最近の号外Vol.2067メルマガ

  1. Home
  2. 最近の号外Vol.2067メルマガ

2022-01-20 18:59:54

カテゴリー:ブログ



藤田のブログランキングアップにご協力お願いします。
以下のバナーをぽちっとクリックお願いします。


病院・診療所ランキング

 
診療マル秘裏話  号外Vol.2067 令和3年3月20日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)高悪性度前立腺ガン診断方法を確立したと発表
2)脳内のマイクロRNA-33が、適応熱産生に重要と判明

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 高悪性度前立腺ガン診断方法を確立したと発表

 
 
 
 
 近畿大学は2月19日、前立腺
の上皮細胞から分泌される腫瘍
マーカー「血中コア型フコシル
化PSA」 を短時間かつ高感度に
測定するシステムによって、高
悪性度前立腺ガンを診断する方
法を確立したと発表しました。
この研究は、同大医学部泌尿器
科学教室の藤田和利准教授ら、
大阪大学大学院医学系研究科の
研究グループによるものです。
研究成果は、医学雑誌「Intern
ational Journal of Cancer」
にオンライン掲載されています。

 前立腺ガンは、近年高齢化と
ともに発症数が増加し、国内で
は男性で最も多いガンとされて
います。年間約9万1,000人が発
症し、進行度と悪性度によって
分類され、5割程度が中高悪性
度であると言われています。

 悪性度の低いガンに対しては、
ガンと診断されても治療を行わ
ずに経過観察をすることがある
一方で、悪性度が高い場合は、
転移がなければ手術(ロボット
支援前立腺全摘除術)や放射線
治療が行われ、転移があればホ
ルモン療法などが選択されます。
そのため、治療方法を決める際
には、進行度だけでなく、この
悪性度を正しく診断することが
非常に重要となります。

 しかし、広く行われているPS
A 検査は悪性度と関連がないた
め、治療が不要な人まで異常値
を示すことで不必要な検査が行
われ、問題となっています。

 血中のコア型フコシル化PSA
におけるフコシル化とは、ガン
および炎症における重要な糖鎖
修飾の一つであり、フコースと
いう糖の一種が付く部位によっ
て「コア型」「Lewis型」「H型」
の3種類が存在します。研究グ
ループは、これまでに質量分析
による血清蛋白の糖鎖構造解析
を行い、前立腺ガン患者さんで
は他のガン種と異なり、フコー
スが糖鎖の根元につくコア型フ
コシル化が優位であり、悪性度
の指標となるグリソンスコアと
関連していることを報告してき
ました。

 今回の研究では、血中コア型
フコシル化PSA に着目し、高悪
性度前立腺ガンのバイオマーカ
ーとしての有用性を検討しまし
た。252人のPSA高値で前立腺生
検を受けた患者さんの血清を用
いて調べた所、血中コア型フコ
シル化PSAとPSA値から得られる
フコシル化PSA 指標は、ガンの
悪性度の指標となるグリソンス
コアと有意に関連していました。

 診断能力は、従来のPSA 検査
よりも性能が良く、90%の高悪
性度前立腺ガンを検出すること
ができ、36%の不要な前立腺生
検を回避することができたとい
うことです。

 研究グループは、血中コア型
フコシル化PSA検査を従来のPSA
検査と共に行うことにより、高
悪性度前立腺ガンの効率的検出
につながり、患者さん負担の高
い不要な生検を減らすことが期
待できるとしています。

 なお、近畿大学病院では、同
検査の適用を目指し臨床試験を
開始すべく準備を進めています。

 新しいPET検査について解説

している動画です。

 
 


 
 
 芙蓉の花は、不要だと告げら
れた。          笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 脳内のマイクロRNA-33が、適応熱産生に重要と判明

 
 
 
 
 
 
 京都大学は2月17日、脳内の
マイクロRNA-33(miR-33)が、
適応熱産生に重要であることを
見出したと発表しました。この
研究は、同大大学院医学研究科
の堀江貴裕助教、尾野亘准教授
らの研究グループによるもので
す。研究成果は、「Nature Com
munications」 に掲載されてい
ます。

