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2022-07-08 20:38:43

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診療マル秘裏話  号外Vol.2212 令和3年9月5日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)高リスクの有毛細胞白血病の有効な治療選択肢
2)AIで武漢熱に関連する遺伝子群特定したと発表

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 高リスクの有毛細胞白血病の有効な治療選択肢

 
 
 
 
 
 
 経口分子標的薬イブルチニブ
(販売名:イムブルビカ)は、
高リスクの有毛細胞白血病に対
して有効な治療選択肢であるこ
とが、オハイオ州立大学総合ガ
ンセンター (アーサー・G・ジ
ェームズガン病院およびリチャ
ード・J・ソロブ研究所:OSUCC
C-James) の研究者らが主導し
た新たな研究から示されました。

 有毛細胞白血病はB細胞性血
液腫瘍の中でもまれな病型であ
り,米国では年間600-800例が診
断されています。一般に、この
疾患に罹患した患者さんの大半
は予後良好ですが、同疾患の変
異型を有する一部の患者さんで
は、米国食品医薬品局(FDA)
が承認する既存治療法の効果が
十分でなかったり、治療の副作
用に耐えられなかったりするこ
とがあると研究者らは指摘して
います。

 「このような患者には、長期
的にガンを制御できる治療法へ
の極めて切実なニーズがありま
す」と、試験責任医師Kerry Ro
gers氏(OSUCCC-James血液内科
医)は言っています。「われわ
れの研究から、イブルチニブは、
再発または変異型の有毛細胞白
血病に対して安全かつ有効で、
忍容性も高い治療選択肢である
ことが示されました。この診断
を受けた患者にとって非常に重
要な発見です」

 今回の第2相臨床試験では、
OSUCCC-Jamesが主導する多施設
共同チームが高リスクの有毛細
胞白血病患者44例を登録し、イ
ブルチニブの有効性を検証しま
した。44例中15例をオハイオ州
コロンバスのOSUCCC-Jamesで治
療しました。

 全試験参加者は、典型的な有
毛細胞白血病で治療歴がある患
者さんまたは標準治療法(化学
療法薬クラドリビンおよびペン
トスタチン)の有効性が低いこ
とが予想される変異型有毛細胞
白血病患者でした。この結果は、
6月24日発行の「Blood」誌に掲
載されました。

 イブルチニブは、ブルトン型
チロシンキナーゼ(BTK) 阻害
薬に分類される経口治療薬です。
BTK 阻害薬は、体内の細胞過程
に関与する特異的化学反応を阻
害します。イブルチニブは、今
回の研究では試験用途でしたが、
マントル細胞リンパ腫、慢性リ
ンパ性白血病および小リンパ性
リンパ腫など、特定のガン治療
薬としてFDA の承認を受けてい
ます。

 「血液腫瘍の基本的な細胞生
態は類似しているので、他の種
類の血液腫瘍の治療に用いられ
ているFDA 承認薬が、従来の治
療法が奏効しなかった少数の有
毛細胞白血病患者の治療にも有
効であるかを見きわめたいと考
えました」とオハイオ州立大学
医学部の助教Rogers氏は語って
います。

 「有毛細胞白血病は一般的に
予後良好な疾患ですが、現在の
治療法ではガン制御が不十分な
患者が一部存在します」と同氏
は続けて語っています。「この
薬剤は、最もリスクが高い変異
型有毛細胞白血病患者にとって、
有効で忍容性の高い新たな治療
選択肢です。これは心躍る進歩
であり、患者の生存期間が数カ
月から数年に、数年から数十年
に改善する可能性があります」

 この試験は、米国立ガン研究
所ガン治療評価プログラムおよ
び米国立ガン研究所/米国立衛
生研究所からの助成金を受けて、
OSUCCC-James、NCI 臨床試験セ
ンターKarmanos、メイヨークリ
ニック、MDアンダーソンガンセ
ンターで実施されました。試験
は2013年に開始され、現在、患
者さんの登録は締め切られてい
ます。

 有毛細胞白血病は血液と骨髄
のガンの一種です。このまれな
種類の白血病では、緩やかに悪
化していく場合と、全く悪化し
ない場合があります。顕微鏡で
この白血病の細胞を観察すると
「毛がはえている」ように見え
ることから、この疾患は有毛細
胞白血病と呼ばれています。

 有毛細胞白血病について解説

している動画です。

 
 


 
 
 悪貨が良貨を駆逐して、経済
状況が悪化する。     笑

 
 
 
 
 
 
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2】 AIで武漢熱に関連する遺伝子群特定したと発表

 
 
 
 
 
 
 中央大学は8月11日、AIで新
型コロナウイルス感染症(武漢
熱)に関連する遺伝子群を特定
したと発表しました。この研究
は、琉球大学工学部の宮田龍太
助教、同大大学院理工学研究科
博士前期課程の藤澤孝太氏(研
究当時)、中央大学理工学部の
田口善弘教授、沖縄工業高専門
学校 生物資源工学科の池松 真
也教授らの共同研究グループに
よるものです。研究成果は、「
Scientific Reports」に掲載さ
れています。

