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2022-01-28 21:01:50

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診療マル秘裏話  号外Vol.2074 令和3年3月28日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)小児ガンの診療や療養の実態のアンケート結果を公表
2)片頭痛で初の抗体製剤エムガルテイが,製造販売承認

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 小児ガンの診療や療養の実態のアンケート結果を公表

 
 
 
 
 国立ガン研究センター(東京
都中央区)は、小児ガンの診療
や療養の実態について、患者さ
んの家族ら約1千人から寄せら
れたアンケートの結果を公表し
ました。初めての全国調査で、
成人に比べて経済的負担が大き
いことや、勉強を支援する体制
が貧弱な現状が浮かび上がりま
した。

 調査は2014年か2016年にガン
と診断された18歳以下の患者さ
んが対象で、19~20年に実施し
ました。

 患者さんの平均年齢は,7.8歳
です。白血病が39%で最も多く、
次いで脳腫瘍が13%でした。

 調査によると、治療のための
費用を確保するために生活に何
らかの影響があったと答えた人
は42%でした。複数回答で「長
期に貯蓄していた貯金を切り崩
した」が26%、「日常生活にお
ける食費、衣料費を削った」が
23%、「親戚や他人から金銭的
援助を受けた(借金を含む)」
が13%でした。特に日常生活の
費用を削ったり、親戚らから金
銭的援助を受けたりした割合は、
成人のガン患者さんに対する同
様の調査結果と比べ、それぞれ
10ポイント程度高いという結果
がでました。病気の子どものた
めの国の医療費助成や手当など
は、99%の人が活用していまし
た。しかし、医療費の負担によ
ってガンの治療を変更・断念し
た人も3%いました。

 医療費のほかに経済的負担が
大きかったのは、「交通費」が
61%、「付き添い家族の生活費・
宿泊費」が58%でした。すべて
の都道府県に拠点病院がある成
人のガン医療と異なり、患者数
が少ない小児ガンの拠点病院は
全国15カ所です。治療のために
遠方の病院に通院したり、入院
したりすることも少なくありま
せん。幼い子どもの場合、家族
は病棟に泊まり込んだり、病院
近くの宿泊施設に長期間滞在し
たりする費用も必要になります。

 教育面では、小中学校では院
内学級などへの転校が最も多く
なりました。一方、高校では61
%が休学し、退学したという回
答も9%ありました。遠隔授業
など、何らかの支援制度につい
て、「利用なし」と答えた人の
割合は61%に上りました。

 国立ガン研究センターの小川
千登世・小児腫瘍科長は「小児
ガンの患者は交通費や付き添い
家族の生活費など、成人患者よ
りも負担が大きく、サポートの
充実が必要だ」と話しています。
例えば欧州では電車での通院で
感染リスクが上がる場合、タク
シーでの通院費を国から支援さ
れるところもあるということで
す。

 高校生の時に悪性リンパ腫を
経験した東京都立小児総合医療
センターの血液・腫瘍科医、松
井基浩さんは学習環境の整備に
ついて、「ずっと課題になって
いるが、人員の確保や学籍、単
位の変換などが難しく高校の院
内学級設立は進んでいない。た
だ、コロナ禍でオンライン授業
を導入する学校が急速に増えて
きた。治療中で学校に通えない
患者も遠隔で授業を受けられる
ように、整備を進めてほしい。
授業に参加してクラスとつなが
っているという感覚が得られる
ことも、治療をしながら学習を
続け、スムーズに復学するため
に重要だ」と話しています。

 調査報告書は、センターのホ
ームページ(https://www.ncc.
go.jp/jp/cis/divisions/healt
h_s/project/pediatric/ped1.h
tml別ウインドウで開きます)
で見ることができます。

 小児ガンのトータルケアーに

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 間隔を空けるという感覚が必
要です。

 
 
 
 
 
 
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2】 片頭痛で初の抗体製剤エムガルテイが,製造販売承認

 
 
 
 
 
 
 日本イーライリリー社は2月
25日、片頭痛で初の抗体製剤と
なる「エムガルティ」(一般名:
ガルカネズマブ〈遺伝子組換え〉)
の製造販売承認を記念し、オン
ラインでプレスセミナーを開催
しました。セミナーで登壇した
平田幸一氏(日本頭痛学会代表
理事、獨協医科大学副学長)は、
慢性頭痛の診療ガイドラインに
ついて、「半年以内にも改訂版
を発行する予定」と明言しまし
た。内容はまだ調整中だとしつ
つ、抗CGRP(カルシトニン遺伝
子関連ペプチド)抗体薬による
治療について盛り込みたいと意
欲を示しました。現行のガイド
ラインは2013年版で、8年ぶり
の改訂となります。

 エムガルティはヒト化抗CGRP
モノクローナル抗体製剤で、片
頭痛発作時に上昇するCGRPの活
性を阻害し片頭痛発作を抑制す
る新規作用機序を持っています。
通常、成人にはガルカネズマブ
(遺伝子組換え)として初回に
240mg を皮下投与し、以降は1
か月間隔で120mg を皮下投与し
ます。12月に開かれた薬事・食
品衛生審議会の医薬品第一部会
で厚生労働省は、適応患者の選
定や医療機関の要件、重篤な副
作用が発現した際の対応などに
ついて、今後作成する「最適使
用推進ガイドライン」で示すと
しています。

 セミナーで平田氏は、片頭痛
の社会的な損失への影響につい
て、「片頭痛は1990年、2016年
いずれの報告も、日常生活に支
障をきたす疾患の第2位だった」
と指摘しました。働き世代・子
育て世代の女性で有病率が高く、
労働生産性が低下していること
も問題視しました。その上で平
田氏は、「発症抑制薬の使用に
より、発作頻度や重症度等が軽
減し、生活への支障が緩和され
る」との考えを表し、「片頭痛
治療は残念ながら今まで進んで
いなかった。CGRPを直接阻害す
る薬が出てきたことで、これか
ら治療が大きく変わっていくの
ではないか」と、抗CGRP抗体薬
を用いた治療に期待を寄せまし
た。

 エムガルティの国内第3相長
期投与試験(CGAP試験)は、片
頭痛患者(反復性/慢性)311例
を対象に、多施設共同、無作為
化、非盲検で実施したものです。
非盲検投与期間は12か月です。
主要評価項目の安全性について
反復性片頭痛では、エムガルテ
ィ120mg 群の副作用発現割合が
120例中39 例でした。主な副作
用は、注射部位紅斑21例、注射
部位そう痒感17例、注射部位腫
脹10例でした。重篤な有害事象
は4例で子宮ポリープ、乳ガン、
急性胆管炎、靱帯断裂が発現し
たものの、同薬との因果関係は
否定されています。投与中止に
至った有害事象は不安障害(2
例)、子宮筋腫、無力症、腎障
害の5例です。このうち、無力
症と腎障害は同薬との因果関係
が否定できないと判断されまし
た。死亡例はありません。

 一方、慢性片頭痛では、エム
ガルティ120mg 群の副作用発現
割合が32例中9例みられ、注射
部位そう痒感5例、注射部位紅
斑3例、注射部位疼痛2例でし
た。重篤な有害事象は1例で、
ストレス心筋症が発現しました。
同薬との因果関係が否定できな
いと判断されました。投与中止
に至った有害事象は注射部位そ
う痒感(2例)、ストレス心筋
症の3例で、いずれも同薬との
因果関係が否定できないと判断
されています。死亡例はありま
せんでした。

 同試験の副次評価項目には、
1か月あたりの片頭痛日数のベ
ースラインからの変化量、免疫
原性(抗ガルカネズマブ抗体発
現)、薬物動態(血清中ガルカ
ネズマブ濃度)等が設定されま
した。このうち、12か月後の1
か月あたりの片頭痛日数のベー
スラインからの平均変化量は、
反復性片頭痛のエムガルティ12
0mg/エムガルティ120mg群(n=5
8)で1.8日減、プラセボ/エム
ガルティ120mg群(n=62)で4.3
日減でした。慢性片頭痛のエム
ガルティ120mg群(n=32)では9
.4日減でした。

