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2022-05-20 18:48:05

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診療マル秘裏話  号外Vol.2170 令和3年7月18日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)大腸ガン早期診断のための知っておくべきこと
2)SMAが,効能・効果の新有効成分含有医薬品認可

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 大腸ガン早期診断のための知っておくべきこと

 
 
 
 
 
 
 日本で大腸ガンは増えており、
臓器別の患者数では男性で3番
目に、女性では2番目に多い(
2017年)。死亡数では男性3位、
女性では1位(2019年)です。
「2018年の死亡数予測は男女と
もに米国を抜いています。日本
人の大腸ガン死亡率は世界トッ
プレベルであり、その対策は十
分ではありません」――こう指
摘する京都府立医科大学生体免
疫栄養学講座教授の内藤裕二医
師に大腸ガン予防と早期発見の
ために知っておくべきことを聞
きました。大腸ガン予防のポイ
ントは2つです。

 「日本人を対象とした8研究
に基づいて『大腸ガンのリスク
を下げることが、ほぼ確実』と
評価されているのが運動です」
運動で骨格筋から分泌される生
理活性物質マイオカインは、脳
神経系や代謝系などにさまざま
な影響を及ぼす。マイオカイン
のひとつで、運動によって分泌
量が増え、加齢や不活動で量が
低下するものに「SPARC」
と呼ばれるものがあります。S
PARCは「ACF(Aber
rant crypt foci)」
(異常陰窩巣)のアポトーシス
(細胞の自殺)を誘導し、大腸
ガンの発現を抑制することが分
かっています。ACFとは、肉
眼的には正常に見える大腸粘膜
ですが、大腸ガンの前ガン病変
と考えられているものです

 2013年に内藤医師らによって
発表された研究内容では、発ガ
ン物質を与えたマウスに、高強
度・短時間・間欠的運動を実施
した所、大腸ガン前病変ACF
の数が、運動をしていない群の
半分以下になりました。健康な
若年男性を対象とした研究でも、
高強度・短時間・間欠的運動を
実施した所、SPARCが増加
しました。「これ以外にも、運
動習慣が大腸ガンに与える影響
について研究した論文は複数あ
ります。どのような運動をすべ
きかは、その人のそれまでの運
動経験によって異なるので1種
類には決められません。自分の
体力に合った継続できる運動を
選ぶようにしてください」

 国立ガン研究センターなどの
研究グループによる「科学的根
拠に基づくガンリスク評価とガ
ン予防ガイドライン提言に関す
る研究」では、大腸ガンに関し
て、飲酒が「確実に」、肥満が
「ほぼ確実に」、リスクを上昇
させるとなっています。赤肉(
牛、豚、羊)はリスクを上昇さ
せる可能性ありです。一方、食
物繊維、カルシウム、魚由来の
不飽和脂肪酸はリスクを下げる
可能性があります。

 「肉の中でも、加工肉は腸の
中の硫黄代謝細菌に関係し、硫
化水素を増加させ、炎症や遺伝
毒性を引き起こして大腸ガンの
リスクを上げます。最近、注目
を集めているのがブロッコリー
やキャベツ、カラシナなどアブ
ラナ科の野菜に含まれる成分グ
ルコシノレートで、生物活性を
持つイソチオシアネートといっ
た化合物を形成し、その抗炎症
作用で大腸ガンを抑制します」

 ブロッコリーやキャベツは比
較的リーズナブルで、一年を通
して手軽に手に入ります。大腸
ガン予防に大いに役立てたいも
のです。大腸ガンは、予後が良
いガンです。早期発見、早期治
療で95%以上が「完治」します
。「大腸ガンは進行するまで自
覚症状がないので、早期発見の
ためには大腸ガン検診の受診が
不可欠です。便潜血反応では早
期ガンは発見率が落ちるので、
大腸内視鏡検査を強くお勧めし
ます。40以上で、異常がこれま
で見つかったことがない人であ
れば、5年に1度が理想的です」

