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2022-01-14 16:41:27

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診療マル秘裏話  号外Vol.2062 令和3年3月14日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)BNCTに用いるホウ素製剤高分子化に成功と発表
2)少数の毛包から大量の再生毛包を人為的に製造

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 BNCTに用いるホウ素製剤の高分子化に成功

 
 
 
 
 
 ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)
じゃ、光免疫療法と並んで、「
第5のガン治療」と期待されて
います。バイオダイナミックス
研究所理事長の前田浩氏(熊本
大学名誉教授、東北大学特別招
聘プロフェッサー)らは、BNCT
に用いるホウ素製剤の高分子化
に成功したと発表しました(Bi
omaterials 2021; 269: 120631)。
これにより、副作用を大きく減
少し、より強力なガン治療が可
能になるということです。今年
(2021年)1月に臨床応用が始
まった光免疫療法に注目が集ま
っていますが、「第5のガン治
療」争いが熾烈化するかもしれ
ません。

 BNCTはホウ素と中性子線との
核反応の結果生じるα線により、
ガン細胞を殺傷する新しいタイ
プの放射線療法です。外科治療、
化学療法、放射線療法、免疫療
法に続く第5のガン治療の1つ
として、期待されています。 B
NCT用のホウ素製剤としては,昨
年(2020年)3月、ボロファラ
ン(10B) が世界に先駆け日本
で初承認され、5月に発売され
ています。

 BNCTでは患者さんにホウ素製
剤を投与した上で、中性子線の
照射を行いますが、ホウ素製剤
をいかにガン細胞に集積させる
かが臨床応用の鍵でした。ホウ
素製剤が正常組織にも分布する
と、中性子線照射時に正常組織
にも傷害が及びます。ところが、
前田氏らによると、これまでBN
CTに用いるホウ素製剤には低分
子化合物しかなく、正常組織に
もガン組織にも同様に分布する
ことが問題でした。

 同氏は1986年に、高分子型抗
ガン薬を静脈内投与すると通常
の低分子薬剤に比べ10~50倍も
腫瘍選択的に集積する現象「EP
R効果(enhanced permeability
and retention effect)」 を
発見したことで知られています
(Cancer Res 1986;46:6387-
6392)。今回、同氏らはEPR 効
果に基づいて、ホウ素含有の高
分子型ミセル(SGB-ミセル)を
開発しました。SGB-ミセルは従
来の低分子型ホウ素製剤と比べ、
10~20倍ガン局所に集中させる
ことができます。

 実際、ガン細胞を用いた実験
では、低分子型に比べSGB-ミセ
ルによるBNCTはin vitroで約16
倍、担ガンマウスでは10~20倍
の抗ガン作用が認められました。
同氏らは、皮膚、造血器腫瘍な
ど主要臓器に対する副作用は皆
無であったことを強調していま
す。

 なお、SGB-ミセルは、α線に
よるガン細胞殺傷作用以外にも、
1高度進行ガンが依存している
エネルギー源である解糖系を抑
制2ガン細胞のミトコンドリア
を障害という新たな作用機序も
併せ持つということです。

 これまで、BNCTに用いる中性
子線源には原子炉か大型加速器
が想定されており、極めて高価
でした。しかし最近、福島県の
ベンチャー企業(福島SiC応用
技研)が超小型化に成功し、価
格も使用電力も従来の装置の10
分の1に抑制しています。

 前田氏らは、同社および筑波
大学、神戸大学、熊本大学、大
阪大学、東北大学と共同研究を
始めています。同氏らは「BNCT
のより広い実用化が見えてきた」
と展望しています。第5のガン
治療の首座をめぐり、BNCTと光
療法の争いが熾烈化するかもし
れません。

 BNCTの効果をスライムでアッ

プするという動画です。

 
 


 
 
 本の装丁は、想定内だった。


 
 
 
 
 
 
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2】 スギ花粉抗原蛋白質の,肌荒れ惹起メカニズムを解明

 
 
 
 
 
 
 理化学研究所は2月10日、毛
包再生能力を維持したまま毛包
幹細胞を生体外で100 倍以上増
幅する培養方法を確立し、さら
に長期間にわたる周期的な毛包
再生に必要な幹細胞集団を明ら
かにしたと発表しました。この
研究は、同研究所生命機能科学
研究センター器官誘導研究チー
ムの辻孝チームリーダー、武尾
真上級研究員らの研究グループ
によるものです。研究成果は、
科学雑誌「Scientific Reports」
にオンライン掲載されています。

 動物の器官は、胎児期におい
て器官誘導能を持つ上皮性幹細
胞と間葉性幹細胞の相互作用に
より形成され、出生後は体性幹
細胞によって維持されます。体
性幹細胞は器官誘導能を持たな
いため、病気やケガ、老化によ
って器官が機能不全に陥っても
器官を再生することはできませ
ん。

