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2022-06-13 18:02:44

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診療マル秘裏話  号外Vol.2191 令和3年8月12日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ワクチン接種後化学療法実施中患者に免疫原性低下
2)肝線維化進展に中等度飲酒より代謝異常の合併

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ワクチン接種後化学療法実施中患者に免疫原性低下

 
 
 
 
 
 
 イスラエルの1施設で、ガン
治療中の患者さんを対象に、新
型コロナウイルス(武漢熱)ワ
クチンBNT162b2(ファイザー社
/ビオンテック社製)の有効性
と安全性をコホート研究で評価
しました。初回接種後と2回目
接種後にガン治療を受けた患者
さん232 例(平均年齢66歳、男
性57%)および年齢をマッチさ
せた健康な医療従事者261 例(
対照)を組み入れて追跡しまし
た。初回接種後と2回目接種後
の血清陽転率、武漢熱罹患を評
価項目としました。

 初回接種後の血清陽転率は、
患者さん群29%(25例)、対照
群84%(220例)でした(P<0.
001)。 患者さん群の血清陽性
率は、2回目接種後には86%(1
87例)となりました。化学療法
実施中の患者さんに免疫原性の
低下が見られました(オッズ比
0.41、95%CI 0.17-0.98)。血
清陰性の患者さんで、39%に白
血球の絶対数減少が確認されま
した。対象期間全体の武漢熱罹
患症例は、ガン患者さん群の初
回接種直後の2例のみでした。
報告された有害事象は、参加者
のほとんどを健康被験者が占め
ていた過去の試験のデータとほ
ぼ同じでした。

 ガン患者さんの武漢熱ワクチ

ン接種について解説している動

画です。

 
 


 
 
 次章で有害事象について説明
する。          笑

 
 
 
 
 
 
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2】 肝線維化進展に中等度飲酒より代謝異常の合併

 
 
 
 
 
 
 
 肥満や糖尿病などの代謝異常
は肝線維化進展の危険因子であ
り、脂肪肝と代謝異常を合わせ
たMetabolic associated fatty
liver disease(MAFLD) とい
う概念が昨年(2020年)、22カ
国32人の専門医から成るIntern
ational Expert Panelにより提
唱されました(J Hepatol 2020;
73: 202-209)。 久留米大学消
化器内科准教授の川口巧氏は、
非アルコール性脂肪性肝疾患(
NAFLD)とMAFLDの肝線維化予測
能について比較検討した結果を
第57回日本肝臓学会(6月17〜
18日、ウェブ併催)で発表しま
した。「MAFLDはNAFLDに比べ、
肝線維化スクリーニングの指標
として適している」と報告しま
した。

 NAFLD では、ウイルス性肝疾
患や自己免疫肝疾患などの慢性
肝疾患例、および1日1合(20g)
以上の飲酒習慣がある例は除外
されます。一方、新たに提唱さ
れたMAFLD は代謝機能障害に関
連する脂肪肝を指し、飲酒やウ
イルス感染症、自己免疫性肝炎、
薬物性肝炎などが原因の脂肪肝
とは独立した疾患概念です。

 そこで川口氏らは、2017〜19
年に超音波検査を含む健診を受
診した脂肪肝患者さん765 例を
対象に、NAFLDとMAFLDの肝線維
化予測能を比較する後ろ向き観
察研究を行いました。アルコー
ル60g/日以上の過度の飲酒者、
B型/C型肝炎などのウイルス感
染者は除外し、FIB-4 index 1.
3 以上かつ超音波エラストグラ
フィでF2以上と診断されたもの
を肝線維化進展と定義しました。