 現在は検査技術が向上し、「
大腸内視鏡=痛い」ではなくな
ってきています。「人工知能(
AI)で内視鏡の画像を解析し、
検査中にリアルタイムでガンを
高精度に判別するソフトも登場。
ガンの認識率は格段に上がって
います」女性では、大腸ガンは
ガン死亡率1位ですが、大腸内
視鏡検査を受ける人が増えれば、
この数字は簡単に塗り替えられ
るでしょう。早期発見・早期治
療の術があるのだから、その恩
恵が受けられる機会を逃すのは
損だと言えましょう。

 筋細胞により産生される生理
活性物質をマイオカインと呼び
ます。マイオカインは、20種類
以上あることが分かっていて、
盛んに研究されています。骨格
筋から分泌される機能性蛋白質
(マイオカイン)SPARC は、運
動によって血中に増加し、習慣
的運動による大腸発ガン予防に
寄与します。この作用機序に関
して、SPARC は大腸の病変部位
に直接作用してガン化を防ぐこ
とが明らかになっています。さ
らに、分泌されたSPARC は骨格
筋自身にも作用して代謝能を高
め、全身の代謝を改善すること
でも大腸発ガンの抑制に寄与す
ることも分かりました。健常者、
代謝疾患患者さんいずれにおい
ても運動を行うことにより血中
SPARC の増加が起こることが明
らかになっています。また食事
条件によってSPARC 分泌を効率
化できる可能性があるようです。

 マイオカインについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 簡単な質問に感嘆する。 笑

 
 
 
 
 
 
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2】 SMAが,効能・効果の新有効成分含有医薬品認可

 
 
 
 
 
 
 厚生労働省は6月23日、新医
薬品エブリスディドライシロッ
プ60mg(リスジプラム、中外製
薬)を認可しました。エブリス
ディドライシロップ:「脊髄性
筋萎縮症」を効能・効果とす
新有効成分含有医薬品です。希
少疾病用医薬品。再審査期間は
10年です。

 脊髄性筋萎縮症(SMA) に対
する初の経口薬で、中枢神経系
及び全身のSMN 蛋白レベルを増
加させるように創製されたSMN2
スプライシング修飾薬です。運
動神経及び筋肉機能をよりよく
サポートするため、SMN2遺伝子
から機能性のSMN 蛋白の産生を
増加するように設計されていま
す。

 生後2か月以上2歳未満の患
者さんにはリスジプラムとして
0.2mg/kgを1日1回食後に経口
投与します。2歳以上の患者さ
んにはリスジプラムとして体重
20kg未満では0.25 mg/kgを、体
重20kg以上では5mgを、1日1
回食後に経口投与します。

 SMAの原因遺伝子はSMN遺伝子
で、SMN1遺伝子の機能不全に加
え、SMN2遺伝子のみでは十分量
の機能性のSMN 蛋白が産生され
ないため発症します。SMA は遺
伝性の神経筋疾患で、脊髄の運
動神経細胞の変性によって筋萎
縮や筋力低下を示します。乳幼
児で最も頻度の高い致死的な遺
伝性疾患です。乳児期から小児
期に発症するSMA の患者数は10
万人あたり1~2人とされてい
ます。

 脊髄性筋萎縮症について解説

している動画です。

 
 


 
 
 蛋白質を産生することに賛成
する。          笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 発ガン物質を与えたマウスに、
高強度・短時間・間欠的運動を
実施した所、大腸ガン前病変A
CFの数が、運動をしていない
群の半分以下になり、運動の予
防効果は、これ程、すごいもの
かと感心しました。食事の内容
では、赤肉や加工肉の摂取量を
少なくし、アブラナ科の野菜を
摂取するというのは、理に叶っ
ていると思います。付け加える
なら、苦瓜(ゴーヤ)も予防の
力があることを申し述べたいと
思います。
 厚生労働省が6月23日、新医
薬品エブリスディドライシロッ
プ60mg(リスジプラム、中外製
薬)を脊髄性筋萎縮症」を効能・
効果と認可したのは、喜ばしい
ことです。SMA は遺伝性の神経
筋疾患で、脊髄の運動神経細胞
の変性によって筋萎縮や筋力低
下を示す乳幼児で最も頻度の高
い致死的な疾患であり、これま
で、治療薬が無かったと記憶し
ています。患者さんや患者さん
の親御さんにとっては、希望の
光と言えるでしょう。

 定価の低下を期待する。 笑

 
 
 
 
 
 
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