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2022-01-03 20:47:22

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診療マル秘裏話  号外Vol.2053 令和3年3月4日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)FDAが基底細胞ガンに対する初の免疫療法を承認
2)再生医療ロボットスーツ等の組合せ脊髄損傷治療展望

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
1】 FDAが基底細胞ガンに対する初の免疫療法を承認

 
 
 
 
 
 米・サノフィは2月9日、米食
品医薬品局(FDA) が基底細胞
ガンに対する初の免疫療法とし
て抗PD-1抗体 cemiplimab-rwlc
を承認したことを発表しました。
ヘッジホッグ経路阻害薬に不応
もしくは適応とならない進行基
底細胞ガンにおいて、局所進行
性の基底細胞ガンに対しては完
全承認、転移性の基底細胞ガン
については迅速承認を取得した
ということです。

 cemiplimab-rwlcは2018年9月
に進行皮膚扁平上皮ガンに対し
てFDA より承認されています。
また現在、PD-L1発現50%以上の
進行非小細胞肺ガン(NSCLC)
に対して優先審査が実施されて
います。欧州医薬品庁(EMA)
においても、PD-L1発現50%以上
の進行NSCLC およびヘッジホッ
グ経路阻害薬治療後の局所進行
性基底細胞ガンに対して審査が
行われています。

 免疫チェックポイント阻害剤

について解説している動画です。

 
 


 
 
 毛色の違う経路阻害薬。 笑

 このシグナル経路(ヘッジホ
ッグ経路)は90%以上の基底細
胞ガンで活性化していることが
知られているため、この経路を
阻害する薬剤で、基底細胞ガン
の増殖が抑制されることが分か
っています。この薬剤が効かな
い原因には、ガン細胞の遺伝子
変異であることも分かっていま
す。

 
 
 
 
 
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2】 再生医療ロボットスーツ等の組合せ脊髄損傷治療展望

 
 
 
 
 
 
 昨年末にマザーズに上場した
クリングルファーマ(大阪府茨
木市、安達喜一社長)は、再生
医療やロボットスーツを組み合
わせた脊髄損傷の治療を目指し
ます。現在はヒトの肝細胞増殖
因子(HGF)を基にしたバイ
オ医薬品の実用化が近づいてい
ますが、慶応義塾大学が行う人
工多能性幹細胞(iPS細胞)
由来の神経細胞移植、サイバー
ダインのロボットスーツ「HA
L」によるリハビリ療法との連
携も模索しています。有効な治
療法に乏しい脊髄損傷に風穴を
開けたいとのことです。

 脊髄損傷は、脊椎内にある神
経の束(脊髄)が交通事故やス
ポーツで傷つき、まひなどが残
る疾患です。損傷を受けた神経
細胞が炎症性サイトカインを出
し、周囲の細胞に伝わって被害
が広がります。

 クリングルファーマはHGF
製剤を脊髄損傷や筋萎縮性側索
硬化症(ALS)を対象に開発
しています。HGFは肝臓から
見つかった有益な蛋白質で、そ
の遺伝子を動物細胞に組み込ん
で蛋白製剤を作ります。脊髄損
傷向けは2022年に第3相臨床試
験が終わる見込みです。

 「まずは脊髄損傷を対象とし
た承認取得を最優先する」(安
達社長)方針ですが、将来は同
疾患に対して別の手法との複合
展開を狙っています。その一つ
が慶応大学の岡野栄之教授らが
進めるiPS細胞で、もう一つ
が脳の信号を検知して装着者を
補助するロボットスーツのHA
Lです。岡野教授とは共同研究
の実績があり、HALを製造す
るサイバーダインはクリングル
に出資しています。

 脊髄損傷治療においてHGF
製剤、iPS細胞、ロボットス
ーツはそれぞれ活躍する場面が
異なります。HGFは損傷直後
の急性期に、iPS細胞は炎症
性サイトカインの放出が落ち着
いた亜急性期に効果が高いとさ
れています。リハビリはその後
の慢性期に行われることが多い
とされています。

 HGFは1980年代に故中村敏
一大阪大学名誉教授が発見しま
した。細胞増殖や炎症抑制の能
力が注目され各社が医療応用に
乗り出しましたが、ことごとく
頓挫しました。クリングルと同
じ阪大発ベンチャーのアンジェ
スが、ようやく2019年に閉塞性
動脈硬化症薬「コラテジェン」
として発売にこぎつけました。

 ただしコラテジェンはHGF
遺伝子自体を患者さんの体内に
入れる遺伝子治療薬のため、製
造にコストや手間がかかります。
クリングルのHGF製剤は遺伝
子組み換え蛋白質で、量産方法
はすでに確立しています。コス
トも一般のバイオ医薬品と同程
度に抑えられるということです。

 脊髄損傷は国内だけで年間50
00人、世界では6万人の新規患
者さんがいます。「薬剤や手術
を含めて根本的な治療法がない
疾患。いずれiPS細胞やHA
Lといった日本発の技術を結集
して世界に発信したい」と安達
社長は、話しています。

 脊髄損傷について解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 政財界の大物がHGF製剤に
よる治療を希望する。   笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 米・サノフィが2月9日、米食
品医薬品局(FDA) が基底細胞
ガンに対する初の免疫療法とし
て抗PD-1抗体 cemiplimab-rwlc
を承認したことを発表したのは、
喜ばしいことです。悪性黒色腫
に対しては、ニポルマブなどの
免疫チェックポイント阻害薬が
知られていますが。基底細胞ガ
ンについては、初めてだったと
いうのは、意外でした。2013年
から、ヘッジホッグ経路阻害薬
は、承認されていますが、10%
程度がこの薬剤が効かないこと
が知られているため、そうした
症例に対する免疫チェックポイ
ント阻害剤が承認されたのは、
画期的なことだと思います。
 クリングルファーマ(大阪府
茨木市、安達喜一社長)が、再
生医療やロボットスーツを組み
合わせた脊髄損傷の治療を目指
すという姿勢は、素晴らしいも
のだと思います。自社開発の薬
が効果が薄くても、他の治療法
と組み合わせることで、脊髄損
傷の患者さんを救いたいという
必死の気迫が伝わってきます。
それだけ、脊髄損傷の治療は、
困難であり、自社製品だけの効
果にこだわらず、他社とのコラ
ボを目指す必要性があるという
ことだと思います。脊髄損傷は、
受傷から、時間が経つほど治療
は、難しくなると言われていま
す。コラボ治療が奏功すること
を期待したいと思います。

 装甲車での援護が奏功する。


 
 
 
 
 
 
 
 
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