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2022-07-22 21:47:37

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診療マル秘裏話  号外Vol.2224 令和3年9月19日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)老化細胞で非翻訳RNA,炎症性遺伝子群発現亢進
2)武漢熱ウイルスの変異と早期捕捉及び流行への影響

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 老化細胞で非翻訳RNA,炎症性遺伝子群発現亢進

 
 
 
 
 
 
 ガン研究会は8月24日、老化
細胞において、ゲノムDNA 上の
繰り返し配列(ペリセントロメ
ア領域)から転写される非翻訳
RNA (サテライト2 RNA)が、
ゲノムの構造維持に重要なCTCF
の機能を阻害することで、炎症
性遺伝子群(SASP因子)の発現
を亢進するメカニズムを明らか
にしたと発表しました。この研
究は、ガン研究会ガン研究所細
胞老化プロジェクトの宮田憲一
客員研究員、高橋暁子プロジェ
クトリーダーを中心とする研究
グループによるものです。研究
成果は、「米国科学アカデミー
紀要(PNAS)」オンライン版に
掲載されています。

 細胞老化は、生体に加わるス
トレス(加齢、肥満、放射線・
抗ガン剤療法など)によって誘
導され、細胞の増殖を停止する
重要なガン抑制機構の一つ。そ
の一方で、老化した細胞は体の
中で慢性炎症を誘導することで、
ガンを含むさまざまな加齢性疾
患(白内障、動脈硬化、肺線維
症など)の病態発症に深く関わ
っていることが知られています。
老化した細胞が慢性炎症を引き
起こす原因は、細胞老化に伴う
炎症性蛋白質の分泌現象(SASP:
Senescence-associated secret
ory phenotype) によるもので
す。そのため、SASPの制御機構
を明らかにすることは、ガンの
発症や悪性化を予防する観点か
らも重要な課題とされています。
近年、老化細胞では染色体構造
の異常が起きていることが観察
されていましたが、この意義は
ほとんど明らかになっていませ
んでした。研究グループは今回、
老化細胞で起こる染色体構造の
異常がSASPと関連があるのでは
ないかとの仮説を立て、研究を
進めました。

 まず、ヒトの正常な細胞に老
化を誘導した時に染色体の構造
が変化するゲノムDNA領域が1万
6,325 か所あることを同定し、
この領域から転写される652のR
NAを解析したところ、非翻訳RN
A の一種であるサテライト2 R
NAが老化細胞で顕著に高発現し
ていることを見出しました。こ
のサテライト2 RNAを若い細胞
に発現させると、炎症に関わる
SASP遺伝子領域の染色体構造の
変化と遺伝子発現が誘導されま
した。一方、老化細胞でサテラ
イト2 RNAを阻害するとSASP遺
伝子群の発現が抑制されたこと
から、サテライト2 RNAが炎症
を誘導する機能をもつことが示
されました。

 次に、サテライト2 RNAが染
色体構造を変化させるメカニズ
ムを明らかにするために、サテ
ライト2 RNAが細胞内で相互作
用する蛋白質を探索し、ゲノム
の構造維持に重要なCTCFを同定
しました。そして、サテライト
2 RNAがCTCFに結合してその機
能を阻害することで、炎症に関
わる遺伝子領域の染色体構造を
変化させることが示唆されまし
た。

 さらに老化した細胞では、エ
クソソームなどの細胞外小胞(
EVs:  Extracellular Vesicle
s) の分泌も亢進していること
から、老化細胞が分泌したEVs
を解析した結果、その中にサテ
ライト2 RNAが多く含まれるこ
とを発見しました。また、老化
細胞が分泌したEVs もしくはサ
テライト2 RNAデザイナーエク
ソソームを取り込んだ細胞では、
炎症性遺伝子群の発現上昇と染
色体の異常が誘導されることを
見出しました。これらの結果か
ら、サテライト2 RNAがEVs に
含まれて細胞外へと分泌され、
周囲の細胞のガン化を促す可能
性が示されました。

 最後に、サテライト2 RNAと
ガンとの関連性を明らかにする
目的で、ガン研究会有明病院の
大腸ガン患者さんの手術検体を
用いて、RNA-in situ hybridiz
ation を行った結果、正常上皮
細胞と比較して大腸ガン細胞で
はサテライト2 RNAの発現が亢
進していることを見出しました。
さらに、正常な線維芽細胞と比
較して、ガン関連線維芽細胞(
CAFs)においてもサテライト2
RNAを高発現していたというこ
とです。

 これらの結果は、ガン微小環
境において、サテライト2 RNA
を高発現している間質細胞は炎
症性蛋白質やサテライト2 RNA
を含むエクソソームを分泌する
ことで、大腸ガンの発症や悪性
化に関与している可能性を示唆
しています。

 今回の研究成果により、体内
で老化した細胞ではサテライト
2 RNAがCTCFの機能を阻害する
ことで、炎症に関わる遺伝子の
発現を誘導することが明らかに
されました。「ガン微小環境に
おいてサテライト2 RNAを高発
現している間質細胞では炎症性
蛋白質やEVs の分泌が亢進して
おり、これが発ガンを促すとい
う新たな可能性が示されたこと
から、今後このメカニズムを標
的とした新しいガンの予防法・
治療法の開発が期待される」と、
研究グループは述べています。

 細胞老化と発ガンの関係につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 更新の意欲が亢進した。 笑

 
 
 
 
 
 
