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2022-03-31 21:18:18

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診療マル秘裏話  号外Vol.2127 令和3年5月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)細胞接着分子インテグリンα11の,CAFsの活性化解明
2)EUが幼虫を安全な革新的食品とし法制度を整備

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 細胞接着分子インテグリンα11の,CAFsの活性化解明

 
 
 
 
 
 
 順天堂大学は4月28日、非小
細胞肺ガンにおけるガン関連線
維芽細胞(CAFs:Cancer-assoc
iated fibroblasts)に対して、
CAGE法を用いた遺伝子発現の網
羅的な解析を行い、細胞接着分
子のインテグリンα11を介する
CAFsの活性化機序を解明したと
発表しました。この研究は、同
大大学院医学研究科呼吸器内科
学の高橋和久教授、十合晋作准
教授、岩井萌大学院生らと、理
化学研究所予防医療・診断技術
開発プログラム(PMI) の林崎
良英プログラムディレクター(
研究当時、現:株式会社ダナフ
ォーム)、伊藤昌可コーディネ
ーター、川路英哉コーディネー
ター(現:東京都医学総合研究
所)らの研究グループによるも
のです。研究成果は、「Molecu
lar Oncology」オンライン版に
掲載されています。

 近年、非小細胞肺ガンは国内
におけるガン死亡原因の第1位
です。昨今では分子標的治療薬
の導入により薬剤療法の効果が
認められるようになりましたが、
非小細胞肺ガンは予後が悪く、
ほぼ全例で再発することが課題
となっています。 その理由は、
ガン細胞とガン間質を含めた肺
ガン組織において、薬剤感受性
の多様性が存在するためと考え
られています。また、ガン間質
の量やガン間質における線維芽
細胞の増殖能の高さが予後の悪
化と強く相関することから、ガ
ン間質の制御の重要性が指摘さ
れ始めています。

 高い治療効果を得るためには、
CAFsと称される、ガン間質を主
に構成している線維芽細胞の機
能を制御する因子の解明が必要
と考えられます。そこで、研究
グループは、このCAFsの機能活
性に直接関与する特異的制御因
子を明らかにするため、理化学
研究所が独自に開発したCAGE法
を用いて、CAFsの遺伝子発現を
網羅的に探索しました。

 はじめに、ガン間質中に集ま
るCAFsの遊走能について検討し
ました。CAFsは、周囲のガン細
胞と相互に影響を及ぼし合う環
境下において活性化し、ガン細
胞の進展を促進させます。その
結果、ガン間質から分離したCA
F は、正常肺分離した正常肺線
維芽細胞と比較して、ガン間質
中の主要な構成蛋白質である1
型コラーゲンやフィブロネクチ
ンに向かう遊走能が活性化して
いることを発見しました。

 次に、このCAFsに特異的な遊
走能の活性化に関与している機
能制御因子を探るため、CAGE法
による転写プロモーター活性の
網羅的解析を行いました。その
結果、1型コラーゲンの受容体
であるインテグリンα11がCAFs
で高活性であること、蛋白質の
発現レベルにおいてCAFsでイン
テグリンα11の発現が増加して
いることが明らかになりました。

 また、CAFsを含むガン間質組
織中のインテグリンα11の発現
が高いほど術後再発を起こしや
すく、進行病期によってその発
現量が増加することから、イン
テグリンα11の発現と予後の悪
化との相関性が確認されました。

 さらに、ガン間質内のインテ
グリンα11の発現は、CAFsの特
異的マーカーとして報告されて
いるコラーゲンタイプXIα1の
発現と相関がみられ、CAGE法解
析や蛋白質の発現レベルにおい
ても、CAFsでコラーゲンタイプ
XIα1の転写活性や発現が高い
ことも明らかになりました。一
方、サイトカインのTGF-β1はC
AFs の遊走能を刺激するだけで
はなく、インテグリンα11とコ
ラーゲンタイプXIα1の発現を
増加させ、肺ガン細胞がCAFsに
向かって遊走することも分かっ
たということです。

