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2022-06-17 19:34:35

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診療マル秘裏話  号外Vol.2194 令和3年8月15日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)適量範囲内の飲酒でも、ガンリスクは存在する
2)小麦アレルギーWDEIAに、HLAの内、特定の型が関連

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 適量範囲内の飲酒でも、ガンリスクは存在する

 
 
 
 
 
 
 飲酒はさまざまなガンの発症
と関連します。フランス・Inte
rnational Agency for Researc
h on Cancer のHarriet Rumgay
氏らは、2020年の飲酒に起因す
る新規発症ガン症例数を推計し
ました。その結果、2020年に全
世界で新たに発症したガンの4.
1%が飲酒に起因するものであり、
そのうちの7分の1は適量範囲内
の飲酒にも関わらず、ガンを発
症していたと、Lancet Oncol(
2021年7月13日オンライン版)
に発表しました。

 Rumgay氏らは、非飲酒下での
理論的最小リスク値、2010年の
アルコール摂取量(アルコール
摂取からガン診断までの期間を
10年と想定)、世界ガン研究基
金(WCRF)によるシステマチッ
クレビューに基づく相対リスク
の推定値から、人口寄与割合(
PAF)を算出しました。PAFをGL
OBOCAN 2020 のガン発生率デー
タに適用し、飲酒に起因する新
規発症ガン症例数を推定しまし
た。2010年のアルコール摂取量
は、アルコールと健康に関する
グローバル情報システム(GISA
H)から推定しました。 また、
アルコールの摂取量別〔適量(
20g/日未満)、多量(20~60g/
日)、超多量(60g/日超)〕、
1日のアルコール摂取が10g増量
(最大150gまで)するごとの新
規発症ガン症例数も算出しまし
た。

 その結果、2020年に全世界で
新規に発症した飲酒に起因する
ガンは74万1,300例〔95%不確実
性区間(UI) 55万8,500~95万
1,200例〕と推計され,全てのガ
ンの4.1%(同3.1~5.3%)を占
めました。男性の割合は76.7%
〔56万8,700例(95%UI 42万2,
500~73万1,100例)〕、女性の
割合は23.3%17万2,600例(同13
万5,900~22万100例)〕でした。

ガン種別では、食道ガンが18
万9,700例(95%UI 11万900~2
7万4,600例)と最多で、以下、
肝臓ガン15万4,700例(同4万3,
700~28万1,500例),乳ガン9万
8,300例(同6万8,200~13万500
例)の順でした。

 PAF が最も低かったのは北ア
フリカ(0.3%、95%UI 0.1~3
.3)で,次いで西アジア(0.7%、
同0.5~1.2)でした。反対に、
最も高かったのは東アジア(5.
7%、同3.6~7.9)で,中東欧(
5.6%、同4.6~6.6) が続きま
した。

 アルコール摂取量別の飲酒に
起因する新規ガン発症は、超多
量群の34万6,400例(95%UI 22
万7,900~48万9,400例)が最多
で,以下、多量群の29万1,800例
(同22万7,700~33万3,100例)、
適量群の10万3,100例(同8万2,
600~20万7,200例)と続きまし
た。また、1 日のアルコール摂
取量が10g 増えると、飲酒に起
因する新規ガン発症は4万1,300
例(95%UI 3万5,400~14万5,8
00例)増えることが示されまし
た。

 Rumgay氏らは「アルコール摂
取が適量の範囲内であっても、
年間10万3,000 例超が飲酒に起
因するガンを発症すると推定さ
れた。これは、飲酒に起因する
ガン全体の7分の1に相当する」
とコメントしました。

 同氏らは、研究の限界として
1.新型コロナウイルス感染症(
武漢熱)パンデミックにより飲
酒行動が変化し、ガンのリスク
や診断率に影響を与えた可能性
がある。2.過去の飲酒歴や喫煙
歴を考慮していない。3.モンゴ
ルなど一部の国では,B型および
C型肝炎 ウイルス感染との相互
作用の可能性があり、飲酒に起
因する肝ガンを過大評価してい
る可能性がある。4.低・中所得
国では、ガン症例に関する医療
記録の質を保証できない可能性
がある―という点を挙げました。

 その上で、同氏らは「飲酒は
適量であってもガンのリスクに
なる。今回の研究により、飲酒
に起因するガンの発症を抑える
ための効果的な政策と介入の必
要性が浮き彫りになった」と結
論しています。

 お酒で増える5つのガンにつ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 清作が効果的な政策を考えた。


 
 
 
 
 
 
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2】 小麦アレルギーWDEIAに、HLAの内、特定の型が関連

