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2022-01-05 18:39:24

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診療マル秘裏話  Vol.845 令和2年2月19日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)卵巣ガンは3種のガンの総称と位置付けられる
2)ウエストナイルウイルスが,感染神経細胞を傷害するメカニズム

 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 卵巣ガンは3種のガンの総称と位置付けられる

 
 
 
 
 
 「卵巣ガン」は卵子を蓄え、
エストロゲンなどの女性ホルモ
ンを分泌する卵巣と卵子を子宮
に送るための卵管をひとくくり
にした一つのガンと考えられて
きました。しかし近年、卵巣自
体と卵管にできるガンの発病の
メカニズムや病気の広がり方な
どが病理的に大きく異なること
が明らかになり、世界保健機関
(WHO)などの組織分類も変
化しています。国内でも卵巣が
んは「卵巣腫瘍」「卵管ガン」
「原発性腹膜ガン」という3種
のガンの総称と位置付けられる
ようになり、診療の現場で活用
されている「取り扱い規約」や
診療ガイドラインの見直しと改
訂の動きが進んでいます。狭義
の卵巣腫瘍でも、発生の過程や
ガン化につながる遺伝子の変異
によって大きな違いがあります。

 「卵巣にできるガンは多様で、
違いが大き過ぎる。一つの疾患
ではなく、卵巣という同一の臓
器に生じるが異なる形や性質の
病気の集合体、と捉えた方がよ
いだろう。これが最新の考え方
になっている」

 東京慈恵会医科大学教授で、
同大付属第三病院(東京都狛江
市)産婦人科で診療に携わって
いる山田恭輔診療部長は「婦人
科医であっても、最新の知見を
フォローし続けるのが大変なほ
どの変革期に来ている。患者に
病気を理解してもらうためには、
われわれの努力がもっと必要だ」
と話しています。

 日本人の卵巣ガンの中で最も
多い「高異型度漿液(しょうえ
き)性ガン」と次に多い「明細
胞ガン」では、発ガンメカニズ
ムや化学療法の有効性などが大
きく異なり、治療上は全く別の
病気です。ただし、開腹手術が
治療上の第一選択肢となるため、
治療初期では大きな違いは生じ
ません。ただ、その後の化学療
法の適否や病状の評価について
は、病変部の組織を採取してガ
ン細胞側の性質を分析する病理
検査が欠かせません。

 しかし、卵巣腫瘍は手術前の
組織診断ができないため、手術
と並行して病理検査をすること
になります。しかも、現時点で
は費用効果的な観点からも有効
な検診法は確立されておらず、
一定程度まで進行しないと腹部
膨満感などの自覚症状はなく、
早期発見が難しいのが実情です。
乳ガンと同様の問題が指摘され
ているのが、「家族性ガン」の
存在です。これまでおよそ全体
の10%を占めるとされるこの遺
伝性ガンは、発病を誘発しやす
くさせる遺伝子変異が親から子
に遺伝します。

 このため、2020年度には家族
性の乳ガンや卵巣ガンの患者さ
んを対象に、もう一つの臓器が
ガンを発病する前に切除してし
まう予防的手術と手術に至らな
い場合での継続的な検査が、患
者さん本人に限って健康保険の
適用とされることが決まってい
ます。

 ただ、家族性ガンかどうかは
遺伝子検査が必要な上、血族へ
の情報提供の可否などの問題が
指摘されています。特に比較的
若い時期に発病することが多い
家族性の乳ガン患者さんの場合、
卵巣の予防切除はその後の生活
の質に大きく影響を与えてしま
います。

 具体的には妊娠できなくなる
だけでなく、女性ホルモンの分
泌がなくなるために、発汗や不
定愁訴などの更年期障害の早期
発症や、骨密度の低下による骨
粗鬆症のリスクの上昇などの問
題を生じさせてしまいます。こ
のため山田部長も「家族性ガン
の話だけが一人歩きしても、患
者が混乱するばかり。まずは病
気自体について正しく、最新の
情報を得てほしい」と話してい
ます。

 卵巣ガンについて解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 急を要する事態となり、幹部
自体が反省した。     笑

 
 
 
 
 
 
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2】 ウエストナイルウイルスが,感染神経細胞を傷害するメカニズム

 
 
 
 
 
 
 北海道大学は1月24日、世界
中で流行し、重篤なウイルス性
脳炎を引き起こすウエストナイ
ルウイルスが、感染した神経細
胞を傷害するメカニズムを明ら
かにしたと発表しました。この
研究は、同大大学院獣医学研究
院の小林進太郎助教、好井健太
朗准教授(当時)らの研究グル
ープによるものです。研究成果
は、「PLOS Pathogens」にオン
ライン公開されています。ウエ
ストナイル脳炎は、蚊が媒介す
るウエストナイルウイルス(We
st Nile virus:WNV)によって
引き起こされる人獣共通感染症
のひとつです。北米やヨーロッ
パを中心に世界中で発生が認め
られており、日本でも海外から
の帰国者の感染が報告されてい
ます。WNV は蚊の吸血によりヒ
トへと感染すると、末梢組織で
一時的に増殖します。その後一
部の感染者において、WNV は脳
に移行して神経細胞に感染し、
細胞死及び重篤な脳炎を引き起
こします。しかし、これまでに
どのようなメカニズムで細胞死
および脳炎が引き起こされるの
かほとんど明らかでは、ありま
せんでした。

