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2022-04-13 18:11:02

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診療マル秘裏話  Vol.859 令和2年5月27日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)中国政府が医療物資確保で感染の深刻さを隠蔽
2)ICUで呼吸管理しても65歳以上では97%救命不可

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 中国政府が医療物資確保で感染の深刻さを隠蔽

 
 
 
 
 
 AP通信は5月3日、中国政府
がマスクなどの医療物資を確保
するため、新型コロナウイルス
の感染の深刻さを「意図的に隠
していた」可能性が高いとする
分析結果を米国土安全保障省が
まとめたと報じました。5月1日
付の内部文書を入手したという
1ことです。

 報道によると、内部文書は、
中国政府はウイルスが「接触感
染すること」を世界保健機関(
WHO)に報告するのを今年1
月まで遅らせ、その間に医療用
マスクや手袋などの輸入を大幅
に増やす一方、医療物資の輸出
は減らしていたとしています。
また、中国政府は医療物資を確
保する動きも隠していたと指摘
しているということです。ポン
ペオ米国務長官は5月3日のAB
Cテレビの番組で、こうした報
道について「ほぼ正しい」と語
りました。

 中国の情報隠蔽についての動

画です。2020年8月の動画です。

 
 


 
 
 米国務長官の話を朝刊で読む。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 ICUで呼吸管理しても65歳以上では97%救命不可

 
 
 
 
 
 
 
 新型コロナウイルスの治療薬
として、さまざまな薬が候補に
あがっており、抗ウイルス薬「
レムデシビル」は月内にも承認
されそうです。難治性血液疾患
などを専門とする小島勢二・名
古屋大名誉教授は、新型コロナ
と立ち向かうには、抗ウイルス
薬や、免疫を抑える薬とともに、
第三の薬として「毛細血管に働
きかける薬」が有効かもしれな
いということです。新型コロナ
では一部の患者さんが重症化す
ることが指摘されていますが、
この薬は重症化の防止につなが
る可能性があるということです。
どういうメカニズムなのでしょ
うか。小島さんが解説しました。
緊急事態宣言が出されてからも
うすぐ1カ月となります。未だ
に、新型コロナウイルス感染が
収束するめどはたっていません。
そのため政府は、緊急事態宣言
を1カ月程度延長する方針です。
緊急事態宣言は、令和2年5月
末日まで延長されました。

 これまでの新型コロナウイル
ス感染拡大への対策は、人との
接触を極力削減して感染機会を
減らすことに主眼が置かれてき
ました。さらに、重篤な症例は
集中治療室(ICU )で管理して、
人工呼吸器や体外式膜型人工肺
(ECMO)による救命治療が行わ
れてきました。医療スタッフや
医療機器の不足から、一部の地
域においては医療崩壊が現実の
ものとなっています。

 米国医師会雑誌によると、ニ
ューヨークで治療された5700人
の新型コロナウイルス感染患者
さんのうち、320 人が人工呼吸
管理を必要としましたが、その
死亡率は18歳~65歳では76.4%、
65歳以上では、実に97.2%に達
しています。

 一方で人工呼吸管理を必要と
しなかった患者さんの死亡率は、
18~65歳では19・8%、65歳以上
では26・6%でした。

 ICU で呼吸管理をしても65歳
以上では97%が救命できていな
いという事実を考えると、医療
資源やマンパワーの多くを重篤
なICU 管理の患者さんに注ぐこ
とには考え直す余地があります。
では、どうするべきでしょうか。

 医療者は、極力、呼吸管理を
必要とする重篤な状態になる患
者さんを減らすことに力を注ぐ
べきです。感染機会を減らすた
めの休業措置やICU での重篤患
者の管理と比較して、医療や社
会に与える負担はずっと少なく
てすみます。

 新型コロナ肺炎の経過は、通
常の肺炎と大きく異なります。
せきや発熱などの風邪症状を訴
えていた患者さんが、急に呼吸
困難に陥ります。多くの患者さ
んは、その息苦しさを「まるで
水におぼれたようだ」と表現し
ています。

 実際、肺に何が起きているの
でしょう。

 肺は非常に目の細かいスポン
ジ状の組織で気管支の末端には
「肺胞」という空気がたまる小
さな袋があります。肺胞の壁は
「間質」と呼ばれ、周りには毛
細血管が網の目のようにはりめ
ぐらされ、酸素をとりこみ二酸
化炭素を取り出すガス交換をし
ています。

