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2022-04-15 17:03:03

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診療マル秘裏話  号外Vol.2140 令和3年6月13日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)骨格筋肥大や筋力増大の新規ミオスタチン阻害薬開発
2)武漢熱感染1年後抗体保有量に関する調査結果

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 骨格筋肥大や筋力増大の新規ミオスタチン阻害薬開発

 
 
 
 
 
 
 東京大学は5月17日、新規ミ
オスタチン阻害薬として「1価F
ollistatin-Like-3(FSTL3)-F
c」 を開発したと発表しました。
この研究は、同大大学院医学系
研究科の森川真大助教、小澤崇
之博士課程大学院生(研究当時)、
宮園浩平教授らの研究グループ
と、東京薬科大学生命科学部の
伊東史子准教授、スウェーデン
王立工科大学のPer-Åke Nygren
(ペールオーケ・ニグレン)教
授との国際共同研究によるもの
です。研究成果は、「iScience」
に掲載されています。

 1990年代後半に骨格筋の成長
を負に制御する因子としてミオ
スタチンが同定されて以来、ミ
オスタチンの機能を抑制するこ
とで骨格筋の肥大や筋力の増大
を目指す、ミオスタチン阻害薬
の開発が活発に行われてきまし
た。これまで、ミオスタチン中
和抗体やミオスタチンと結合す
る受容体(アクチビン2B 型受
容体)の配列を使ったFc融合蛋
白質であるActRIIB-Fc製剤など、
さまざまな製剤が開発され、臨
床試験で治療効果が評価されて
きました。しかし研究が進むに
つれ、骨格筋を肥大させるため
には、ミオスタチンを含むTGF-
βファミリーの複数因子を過不
足なく阻害する必要があること
が分かってきました。

 前述の先行製剤に関しては、
ミオスタチン中和抗体によるミ
オスタチン単独の阻害では効果
が不十分であり、逆に複数因子
を一括して阻害するActRIIB-Fc
製剤では必要以上の因子を阻害
することで出血等の副作用を認
め、これらの製剤の開発は現時
点では中断されています。特に、
ActRIIB-Fc製剤は、血管内皮細
胞の機能に重要な骨形成因子BM
P9、BMP10 を阻害してしまうこ
とが問題となっています。

 最近、TGF-βファミリーの内
在性アンタゴニストとして知ら
れるフォリスタチン(FST) の
配列を用いたFST-Fc製剤が開発
されました。BMP9、BMP10 を阻
害しないため有望と考えられて
いましたが、FST-Fc製剤は全身
投与後すぐに血中から排除され
てしまうため局所注射でしか用
いることができませんでした。
一方、受容体側を標的とした治
療法についても開発が進み、ア
クチビン2型受容体の機能を阻
害する抗体の臨床試験が行われ
ています。

 このようにミオスタチンを含
むTGF-βファミリーの阻害薬は
骨格筋の肥大や筋力の増大をも
たらすことが期待されてきまし
たが、副作用を回避するために
も標的と考えられる因子を過不
足なく阻害し、全身投与可能な
新たな製剤の開発が望まれてい
ます。

 今回、研究グループはTGF-β
ファミリーの内在性アンタゴニ
ストの中で、骨格筋に関係した
作用を持つ因子に対して選択性
が高いFollistatin-Like-3(FS
TL3)に注目しました。特に、F
STL3は血液中に存在することが
報告されていたため、全身投与
に適していると考えられました。
まず、先行薬であるActRIIB-Fc
やFST-Fc同様、一般的に用いら
れている方法でFSTL3-Fc融合蛋
白質を作成しました(以下、2
価FSTL3-Fc)。2価FSTL3-Fcは、
骨格筋を負に制御するミオスタ
チン、アクチビン、GDF11 と結
合しましたが、副作用に関係す
るBMP9を含む他のTGF-βファミ
リー分子を阻害しないことを確
認しました。しかし、2価FSTL
3-Fcは、マウスへの全身投与後
すぐに血中から排除されてしま
い、局所投与でしか骨格筋肥大
効果を認めなかったということ
です。

 一般的に用いられている方法
でFc融合蛋白質を作成した場合、
2つのFSTL3-Fc分子が二量体を
作り2本腕のFSTL3-Fc(2価FSTL
3-Fc)になります。そこで研究
グループは、この2本腕の状態
が血中半減期に悪影響を与えて
いると考え、蛋白質工学の手法
を駆使して1本腕のFSTL3-Fc(
1価FSTL3-Fc)を作成しました。
1価FSTL3-Fcは、マウス血中で
の安定性が改善し、先行製剤で
あるActRIIB-Fcと同等の骨格筋
肥大効果が全身的に認められま
した。また、ActRIIB-Fcで問題
となった膵臓や脾臓での副作用
は認められなかったことが分か
りました。