 しかし、毛髪を作り出す器官
の毛包は、唯一、生涯にわたっ
て周期的な「器官再生」を繰り
返します。毛包は、皮脂腺や毛
包上皮性幹細胞が存在するバル
ジ領域を含む不変部と、毛髪を
作り出す工場である毛球部を含
む可変部に分けられ、可変部は
マウスでは約3週間、ヒトでは
5~7年周期で退縮と再生を繰り
返し(毛周期)、毛髪が生え変
わります。この過程において、
毛包上皮性幹細胞と毛乳頭細胞
(間葉性幹細胞を含む)が相互
作用することで毛包器官が再生
されます。これは、毛包上皮性
幹細胞および間葉性幹細胞が出
生後も器官誘導能を維持してい
ることを示しており、次世代器
官再生医療である毛包再生医療
のための細胞ソースとして期待
されています。

 しかし、長期間の周期的な毛
包再生を可能とする細胞集団の
実体は長らく不明なままで、そ
の生体外増幅法も確立されてい
ませんでした。

 研究グループは、まず、毛包
器官誘導能を持つ上皮性幹細胞
を生体外で増幅する培養系を確
立しました。この培養方法を応
用することで、ヒト頭髪バルジ
由来細胞が1毛包から4,000倍に
増幅され、同一期間内に毛乳頭
細胞が約100 倍に増幅されます。
このことから、最終的に1毛包
から約100 毛包相当まで増幅可
能となり、毛包再生医療の臨床
応用の実現に大きく前進したと
しています。

 次に、毛包上皮性幹細胞の毛
包形成能力を制御するとともに、
長期間の毛包器官再生に必要な
幹細胞集団を明らかにしました。
再生毛包において、CD34/Itg6/
Itg5三重陽性細胞が、周期的な
毛包再生に必要であることが示
されました。

 さらに、同幹細胞集団は、マ
ウスとヒトの天然毛包中におい
ては、毛包幹細胞ニッチである
バルジ領域の上部に細胞外基質
の糖蛋白質である「テネイシン」
とともに局在しており、テネイ
シンが毛包器官誘導能を持つ上
皮性幹細胞の未分化性維持のニ
ッチを形成している可能性が示
されました。

 今回の研究により、周期的な
毛包再生能を維持したまま毛包
上皮性幹細胞を増幅できる培養
方法の開発に成功するとともに、
長期間の器官誘導能力の維持に
はCD34/Itg6/Itg5三重陽性細胞
が重要であることが明らかとな
りました。

 同研究成果は、毛包上皮性幹
細胞の周期的な毛包再生や分化、
運命決定のメカニズムや、上皮
性幹細胞間の細胞系譜の理解な
どの幹細胞生物学研究への貢献
が期待されます。「なぜほとん
ど全ての体性幹細胞は器官誘導
能を失っているのか」「どうや
ったら組織幹細胞においても器
官誘導能を維持できるのか」と
いった、発生生物学上の根本的
な問いに答える足掛かりになる
ものと期待されるということで
す。

 また、今回の研究により、「
確立された培養方法を応用する
ことで、少数の毛包から大量の
再生毛包を人為的に製造できる
ことから、世界初の器官再生医
療である毛包器官再生医療(毛
髪再生)の実現に大きく貢献す
ると期待できる」と研究グルー
プは述べています。

 辻 孝チームリーダーの再生医

療の動画です。

 
 


 
 
 清三さんが清貧な製品を製造
した。          笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 バイオダイナミックス研究所
理事長の前田浩氏(熊本大学名
誉教授、東北大学特別招聘プロ
フェッサー)らは、BNCTに用い
るホウ素製剤の高分子化に成功
したと発表したのは、素晴らし
い業績です。EPR 効果に基づい
て、ホウ素含有の高分子型ミセ
ル(SGB-ミセル)を開発し、こ
のSGB-ミセルは従来の低分子型
ホウ素製剤と比べ、10~20倍ガ
ン局所に集中させることができ
るというのは、本当に凄い発明、
発見だと思います。SGB-ミセル
は、α線によるガン細胞殺傷作
用以外にも、1高度進行ガンが
依存しているエネルギー源であ
る解糖系を抑制2ガン細胞のミ
トコンドリアを障害という新た
な作用機序も併せ持つというの
ですから、究極のBNCTと言うこ
とができるでしょう。
 理化学研究所が2月10日、毛
包再生能力を維持したまま毛包
幹細胞を生体外で100 倍以上増
幅する培養方法を確立し、さら
に長期間にわたる周期的な毛包
再生に必要な幹細胞集団を明ら
かにしたと発表したのは素晴ら
しい業績です。男性・女性とも
に、脱毛症の悩みは、非常に深
いものであることが、育毛剤の
売れ行きを見れば、分かります。
男性型脱毛症の5α-リダクタ
ーゼ阻害剤は、妊孕性のある女
性には、禁忌です。しかし、こ
のような毛包幹細胞を利用する
再生医療では、性別に関わらず
適応可能であると推測しており
ます。早く実用化されて世界初
の器官再生医療である毛包器官
再生医療(毛髪再生)の実現に
大きく貢献して頂きたいもので
す。

 近畿地方では禁忌となるしき
たりがあった。      笑

 
 
 
 
 
 
 
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