最近の号外Vol.2118メルマガ

2022-03-20 23:43:56

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.2118 令和3年5月18日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)腫瘍溶解性ウイルス治療の実用化が日本でも近づく
2)JAKキナーゼのUCに対する適応の国内追加承認申請

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
1】 腫瘍溶解性ウイルス治療の実用化が日本でも近づく

 
 
 
 
 
 腫瘍溶解性ウイルス治療の実
用化が日本でも近づいてきまし
た。遺伝子改変したウイルスを
投与し、その増殖でガン細胞を
攻撃する手法です。トップを走
るのが東京大学の藤堂具紀教授
による「G47Δ」です。第一
三共が昨年末に申請しており、
今年中に承認される可能性が高
いとされています。中外製薬は
オンコリスバイオファーマ創製
の「テロメライシン」を第2相
臨床試験まで進めました。この
ほかアステラス製薬も鳥取大学
らと組んで前臨床試験を行って
います。

 「自分が米国にとどまってい
れば、先を越されなかったはず」。
藤堂教授がこう語る通り、海外
では先に登場した製品がありま
す。悪性黒色腫(メラノーマ)
向けに2015年に米国で承認され
たアムジェンの「イムリジック」
です。だが効果が限定的で、あ
まり普及していません。

 イムリジックとG47Δは、
いずれもヘルペスウイルスをベ
ースにしているので比較されや
すいのです。しかし、イムリジ
ックが2つの遺伝子を改変して
いるのに対し、G47Δは3つ
改変しています。このためG4
7Δは「第3世代」と呼ばれ、
高い治療効果と安全性が期待さ
れています。

 G47Δはまず神経膠腫(グ
リオーマ)を対象に申請しまし
たが、「ガン種を問わず、将来
はほとんどのガン患者に使える
可能性がある」と藤堂教授は、
言っています。それはヘルペス
ウイルスがあらゆる細胞に感染
できる能力を備えているためで
す。細胞から細胞に感染し、血
中抗体の影響で治療効果が減退
しない点も好都合とされていま
す。

 中外製薬が2019年にオンコリ
スから巨額で導入したテロメラ
イシンはアデノウイルスがベー
スです。アデノウイルスは遺伝
子改変が比較的容易な半面、ガ
ン細胞への攻撃能力はヘルペス
ウイルスに劣ります。それもあ
ってテロメライシンは放射線療
法や抗PD-1抗体との併用で開発
が進んでいます。

 ヘルペスウイルスとアデノウ
イルスは、ともに自然界に存在
する身近なウイルスです。これ
らをもとに、ガン細胞のみで増
殖するよう遺伝子改変して治療
に使います。一方、初めから人
為的にワクチン用として樹立さ
れたのがワクシニアウイルスで
す。感染できる細胞の種類が多
く増殖サイクルも早いとされて
います。

 アステラス製薬と提携する鳥
取大学の中村貴史准教授はワク
シニアウイルスに注目していま
す。転移したガン細胞にも効果
が届きやすいよう、細胞融合し
ながら増殖する新型ウイルス「
FUVAC」を開発しました。
アステラスは鳥取大のほか米カ
リビア・セラピューティクスと
も契約しており、カリビアもワ
クシニアウイルスをベースに選
んでいます。

 かつて“際物”扱いされた時
代もあった腫瘍溶解性ウイルス
ですが、遺伝子工学の発展で現
実味が増しています。ただし上
市を控え、量産という課題が浮
き彫りになりつつあります。G
47Δは受託先のデンカによる
生産体制の不備で申請が予定よ
り遅れました。オンコリスはテ
ロメライシンの量産のため、ス
イスのロンザに次ぐセカンドサ
プライヤーを選定中ということ
です。

 腫瘍溶解ウイルスはガン幹細
胞も攻撃できるため「ガン治療
の早期段階で使うのが望ましい」
(藤堂教授)とされています。
そのためには安定した品質で大
量生産できる技術の底上げが必
須になりそうです。

 ガンウイルス療法について解

説している動画です。

 
 


 
 
 剪定するハサミを選定中です。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 JAKキナーゼのUCに対する適応の国内追加承認申請

 
 
 
 
 
 
 ギリアド・サイエンシズ(以
下ギリアド)とエーザイは4月
23日、ヤヌスキナーゼ(JAK)
阻害薬フィルゴチニブについて、
中等症から重症の活動性潰瘍性
大腸炎に対する適応の国内での
追加承認をギリアドが申請した
ことを発表しました。

 フィルゴチニブは、関節リウ
マチに対する適応で2020年9月
に国内承認されている経口剤で
す。

 今回の申請は生物学的製剤未
使用、または使用歴のある中等
症から重症の活動性潰瘍性大腸
炎を有する患者さんを対象に、
フィルゴチニブの寛解導入およ
び維持に対する有効性、ならび
に安全性を評価した第2b/3相二
重盲検プラセボ対照第2b/3相ラ
ンダム化比較試験SELECTION の
データに基づいています。同試
験では、フィルゴチニブ1日1回
200mg 投与の有効性、安全性が
示され、新たな安全性リスクは
確認されませんでした。

 潰瘍性大腸炎の薬物療法につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 経口剤を携行する。   笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 腫瘍溶解性ウイルス治療の実
用化が日本でも近づいてきたの
は喜ばしいことです。遺伝子改
変したウイルスを投与し、その
増殖でガン細胞だけを攻撃する
手法は、ユニークかつ独創的な
ものと言えましょう。腫瘍溶解
ウイルスはガン幹細胞も攻撃で
きるため、ガン治療の早期段階
で使うのが望ましいというのは、
患者さんの身体の負担が非常に
少なくて済むという利点にもつ
ながると思います。悪液質が始
まってから投与しても、腫瘍量
が多すぎて、効果が薄い可能性
があります。これは、どの身体
の負担のかからない治療でも言
えることだと思います。
 ギリアド・サイエンシズ(以
下ギリアド)とエーザイが4月
23日、ヤヌスキナーゼ(JAK)
阻害薬フィルゴチニブについて、
中等症から重症の活動性潰瘍性
大腸炎に対する適応の国内での
追加承認をギリアドが申請した
ことを発表したのは、素晴らし
いことです。JAK 阻害薬は免疫
の機能を下げる働きがあるので、
感染症にかかりやすくなります。
頻度が高いのは、帯状疱疹、上
気道感染などであり、肺炎、結
核、敗血症といった重症なもの
にも注意が必要です。こうした
副作用に注意しながら使うこと
をお勧めします。

 妖怪が、光で溶解しながら何
か用かいと言う。     笑

 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント