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2022-02-10 22:27:59

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診療マル秘裏話  号外Vol.2085 令和3年4月10日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)痛くなく高濃度乳腺でもガン発見可の乳ガン検診
2)ACE2受容体過剰発現未分化iPS細胞で薬効検証

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 痛くなく高濃度乳腺でもガン発見可の乳ガン検診

 
 
 
 
 日本では、毎年約9万人の女
性が乳ガンと診断され、約1万
5000人が乳ガンにより亡くなっ
ています。しかし、乳ガンはス
テージ1で発見すれば10年生存
率は98%と他のガンと比べても
高いとされています。そのため、
厚生労働省では早期発見を目的
とし、罹患率の高い40歳以上の
女性を対象に2年に1度、マンモ
グラフィによる検診を行うとい
う指針を定めています。

 マンモグラフィとは、乳房専
用のX線撮影のことで、X線を
体内に効率よく透過させるため
に、乳房を強く圧迫して薄く潰
して撮影を行うことから、痛い
や怖いというマイナスのイメー
ジを持たれやすい他、若年層を
中心とした乳腺密度が高い人(
高濃度乳腺)を撮影した場合、
乳腺と腫瘍が同じように白く写
ってしまう病変が発見しづらい
という問題が知られています。
実際に、2016年の日本乳癌学会
の集計では、乳ガンと新たに診
断された方のうち、検診で発見
されたのは34%のみで、53%は自
己発見でした。

 こうした問題点の解消に向け、
痛みを感じず、腫瘍を発見しや
すい検診技術の開発が各所で進
められています。2016年5月に、
創業されたベンチャー企業であ
る「Lily MedTech」もそうした
1社で、痛みがなく、腫瘍を発
見しやすい乳房用超音波画像診
断装置の開発を行っています。
同社が開発を行っている装置は、
乳房を装置の穴の中に入れるだ
けで、リング状の超音波振動子
が上下に移動しながら乳房内を
網羅的に撮影するという仕組み
を採用しています。振動子が乳
房を圧迫しないため、痛みを感
じることがない点や、超音波画
像では乳腺が白く、腫瘍は黒く
写るため、乳腺密度が高い乳房
の場合であっても、腫瘍を発見
しやすいのが特徴だということ
です。

 同装置の開発を決めたのは、
同社の取締役/CTOを務める東隆
氏が東京大学で行っていた医療
超音波の研究を乳房に応用でき
るのではないかと考えたことに
あります。乳ガン検診における
現行の診断装置の問題点を解決
する技術として活かしたいとい
う想いから、現在同社の代表取
締役を務める東志保氏とともに
起業を決意しました。起業から
4か月後の2016年9月には試作
品を完成させ、同12月には東大
病院でヒトを対象とした臨床研
究を開始しました。その際に悪
性腫瘍の患者さんの撮影を行い、
マンモグラフィで捉えられなか
った腫瘍を3次元で撮影するこ
とに成功したことで、資金調達
が進み、開発・量産体制が強化
されることとなりました。CTO
の東氏は、研究を実用化するに
あたって、研究目的で使用され
る未承認機器と異なり、製品と
して販売するためには医療機器
としての規格に適合し薬事認証
を取得する必要があり、必要な
機能と安全性を医療機器の規格
と合致させることに時間や開発
リソースが必要だったというこ
とです。

 また、装置の開発と並行して、
AIを使って検診の精度を高める
手法も開発中です。このAIの開
発には、アマゾンウェブサービ
スジャパン(AWS)がAWSクレジッ
ト、AWS サポートプランクレジ
ット、およびトレーニングなど
のさまざまな特典をスタートア
ップ企業に提供し、ビジネスの
成長を支援する「AWS Activate」
の活用及びAWS スタートアップ
支援チームによる技術支援によ
り、開発コストの負担軽減を図
ったということです。

 ディープラーニングを用いた
AIの学習では膨大なデータ量を
用いた検討も試みており、その
データ処理量に応じてコストが
高くなる傾向がありますが、AW
S Activateでは、AWS のサービ
スに利用可能なAWS クレジット
の提供や、サポートを受けるこ
とができるため、開発中に試し
てみたいことを広く検討するこ
とができ、確実性の高い技術開
発につながっているということ
です。