 以上の結果から、CAFsとガン
細胞が互いに連携することでガ
ン間質にガン細胞を取り込み、
積極的にガンの進展を促進させ
るという、非小細胞肺ガンにお
けるCAFsの活性化機序が明らか
になりました。つまり、インテ
グリンα11+/コラーゲンタイプ
XIα1+CAFs を標的とした新た
な治療法が、ガンの進展をより
効果的に抑制する可能性が示さ
れました。

 CAFsは多様性を持っており、
これまでにさまざまな特異的な
マーカーが報告されています。
今回の研究では、その中でもイ
ンテグリンα11+/コラーゲンタ
イプX1α1+CAFsの活性化が肺
ガンの進展に特に重要な役割を
担っている可能性を明らかにし
ました。「今回の発見は、ガン
間質に存在するCAFsを標的とし
た従来の治療法とは異なる、新
たな肺ガン治療法への足掛かり
となる可能性があります。今後
さらに研究を重ねることで、CA
Fsの機能解明に関する研究は肺
ガン死亡者数の減少を導くブレ
ークスルーとなりうることが期
待される」と、研究グループは
述べています。

 細胞接着について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 神典を読むことで、歴史解釈
が進展した。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 EUが幼虫を安全な革新的食品とし法制度を整備

 
 
 
 
 
 
 欧州連合(EU)加盟国が、
一部の幼虫を食べても安全な「
革新的な食品」として法制度を
整備していくことで合意しまし
た。加盟27カ国内で、ゴミムシ
ダマシの幼虫「ミールワーム」
などをハンバーガーやプロテイ
ン飲料、ビスケットに合法的に
使えるようになります。

 欧州委員会が5月4日、明らか
にしました。「虫で蛋白質を摂
取するのは別に新しい話ではな
い。世界各地でずっと虫を食べ
ている」と強調しました。

 欧州委員会によると、既に11
件の虫を使った「新食品」の申
請があり、審査されていくこと
になります。特にアレルギーの
ある人に配慮し、虫を使った食
品には表示を義務付けます。加
盟国の一部では既に流通してい
る国もありますが、EU全体と
しての認可は初の試みとなりま
す。

 ミールワーム(Mealworm)(
あるいはミルワーム、ミルウォ
ーム、ミールウォーム)は、飼
育動物の生餌とするために飼育・
増殖されているゴミムシダマシ
科の甲虫の幼虫の総称です。栄
養価はカロリーこそ高いものの、
ミネラルなどの栄養バランスは
必ずしも良いとはいえないそう
です。

 ミルワームの料理について解

説している動画です。

 
 


 
 
 虫が嫌いな人は、虫の食品を
無視した。        笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 順天堂大学が4月28日、非小
細胞肺ガンにおけるガン関連線
維芽細胞(CAFs:Cancer-assoc
iated fibroblasts)に対して、
CAGE法を用いた遺伝子発現の網
羅的な解析を行い、細胞接着分
子のインテグリンα11を介する
CAFsの活性化機序を解明したと
発表したのは、素晴らしい業績
です。 臨床に携わっていると、
転移や再発などのガンの進展を
より効果的に抑制する方法はな
いのかといつも考えるようにな
ります。CAFsの不活化とガン進
展が、負の相関を示すようであ
るならば、CAFsの機能解明に関
する研究は肺ガン死亡者数の減
少を導くブレークスルーとなり
うると考えられます。
 欧州連合(EU)加盟国が、
一部の幼虫を食べても安全な「
革新的な食品」として法制度を
整備していくことで合意したの
は、食糧危機が来た時に何でも
食べなければという強い危機感
に後押しされたものだと思いま
す。日本でも、長野県では、蚕
の蛹や、蜂の幼虫などを食べる
習慣があると聞きます。とくに
蚕の蛹は、ミールワームと違い
栄養が豊富だそうです。若手の
女優の浜辺美波さんは、役柄上
虫を食べなければならなくなれ
ば、食べますと言っていました。
凄いプロ意識だと思いました。
我が家の妻と娘は、極端に虫を
怖がり、私に退治を要請してき
ます。浜辺美波さんの爪の垢を
煎じて飲ませたいと思いました。

 虫退治の時に、虫と対峙する。


 
 
 
 
 
 
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