 脂肪細胞には、いわゆる皮下
脂肪や内臓脂肪などの白色脂肪
細胞と、主に首、肩、鎖骨や肩
甲骨、腎臓周辺に存在する褐色
脂肪細胞の2種類があります。
この2つの脂肪細胞は、同じ脂
肪であるにもかかわらず対照的
で、細胞内に栄養を脂肪として
貯蓄する白色脂肪細胞に対し、
褐色脂肪細胞は脂肪を分解し、
熱を産生することで体温の調節
をします。この褐色脂肪細胞の
機能低下や数の減少が、生活習
慣病やメタボリックシンドロー
ムの原因になることが分かって
きました。また、特に寒い環境
下では、交感神経の活動が高ま
るにつれて褐色脂肪細胞が活性
化し、体温が下がりすぎないよ
う熱を産生(適応熱産生)しま
す。

 これまで研究グループは、コ
レステロール合成および取り込
みに重要なSterol regulatory
element-binding protein 2(S
REBP-2)遺伝子のイントロン16
にあるmiR-33の機能を、世界に
先駆けて詳細に検討してきまし
た。その結果、miR-33の存在に
より、低HDL-C,動脈硬化症、動
脈瘤、(心臓)線維化が生じる
ことを明らかとしてきました。
一方、miR-33の欠損マウスでは
肥満が生じることが分かってい
ましたが、その原因ははっきり
としていませんでした。

 今回、研究グループは、miR-
33欠損マウスが低温で体温が維
持できないこと、その原因が褐
色細胞からの熱産生が起きにく
いことであることを明らかにし
ました。また、カテコラミン産
生細胞(交感神経)特異的にmi
R-33が欠損したマウスを作製し、
このマウスが全身のmiR-33欠損
マウスと同様の表現型を示すこ
とも明らかにしました。この原
因として、カテコラミン産生細
胞がmiR-33欠損マウスの褐色脂
肪細胞機能の低下であると考え
られました。

 続いて研究グループは、miR-
33が欠損していると標的遺伝子
であるGABAA 受容体のサブタイ
プ(Gabrb2とGabra4)の発現増
加により抑制性のGABA神経シグ
ナルが増強し、交感神経活性を
抑制することがそのメカニズム
であることを、カテコラミン産
生細胞(交感神経)特異的なGa
brb2とGabra4のノックダウン実
験で証明しました。

 寒冷刺激により視床下部のmi
R-33が増加することから、miR-
33は視床下部において交感神経
活性の程度を増強させるスイッ
チとして働き、熱産生を増加(
適応熱産生)させていると考え
られました。また、同様の機序
は高脂肪食負荷でも起こり、熱
産生を介して全身の代謝を調節
していると推察されました。

 体温調節の仕組みについて解

説している動画です。

 
 


 
 
 酸性溶液を加えて、熱産生を
増加させることに賛成した。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 近畿大学が2月19日、前立腺
の上皮細胞から分泌される腫瘍
マーカー「血中コア型フコシル
化PSA」 を短時間かつ高感度に
測定するシステムによって、高
悪性度前立腺ガンを診断する方
法を確立したと発表したのは、
素晴らしい業績です。 生検が、
患者さんに大きな身体の負担を
強いるのに対し、採血だけで、
診断できるようになるのですか
らリキッドバイオプシーの進化
は、凄いと思いました。悪性度
の低いガンに対しては、ガンと
診断されても治療を行わずに経
過観察というのは、当然のこと
ですが、悪性度の高いガンに対
しては、メタボジェニック療法
などの身体の負担が少ない治療
を私は行いたいと考えています。
京都大学が2月17日、脳内の
 マイクロRNA-33(miR-33)が、
適応熱産生に重要であることを
見出したと発表したのは、素晴
らしい業績です。脂肪細胞には、
いわゆる皮下脂肪や内臓脂肪な
どの白色脂肪細胞と、主に首、
肩、鎖骨や肩甲骨、腎臓周辺に
存在する褐色脂肪細胞の2種類
があるとされていますが、近年
その中間のベージュ細胞もある
ということが明らかになりまし
た。それは、さておき寒冷刺激
により視床下部のmiR-33が増加
することから、miR-33は視床下
部において交感神経活性の程度
を増強させるスイッチとして働
き、熱産生を増加(適応熱産生)
させていると結論付けたのは、
理路整然と説明できていると思
いました。このスイッチをオン
にすることで、メタボリック症
候群の治療に結びつけることが
できたら良いと私は、個人的に
考えています。

 造花が増加した。    笑

 
 
 
 
 
 
************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト www.eitokukaisalanuma.or.jp/ ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。

このエントリーをはてなブックマークに追加 
 

コメント

コメント

コメントがありません。お気軽にどうぞ。