 現在、武漢熱が世界中で猛威
を奮っています。現状を打開す
べく、さまざまな研究機関で数
多くの治験や臨床研究が行われ
ており、詳細なメカニズムの解
明が急務となっています。武漢
熱特効薬開発の手がかりを得る
方法の一つとして、遺伝子発現
解析があります。同解析は、患
者さんと非患者さんで遺伝子の
発現レベルが異なる箇所を調査
し、疾患発症に関わる遺伝子を
できるだけ少ない個数で特定す
ることを目的とします。遺伝子
発現解析の難しさは、候補とな
る遺伝子の数が数万個と膨大な
一方、サンプル(データ)数は
採取するコストが高いため、数
個しか手に入らないというlarg
e p small n 問題にあります。
今回使用したデータも、候補と
なる遺伝子数は5万9,618個であ
るのに対し、サンプル数は34人
分でした。

 筆頭著者である藤澤氏らは、
中央大学の田口教授が開発した
「主成分分析に基づいた教師な
し学習による変数選択法(PCA-
based unsupervised feature e
xtraction, PCAUFE)」 を用い
て、今回のゲノムデータが抱え
るlarge p small n 問題を解決
しました。このAI手法を適用す
ることで、全くウイルスに感染
していない通常の人と比べ、武
漢熱感染者の体内で発現量が異
常に増えている/減っている遺
伝子を検出できるということで
す。

 PCAUFEを被験者の血液から採
取した遺伝子発現量データに適
用した所、123 個が武漢熱の発
症に関連する遺伝子群として特
定されました。これらの遺伝子
が持つ機能をMetascape3という
バイオインフォマティクスのデ
ータベースを使って調べた所、
免疫に関連するものが多く含ま
れていることが判明しました。

 さらに、PCAUFEで特定した12
3 個の遺伝子の発現を制御する
転写因子をEnrichr4というバイ
オインフォマティクスのデータ
ベースを使って検索した所、NF
KB1 とRELAが上位にヒットしま
した。これらは「防御システム
の要」と言われているNF-κBに
深く関係する転写因子であり、
それらの活性がヒストン修飾H3
K36me3で抑制されていることが
明らかになりました。

 今回の研究成果により、武漢
熱でヒトの免疫系機能が低下す
るメカニズムの一端を解明され
ましたが、特定された123 個の
遺伝子群に単なる相関関係に留
まらず、武漢熱発症の「因果」
と呼べるものが含まれているの
か、さらなる検証を重ねる必要
があります。

 「武漢熱の効果的な治療法を
確立するには臨床試験のみなら
ず、バイオインフォマティクス
をはじめとした多様な病態解析
で知見を積み重ねていくことが
重要だと考えている。併せて、
今後は武漢熱重症化や変異株に
関連する遺伝子群を探索する予
定だ」と、研究グループは述べ
ています。

 第7波の可能性やワクチンの

有効性について解説している動

画です。

 
 


 
 
 コンゴレッド(染料)を今後
の試験で使用する。    笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 経口分子標的薬イブルチニブ
(販売名:イムブルビカ)が、
高リスクの有毛細胞白血病に対
して有効な治療選択肢であるこ
とを、オハイオ州立大学総合ガ
ンセンター (アーサー・G・ジ
ェームズガン病院およびリチャ
ード・J・ソロブ研究所:OSUCC
C-James) の研究者らが主導し
た新たな研究から示されたのは、
素晴らしい業績です。この薬剤
は、最もリスクが高い変異型有
毛細胞白血病患者さんにとって、
有効で忍容性の高い新たな治療
選択肢であり、患者さんの生存
期間が数カ月から数年に、数
年から数十年に改善する可能性
があるとのことなので、臨床で
直ちに使用できるよう、適応追
加をお願いしたいと思います。
 中央大学が8月11日、AIで新
型コロナウイルス感染症(武漢
熱)に関連する遺伝子群を特定
したと発表したのは、素晴らし
い業績です。主成分分析に基づ
いた教師なし学習による変数選
択法(PCA-based unsupervised
feature extraction, PCAUFE)」
を用いて、今回のゲノムデータ
が抱えるlarge p small n 問題
を解決し、このAI手法を適用す
ることで、全くウイルスに感染
していない通常の人と比べ、武
漢熱感染者の体内で発現量が異
常に増えている/減っている遺
伝子を検出できるという結果を
得たことは、画期的と言えるで
しょう。 特定された123 個の
遺伝子群に単なる相関関係に留
まらず、武漢熱発症の「因果」
と呼べるものが含まれているの
か、さらなる検証を重ねること
を追究して頂きたいと思います。

 遺伝子の発現量について発言
する。          笑

 
 
 
 
 
 
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