であると
聞いています。安全性は確保さ
れて、いるとは言え、どの程度
の副作用があるのか、ちょっと
心配です。メトホルミンのよう
な乳酸アシドーシスのような副
作用があれば、怖くて使えない
ということになり兼ねません。
単体では、ヘモグロビンA1c を
下げる力は、弱いので、他の降
血糖薬との組み合わせが必要と
なるようです。インシュリンや
DPP-4 阻害薬で降血糖降下が強
くなる様なので、組合せの降血
糖薬が使いにくいものが多く、
当クリニック推奨のGLP-1 受容
体作動薬やSGLT-2阻害薬との相
性が悪いのが残念な所です。

 愛称で呼び合うことで相性が
良くなった。       笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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