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2022-03-03 21:56:00

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診療マル秘裏話  号外Vol.2103 令和3年5月1日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)腸幹細胞が老化,ガン化する分子レベルの仕組解明
2)武漢熱に、抗ウイルス薬を早期使用することを推奨

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 腸幹細胞が老化,ガン化する分子レベルの仕組解明

 
 
 
 
 
 
 「老化に伴って腸の幹細胞が
過剰に増殖し、ガン化する分子
レベルの仕組みをショウジョウ
バエで解明した」と理化学研究
所などの研究グループが発表し
ました。幹細胞のガン化は哺乳
類でもみられ、ヒトの老化に伴
うガン発生機構の解明にも役立
つ可能性があるということです。

 分化する能力を持つ幹細胞は、
生物の体の維持に重要な役割を
果たしています。ただ無秩序に
増殖するとガンが生じるため、
増殖は厳密に制御されなければ
なりません。中でも新陳代謝が
激しい消化管は、幹細胞による
組織の維持とガン化の研究対象
として注目されています。老化
により腸幹細胞は過剰に増殖し
ガン化しますが、その仕組みは
よく分かっていませんでした。

 そこで研究グループは、多細
胞生物のモデルとして実験など
に使われるショウジョウバエを
調べました。ショウジョウバエ
もヒトと同様に老化に伴って腸
幹細胞が過剰に増殖し、ガン化
して個体が死んでしまうことが
あります。野生型と、「ホワイ
ト遺伝子」と呼ばれる遺伝子の
機能がなくなった「ホワイト変
異体」とで若齢(羽化後1週)
と老齢(同1.5~2カ月)を比べ
ると、野生型は老化により腸幹
細胞が過剰に増殖したのに対し、
ホワイト変異体では過増殖はみ
られませんでした。

 また老化により、野生型では
腸幹細胞にビタミンBの一種「
葉酸」の代謝物が蓄積しますが、
ホワイト変異体では蓄積しない
ことが分かりました。葉酸代謝
物は,DNA合成を制御し、細胞の
増殖に必要な物質とされていま
す。野生型では、老化すると腸
幹細胞でホワイト遺伝子の発現
が増え、葉酸代謝物が腸幹細胞
に蓄積していました。蓄積した
葉酸代謝物が,DNAの合成を促し、
細胞の増殖やガン化を促すこと
も分かりました。

 一方、実験でホワイト遺伝子
の発現や葉酸代謝物の蓄積を抑
えると、腸幹細胞のガン化が抑
えられ個体の寿命が伸びました。
DNA の合成を阻害する薬剤を投
与しますと、老化に伴う腸幹細
胞のガン化がみられなくなりま
した。

 一連の結果から、ショウジョ
ウバエでは老化によって腸幹細
胞でホワイト遺伝子が増え、葉
酸代謝物が蓄積しました。この
葉酸代謝物がDNA 合成を促進し
て過剰な細胞増殖を招き、ガン
化に至ることを見いだしました。
ホワイト遺伝子は変異するとハ
エの目が白くなることで知られ
ます。これが老化の際の腸幹細
胞のガン化にも関わるという新
機能を発見しました。

 ホワイト遺伝子に似た遺伝子
をヒトも持っています。また葉
酸代謝はヒトのガンに関わって
おり、これを阻害する抗ガン剤
が広く使われています。研究グ
ループの理研生命機能科学研究
センター動的恒常性研究チーム
チームのユ・サガンチームリー
ダー(遺伝学)は会見で「葉酸
は細胞のガン化に必要とされて
いるが、必要であるだけでなく、
ガン化を促進することも分かっ
た。ヒトについて今は何ともい
えないが、長期的には医学にも
貢献する成果になったかもしれ
ない」と述べました。

 研究グループは理研、関西学
院大学などで構成されています。
成果は代謝や恒常性に関する専
門誌「ネイチャーメタボリズム」
に日本時間4月6日に掲載されま
した。

 老化とガン化についての研究

について解説している動画です。

 
 


 
 
 工場で恒常性に関する研究を
行った。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 武漢熱に、抗ウイルス薬を早期使用することを推奨

 
 
 
 
 
 
 愛知医科大学大学院医学研究
科臨床感染症学教授の三鴨廣繁
氏は4月1日、新型コロナウイル
ス感染症(武漢熱)治療につい
て、「抗ウイルス薬はできるだ
け早く使った方がいい」と強調
しました。製薬会社ギリアド・
サイエンシズが開いたセミナー
で発言しました。