研究グループはこれまでに、WN
V の病態モデルを構築し、WNV
が感染している神経細胞に,ア
ルツハイマー病などの神経変性
疾患で蓄積が認められるタンパ
ク質の凝集体が形成され、この
形成が神経細胞死を誘導してい
る可能性を示してきました。正
常な細胞ではこのような蛋白質
の凝集体は、オートファジーな
どの細胞内蛋白質品質管理機構
によって分解・除去されている
ことが知られています。そこで
今回の研究では、オートファジー
に着目して、WNV の感染により
蛋白質の凝集体の形成が起こる
メカニズムを明らかにすること
で、ウエストナイル脳炎の病態
形成の機構について解明を目指
しました。まず、WNV のゲノム
にコードされているウイルス蛋
白質を神経系の培養細胞内に発
現させることにより、蛋白質の
凝集体の形成を誘導するウイル
ス蛋白質を特定しました。続い
て、リバースジェネティクス法
を用いて、蛋白質の凝集体を形
成できないWNV を作製し、培養
細胞やマウスモデルを用いて、
WNV の感染がオートファジーに
与える影響や病態形成への影響
を解析しました。

その結果、WNV のカプシド蛋白
質の発現により、細胞内に蛋白
質凝集体が、形成されることが
判明しました。次いで、WNV 感
染細胞では、オートファジーが
抑制されており、薬剤によるオ
ートファジーの誘導により蛋白
質凝集体が除去され、細胞死が
抑えられることが明らかになり
ました。またWNV 感染細胞では、
オートファジーの誘導因子であ
るAMP-activated protein kina
se(AMPK)の分解が亢進されて
おり、カプシド蛋白質がAMPKと
結合することも明らかになりま
した。さらに、蛋白質凝集体の
形成に重要なアミノ酸に変異を
導入したWNV は、オートファジ
ーの抑制やAMPKの分解を起こす
ことができず、マウスモデルに
おける神経細胞の傷害や脳炎の
発症が抑制されることが明らか
になりました。以上の結果より、
WNV はカプシド蛋白質によりオ
ートファジーを抑制し、これに
よる蛋白質凝集体の蓄積が、中
枢神経症状の発症に関与するこ
とが示されました。また、WNV
の感染で起こる蛋白質凝集体の
形成には、WNV のカプシド蛋白
質の特定のアミノ酸が重要であ
ることが同定されました。

オートファジーの異常は、アル
ツハイマー病などの神経変性疾
患など、さまざまな疾患の発症
に関与することが明らかになっ
てきています。研究グループは、
「今後、WNV の感染で起こるオ
ートファジーの抑制機構が完全
に明らかになることにより、ウ
イルス性疾患だけでなく、オー
トファジーの異常が関与するさ
まざまな疾患の病態の解明及び
治療法の開発の契機になること
が期待される」と述べています。

 ウエストナイルウイルスにつ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 景気が上向く契機となる。笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 国内でも卵巣ガンは「卵巣腫
瘍」「卵管ガン」「原発性腹膜
ガン」という3種のガンの総称
と位置付けられるようになり、
診療の現場で活用されている「
取り扱い規約」や診療ガイドラ
インの見直しと改訂の動きが進
んでいるというのは、正に医療
の進歩は日進月歩と言えるでし
ょう。しかし、卵巣腫瘍は手術
前の組織診断ができないため、
手術と並行して病理検査をする
ことになり、現時点では費用効
果的な観点からも有効な検診法
は確立されておらず、一定程度
まで進行しないと腹部膨満感な
どの自覚症状はなく、早期発見
が難しいのが実情ということで
すから、リキッドバイオプシー
などの非侵襲的検査の実施を、
期待したいと思います。家族性
ガンの恐怖から、もう一つの臓
器がガンを発病する前に切除し
てしまう予防的手術と手術に至
らない場合での継続的な検査が、
患者さん本人に限って健康保険
の適用とされることが決まって
いますが、予防的手術は、患者
さんの身体に多大なストレスが
かかるということをお忘れなく。
 北海道大学が1月24日、世界
中で流行し、重篤なウイルス性
脳炎を引き起こすウエストナイ
ルウイルスが、感染した神経細
胞を傷害するメカニズムを明ら
かにしたと発表したのは偉大な
業績です、日本脳炎と並び立つ
程の大きな脳炎でありながら、
ワクチンはなく、対症療法のみ
で、死を待つ患者さんで溢れか
えることもあると聞いています。
媒介する蚊が、越冬することも
過去のメルマガで紹介しました。
オートファジーの異常は、アル
ツハイマー病などの神経変性疾
患など、さまざまな疾患の発症
に関与することが明らかになっ
てきているので、今後、WNV の
感染で起こるオートファジーの
抑制機構が完全に明らかになる
ことにより、ウイルス性疾患だ
けでなく、オートファジーの異
常が関与するさまざまな疾患の
病態の解明及び治療法の開発の
契機になることを大いに期待し
たいと思います。

 景気を上昇させる契機となる
景気浮揚策。       笑

 
 
 
 
 
 
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「まぐまぐ」www.mag2.com/m/0000121810.html
(イジニイワト)

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