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2022-04-29 16:39:07

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診療マル秘裏話  号外Vol.2152 令和3年6月27日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)生検病理組織標本膵腺ガンを検出する人工知能
2)武漢熱ワクチン接種者の抗体量が回復期患者の60倍

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 生検病理組織標本膵腺ガンを検出する人工知能

 
 
 
 
 
 
 久留米大学は6月3日、超音波
内視鏡下穿刺吸引生検病理組織
標本における膵腺ガンを検出す
る人工知能の開発に成功したと
発表しました。この研究は、同
大医学部病理学講座の矢野博久
教授、大学病院病理部の秋葉純
教授、内藤嘉紀准教授らを中心
とする研究グループが、全国の
膵臓病理専門医を有する医療機
関およびメドメイン株式会社(
Medmain Inc.)と共同で行った
もの、研究成果は、「Scientif
ic Reports」のオンライン版に
掲載されています。

 超音波内視鏡下穿刺吸引は、
胃や十二指腸などの消化管から
超音波内視鏡で粘膜下や壁外の
病変あるいは胸腹部や骨盤内の
腫瘤を観察し、消化管内から針
を穿刺して細胞を採取する方法
です。日本において膵臓ガンの
罹患率・死亡率はともに増加し
ており、患者さんに症状が出た
ときにはすでに進行しているこ
とがあります。そのため、膵臓
は沈黙の臓器とも呼ばれていま
す。

 治療方針の決定には、正確な
画像診断と共に、病理細胞学的
な診断が必要です。超音波内視
鏡下穿刺吸引法は欧米を中心に
普及してきた経緯がありますが、
2010年に保険適用となったこと
を受け、国内でも普及し始め、
現在は膵臓ガン診断の主流にな
りつつあります。

 久留米大学病院は、地域医療
における膵臓ガン診療の最前線
として機能しています。その診
療を行う上で重要な病理診断は、
超音波内視鏡下穿刺吸引生検を
中心に実施されていますが、得
られる組織検体は極少量である
ため専門性の高い病理診断とな
っています。そこで今回、久留
米大学病院、および全国の膵臓
病理専門医を有する医療機関、
メドメイン株式会社で多施設共
同研究グループを形成し、人工
知能開発を行いました。

 研究ではまず、久留米大学病
院が膵超音波内視鏡下穿刺吸引
生検標本を提供し、標本をデジ
タル化します。その後、深層学
習のための教師データを、全国
多数の共同研究施設の病理医が
作成し、深層学習を行なうこと
で人工知能を開発しました。開
発した人工知能は、久留米大学
で別途用意したデジタル標本の
うち、3名の膵臓を専門とする
病理医により診断のコンセンサ
スが得られた症例を検証症例と
して用い、精度の検証を行いま
した。

 その結果、膵腺ガンの検出に
おいて、ROC-AUCが0.98,正解率
94%、感度0.93、特異度0.97と
いう、極めて精度の高い結果が
得られました。また、病理医に
よる検証の結果、十分な妥当性
もあることが検証されました。

 研究グループは、「今後この
成果を活用した膵臓ガン検出の
システム構築が進むことが期待
され、さまざまな形の人工知能
が病理診断をサポートできるシ
ステムが構築されていくことで、
患者様への適切な診療提供の基
礎となる病理診断精度が安定す
ることが期待される」と、述べ
ています。

 病理検査について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 深層学習の落とし穴の真相を
暴く。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 武漢熱ワクチン接種者の抗体量が回復期患者の60倍

 
 
 
 
 
 
 新型コロナウイルス(武漢熱)
感染者と武漢熱ワクチン接種者
で、獲得する抗体の質や量に違
いはあるのでしょうか。富山大
学微生物学講座教授の森永芳智
氏は両者で獲得した抗体につい
て、同大学が確立した中和抗体
評価(CRNT)法で定性評価を、
市販の抗体検査で定量評価を実
施しました。その結果、武漢熱
ワクチン接種者の抗体量は新型
コロナウイルス感染症(武漢熱)
回復期患者さんの約60倍である
ことが明らかとなりました。ま
た、ワクチン接種後に獲得する
抗体は変異株への中和能が従来
株に比べ低い傾向が見られたも
のの、抗体量が多いことで、変
異株に対する中和能が補完され
ている可能性があるということ
です。なお、結果の詳細はmedR
xiv(2021年5月27日オンライン
版、2021年5月30日 オンライン
版)に掲載されました。

