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診療マル秘裏話  Vol.837 令和1年12月25日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)皮膚由来痒み信号が脊髄で増強のメカニズムを発見
2)日テレ深層NEWSで、睡眠不足の危険性等を議論

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】皮膚由来痒み信号が脊髄で増強のメカニズムを発見

 
 
 
 
 
 九州大学は11月28日、皮膚か
らのかゆみ信号が脊髄で強まっ
てしまうメカニズムを発見した
と発表しました。これは、同大
大学院薬学研究院ライフイノベ
ーション分野の津田誠教授、古
賀啓祐特任助教、薬学府修士課
程2年の山方涼大学院生らの研
究グループによるものです。本
研究成果は、米国科学誌「Jour
nal of Allergyand Clinical I
mmunology 」に掲載されていま
す。かゆみは、「かきたい」と
いう欲望を起こさせる不快な感
覚です。皮膚の異物(ダニなど)
を引っかくことで除去する自己
防衛反応と考えられています。
通常、皮膚の中のかゆみを起こ
す物質は、まず、皮膚と脊髄を
つなぐ神経(一次求心性神経)
に作用し、かゆみ信号を発生さ
せます。そのかゆみ信号は、脊
髄の中にある次の神経に伝わり、
この神経は「ガストリン放出ペ
プチド」(GRP )という物質を
出します。GRP は次の神経にあ
るGRP の受容体(GRPR)に結合
し、この神経(GRPR神経)を興
奮させます。その信号はさらに
脳へと運ばれて、私たちは体の
どこで「かゆみ」が起こってい
るかを知ることができます。

皮膚炎などで慢性的にかゆい状
態では、過剰な引っかき行動を
起こし、それが原因で皮膚炎が
悪化、さらにかゆみが増すとい
う悪循環に陥ります。これは「
かゆみと掻破(そうは)の悪循
環」といわれ、かゆみを慢性化
させる大きな原因と考えられて
います。しかし、どのようなメ
カニズムでかゆみが強まり、過
剰に引っかいてしまうのかはよ
く分かっていません。研究グル
ープは、慢性的なかゆみを発症
する接触性皮膚炎モデルマウス
を作製しました。 ゲノム編集
技術を使って「アストロサイト」
と呼ばれるグリア細胞だけで「
リポカリン2」を作れなくする
と、かゆみ信号の強まりと過剰
な引っかき行動、そして皮膚炎
がすべて弱くなりました。

皮膚炎など慢性的にかゆい状態
では、脊髄後角でアストロサイ
トが活性化し、それが作り出す
「リポカリン2」がGRPR神経に
作用し、GRP の働きを強めてし
まいます。その結果、ちょっと
した弱いかゆみ信号でもGRPR神
経が興奮するため、かゆみが起
りやすくなってしまいます。ア
ストロサイトは慢性的にリポカ
リン2を作り出すため、それが
慢性的なかゆみとなると考えら
れるということです。また、グ
リア細胞は、神経活動や神経疾
患に積極的に関与することが近
年次々と報告され、世界の注目
を集めています。

この研究成果は、慢性的なかゆ
みのメカニズムの解明へ向けた
大きな一歩となり、将来的にか
ゆみを鎮める治療薬の開発にも
応用できることが期待されます。
研究グループは、「今後さらに
研究を重ね、慢性的なかゆみの
全容解明を目指していきたいと」
と、述べています。

原因不明の痒みについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 医療を善用することで病気の
全容解明ができる。    笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
2】 日テレ深層NEWSで、睡眠不足の危険性等を議論

 
 
 
 
 
 
 三島和夫・秋田大教授と桜井
武・筑波大教授が11月29日、B
S日テレの「深層NEWS」に
出演し、睡眠不足の危険性など
を議論しました。コメンテータ
ーは読売新聞東京本社メディア
局の渡辺勝敏・専門委員が務め
ました。

 日本人の睡眠時間が世界の中
でも最短レベルであることを踏
まえ、三島氏は「睡眠不足は、
生活習慣病や、ガンになる危険
性を高める。必要な睡眠時間に
は個人差があるが、不足してい
るほど危ない」と指摘しました。
桜井氏は「睡眠には(日中に得
た)情報を整理する役割がある。
十分に寝ているほうが日中の作
業も進みやすい」と語りました。

睡眠不足のリスクについて解説

している動画です。

 
 


 
 
 女性の生理に関する情報を、
整理する。        笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 九州大学が11月28日、皮膚か
らのかゆみ信号が脊髄で強まっ
てしまうメカニズムを発見した
と発表したのは素晴らしい業績
です。人間、痛いのも辛いです
が、痒いのも辛いです。痒みが
辛いのは、痒みが、際限なく強
くなる感じがすることではない
でしょうか?これが皮膚炎など
で慢性的に痒い状態では、過剰
な引っかき行動を起こし、それ
が原因で皮膚炎が悪化、さらに
痒みが増すという悪循環に陥る
ということだと思います。その
メカニズムが解明できた上に、
将来的にかゆみを鎮める治療薬
の開発にも応用できるとすれば、
本当に優れた研究だったと言え
るでしょう。
 三島和夫・秋田大教授と桜井
武・筑波大教授が11月29日、B
S日テレの「深層NEWS」に
出演し、睡眠不足の危険性など
を議論したのは素晴らしい企画
だったと思います。 しかし、
日本人が睡眠不足なのは、今に
始まったことではないのに睡眠
不足の解消法を言うのではなく、
睡眠は、とった方が良いという
当たり前のことしか言っていな
いのが残念です。とった方が良
いのが分かっていても、睡眠を
削って努力するという人がいる
以上、睡眠不足の解消法を議論
することこそ睡眠不足に陥って
いる人を救済することに直結す
ると私は考えます。一つの方法
としてアロマテラピーを使って
ラベンダーの効用を引き出す等
の議論があってしかるべきでは
ないでしょうか?