 対象の内訳はNAFLD群541例(
70.7%)、MAFLD群609例(79.6
%)で、424 例(55.4%)は両
方に該当しました。NAFLD 群で
は脂肪肝を有するものの代謝異
常がない患者さんが117例(15.
3%)含まれ、MAFLD群には代謝
異常かつ1〜3合の飲酒習慣があ
る患者さんが185 例(24.2%)
含まれていました。MAFLD 群で
はBMI、HbA1c、肝硬度の値が高
く、高血圧、脂質異常症、飲酒
者の割合が多かったようです。
肝線維化進展を目的変数として
多変量解析を行った所、最も強
力な予測因子としてMAFLD が抽
出され、次いで飲酒、NAFLD の
順でした。

 さらに肝線維化進展に対する
決定解析では、全体の15%に肝
線維化進展が認められ、最も強
力な予測因子としてMAFLD が同
定されました。肝線維化進展は
MAFLD群609例中108例(17.7%)、
非MAFLD群156例中7例(4.5%)
に認められました。MAFLD 群で
は2番目に強力な因子として飲
酒が同定されました。飲酒なし
のMAFLD群284例中44例(15.5%)、
飲酒ありのMAFLD群325例中64例
(19.7%)に肝線維化進展が認
められました。

 肝線維化に対する予測能の比
較では、NAFLD は感度72.4%、
陰性適中率86.4%だったのに対
し、MAFLDはそれぞれ94.0%、9
5.6%と高いという結果でした。
川口氏は,「本コホートでは115
例の肝線維化進展例が存在し、
NAFLD では84例、MAFLDでは108
例が検出された。MAFLD の方が
肝線維化を有する患者を20%以
上多く発見することができた」
と強調しました。

 同研究には、MAFLD には中等
度までの飲酒例が含まれます。
川口氏らが肝線維化進展に対す
る診断能への飲酒の影響を検討
した所、飲酒量59g/日以下の患
者さんでは感度94.0%でした。
NAFLD と等しくするため20g/日
未満で解析しても94.1%と変わ
りませんでした。また、飲酒習
慣が全くない患者さんでは91.7
%でした。

 同氏は、「肝線維化進展には
中等度までの飲酒よりも、代謝
異常の合併が関わっていること
が示唆された」との見方を示し
ました。さらに、「スクリーニ
ング指標としては、感度や陰性
適中率が高いものが適している。
MAFLD は感度および陰性適中率
が高かったことから、NAFLD よ
り肝線維化の予測能に優れると
考える」と結論しました。

 非アルコール性脂肪肝につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 死票をカウントして、当選の
指標としてはいけない。  笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 イスラエルの1施設で、ガン
治療中の患者さんを対象に、新
型コロナウイルス(武漢熱)ワ
クチンBNT162b2(ファイザー社
/ビオンテック社製)の有効性
と安全性をコホート研究で評価
したのは、素晴らしい業績です。
化学療法実施中の患者さんに免
疫原性の低下が見られ(オッズ
比0.41、95%CI 0.17-0.98)、
血清陰性の患者さんで、39%に
白血球の絶対数減少が確認され
たということは、化学療法実施
中のガン患者さんには、ワクチ
ンは、有効でない場合があると
いうのが結論だと思います。し
たがって、パンデミックの状況
では、化学療法(特に工夫のな
い化学療法)は、控えるべきと
いうことでしょう。
 肥満や糖尿病などの代謝異常
は肝線維化進展の危険因子であ
り、脂肪肝と代謝異常を合わせ
たMetabolic associated fatty
liver disease(MAFLD) とい
う概念が昨年(2020年)、22カ
国32人の専門医から成るIntern
ational Expert Panelにより提
唱されたということは、素晴ら
しいと思います。特に、肝線維
化進展を目的変数として多変量
解析を行った所、最も強力な予
測因子としてMAFLD が抽出され、
次いで飲酒、NAFLD の順という
ことで、MAFLD の存在意義が際
立っていると考えられます。肝
線維化進展には中等度までの飲
酒よりも、代謝異常の合併が関
わっていることが示唆され、ス
クリーニング指標としては、MA
FLD はNAFLD より肝線維化の予
測能に優れるということでしょ
う。

 存在意義に異議を唱える。笑

 
 
 
 
 
 
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