 なお、同装置は2021年中に上
市に向け準備を進めており、東
志保 代表取締役も,「今までに
ない価値を提供することで、乳
ガンの早期発見に貢献したい」
と普及に向けた意欲を見せてい
ます。

 検診プロセスを簡易化し、診
断を簡便にするソリューション
を武器に”乳ガンによって人生
の選択肢をうばわれないように”
という思いから生まれたLily M
edTechという企業。その思いを
具現化した装置が完成した今、
まさに乳ガンによる死亡率を低
減するという同社のビジョンの
実現に向けた本当の挑戦が始ま
ったといえるでしょう。

 乳房超音波検査について解説

している動画です。

 
 


 
 
 死亡率を低減する方法につい
て提言した。       笑

 
 
 
 
 
 
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2】 ACE2受容体過剰発現未分化iPS細胞で薬効検証

 
 
 
 
 
 
 京都大学iPS細胞研究所(
CiRA)の高山和雄講師はオ
ンライン開催された日本再生医
療学会総会で講演し、新型コロ
ナウイルスが人の細胞に入り込
む際に足がかりにするACE2
受容体を過剰発現させた未分化
iPS細胞を用いて薬効検証を
行った所、昨年5月に特例承認
された抗ウイルス剤「レムデシ
ビル」や蛋白質分解酵素阻害剤
「カモスタット」に強い抗ウイ
ルス効果が認められたと報告し
ました。

 一方で抗インフルエンザ薬「
ファビピラビル」やマラリアな
どの治療薬「クロロキン」は「
抗ウイルス効果を確認できなか
った」としました。寄生虫感染
症治療薬「イベルメクチン」は
細胞毒性が強く、「実際に使う
場合には毒性の考慮が必要と考
えられる」と話しました。

 「未分化iPS細胞は抗ウイ
ルス効果を考察できる一方、細
胞機能への評価は見えない」と
も語り、体細胞とあわせた薬効
評価が必要になるとの見解を示
しました。

 iPS細胞を利用しての創薬に

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 絞殺は、おかしいと検視官が
考察した。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 痛みがなく、腫瘍を発見しや
すい乳房用超音波画像診断装置
の開発を行っているメーカーと
いうことですが、他の痛みがな
い画像診断としては、マンモCT
や、神戸大学が開発したマイク
ロ波によるものがあります。こ
うした画像診断を過去のメルマ
ガで紹介してきました。実際に
乳ガン検診を受けた女性に聞く
と、痛くて二度と受けたくない
言っていました。痛い検診で、
なおかつ、若い女性に多い高密
度乳腺で検出率が悪いというの
では、検診率が下がっても当然
と言えるでしょう。こうした質
の悪い検診には、行政の怠惰や、
既得権益の問題が絡んでいます。
こうした問題を解決しない限り、
健診率は、上がることはないと
私は、考えています。
 京都大学iPS細胞研究所(
CiRA)の高山和雄講師がオ
ンライン開催された日本再生医
療学会総会で講演し、新型コロ
ナウイルスが人の細胞に入り込
む際に足がかりにするACE2
受容体を過剰発現させた未分化
iPS細胞を用いて薬効検証を
行った所、昨年5月に特例承認
された抗ウイルス剤「レムデシ
ビル」や蛋白質分解酵素阻害剤
「カモスタット」に強い抗ウイ
ルス効果が認められたと報告し
たのは、素晴らしい業績だと思
います。所詮、試験管レベルの
試験ですから、実際の生体内と
は、違うということを頭に入れ
て置く必要があります。それ故
に「未分化iPS細胞は抗ウイ
ルス効果を考察できる一方、細
胞機能への評価は見えない」と
も語り、体細胞とあわせた薬効
評価が必要になるとの見解を示
したのは、的を得たものの見方
であると感じました。

 県会で議員さんが見解を示し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
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