 紅葉の視覚的効用。笑

 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.2006 令和3年1月8日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)血液検査で簡便で精度高い乳ガン早期発見方法
2)S-DSCTM の広範囲反復注入の有効性及び安全性

 
 
 
 
 
 
 
 
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さい。

 
 
 
 
 
1】 血液検査で簡便で精度高い乳ガン早期発見方法

 
 
 
 
 
 国立ガン研究センターは12月
14日、血液検査による簡便で精
度の高い乳ガンの早期発見方法
の開発を目指し、3,000 人を対
象とした大規模臨床試験を2020
年12月から全国4道県(愛媛県、
鹿児島県、北海道、福井県)で
順次開始すると発表しました。
同センター中央病院バイオバン
ク・トランスレーショナルリサ
ーチ支援室の加藤健室長らの研
究グループを中心に、国立国際
医療研究センター、東京医科大
学、日本対ガン協会、東レ株式
会社の研究者と、北海道、福井
県、愛媛県、鹿児島の各日本対
ガン協会支部、ガン専門病院、
大学病院などの協力を得て実施
されます。

 同試験で用いるのは、各検診
機関で乳ガン検診を受診する人
の血液検体です。ガン等の疾患
にともなって種類や量が変動す
ることが明らかになっている血
液中のマイクロRNA を測定しま
す。この測定には、13種類のガ
ンを対象にした「体液中マイク
ロRNA 測定技術基盤開発」(20
14~18年度)で開発された診断
モデルと検出技術を用います。
この基礎研究での成果を実際の
ガン検診で応用できるかどうか
を検証するためこの試験は計画
されました。13種類1つひとつ
のガンについて精度を検証して
いく必要があるとの考えから、
まずは検出方法の開発が先行し
ている乳ガンを対象に初めて実
施されるということです。

 対象は、各検診機関で乳ガン
検診を受診する40~69歳で文書
による同意が得られた人。3,00
0 人(マンモグラフィーで要精
検と判定された2,000 人、精検
不要と判定された1,000 人)を
登録目標とし、参加者は全員、
マンモグラフィー検査のほか、
乳腺エコー検査を受けます(マ
ンモグラフィーで「要精検」と
判断された人は精密検査で、「
精検不要」と判断された人には
本研究による乳腺エコー検査)。
採血は9mlで、マイクロRNA ガ
ンマーカーを東レの「3Dジーン」
という技術で測定します。

 マンモグラフィーの結果、乳
腺エコーの結果、マイクロRNA
ガンマーカーの測定結果を比較
し、分析します。ガンの発見に
ついては、まず精密検査による
発見で分析し、最終的にはガン
登録の情報をもとに分析します。
なお、マイクロRNA ガンマーカ
ー測定結果と、ガン発見との関
連を評価するのが同試験の目的
であるため、マイクロRNA の測
定結果は、参加者には知らせま
せん。

 血液検査によるガン検診は、
手軽で侵襲性が少ないことから、
その開発が期待されています。
例えば、現行のガン検診の手法
にはX線を使うものがあります
が、X線の被ばくを減らせるな
ど、検査時のさまざまな負担が
軽減されます。しかし、血液検
査によるガン検診の精度に関し
ては、まだ十分な検証が行われ
ていません。ガン検診に適した
検査には、「健康な人(症状の
ない人)の中から早期のガンを
発見できる」「早期治療により
死亡率減少につながる」「検診
を行うことによる不利益が小さ
い」「安価に検査できる」とい
ったことが求められます。既存
の検診手法が確立している場合
は、その手法と比較して、評価
することも欠かせません。研究
グループは、「本試験によって、
血液中マイクロRNA ガンマーカ
ーの乳ガン検診での応用につな
がることが期待される」と、述
べています。

ガンのリキッドバイオプシーに

ついてのニュース動画です。

 
 
 


 
 
 皮革製品の出来を比較する。


 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 S-DSCTM の広範囲反復注入の有効性及び安全性

 
 
 
 
 
 
 東京医科大学は、12月10日、
男女の壮年性脱毛症に対する、
培養ヒト自家毛球部毛根鞘細胞
「S-DSCTM」 の広範囲および反
復注入による有効性および安全
性の検証をする臨床研究を開始
すると発表しました。これは、
同大皮膚科学分野の坪井良治名
誉教授、原田和俊主任教授を中
心とする研究グループと、東邦
大学医療センター大橋病院皮膚
科の新山史朗准教授、株式会社
資生堂再生医療開発室(細胞培
養加工等担当)、杏林大学医学
部皮膚科学教室の大山学教授の
研究グループによるものです。
先行して行われたS-DSCTM に関
する医師主導の臨床研究の結果
は、「Journal of American Ac
ademy of Dermatology」のオン
ライン版に掲載されています。