 有効でかつ副作用の可能性の
低いミオスタチン阻害薬は、進
行したガンで見られる悪液質や
高齢者におけるサルコペニアな
どの骨格筋萎縮症、また筋ジス
トロフィーなどの神経筋疾患の
治療薬として有望と考えられま
す。さらに、すでにミオスタチ
ン阻害薬の先行製剤で効果が検
討されていますが、骨格筋のも
つ代謝機能を改善することで肥
満や2型糖尿病といった疾患の
治療につながることも期待され
ます。

 研究グループは、1価FSTL3-
Fcで得た知見をもとに、Fc融合
以外の方法で作成したFSTL3 製
剤を評価中だということです。
また、ドラッグデリバリーシス
テムの技術を活用して、骨格筋
でのみ効果を発揮する方法を検
討しています。「今後、さらに
副作用の可能性の低いミオスタ
チン阻害薬を開発し、臨床への
還元を目指したい」と、研究グ
ループは述べています。

 ミオスタチン阻害薬について

解説している動画です。アナボ

リックステロイドホルモンは、

副作用がありますので、使用に

は充分注意して下さい。

 
 


 
 
 八機の戦闘機が、その能力を
発揮する。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 武漢熱感染1年後抗体保有量に関する調査結果

 
 
 
 
 
 
 横浜市立大学の山中竹春教授、
梁秀明教授らの研究グループは
5月20日、新型コロナウイルス
(武漢熱)感染症感染1年後の
抗体保有量に関する調査結果を
発表しました。6カ月後と比べ
ると緩やかな減少傾向を示すも
のの、大きく低下していないこ
とを明らかにしました。 一方、
変異株に対する中和抗体の保有
割合をみると、従来株と比較し
て低下傾向にあることも突き止
めました。

 グループが開発した高感度試
薬と迅速測定システムを利用し、
感染6カ月後、1年後の抗ウイ
ルス抗体と中和抗体の量を測定
しました。解析したのは3月ま
でに採血した約250人分のデ
ータで、6カ月の中和抗体陽性
率が98%だったのに対して、1
年後は97%と大きく減ってはい
ないことを確認しました。とく
に中等症者、重症者は感染阻害
に必要な中和抗体量を6カ月後
も保有していました。

 変異株に対しての抗体量を調
べてみると、中等症者、重症者
では6カ月後、1年後ともに大
きな低下はなく、従来株ともそ
う大きな違いはありませんでし
た。ただ、軽症・無症状者は異
なり、変異株に対する6カ月後、
1年後の中和抗体陽性率が従来
株よりも低いことが分かりまし
た。

 例えば、英国株では6カ月後
で85%、1年後で79%と従来株
を下回りました。とりわけ顕著
だったのが南アフリカ株で、6
カ月後で69%、1年後で69%と
従来株よりも約3割の落ち込み
を示しました。

 梁教授は、変異株での落ち込
みがみられることについて「獲
得したいくつかの免疫が機能し
ていないとのイメージだ」と語
りました。今後も追跡調査を行
っていく計画です。

 このニュースのニュース動画

です。

 
 


 
 
 昨日の免疫機能について考え
る。           笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東京大学が5月17日、新規ミ
オスタチン阻害薬として「1価F
ollistatin-Like-3(FSTL3)-F
c」 を開発したと発表したのは、
素晴らしい業績です。ガンの悪
液質を改善する薬として、アナ
モレリンが発売されましたが、
全く作用機序の異なる薬剤であ
ると認識しています。ガンの悪
液質だけではなく、高齢者にお
けるサルコペニアなどの骨格筋
萎縮症、また筋ジストロフィー
などの神経筋疾患の治療薬とし
て有望ということです。さらに、
すでにミオスタチン阻害薬の先
行製剤で効果が検討されていま
すが、骨格筋のもつ代謝機能を
改善することで肥満や2型糖尿
病といった疾患の治療につなが
ることも期待されるということ
ですので、色々な疾患に有効な
薬剤と言えましょう。
 横浜市立大学の山中竹春教授、
梁秀明教授らの研究グループが
5月20日、武漢熱ウイルス感染
症感染1年後の抗体保有量に関
する調査結果を発表したのは、
丹念な調査に基づく業績だと思
います。6カ月後と比べると緩
やかな減少傾向を示すものの、
大きく低下していないことを明
らかにし、変異株に対する中和
抗体の保有割合をみると、従来
株と比較して低下傾向にあるこ
とも突き止めたということです。
変異株に対しては、抗体保有者
と言えども侮りは禁物を言えま
しょう。抗体保有者にデジタル
ヘルスパスポートを発行使用と
いう試みもあるようですが、変
異株が流行している最中では、
難しいのではないかと考えられ
ます。

 減少傾向の現症と現象を憂慮
する。          笑

 
 
 
 
 
 
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