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2】 武漢熱ウイルスの変異と早期捕捉及び流行への影響

 
 
 
 
 
 
 
 東京大学医科学研究所は8月
20日、新型コロナ(武漢熱)ウ
イルスの「懸念すべき変異株」
である「インド株 (B.1.617系
統)」に存在するスパイク蛋白
質の「L452R 変異」および「E4
84Q 変異」はそれぞれ中和抗体
感受性を減弱させますが、両変
異の組み合わせによる相乗的な
効果はなく、相加的な抵抗性は
示さないことを明らかにしたと
発表しました。この研究は、同
研究所附属感染症国際研究セン
ターシステムウイルス学分野の
佐藤准教授が主宰する研究コン
ソーシアム「The Genotype to
Phenotype Japan(G2P-Japan)」
と英国の研究グループとの共同
研究によるものです。研究成果
は「The Journal of Infectiou
s Diseases」オンライン版に掲
載されています。

 武漢熱は、2021年7月現在、
全世界において2億人以上が感
染し、350 万人以上を死に至ら
しめている、現在進行形の災厄
です。現在、世界中でワクチン
接種が進んでいますが、2019年
末に突如出現したこのウイルス
については不明な点が多く、感
染病態の原理やウイルスの複製
原理、免疫逃避と流行動態の関
連についてはほとんど明らかに
なっていません。

 武漢熱による感染や武漢熱ウ
イルスに対するワクチン接種後、
体内では「液性免疫(中和抗体)」
が誘導されます。アルファ型(
イギリス株)やガンマ型(ブラ
ジル株)などの新型コロナウイ
ルスの「懸念すべき変異株」に
ついては、液性免疫(中和抗体)
から逃避する可能性が懸念され、
世界中で研究が進められていま
す。2020年末にインドで出現し
た「懸念すべき変異株」を含む
B.1.617系統は、その出現後、B
.1.617.1、B.1.617.2、B.1.617
.3という3つの亜系統に分岐し、
その1つであるB.1.617.2亜系統
が、「懸念すべき変異株」の1
つ「デルタ株」として世界で猛
威を振るっています。

 研究では、B.1.617系統の1つ
であり、「注目すべき変異株」
として認識されるB.1.617.1 系
統(カッパー株)に着目し、そ
の蛋白質に存在する「L452R 変
異」および「E484Q 変異」につ
いて、武漢熱感染症に対するワ
クチン接種者の血清を用いて、
中和抗体感受性に与える影響を
調べました。L452R 変異は、現
在世界中で流行拡大しているイ
ンド株に特徴的な変異で、日本
国内においてもインド株による
感染拡大が懸念されています。

 その結果、「L452R 変異」お
よび「E484Q 変異」はそれぞれ
中和抗体感受性を減弱させるも
のの、両変異の組み合わせによ
る相乗的な効果はなく、相加的
な抵抗性は示さないことを明ら
かにしました。

 現在、「G2P-Japan」 ではイ
ンド株におけるワクチン有効性、
中和抗体感受性、病原性につい
ての研究に取り組んでいます。
「G2P-Japan コンソーシアムで
は、今後も、武漢熱ウイルスの
変異(genotype)の早期捕捉と、
その変異がヒトの免疫やウイル
スの病原性・複製に与える影響
(phenotype) を明らかにする
ための研究を推進する」と、研
究グループは述べています。

 BA.5について解説している動

画です。

 
 


 
 
 補足説明で論理的に捕捉する。


 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 ガン研究会が8月24日、老化
細胞において、ゲノムDNA 上の
繰り返し配列(ペリセントロメ
ア領域)から転写される非翻訳
RNA (サテライト2 RNA)が、
ゲノムの構造維持に重要なCTCF
の機能を阻害することで、炎症
性遺伝子群(SASP因子)の発現
を亢進するメカニズムを明らか
にしたと発表したのは、素晴ら
しい業績です。今回の研究成果
により、体内で老化した細胞で
はサテライト2 RNAがCTCFの機
能を阻害することで、炎症に関
わる遺伝子の発現を誘導するこ
とが明らかになり、ガン微小環
境においてサテライト2 RNAを
高発現している間質細胞では炎
症性蛋白質やEVs の分泌が亢進
しており、これが発ガンを促す
という新たな可能性が示された
ことは慧眼だと思います。今後
このメカニズムを標的とした新
しいガンの予防法・治療法の開
発に期待したいと思います。
 東京大学医科学研究所が8月
20日、新型コロナ(武漢熱)ウ
イルスの「懸念すべき変異株」
である「インド株 (B.1.617系
統)」に存在するスパイク蛋白
質の「L452R 変異」および「E4
84Q 変異」はそれぞれ中和抗体
感受性を減弱させますが、両変
異の組み合わせによる相乗的な
効果はなく、相加的な抵抗性は
示さないことを明らかにしたと
発表したのは、タイムリーな業
績だと思います。変異の組合せ
は、それほど意識する必要がな
いということでしょう。 現在、
「G2P-Japan」 ではインド株に
おけるワクチン有効性、中和抗
体感受性、病原性についての研
究に取り組んでおり、今後も、
武漢熱ウイルスの変異(genoty
pe)の早期捕捉と、その変異が
ヒトの免疫やウイルスの病原性・
複製に与える影響(phenotype)
を明らかにするための研究を推
進して、変異株に対する対策を
しっかり立てて対応策を献策し
て頂きたいものです。

 検索機能を利用することで、
献策を容易にした。    笑

 
 
 
 
 
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