 今回の臨床研究では、同意を
得た被験者の後頭部から少量の
皮膚組織(直径数mm)を採取し、
それを細胞加工施設(資生堂細
胞培養加工センター)に輸送し、
毛包DSC 組織を単離、培養し、
S-DSCTM を獲得します。男女合
計40人程度の被験者に対して、
頭頂部とその周辺の広範囲の脱
毛部位にS-DSCTM を注入します。
一定期間後、もう1度同一部位
に注入します。観察期間は注入
後1.5 年、安全性フォローアッ
プは2年という計画です。有効
性評価は外観写真評価で行いま
す。

 現在、脱毛症の中でも発症頻
度の高い男女の壮年性脱毛症は
重篤な疾患ではありませんが、
外見に重大な影響を及ぼすこと
から、QOL 向上の観点で治療法
の開発が期待されています。壮
年性脱毛症の治療法として、日
本ではいくつかの薬剤等が用い
られていますが、継続的な服用
が必要であることや、女性の場
合は薬剤の選択肢が限られてい
ることなどの課題があり、また、
それらの効果は男女を問わず十
分ではありません。

 2016~2019年に、東京医科大
学特定認定再生医療等委員会で
承認された計画に基づき、東京
医大、東邦大、資生堂の研究グ
ループは、毛球部毛根鞘(DSC)
細胞加工物S-DSCTM を用いた自
家培養細胞の頭皮薄毛部への注
入施術の安全性と有効性を検討
する臨床研究を実施しました。
その結果、薄毛部の小さな面積
に1度だけ注射した際の、有効
な細胞濃度を決定し、安全性を
確認しています。今回は新たに
杏林大学の研究グループを加え
た3施設で新たな臨床研究を行
います。

「広範囲の薄毛部に複数回投
与する試験は初めての試み。今
回の臨床研究により再生医療に
よる新しい薄毛治療法の実現を
目指していく」と、研究グルー
プは述べています。

毛包を大量に作り出す方法が

発見されたという動画です。

 
 


 
 
 侯爵が、寒天を食べる観点で
講釈をする。       笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 国立ガン研究センターが12月
14日、血液検査による簡便で精
度の高い乳ガンの早期発見方法
の開発を目指し、3,000 人を対
象とした大規模臨床試験を2020
年12月から全国4道県(愛媛県、
鹿児島県、北海道、福井県)で
順次開始すると発表したのは、
喜ぶべきことです。やっと生検
より、リキッドバイオプシーを
重視するようになったと考えら
れるからです。乳房は、体表に
露出している臓器なので、生検
も簡単に行えると安易に考えて
いる人が多いようです。実際に
痛い生検を複数回行われ、陰性
だったために、発見が遅れて手
の施しようがなくなった乳ガン
の患者さんがおられました。
 東京医科大学が、12月10日、
男女の壮年性脱毛症に対する、
培養ヒト自家毛球部毛根鞘細胞
「S-DSCTM」 の広範囲および反
復注入による有効性および安全
性の検証をする臨床研究を開始
すると発表したのは喜ばしいこ
とです。脱毛症の中でも発症頻
度の高い男女の壮年性脱毛症は
重篤な疾患ではありませんが、
外見に重大な影響を及ぼすこと
から、QOL 向上の観点で治療法
の開発が期待されているという
のはその通りだと思います。今
回の臨床研究により再生医療に
よる新しい薄毛治療法の実現を
目指すというのは、本当に壮大
な目標であると認識しました。

 十代の少年が重大事故を起こ
した。          笑

 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.2005 令和3年1月7日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)様々なガン誘発蛋白質の標的蛋白質分解誘導薬
2)インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンは同時接種すべき

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
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不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 様々なガン誘発蛋白質の標的蛋白質分解誘導薬

 
 
 
 
 
 独・Boehringer Ingelheim社
とProxygen社は12月7日、さま
ざまなガン誘発蛋白質に対する
標的蛋白質分解誘導薬の特定を
目指し、提携・ライセンス契約
を締結したことを発表しました。
今回の提携により、Proxygenが
持つ独自の標的蛋白質分解誘導
薬の創薬プラットフォームと標
的蛋白質分解における専門技術
を、Boehringer Ingelheimの長
期戦略と融合させることで、フ
ァーストインクラスのブレーク
スルー治療薬をガン患者さんに
提供することが可能となる、と
いうことです。

蛋白質分解による創薬について

解説している動画です。

 
 


 
 
 定型のやり方で提携した。笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンは同時接種すべき

 
 
 
 
 
 
 日本では、2014年に23価肺炎
球菌ポリサッカライドワクチン
(PPV23) が高齢者を対象に定
期接種化されました。また、同
年に13価肺炎球菌結合型ワクチ
ン(PCV13) の接種が小児に加
えて65歳以上の高齢者を対象と
して承認されました。日本臨床
内科医会インフルエンザ研究班
リサーチディレクターの池松秀
之氏らは、両ワクチンの認識や
接種に関する意識を探るべく、
同会会員および高齢接種者を対
象にアンケートを実施しました。
インフルエンザワクチンとPCV1
3 の同時接種で安全性に懸念が
生じるような副反応は見られな
かったことなどが明らかになっ
たとし、同時接種を推奨すべき
であると第60回日本呼吸器学会
(9月20~22日、ウェブ開催)
で訴えました。

 日本臨床内科医会が会員の実
地臨床内科医647 人に実施した
アンケートでは、PPV23 の定期
接種、PPV23 およびPCV13 の任
意接種、PPV23接種後5年以上経
過時の高齢者への再接種につい
て、「積極的に勧奨する」とし
た割合はそれぞれ59%、35%、
38%にとどまっていました。