 武漢熱の治療薬に関して国内
では、抗ウイルス薬の「ベクル
リー」(一般名:レムデシビル)、
抗炎症薬の「デカドロン」(一
般名:デキサメタゾン)のみが
承認されています。三鴨氏はレ
ムデシビルについて「当初は重
症患者に使う薬だと多くの人が
認識していたことから、現在で
も一部の臨床現場でそのような
誤解がある」と指摘しました。
厚生労働省は1月、米国国立衛
生研究所(NIH) と米国国立ア
レルギー・感染症研究所(NIAI
D)による国際共同第3相試験Ad
aptive Covid-19 Treatment Tr
ial(ACTT-1試験) の結果を踏
まえ、レムデシビルの中等症患
者さんへの投与を認めています。
三鴨氏は、重症化リスクが高い
症例は急速に重症化し、急性呼
吸窮迫症候群(ARDS)症例に至
ると50%以上の確率で救命困難
になるとのデータを提示した上
で、「抗ウイルス薬使用のタイ
ミングは重症化する前が最適だ」
と話しました。

 三鴨氏は、ACTT-1試験につい
ても改めて解説しました。試験
の結果を踏まえ、「レムデシビ
ルは、低流量の酸素補給を受け
ていた患者で、人工呼吸装着や
死亡に至った患者の割合をプラ
セボ群と比べて減少させた」と
病態進行の抑制効果を説明しま
した。また死亡率の低下につい
て、「レムデシビル群では、ベ
ースラインで低流量の酸素補給
が必要な患者の死亡率を70%減
少させた」としました。

 同試験は、18歳以上の武漢熱
ウイルス陽性者1062人を対象に多施
設国際共同、無作為化、二重盲
検、プラセボ対照で実施したも
のです。主要評価項目には回復
までの期間が置かれ、レムデシ
ビル群で回復への期間が5日短
縮されたことが添付文書改訂の
根拠となりました。

 三鴨氏はまた、治療薬となり
うる候補の薬について、「アク
テムラ」(一般名:トシリズマ
ブ)や「アビガン」(一般名:
ファビピラビル)、「ストロメ
クトール」(一般名:イベルメ
クチン)などで臨床試験が進ん
でいることを紹介しつつ、「確
立した治療法はない。その中で
医療者は工夫しながら(適応外
処方含め)薬を使っている」と
臨床現場での治療の現状を述べ
ました。

 なおイベルメクチンをめぐっ
ては、海外から個人輸入し、医
療機関を介さずに独自判断で服
用するケースが散発しており、
安全性の観点からも問題になっ
ています。WHOは3月31日、イベ
ルメクチンについて「臨床試験
内の武漢熱の治療にのみ使用す
ることを推奨する」とした勧告
を公表しました。現在あるエビ
デンスは不十分で、「決定的で
はない」としています。

 内服薬についても、投与のタ

イミングが発症から5日以内と

いう条件が付いています。内服

薬について解説している動画で

す。

 
 


 
 
 韓国に、条約履行を勧告した。


 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 「老化に伴って腸の幹細胞が
過剰に増殖し、ガン化する分子
レベルの仕組みをショウジョウ
バエで解明した」と理化学研究
所などの研究グループが発表し
たのは、素晴らしい業績です。
幹細胞のガン化については京都
大学のiPS 細胞のガン化が話題
になっていますが、実際にどの
ようにガン化するのかについて
の研究は、余りなされていない
ようです、一方でガン幹細胞マ
ーカーとは SOX2、OCT3/4 など、
2012年ノーベル医学・生理学賞
を受賞した山中ファクターと考
えられているため、やはりガン
細胞あるいは、ガン幹細胞とiP
S 細胞は、浅からぬ因果関係が
あるようです。
 愛知医科大学大学院医学研究
科臨床感染症学教授の三鴨廣繁
氏が4月1日、新型コロナウイル
ス感染症(武漢熱)治療につい
て、「抗ウイルス薬はできるだ
け早く使った方がいい」と強調
しました。製薬会社ギリアド・
サイエンシズが開いたセミナー
で発言したのは、実地の臨床か
らにじみ出た言葉であると私は、
考えています。ただ、iPS 細胞
の研究から明らかになった、「
ラロキシフェン(商品名:エビ
スタ、骨粗鬆症の薬)なども、
出来るだけ早く、臨床試験を行
って、臨床の現場で使えるよう
にして頂くことを希望します。

 喜望峰の航路を希望する。笑

 
 
 
 
 
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