 
 
 
 
 
 
 
 食物アレルギーのうち、小麦
製品を食べた後に運動すると呼
吸困難などを起こすアレルギー
があります。「小麦依存性運動
誘発アナフィラキシー(WDEIA)」
と呼ばれ、重篤なケースでは救
命措置が必要です。理化学研究
所(理研)と島根大学の研究グ
ループは、この怖い小麦アレル
ギーに「白血球の血液型」と言
われるHLA のうち、特定の型が
関連していることが分かったと
発表しました。発症リスクを予
測するバイオマーカーとして活
用できる可能性があるというこ
とです。

 WDEIA は、うどんなどの小麦
製品を食べた後に運動すると、
じんましん、下痢、腹痛や呼吸
困難などを起こす食物アレルギ
ーの一つで、重篤な場合はアナ
フィラキシーショックを来たし
ます。成人に見られる小麦アレ
ルギーの大部分を占め、子供が
給食でうどんなどの小麦製品を
食べた後に運動し、救急搬送の
例も多く報告されています。主
要な原因は小麦にわずかに含ま
れる「オメガ-5グリアジン」と
いう蛋白質であることが明らか
になっているが、発症要因はよ
く分かっていません。

 理研・生命医科学研究センタ
ーファーマコゲノミクス研究チ
ームの莚田泰誠チームリーダー、
福永航也研究員、島根大学医学
部の森田栄伸教授、千貫祐子准
教授らの研究グループは、WDEI
A の発症要因を究明するために、
まずWDEIA 患者さん77人と比較
対象の日本人924 人を対象に「
ゲノムワイド関連解析(GWAS)」
と呼ばれる遺伝子解析をしまし
た。

 その結果、WDEIA 患者さんで
は、ヒトゲノムDNA 上で一塩基
だけ異なる「SNP(一塩基多型)」
のうち「rs9277630」 という特
定のSNP が関連していることが
分かりました。

 研究グループは次に、別のWD
EIA 患者さん91人を調査対象に
追加し、さらに詳しく解析しま
した。その結果、「HLA- DPB1*
02:01:02」という特定のHLA の
保有率が、比較対象の日本人が
39%であるの対してWDEIA 患者
さんは73%もあり、統計的に有
意に高いことが判明しました。

 研究グループは、『「HLA- D
PB1*02:01:02」という特定のHL
Aを持っている人は,持っていな
い人よりもWDEIA を発症するリ
スクが高いことが示された』と
結論付けました。発症リスクを
予測するバイオマーカーとして、
将来的には遺伝子検査に活用さ
れることが期待できるとしてい
ます。

 HLA は、赤血球の型である血
液型に対して白血球の型を示し
ています。白血球以外にもHLA
は存在するため、正確には「ヒ
ト白血球抗原」と呼ばれていま
す。免疫に関係が深く、免疫が
関係する多くの疾患の発症や副
作用の発現リスク因子でもある
とされています。新型コロナウ
イルス感染症の感染、発症にも
関係するとの見方もありますが、
現時点で詳しいことは不明です。

 小麦依存性運動誘発アナフィ

ラキシーの漫画動画です。

 
 


 
 
 現時点で選挙の投票数は次点
でした。         笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 フランス・International Ag
ency for Research on Cancer
のHarriet Rumgay氏らは、2020
年の飲酒に起因する新規発症ガ
ン症例数を推計し、その結果、
2020年に全世界で新たに発症し
たガンの4.1%が飲酒に起因する
ものであり、そのうちの7分の1
は適量範囲内の飲酒にも関わら
ず、ガンを発症していたと、La
ncet Oncol(2021年7月13日オ
ンライン版)に発表したのは、
素晴らしい業績です。ガンのリ
スクを引き下げるためには、ア
ルコールは飲まないに越したこ
とはないということだと思いま
す。少なくともリスクを考えた
上で飲酒して頂きたいものです。
 理化学研究所(理研)と島根
大学の研究グループは、この怖
い小麦アレルギーに「白血球の
血液型」と言われるHLA のうち、
特定の型が関連していることが
分かったと発表したのは、素晴
らしい業績です。研究グループ
は、『「HLA- DPB1*02:01:02」
という特定のHLA を持っている
人は,持っていない人よりもWDE
IAを発症するリスクが高いこと
が示された』と結論付けたと言
うことですから、劇症型アレル
ギーを防ぐ、第一歩としてこの
HLA の型をスクリーニングして
おく必要があると思います。

 劇症型アレルギーの研究につ
いて激賞した。      笑

 
 
 
 
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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