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2022-05-19 23:58:00

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診療マル秘裏話  号外Vol.2169 令和3年7月17日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)放射性医薬品ルタテラ国内での製造販売承認を取得
2)肺選択的に遺伝子送達可能な,ナノカプセル開発成功

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 放射性医薬品ルタテラ国内での製造販売承認を取得

 
 
 
 
 
 
 富士フイルム富山化学は6月
23日、放射性医薬品ルタテラに
ついて、「ソマトスタチン受容
体陽性の神経内分泌腫瘍」を適
応症として国内での製造販売承
認を取得したと発表しました。
ルタテラは、放射性リガンド療
法の一種であるペプチド受容体
放射性核種療法(Peptide Rece
ptor Radionuclide Therapy; P
RRT) に用いられる医薬品で、
今回、「ペプチド受容体放射性
核種療法剤」として国内で初め
て承認されました。

 神経内分泌腫瘍は、ホルモン
やペプチドを分泌する神経内分
泌細胞に由来する腫瘍で、全身
のさまざまな臓器、なかでも膵
臓、消化管および肺に多く発生
します。選択できる薬物療法が
限られていることから、アンメ
ットメディカルニーズの高い疾
患と言われてきました。

 同社は、2015年にノバルティ
スのグループ会社Advanced Acc
elerator Applications Intern
ational S.A.と、PRRTに用いる
「Lutathera」 の国内開発・販
売などに関するライセンス契約
を締結しました。その後、国内
で実施した臨床第1試験および
臨床第1/2相試験にて、日本
人患者さんでの有効性および安
全性を確認できたことから、20
20年に製造販売承認申請を行っ
ていました。なお、ルタテラと
併用するアミノ酸輸液「ライザ
ケア輸液」の国内製造販売承認
も併せて取得しています。

 神経内分泌腫瘍について解説

している動画です。

 
 


 
 
 行う家事の内、洗濯を選択す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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2】 肺選択的に遺伝子送達可能な,ナノカプセル開発成功

 
 
 
 
 
 
 北海道大学は6月24日、肺に
対して選択的に遺伝子送達可能
なナノカプセルの開発に成功し
たと発表しました。この研究は、
同大大学院薬学研究院の原島秀
吉教授、佐藤悠介助教および同
工学研究院の佐藤敏文教授、磯
野拓也准教授らの共同研究グル
ープによるものです。研究成果
は、「Materials Horizons」に
オンライン掲載されています。

 mRNAなどの核酸を治療薬とす
る核酸医薬は、従来医薬品では
治療が困難だったさまざまな遺
伝子疾患を根治できる可能性を
秘めており、低分子医薬と抗体
医薬に次ぐ第三の医薬品として
近年大きな注目を集めています。
新型コロナウイルスに対するmR
NAワクチンも核酸医薬の一種で
す。核酸医薬をさまざまな疾病
の治療に用いるためには、治療
薬本体となる核酸を目的患部に
効率的かつ選択的に送り届ける
技術の開発が不可欠となります。
こうした技術の1として、脂質
で核酸を包み込んでナノカプセ
ル化する手法が広く利用されて
います。

 例えば、2018年に上市された
ONPATTROはsiRNA を脂質でナノ
カプセル化したものであり、世
界初の全身投与型の核酸ナノ医
薬として知られています。ONPA
TTROは血中投与後に速やかに肝
臓へ集積し、肝臓において高い
治療効果を発現します。一方、
肝臓以外の臓器をターゲットと
した核酸医薬は非常に少なく、
これを可能にするナノカプセル
の開発は非常に重要な課題とな
っています。しかし、特定の臓
器を狙い撃ちできるナノカプセ
ルの論理的な設計手法は今のと
ころ確立されておらず、核酸医
薬の普及において大きなハード
ルとなっています。例えば肺疾
患は、肺ガン、嚢胞性繊維症、
肺高血圧症、肺繊維症など多岐
にわたり、肺への選択的な核酸
送達は臨床上きわめて大きな意
味を持ちます。