 任意接種するワクチンの種類
については、接種を積極的に勧
奨する医師および希望者のみに
接種する医師ともにPPV23 の割
合が高く(それぞれ59%、74%)、
PCV13 を接種する割合は低かっ
た(それぞれ12%、6.4%)。

 PCV13 の接種について、池松
氏は「PPV23 既接種の高齢者に
対して免疫学的に有用性がある
と思われるが、調査によりまだ
認知度が低く積極的に実施する
医師は少ないことが分かった」
と指摘しました。

 また、PPV23とPCV13いずれも
未接種もしくはPPV23接種後6カ
月以上経過した65歳以上の高齢
者60人を対象に、インフルエン
ザワクチンとPCV13 を同時期に
接種した際に生じた副反応に関
する調査結果を報告しました。
接種時期は2016年10月~17年4
月で、局所性副反応は疼痛(42
%)、発赤(28%)、腫脹(27
%)、動きの制限(12%)、全
身性副反応は筋肉痛(20%)、
全身倦怠感(17%)、頭痛(12
%)などでした。全例が治療ま
たは特別な治療を必要とせず、
短期間で消退、改善したという
ことです。

 さらに、PPV23接種後5年経過
した65歳以上の高齢者127 人を
対象に、インフルエンザワクチ
ンとPCV13 を同時接種した際に
生じた副反応についての調査結
果も報告しました。接種時期は
2018年10~12月で、局所性副反
応は疼痛(23.6%)、発赤(15
.7%)、腫脹(15.7%)、動き
の制限(3.1%)。そのうちGra
de 3以上はそれぞれ0.8%、7.1
%、5.5%で見られたものの、全
例が治療を必要とせず自然消退
しました。全身性副反応は全身
倦怠感(11.8%)、筋肉痛(7.1
%)、頭痛(5.5%)、寒気(4.7
%)、関節痛(3.1%)などでし
たが、いずれも特別な治療は必
要とせず数日で改善しました。

 これらの調査結果を受け、池
松氏は「高齢のインフルエンザ
ワクチンとPCV13 の同時接種に
おいて、安全性に問題は見られ
なかった」と結論しました。

 日本臨床内科医会の見解とし
て、同氏は「インフルエンザと
肺炎は死に直結するだけでなく
日常生活動作(ADL) の低下を
来すため、両ワクチンの接種に
よって高齢者の肺炎予防を図り、
健康寿命の延伸を実現すべきで
ある」と強調しました。「イン
フルエンザワクチン接種のため
に来院した65歳以上の高齢者に
肺炎球菌ワクチンの接種を勧奨
することは、接種率の向上に有
用である」と述べました。

肺炎球菌ワクチンについて解説

している動画です。

 
 


 
 
 工場での生産性の向上を図る。


 PPV23 ワクチンは商品名ニュ
ーモバックスで、23種類の肺炎
球菌の血清型抗原を含むもので
す。肺炎を起こしやすい肺炎球
菌の約80%をカバーします。

 PCV13 ワクチンは商品名プレ
ベナー13で、13種類の肺炎球菌
の血清型抗原を含みます。肺炎
を起こしやすい肺炎球菌の約60
~70%をカバーします。免疫誘
導能力が高いとされています。

 この二つのワクチンは、併用
する方が望ましいようです。併
用の仕方は、まだ一般的ではな
いので、割愛させて頂きます。

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 独・Boehringer Ingelheim社
とProxygen社が12月7日、さま
ざまなガン誘発蛋白質に対する
標的蛋白質分解誘導薬の特定を
目指し、提携・ライセンス契約
を締結したことを発表したのは、
喜ばしいことです。ガン誘発蛋
白質に対する標的蛋白質分解誘
導薬を特定することは、新しい
試みだと思います。まだまだ、
製品化の道は、遠いのですが、
こうした新しい薬の創薬の準備
が進むのは、喜ぶべきことだと
思います。いつの日か、製品化
されて、その薬剤が副作用が少
ないことを期待したいと思いま
す。また標的蛋白質分解誘導薬
は、耐性ができにくいことが、
一番の利点だと思います。
 日本臨床内科医会インフルエ
ンザ研究班リサーチディレクタ
ーの池松秀之氏らは、両ワクチ
ンの認識や接種に関する意識を
探るべく、同会会員および高齢
接種者を対象にアンケートを実
施し、その結果、インフルエン
ザワクチンとPCV13 の同時接種
で安全性に懸念が生じるような
副反応は見られなかったことな
どが明らかになったとし、同時
接種を推奨すべきであると第60
回日本呼吸器学会(9月20~22
日、ウェブ開催)で訴えたのは、
素晴らしいことだと思います。
通常、不活化ワクチンの場合、
一週間空けることが必要とされ
ており、その一週間空けるとい
う作業が不要になったというこ
とだと思います。

 芙蓉の花が不要になった。笑

 
 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.2004 令和3年1月5日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)抗ガン作用有す植物由来翻訳阻害剤の標的同定
2)ダニ媒介性脳炎は脳炎から死亡に至る可能性有

 
 
 
 
 
 
 
 
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して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 抗ガン作用有す植物由来翻訳阻害剤の標的同定

 
 
 
 