 中国の武漢の病院が発表した
新型コロナによる肺炎患者さん
の顕微鏡写真によると、肺胞の
壁が厚くなり、肺胞内には水が
たまっていました。肺炎で死亡
した直後の顕微鏡写真には、液
体が肺胞にたまる「肺浮腫」が
映っていました。重度の呼吸不
全の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)
の所見です。

 こうした顕微鏡画像から想像
するに、新型コロナ肺炎が急激
に悪化するのは、肺の間質に集
まった血液細胞から、免疫にか
かわる「サイトカイン」と呼ば
れる蛋白質が過剰につくられ、
免疫が暴走するためだと考えら
れます。この点については、多
くの研究者の意見は一致してい
ます。

 新型コロナ肺炎においては、
間質に集まった血液細胞から出
たサイトカインによって血管の
細胞が傷つき、毛細血管漏出が
起こることにより肺胞内に水分
が漏れ出てしまいます。その結
果、肺胞と毛細血管とのガス交
換ができなくなっていると考え
られます。急激な呼吸困難の発
症や、高齢者に多くみられるこ
とも、こう考えれば説明がつき
ます。つまり、新型コロナウイ
ルス肺炎の治療は1ウイルス感
染2免疫の抑制3毛細血管漏出
――の三つがターゲットとなり
ます。

 抗ウイルス薬については、さ
まざまな薬で臨床試験が進んで
います。レムデシビルは、海外
での承認を前提に、日本でも特
例承認の手続きに入りました。

 日本を含め、欧米の各国で人
道的立場から53人の新型コロナ
ウイルス患者さんに使われた結
果が報告されています。53人の
うち、30人は人工呼吸器、4人
はECMOの装着が必要となりまし
た。2週間の経過観察で、36人
は症状が改善し、17人は人工呼
吸器、3人はECMOを使う必要が
なくなりました。死亡例は、呼
吸管理が必要だった患者さんで
は6人でしたが、呼吸管理を必
要としない患者さんでは1人に
過ぎませんでした。

 さらに、4月29日には、1063
人を対象としたギリアド・サイ
エンシズ社の国際治験の中間報
告が発表されました。これによ
ると、症状が回復するまでの期
間は、偽薬を使ったグループで
は平均15日でしたが、レムデシ
ビルを使ったグループでは平均
11日に短縮しました。ただ、死
亡率は統計的に意味のある差は
みられませんでした。

 一方、同日に発行された英ラ
ンセット誌には中国での試験結
果が報告されましたが、明確な
効果は示されませんでした。レ
ムデシビルを使った158 人と偽
薬を使った79人を比較した結果、
症状改善までの日数、死亡率と
もに統計的に意味のある差はあ
りませんでした。

 アビガンは富士フイルム富山
化学が開発し、インフルエンザ
治療薬として国内で製造・販売
が承認されています。ただ、妊
娠中の人が使うと胎児に異常が
出る恐れがあることから一般に
は販売されていません。わが国
では、すでに2千人を超える新
型コロナウイルス患者さんに、
観察研究の枠組みで使われてい
ます。わが国で使われた346 人
について、主治医の主観で2週
間後の状態を評価したところ、
軽症患者では90%、中等症患者
で85%、重症患者では61%に改
善が見られました。

 抗エイズ薬であるカレトラは、
中国から中等症患者を対象にし
た比較試験の結果が報告されま
したが、臨床症状の改善やウイ
ルスを除去する効果は見られて
いません。

 プラケニルはマラリアの薬で
ありますが、試験管内で抗ウイ
ルス作用のあることが発見され、
治療薬として期待されています。
トランプ大統領は、感染拡大の
状況を一変させる「ゲームチェ
ンジャー」として推奨していま
す。しかし、ブラジルからの比
較試験の報告では、投与量を変
えても効果は変わりませんでし
た。

 これまでのところ、ウイルス
減少効果を含め確実に効果が確
認された抗ウイルス薬はありま
せんが、効く仕組みを考えると、
発症の早期から使うことが必要
でしょう。人工呼吸器やECMOを
必要とする患者さんでは、その
効果は限定的だと思われます。
こうした状況の中、「第三のタ
ーゲット」として、毛細血管漏
出を防ぐ効果があるのではと期
待されている未承認薬がありま
す。オーストリアのベンチャー
企業が開発した「FX06」です。