 研究グループは今回、APE を
構成要素とするナノカプセルが
mRNAを肺へ選択的に送達できる
ことを見出しました。先行研究
の結果などからアミノ基で修飾
した脂肪族ポリエステル(APE)
がナノカプセルの構成要素とし
て有効と考え、分子構造が少し
ずつ異なる3種類以上ものAPE
を候補材料として新規に合成し
ました。新規APEはε-デカラク
トンの開環重合によって一段階
で容易に得ることができました。

 このAPE と補助脂質(既製品
のDMG-PEG) で構成されるナノ
カプセルに緑色蛍光蛋白質をコ
ードするmRNAを封入し、核酸医
薬のモデルを調製しました。マ
ウス個体に対して各ナノカプセ
ルを静脈内投与し、緑色蛍光蛋
白質の発現を指標として各臓器
へのmRNA送達効率を調査しまし
た。その結果、候補材料のうち
いくつかが、肺に対して非常に
高い効率でmRNAを送達できるこ
とを発見しました。

 従来の脂質のみからなるナノ
カプセルの場合、血中投与する
と肝臓で捕捉されてしまうこと
が多く、他の臓器へ核酸を送達
することは非常に難しいとされ
ていました。また、特定の臓器
に対して選択的な送達を実現す
るためには、標的化リガンドと
呼ばれる特別な仕組みをナノカ
プセルに導入する必要があると
考えられていました。

 これに対して、今回開発した
ナノカプセルは標的化リガンド
が無いにもかかわらず肺選択的
な核酸送達能を示しており、AP
E は核酸を包み込むナノカプセ
ルとして働くだけでなく、肺に
対する標的化リガンドとしての
機能も果たすことが判明しまし
た。APE は市販の試薬から一段
階の合成反応で得ることができ、
コスト面でも大変優れています。
論文発表に先立ち、このナノカ
プセルに関する特許を同大から
申請しているということです。

 今回開発した核酸内包ナノカ
プセルを活用して、さまざまな
肺疾病に対する治療法の確立が
期待できます。 現状では、AP
E からなるナノカプセルがどの
ようなメカニズムで肺選択性を
発現しているか不明だですが、
これを明らかにすることができ
れば肝臓以外のさまざまな臓器
をターゲットとした核酸医薬の
開発につながると考えられます。
「ONPATTORO や新型コロナウイ
ルスワクチンをはじめとして、
核酸医薬はここ最近になって急
速に実用化が進められている分
野であり、本研究成果は核酸医
薬の研究開発を一層後押しする
ものと期待される」と、研究グ
ループは述べています。

 脂質ナノ粒子について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 核酸医薬の情報を拡散する。


 
 
 
 
 
 
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編集後記

 富士フイルム富山化学が6月
23日、放射性医薬品ルタテラに
ついて、「ソマトスタチン受容
体陽性の神経内分泌腫瘍」を適
応症として国内での製造販売承
認を取得したと発表したのは、
素晴らしい業績です。希少内分
泌腫瘍の研究は、困難を伴いが
ちだと思います。まず第一に、
対象の患者さんが少なく、手術
例も少なく、検体を得るのが、
非常に難しいことが、挙げられ
ます。第二に、対象の患者さん
が少ないため、商業ベースに乗
せるのが難しいと言う事実があ
ります。このようなハードルを
乗り越えて、製造販売承認を取
得したのは、喜ぶべきことでし
ょう。
 北海道大学が6月24日、肺に
対して選択的に遺伝子送達可能
なナノカプセルの開発に成功し
たと発表したのは、素晴らしい
業績です。今回開発した核酸内
包ナノカプセルを活用して、さ
まざまな肺疾病に対する治療法
の確立が期待できるということ
ですから、呼吸器内科医にとっ
ては、垂涎の治療法と言えまし
ょう。APE からなるナノカプセ
ルがどのようなメカニズムで肺
選択性を発現しているかを解明
することで、肝臓以外のさまざ
まな臓器をターゲットとした核
酸医薬の開発につなげて頂きた
いものです。

 治療法の確立の確率を計算す
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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