 森永氏は1武漢熱感染者2
武漢熱ワクチン接種者―で獲得
する抗体の質と量の違いについ
て、それぞれCRNT法および市販
の抗体検査を用いて検討しまし
た。

 1に関する研究では、同大学
病院および富山市立富山市民病
院を受診した患者さん482 人(
武漢熱患者さん74人、武漢熱陰
性例179 人、未スクリーニング
例229 人)の血清検体を用いま
した。CRNT法の中和能と抗体検
査の抗体量のカットオフ値をそ
れぞれ50%阻害濃度(IC50:ウ
イルス複製の阻害作用が最大値
の半分を示す際の濃度)、メー
カー規定の値(0.8U/mL) に設
定し検査を実施した所、いずれ
も武漢熱回復期(発症後10日以
降)の患者さんを効率良く検出
でき、両検査に相関が認められ
ました(r=0.47、95%CI 0.20
~0.68)。感度はCRNT法で95.8
%、抗体検査で100%と高く、今
回設定したカットオフ値を基準
値に用いることとしました。

 武漢熱回復期患者さんにおけ
る抗体量の中央値は35.0U/mL〔
四分位範囲(IQR)7.63~137.0
U/mL〕でした。一方で、変異株
(英国株および南アフリカ株)
に対する中和能は約半数で基準
値を下回っていました。

 2に関する研究では、武漢熱
ワクチンのトジナメランを接種
した同大学病院の職員740 人(
年齢20~69歳)の血清検体を用
いました。1の研究で定めた基
準値を用いて、CRNT法および抗
体検査で2回接種後の抗体を調
べました。その結果、全例が両
検査に陽性を示しました。

 ワクチン接種後に発熱などの
全身反応が見られなかった、あ
るいは年齢が高めの場合に抗体
量が比較的少なかった人がいた
ものの、CRNT法で評価した中和
能は全例で80%を超え、中央値
は99.9%超(IQR 99.9%超~99
.9%超)と高値を示しました。
抗体量の中央値も2,112U/mL(I
QR 1,275~3,390U/mL)と高く、
武漢熱回復期患者さんに比べて
60.3倍でした。また、変異株に
対する抗体の中和能は従来株よ
り低下するものの、いずれも基
準値以上でした。

 両研究の結果から、森永氏は
「武漢熱ワクチン2回接種者の
抗体量は、武漢熱回復期患者さ
んの約60倍に上ることが明らか
になった」と結論しました。ま
た、両者とも変異株への中和能
は従来株に比べ低い傾向が見ら
れるものの、ワクチン2回接種
者では変異株に対する高い中和
能を有していた点については、
「獲得する抗体量が多いことで
中和能が補完されている可能性
がある」との見解を示していま
す。

 ワクチン接種についての疑問

について解説している動画です。

 
 


 
 
 蛍光塗料を携行し、使用する
傾向がある。       笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 久留米大学が6月3日、超音波
内視鏡下穿刺吸引生検病理組織
標本における膵腺ガンを検出す
る人工知能の開発に成功したと
発表したのは、素晴らしい業績
です。しかしながら、内視鏡下
の穿刺吸引生検は、腹膜炎など
を起こすリスクもあり、侵襲が
大きいものと認識しています。
それに比べてリキッドバイオプ
シーは、血液や尿を採取するだ
けで、大きな副作用もなく検査
できます。これからは、こうし
た生検よりも、リキッドバイオ
プシーが積極的に行われるよう
になると思います。ただリキッ
ドバイオプシーにも欠点があっ
て、症状がないうちに、ガンの
存在を肯定するので、患者さん
が結果を過小評価する可能性が
あるということです。
 武漢熱ワクチン接種者の抗体
量は新型コロナウイルス感染症
(武漢熱)回復期患者さんの約
60倍であることが明らかとなっ
たということは、意外な結果で
した。それだけワクチンのでき
が良いということでしょう。そ
れは、いかに高い抗体量が得ら
れるワクチンにするか考えられ
てできた製品であることは明白
だと思います。英国型変異株の
約93%有効で、インド型変異株
の約88%有効という数字も伊達
ではないと思われます。ワクチ
ン2回接種者では変異株に対す
る高い中和能を有していた点に
ついては、獲得する抗体量が多
いことで中和能が補完されてい
る可能性があるということです
から、利点が多いワクチンでは
ないかと私は、考えています。

 中和能が補完されているワク
チンを保管する。     笑

 
 
 
 
 
 
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