 
 理化学研究所(理研)は12月
10日、抗ガン作用を持つ植物由
来の翻訳阻害剤「ロカグラミド
A」の標的蛋白質として、翻訳
開始因子「DDX3」を新たに同定
したと発表しました。この研究
は、理研開拓研究本部岩崎RNA
システム生化学研究室の岩崎信
太郎主任研究員、チェン明明国
際プログラム・アソシエイト、
七野悠一基礎科学特別研究員、
水戸麻理テクニカルスタッフ1、
斉藤大寛研修生、袖岡有機合成
化学研究室の袖岡幹子主任研究
員、闐闐孝介専任研究員、藤原
広一特別研究員(研究当時)、
生命機能科学研究センター翻訳
構造解析研究チームの伊藤拓宏
チームリーダー、髙橋真梨技師、
環境資源科学研究センター生命
分子解析ユニットの淺沼三和子
技師らの国際共同研究グループ
によるものです。研究成果は、
「Cell Chemical Biology」 オ
ンライン版に掲載されています。

 ロカグラミドAは、近年、注
目を集めている翻訳阻害剤です。
抗ガン作用を持つほかに、新型
コロナウイルス感染症(武漢熱)
の原因ウイルスである武漢熱ウ
イルスに対する抗ウイルス作用
(ウイルス増殖抑制効果)も持
つことが明らかになりつつあり
ます。

 ロカグラミドAは、アグライ
ア(Aglaia odorata、和名:樹
蘭)という植物が産生する二次
代謝産物であり、標的蛋白質で
ある翻訳開始因子「eIF4A」 に
結合することで翻訳を阻害し、
ガン細胞の増殖を抑制します。
これまで、ロカグラミドAはeI
F4A 以外の蛋白質も標的とする
ことが示唆されつつも、その詳
細は分かっていませんでした。
また、ロカグラミドAは特定の
ガン細胞に対してより効果的に
作用することが知られていまし
たが、それがどのような性質の
細胞なのかは未解明のままでし
た。

 今回、研究グループはまず、
ロカグラミドAにO-NBD (ニト
ロベンゾオキサジアゾール)と
呼ばれる特殊な反応基を結合さ
せた化合物(RocA-O-NBD)を有
機合成しました。O-NBD 基は、
近くの蛋白質のリジン残基と反
応し、蛍光性のN-NBD 基へと変
化します。この性質を利用し、
RocA-O-NBDはその分子の近くに
存在するロカグラミドAの標的
蛋白質に蛍光標識を導入するこ
とができます。また、蛍光標識
された標的蛋白質は質量分析法
により同定できます。

 実際に、RocA-O-NBDをウサギ
網状赤血球抽出液中で反応させ
た所、翻訳開始因子としてeIF4
A に加えて「DDX3」を新たに同
定しました。また、培養細胞で
DDX3をノックダウンした所、ロ
カグラミドAによる細胞増殖抑
制の効率が減少することが分か
りました。

 eIF4AやDDX3はRNA結合蛋白質
ですが、RNA 配列特異性を持っ
ていません。しかし、ロカグラ
ミドAと結合したeIF4A には、
アデニン(A)やグアニン(G)
塩基が連続した配列(ポリプリ
ン配列)に対する新しいRNA 配
列特異性が生じます。これによ
り、ポリプリン配列を持つRNA
からの翻訳が阻害されます。同
様のことがDDX3にも生じている
ことが分かりました。

 また、アグライアからRNA を
単離し、次世代シーケンサーを
用いた解析によりトランスクリ
プトームを再構築することで、
アグライアのDDX3遺伝子の塩基
配列を明らかにしました。そし
て、アグライアDDX3には特異的
な点突然変異が生じていること
が分かりました。この点突然変
異をヒトDDX3に付与するとロカ
グラミドAが作用できなくなる
ことから、アグライアは進化上、
ロカグラミドAの標的蛋白質の
遺伝子に変異を獲得することで、
ロカグラミドAが自分自身を攻
撃しないように翻訳開始因子を
変化させたことが明らかになり
ました。

 通常の翻訳阻害剤は、その標
的蛋白質の量が多いほど翻訳阻
害効果が弱まります。しかし、
ロカグラミドAはその逆で、標
的蛋白質の量が多いほどRNA に
結合するeIF4A およびDDX3が多
くなり、結果的に翻訳阻害効果
が高まることが分かりました(
ドミナントネガティブ作用)。
このことから、ロカグラミドA
が作用しやすいガン細胞では、
その標的であるeIF4A およびDD
X3が過剰発現している可能性が
考えられました。そこで、数種
のガン細胞を調べたところ、ロ
カグラミドAの作用効果はeIF4
A およびDDX3の発現量と相関す
ることが明らかになりました。

 今回の研究で、抗ガン剤とし
て現在有望視されている小分子
化合物ロカグラミドAの標的蛋
白質と作用メカニズムが明らか
になったことにより、より効果
の期待できるガン細胞を予測す
ることが可能になりました。研
究グループは、「今後は、事前
にガン細胞の性質を調べること
により、ロカグラミドAが効き
やすいかどうかを事前に診断で
きるようになると期待できる」
と、述べています。

 コンゴで今後のことを考える。


真菌由来の天然抗ガン物質の人

工合成に成功したという動画で

す。

 
 


 
 
 翻訳とは,メッセンジャーRNA
から蛋白質を作る反応のことを
言います。この反応を阻害する
薬のことを翻訳阻害剤と言いま
す。

 
 
 
 
 
 
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2】 ダニ媒介性脳炎は脳炎から死亡に至る可能性有

 
 
 
 
 
 
