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2022-06-08 20:18:58

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診療マル秘裏話  Vol.867 令和2年7月22日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)iPS細胞由来のNKT細胞使う世界初治療法の治験
2)オプトジェネテイクスでサルの手を動かす事に世界初成功

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 iPS細胞由来のNKT細胞使う世界初治療法の治験

 
 
 
 
 
 
 千葉大学医学部附属病院は6
月29日、iPS細胞由来のNKT細胞
「iPS-NKT 細胞」をヒトに投与
する、世界初の治療法を医師主
導治験として行うことを発表し
ました。これは、同病院と理化
学研究所が連携して実施されま
す。同病院では、頭頸部ガンの
新たな治療法として、ガンに対
して強い攻撃力を持つ免疫細胞
「NKT 細胞」を用いた治療法の
開発を進めてきました。NKT 細
胞は、リンパ球の一種で、ガン
に対して強い攻撃力を持ちます
が、ヒトの血液中にわずかしか
存在せず(0.01%程度)、個人
差も大きく、実用化へのハード
ルが高いことが分かりました。
今回の治験に用いるiPS-NKT 細
胞は、高機能を備えたままの細
胞が増殖可能です。頭頸部ガン
に直接投与することで高い治療
効果と実用性が期待されます。
iPS-NKTます 細胞の作製は、理
化学研究所で行われます。また、
これまでに「iPS-NKT 細胞」が
ヒトの血管内に直接投与された
ことはありません。試験名は、
「再発・進行頭頸部ガン患者さ
んを対象としたiPS-NKT 細胞動
注療法に関する第1相試験」。
これまでに「iPS-NKT 細胞」が
ヒトの血管内に直接投与された
経験はないことから、今回の治
験では、人に対する「iPS-NKT
細胞」の忍容性、安全性、有効
性について評価することが目的
となります。試験デザインは、
単施設、非盲検、非対照、用量
漸増試験。対象疾患は、標準治
療後または標準治療の適応とな
らない再発・進行頭頸部ガンで、
対象被験者数は、4~18人(副
作用の発現状況による)として
います。

iPS-NKT 細胞投与までの流れは、
以下の通り。
1.治験への参加に関する説明を
行い、同意を得る
2.治験への参加が可能か、検査
等で確認(スクリーニング)
3.治療スケジュールを計画し、
理化学研究所に「iPS-NKT 細胞」
の製造を依頼
4.投与方法を検討し、必要に応
じて予め局所麻酔での投与経路
作成手術を行う
5.理化学研究所で製造されたiP
S-NKT 細胞を腫瘍栄養動脈内に
カテーテルを用いて到達させて
投与

治験で忍容性、安全性、有効性
が確認されれば、頭頸部ガンと
闘っている患者さんにとって大
きな希望となります。「iPS-NK
T 細胞は、NKT 細胞の抗腫瘍効
果を担ガン状態でも最大限発揮
できるように開発されたiPS 細
胞由来のNKT 細胞。本治験の主
目的は安全性の確認であるが、
有効性についても期待を持って
臨みたい」と、治験担当医は述
べています。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 清三さんが聖像を製造する。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 オプトジェネテイクスでサルの手を動かす事に世界初成功

 
 
 
 
 
 生理学研究所は6月26日、遺
伝子を導入する技術や光照射方
法などを工夫することにより、
オプトジェネティクスでサルの
手を動かすことに世界で初めて
成功したと発表しました。この
研究は、同研究所の南部篤教授、
東北大学大学院の虫明元教授ら
の研究グループによるものです。
研究成果は、「Nature Communi
cations 」に掲載されています。
生きた動物の神経細胞を制御す
る方法として、電気刺激によっ
て神経細胞を強制的に活性化さ
せる技術が古くから用いられて
きましたが、電気刺激では刺激
を与えた周囲のすべての細胞を
活性化させてしまい、特定の神
経細胞のみ活動させることは不
可能でした。近年開発された「
オプトジェネティクス」は、光
照射のオン/オフによって細胞
の活動を制御する技術で、特定
の細胞群や特定の神経経路のみ
に光で活性化する物質を発現さ
せることにより、これらの活動
を制御(興奮/抑制)すること
が可能となりました。この技術
は脳の仕組みを研究する際に非
常に有用で、ネズミなどにおけ
る研究では盛んに用いられてい
ます。ヒトの脳を理解するため
に、ヒトに近い霊長類(サル)
においてもオプトジェネティク
スの活用が望まれていましたが、
まだ成功例は少なく、限られた
研究でしか利用されていません
でした。光で神経細胞の活動を
操作するためには、まず光で活
性化する「チャネルロドプシン」
という物質を遺伝子導入により
細胞に発現させる必要がありま
す。しかし、これまでの技術で
は、このチャネルロドプシンを
サルの脳内で効率的に発現させ
ることが困難でした。そこで今
回、研究グループは、まずチャ
ネルロドプシンをニホンザルの
脳の神経細胞に効率良く発現さ
せるため、サルに適したアデノ
随伴ウイルスベクターの探索を
行いました。脳の大脳皮質運動
野と呼ばれる領域は、体の運動
をコントロールしており、電気
刺激を加えると刺激の場所に応
じて足・手・顔など体の一部に
はっきりとした運動が生じます。
今回は、大脳皮質運動野のうち
手の運動に関与する領域を正確
に同定し、最適なウイルスベク
ターを投与しました。その結果、
周辺の神経細胞にチャネルロド
プシンを発現させることに成功
しました。