 臨床試験結果を発表した埼玉
精神神経センター・埼玉国際頭
痛センター長の坂井文彦氏(日
本頭痛学会顧問)は、エムガル
ティ群とプラセボ群で片頭痛日
数に明確な差が出たとして、「
片頭痛の臨床試験で評価するの
は患者さんの自覚症状」と客観
的な指標がないことを前置きし
つつ、「臨床試験で片頭痛のメ
カニズムにエビデンスを示すこ
とができたとも考えられる。推
測だけで見えなかったものが、
データとして見えてきた」と評
価しました。

 既存薬との使い分けについて
坂井氏は、「エムガルティは半
減期が1月と長いので、予防的
な使い方がされるだろう」とし、
「既存の予防薬や急性期治療薬
との併用もありうる」との認識
を示しました。

 カルシトニン遺伝子関連ペプ
チド (calcitonin gene-relate
d peptide、略:CGRP) とは、中
枢神経、心臓や血管など末梢の
一次知覚神経の終末および遠位
端に存在しているアミノ酸37個
からなるペプチドです。カルシ
トニン遺伝子関連ペプチドは受
容体を介して細胞内cAMPを上昇
させ、血管拡張、心拍数減少お
よび心筋収縮力増大を起こした
りします。炎症にも関連し、軸
索反射により放出されると紅斑
(フレア)が出ます。鍼灸では
この作用を利用し、体質改善を
促進したりしています。また、
片頭痛では三叉神経末端が刺激
されてそこからCGRPが分泌され、
血管拡張を誘発して片頭痛が起
こるとされています。カルシト
ニン (calcitonin) とは、哺乳
類では甲状腺の傍濾胞細胞、哺
乳類以外では鰓後体のC細胞(ca
lcitonin cellsの略) などから
分泌される32アミノ酸残基を有
するペプチドホルモンです。P.
E. Hirschにより,1963年に発見
されました。カルシトニンは血
中のカルシウム濃度の上昇によ
り分泌が促進され、カルシウム
濃度が低下すると分泌が抑制さ
れます。カルシトニンは破骨細
胞に存在するカルシトニン受容
体(英)に作用して骨からのカル
シウムの放出を抑制し、骨への
カルシウムとリン酸の沈着を促
進します。尿中へのカルシウム
とリン酸の排泄を促進する作用
も有しています。また長期的に
は、新たな破骨細胞の形成を抑
制して、骨形成作用を相対的に
増加させます。

 エムガルティーについて解説

している動画です。

 
 


 
 
 相対的な考え方に嫌気がさし
て、早退する。      笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 国立ガン研究センター(東京
都中央区)が、小児ガンの診療
や療養の実態について、患者さ
んの家族ら約1千人から寄せら
れたアンケートの結果を公表し
たのは、意義深いものであると
考えさせられました。小児ガン
の専門医がいる拠点病院が少な
いということについて、過去の
メルマガで紹介しましたが、そ
れだけではなく、治療に多大な
費用がかかるということは、あ
まり知られていない事実です。
小児ガンに続く世代のAYA 世代
のガンについても、同じ傾向が
あると私は、考えています。保
険診療で医療機関に支払うお金
だけではないという点が気にな
りました。
 日本イーライリリー社が2月
25日、片頭痛で初の抗体製剤と
なる「エムガルティ」(一般名:
ガルカネズマブ〈遺伝子組換え〉)
の製造販売承認を記念し、オン
ラインでプレスセミナーを開催
したのは、喜ぶべきことだと思
います。この文章を書いている
時点で、まだ薬価が決まってい
ませんが、抗体製剤は、一般に
高価です。三叉神経周囲の血管
拡張の前段階を治療するという
ことは、画期的ですが、実際に
臨床で使うか否かは、やはり値
段次第かなと考えております。
カルシトニン遺伝子関連ペプチ
ドが、鍼灸にも関係していたと
は、意外でした。

 鍼灸学校で、進級できた。笑

 
 
 
 
 
 
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