 ダニ媒介性脳炎(TBE)は,野
外でマダニに咬まれウイルスに
感染して発症します。北海道内
の中枢神経系の炎症性疾患患者
さんにおいて、ダニ媒介性脳炎
ウイルス(TBEV)の直近の感染
者が3例、過去の感染者が5例
確認されたと北海道大学大学院
医学研究院名誉教授の佐々木秀
直氏らの研究グループが発表し
ました。日本国内でTBE の罹患
率が上昇しており、広範囲にTB
EVの分布が報告されていますが、
感染状況についての情報は乏し
いと言えます。今回の研究は、
TBEVの感染状況の実態解明に向
けて行われた国内初の大規模調
査となります。

 TBE は、フラビウイルス科に
属するウイルスによる感染症で、
熱帯以外のユーラシア大陸広域
で年間約1万例の患者さんが発
生しています。マダニに咬まれ
ると7~14日の潜伏期間を経て、
インフルエンザ様の発熱、嘔吐、
頭痛、関節痛や筋肉痛の症状で
始まり、重篤化すると歩行障害、
麻痺、痙攣発作、精神錯乱や意
識障害などの脳炎症状を呈し、
死亡に至ることがあります。

 北海道ではこれまでに5例の
患者さんが確認され(うち4例
は2016年以降に報告)、2人が
死亡しています。日本国内では
TBEVの感染状況に関する情報が
乏しく、検査・診断体制も十分
ではないため見過ごされている
患者さんがいる可能性が疑われ
ています。

 研究グループは、TBEV感染が
明らかになっていない感染者を
調べるため、2010~18年に収集
された北海道内の神経疾患患者
さん2,000 例、健康な住民246
例の血清検体を用いて、血液中
のTBEVに対する抗体を測定して
保有状況を調査しました。神経
疾患患者さんの中には、神経変
性疾患819 例、自己免疫疾患28
3 例、炎症性疾患245 例、末梢
神経障害237 例、筋肉疾患81例、
腫瘍性疾患61例、代謝性疾患54
例、血管障害43例などが含まれ
ていました。

 解析の結果、炎症性疾患患者
さん3例から直近のウイルス感
染を示唆するTBEVに特異的なIg
M 抗体および中和抗体が検出さ
れました。いずれの患者さんで
も脳や脊髄、それらを覆う髄膜
に炎症反応が認められており、
TBE であったと考えられました。
また、神経変性疾患や末梢神経
疾患など他の神経疾患と診断さ
れた4例および健常者からもTB
EVに特異的なIgG 抗体および中
和抗体が検出され、過去にTBEV
感染歴があることが確認されま
した。

 これらの結果から、日本国内
にTBEV感染が診断されていない
感染例があり、その中には脳炎
を発症した人がいること、さら
には神経疾患患者さんにおいて
TBE の未診断例が存在すること
が明らかになりました。今回の
結果を踏まえ、研究グループは
「今後、国内でのTBE の疫学的
リスクの実態を明らかにし、ワ
クチンなどの予防策を検討して
いく必要がある」と結論してい
ます。

ダニ媒介脳炎について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 大社で、代謝性疾患の治癒を
祈願する。        笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 理化学研究所(理研)が12月
10日、抗ガン作用を持つ植物由
来の翻訳阻害剤「ロカグラミド
A」の標的蛋白質として、翻訳
開始因子「DDX3」を新たに同定
したと発表したのは素晴らしい
業績です。今回の研究で、抗ガ
ン剤として現在有望視されてい
る小分子化合物ロカグラミドA
の標的蛋白質と作用メカニズム
が明らかになったことにより、
より効果の期待できるガン細胞
を予測することが可能になった
ということですので、この予測
を元に、ロカグラミドAを使用
することが効率的に治療を行う
有益な方法と言えましょう。
 ダニ媒介性脳炎(TBE)は,野
外でマダニに咬まれウイルスに
感染して発症する病気です。致
死性もあることから、マダニに
咬まれないことが一番予防で、
重要と言えましょう。ところが、
高齢者の方が、草むしりする時
に無防備であることが多いこと
は問題だと思います。ダニ媒介
性脳炎や、重症熱性血小板減少
症候群(SFTS)などの重篤な病
気を発症する可能性があると言
うことをもっと真剣に啓蒙する
必要があると思いました。脳炎
は、本当に怖い病気です。西ナ
イル脳炎や日本脳炎やセントル
イス脳炎などは、マダニではな
く蚊が媒介します。

 新券で真剣勝負する。笑

 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.2003 令和3年1月4日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ビタミンD摂取は、既存ガン治療法より低毒性低コスト
2)食物アレルギーPTS法で,質量分析測定を効率化した

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 ビタミンD摂取は、既存ガン治療法より低毒性低コスト

 
 
 
 
 
 近年、ビタミンD摂取とガン
の関連性についての検討が幾つ
か報告されていますが、一般人
を対象とした大規模な検討はあ
まりありません。米・Harvard
Medical SchoolのPaulette D.
Chandler氏らは、米国の一般人
2万8,571人を対象に高用量のビ
タミンD3、ω-3脂肪酸摂取によ
る全てのタイプの浸潤性ガン、
および主要心血管疾患の予防効
果を検証した大規模ランダム化
比較試験VITAL の二次解析結果
をJAMA Netw Open(2020; 3: e
2025850)に報告しました。 ビ
タミンD取により進行性ガンの
リスクが低下する可能性を示し
ました。