 FX06は、血液の凝固にかかわ
る蛋白質「フィブリン」に由来
しており、天然に存在するアミ
ノ酸が鎖状につながった分子(
ペプチド)です。血管内皮細胞
に作用して、毛細血管から血液
成分が漏れるのを防ぐ作用があ
ります。エボラ出血熱で人工呼
吸器が必要となった患者さんに
この薬を使った所、毛細血管漏
出が改善し、救命できたという
症例の報告があります。 また、
200 人を超える心筋梗塞(こう
そく)の患者さんを対象にした
臨床試験では、薬の安全性が確
認されています。現在、ヨーロ
ッパでは、人工呼吸管理が必要
な重症の新型コロナ肺炎の患者
さんを対象に、臨床試験が始ま
っています。

 新型コロナウイルスは、想像
以上に広がっていることが予想
されます。過去に感染したこと
を示す抗体検査が米ニューヨー
ク市の住民に行われましたが、
陽性率は21%と、およそ5人に1
人はすでに新型コロナウイルス
に感染しているという結果でし
た。同様に、カリフォルニア州
サンタクララの住民の陽性率は、
2.5%から4.2%で、PCR 検査で確
定した新型コロナウイルス感染
者数の50~85倍に達することが
明らかになりました。ニューヨ
ークと同様に、東京でも想像し
た以上に新型コロナウイルスが
広がっている可能性はあります。

 抗体検査の結果が正しいとす
れば、新型コロナウイルスへの
感染はかなり広がっており、も
はやクラスター対策は意味をな
さないと言えます。一方で感染
しても大部分は無症状で、ICU
管理が必要な患者は、ごく少数
なのでしょう。

 つまり現時点では、呼吸管理
を必要とするような重症例にな
るのを防ぐ治療法の開発が、最
優先されるべきです。新型コロ
ナウイルス感染が死なない病気
になれば、多くの問題は解決し
ます。新型コロナ肺炎の病態を
考えると、ウイルスの減少効果
が証明された抗ウイルス薬の早
期使用と、免疫を抑える薬と毛
細血管から血液成分が漏れるの
を防ぐ薬を併用することが、最
も有望と考えられます。

 ちなみに、先に紹介したカレ
トラの臨床試験は、武漢の1病
院がわずか2週間で完了してお
り、その結果は、世界で最も権
威ある医学雑誌の米ニューイン
グランド・ジャーナル・オブ・
メディシンに掲載されました。
よく練られた研究デザインのも
とに、新型コロナ感染に立ち向
かう臨床医の参加と国民の理解
があれば、速やかに、現在、世
界が最も必要とする薬の開発に
つながるでしょう。臨床医の立
場から、可能性のある治療薬の
一刻も早い臨床試験の実施を切
望します。

 二年前の武漢熱治療薬につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 武漢に武官が駐留した。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 AP通信は5月3日、中国政府
がマスクなどの医療物資を確保
するため、新型コロナウイルス
の感染の深刻さを「意図的に隠
していた」可能性が高いとする
分析結果を米国土安全保障省が
まとめたと報じたのは、本当に
残念なことです。日本でマスク
が足りなくなったのも、そうい
ったことが原因だったのかと、
本当に中国には失望しました。
自分の国さえよければ、何をし
ても良いのかというやり場のな
い怒りを覚えました。アメリカ
も人のことは言えません。医療
原料の輸出をストップして、カ
ナダなどの国が困窮していると
されているからです。自国のこ
とだけと考えていると回り回っ
て、自分の国に災厄となって帰
ってくることを自覚なさること
でしょう。
 新型コロナウイルスの治療薬
として、さまざまな薬が候補に
あがっており、抗ウイルス薬「
レムデシビル」は月内にも承認
されそうということで喜ばしい
ことです。顕微鏡画像から想像
するに、新型コロナ肺炎が急激
に悪化するのは、肺の間質に集
まった血液細胞から、免疫にか
かわる「サイトカイン」と呼ば
れる蛋白質が過剰につくられ、
免疫が暴走するためだと考えら
れるということですが、この点
については、多くの研究者の意
見は一致しているということで
す。このサイトカインストーム
が、非ステロイド系抗炎症剤や
ステロイド剤によって惹起され
るのではないかと考えられてい
ます。間質性肺炎の治療に使わ
れる抗酸化物質が有効ではない
かとされています。

 想像したとおりに創造する。


 
 
 
 
 
 
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