次に、チャネルロドプシンが発
現している神経細胞に光照射を
行うことで、実際に手の運動を
引き起こすことができるのかを
検証しました。脳の神経応答を
記録しながら光照射あるいは電
気刺激を行うため、「神経細胞
の活動を記録するための電極」
「光照射を行うための光ファイ
バー」「電気刺激を与えるため
の電極」の3つが一体となった
電極(オプトロード)を独自に
作製しました。このオプトロー
ドを大脳皮質運動野に挿入し、
チャネルロドプシンを発現して
いる神経細胞に光を照射しまし
た。 その結果、運動野の神経
細胞を興奮させ、目で見てわか
る明確な手の運動を起こすこと
に成功しました。研究グループ
は、さらに、光照射と電気刺激
とを比較しました。オプトロー
ドを用いて、光照射によって引
き起こされる運動と、電気刺激
によって引き起こされる運動を
詳細に比較した所、光照射と電
気刺激は、同じ筋肉に対して同
程度に強い活動を生じさせるこ
とが判明しました。すなわち、
光刺激は電気刺激と比べて、遜
色ない有効な刺激方法であるこ
とが確認されました。

今回の成果によって、霊長類を
用いた脳研究においてオプトジ
ェネティクスの活用が進むこと
により、ヒトの脳機能の解明に
大きく近づけると考えられます。
南部教授は、「オプトジェネテ
ィクスは、光によって特定の細
胞群や特定の神経経路の活動を
制御することを可能にした画期
的な技術で、脳機能の研究に不
可欠なものとなりつつあるが、
霊長類の行動に影響を及ぼすこ
とに成功した例は世界的にも非
常に少なく、眼球の運動に関す
る報告がいくつかあるだけだっ
た。今回の成果は、オプトジェ
ネティクスの霊長類への適用の
扉を開くものであり、さらには
光による脳深部刺激療法などヒ
トの病気治療への応用にもつな
がる可能性がある」と、述べて
います。

 オプトジェネティクスについ

て解説している動画です。

 
 


 
 
 霊長類の行動についての講義
を講堂で行う。      笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 千葉大学医学部附属病院が6
月29日、iPS細胞由来のNKT細胞
「iPS-NKT 細胞」をヒトに投与
する、世界初の治療法を医師主
導治験として行うことを発表し
たのは、喜ばしいことです。し
かしながら、iPS 細胞を介しな
い、ダイレクトリプログラミン
グの方法で、NKT 細胞を作る事
ができたら、ガン化の問題も生
じず、手間とコストがかかると
いうiPS 細胞の課題も克服する
ことができると考えられていま
す。血液細胞は、容易に体外に
採血によって取り出すことがで
きるので、ダイレクトリプログ
ラミングの方法さえ間違えなけ
れば、将来有望な免疫療法にな
ると推測しています。
 生理学研究所が6月26日、遺
伝子を導入する技術や光照射方
法などを工夫することにより、
オプトジェネティクスでサルの
手を動かすことに世界で初めて
成功したと発表したのは偉大な
業績です。今回の成果によって、
霊長類を用いた脳研究において
オプトジェネティクスの活用が
進むことにより、ヒトの脳機能
の解明に大きく近づけると考え
られます。これだけでも充分凄
いのですが、オプトジェネティ
クスの霊長類への適用の扉を開
いて頂き、さらには光による脳
深部刺激療法などヒトの病気治
療への応用にもつながる可能性
を追求して頂きたいものです。

 盛夏に聖歌を歌い生家に製菓
を送ることで成果を出した。笑

 
 
 
 
 
 
 
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