 VITAL 試験では、ガン(非メ
ラノーマ皮膚ガンを除く)や心
血管疾患の既往がない米国の一
般集団2万8,571人を登録(男性
50歳以上、女性55歳以上)しま
した。ビタミン D3 (コレカル
シフェロール、2,000IU/日)を
摂取するビタミンD群(1万2,9
27人)とプラセボ群(1万2,944
人)に1:1でランダムに割り付
けました。さらに各群を魚油由
来のω-3脂肪酸またはそのプラ
セボを摂取する群に1:1でラン
ダムに割り付ける2×2ファクト
リアルデザインを用い、最終的
に1.ビタミンD+ω-3 脂肪酸集
団(6,463人) 2.ビタミンD+
プラセボ集団(6,464 人)3.プ
ラセボ+ω-3脂肪酸集団(6,47
0人) 4.プラセボ+プラセボ集
団(6,474人)-の4集団に割り
付けました。

 なお、登録は2011年11月~14
年3月に行い、試験レジメン以
外のビタミンD摂取(マルチビ
タミン剤を含む)は800IU/日を
上限として許可しましたが、魚
油由来のサプリメントの摂取は
禁止しました。

 主解析では、主要評価項目を
全てのタイプの浸潤性ガン、お
よび主要心血管イベント(心筋
梗塞、脳卒中、心血管死の複合)
の発生率とし、中央値5.3 年の
追跡期間におけるビタミンD摂
取(N Engl J Med 2019; 380:
33-44)とω-3脂肪酸摂取(N E
ngl J Med 2019; 380: 23-32)
の有無別に比較した結果、いず
れも有意差を認めなかったこと
を報告しています。

 ビタミンD群とプラセボ群の
ベースライン時における主な患
者背景は同等で、ともに女性51
%、平均年齢67.1歳、非ヒスパ
ニック系白人71%、黒人20%、
非黒人系ヒスパニック4%、BM
I 25未満/25~30未満/30以上
が31%/40%/29%、喫煙者7
%、800IU/日以下のビタミンD
服用歴43%でした。マンモグラ
フィや乳ガンバイオプシーなど
のガンスクリーニング受診歴、
25-ヒドロキシビタミンD,飲酒
状況、糖尿病の既往などについ
ても、両群で同様でした。

 前述の主解析では、2万5,871
人中1.617 人が浸潤性ガンを発
症し、プラセボ群に対するビタ
ミンD群の浸潤性ガン発症リス
ク〔ハザード比(HR)0.96、95
%CI 0.88~1.06、P=0.47〕、ガ
ンによる死亡リスク(同0.83、
0.67~1.02、P=0.08)に有意差
ありませんでした。

 そこで、同氏らが17種のガン
種ごとに発症リスクを比較した
所、子宮ガンでのみ有意差を認
めました(ビタミンD群0.3% vs.
プラセボ群0.2%、HR 1.75、95
%CI 1.01~3.03、P =0 .046) 。
更に、進行性ガン(転移性また
は致死性)の発症率を比較する
と、プラセボ群の2.1%に対しビ
タミンD群では1.7%と有意にリ
スクが低下し、2年目以降に差
が開いていました(同0.83、0.
69~0.99、P=0.04、図)。

 進行性ガンによる死亡はビタ
ミンD 群が16人/1万2,927人、
プラセボ群が,24人/1万2,944人
でした。

 ω-3脂肪酸投与の有無別に見
た解析では、進行性ガンの発症
率にω-3脂肪酸群とプラセボ群
で有意差およびω-3脂肪酸摂取
による交互作用はありませんで
した。さらに、ベースライン時
のBMI ごとにビタミンD摂取に
よる進行性ガンの発症リスクを
比較した所、BMI 25未満の非肥
満集団ではプラセボ群と比べて
ビタミンD摂取群で有意にリス
クが低下したしたものの(HR 0
.62、95%CI 0.45~0.86),過体
重や肥満に分類されるBMI 25~
30未満(同0.89、0.68~1.17)
や、BMI 30以上(同1.05、0.74
~1.49)の集団では有意差はあ
りませんでした。

 今回の結果を踏まえ、Chandl
er氏は「最も発症が多かった前
立腺ガンを除外した解析でも、
進行性ガンの発症リスクはプラ
セボ群と比べてビタミンD摂取
群で低いという結果がでました。
この傾向は、BMI が正常の集団
において最も顕著であった」と
し、「たとえ、ガン発症抑制に
及ぼすビタミンD摂取の影響が
さほど大きくなくても、VITAL
試験におけるビタミンD摂取は
多くの既存のガン治療法よりも
毒性が低く、低コストである」
と指摘しました。

ビタミンDとガンの関係につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 細胞の性状が正常であった。


 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 食物アレルギーPTS法で,質量分析測定を効率化した

 
 
 
 
 
 
 千葉大学は、12月7日、食物
アレルギーの唯一の治療法であ
りながら、その機序についてい
まだ不明点が多かった経口免疫
療法の治療メカニズムの一端を
解明したと発表しました。これ
は、同大大学院医学研究院・倉
島洋介准教授、東京大学医科学
研究所・清野宏教授、高里良宏
医師の研究グループと、慶應大
学、順天堂大学、日本大学、カ
リフォルニア大学を含む多施設
との共同研究によるものです。
研究成果は、「Mucosal Immuno
logy」オンライン版に掲載され
ています。

 食物アレルギーは、白血球の
一種であるマスト細胞がアレル
ゲンを受容し、ヒスタミンなど
のアレルギー物質を放出するこ
とで発症する疾患です。日本で
約120 万人の患者さんがいると
されており、かゆみやじんまし
ん、おう吐、下痢のほか、最悪
の場合、ショックを起こして死
に至るケースもあります。

 研究グループは今回、食物ア
レルギーの有望な治療法である
経口免疫療法に着目しました。
しかし、同治療法は研究段階で
あり、どのような作用機序でア
レルギーの根治につながってい
るのかについての情報は多くあ
りませんでした。また、治療中
の副反応や成功率の低さも課題
となっています。これまで、経
口免疫療法を行うことで、ヒス
タミンを産生しアレルギーを発
症させるマスト細胞の低応答化
とアレルギーの抑制細胞である
制御性T細胞が増えるという2
つの現象は知られていましたが、
治療の中でマスト細胞の低応答
化と制御性T細胞の増加がどの
ように関連しているのかは不明
でした。

 研究グループは、独自に食物
アレルギーの経口免疫治療モデ
ルマウスを作製し、実験を行い
ました。その結果、経口免疫療
法を行いアレルギー症状が軽減
された群では、マスト細胞は低
応答の状態になるだけでなく、
アレルギーを抑制する制御性T
細胞を増やす蛋白質(IL-2)や、
アレルギー症状を抑える蛋白質
(IL-10) を産生し、アレルギ
ーを起こす悪玉細胞からアレル
ギー反応を抑える善玉細胞へと
その性質が変化していることを
発見しました。また、食物アレ
ルギーの経口免疫治療の途中に
マスト細胞をマウスの体から除
去した所、制御性T細胞が減少
すると同時に制御性T細胞のア
レルギーを抑える性質も低下し
ていることも明らかになりまし
た。

 さらに、経口免疫療法を試験
管内で模倣した所、アレルギー
の抑制物質を放出するように変
化した善玉マスト細胞の作製に
成功しました。つまり、経口免
疫療法によるアレルギー治療の
成功には、アレルギーを起こす
マスト細胞がアレルギー物質を
放出させないように低応答化す
るだけではなく、マスト細胞自
身がアレルギーを抑える細胞へ
と機能を転換させるメカニズム
が重要であることが判明しまし
た。

 今回の研究成果により、不明
点が多かった経口免疫療法を成
功させる鍵の一つが明らかとな
りました。今後は、アレルギー
の悪玉細胞を善玉細胞へと効率
的に切り替えるスイッチ機構が
明らかになれば、それを応用し
た切り替え促進薬の開発が期待
されます。「スイッチ機構を制
御し悪玉細胞から善玉細胞への
切り替えを安定して行えるよう
にすることで、食物アレルギー
治療の精度向上に貢献できると
考える」と、研究グループは述
べています。

食物アレルギーについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 スイッチ機構についての講義
を聴こう。        笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 米・Harvard Medical School
のPaulette D. Chandler氏らが、
米国の一般人2万8,571人を対象
に高用量のビタミンD3、ω-3脂
肪酸摂取による全てのタイプの
浸潤性ガン、および主要心血管
疾患の予防効果を検証した大規
模ランダム化比較試験VITAL の
二次解析結果をJAMA Netw Open
(2020; 3: e2025850) に報告
したのは、素晴らしい業績です。
最も発症が多かった前立腺ガン
を除外した解析でも、進行性ガ
ンの発症リスクはプラセボ群と
比べてビタミンD摂取群で低い
という結果が出たわけですから、
進行性ガンの発症リスクを抑え
る効果は、確かであり、VITAL
試験におけるビタミンD摂取は
多くの既存のガン治療法よりも
毒性が低く、低コストであると
言うことから、誰でもできる、
リスク回避であると言えましょ
う。ただ摂取過剰症があること
は、忘れてはなりません。
 千葉大学が、12月7日、食物
アレルギーの唯一の治療法であ
りながら、その機序についてい
まだ不明点が多かった経口免疫
療法の治療メカニズムの一端を
解明したと発表したのは、素晴
らしい業績です。経口免疫療法
によるアレルギー治療の成功に
は、アレルギーを起こすマスト
細胞がアレルギー物質を放出さ
せないように低応答化するだけ
ではなく、マスト細胞自身がア
レルギーを抑える細胞へと機能
を転換させるメカニズムが重要
であることが判明したというこ
となので、これは不明点が多か
った経口免疫療法を成功させる
鍵の一つと言えましょう。今後
は、アレルギーの悪玉細胞を善
玉細胞へと効率的に切り替える
スイッチ機構が明らかになるこ
とで、それを応用した切り替え
促進薬の開発に大いに期待した
いと思います。

 公立高校に効率よく入学でき
た。           笑

 
 
 
 
 
 
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2021-11-05 20:51:58

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診療マル秘裏話  号外Vol.2002 令和3年1月3日作成
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目次

1)従来より高精度ガン放射線治療可能なシステム導入
2)睡眠導入剤成分が混入し自主回収している問題

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 従来より高精度ガン放射線治療可能なシステム導入

 
 
 
 
 
 東北大学は12月9日、従来よ
りも高精度にガン放射線治療が
可能である 「Elekta Unity MR
リニアックシステム(以下、El
ekta Unity)」を導入する契約
を、同大病院がエレクタ株式会
社と締結したと発表しました。
なお、治療開始は2021年10月頃
の予定としています。

  Unityは、体内を高画
質に描出可能な1.5テスラMRIと
高精度に放射線を照射するリニ
アックを一体化させた世界初の
高磁場MRI 画像誘導ガン放射線
治療装置です。同装置は、照射
直前にその日の腫瘍と周辺の重
要臓器の位置や形状をMRI で確
認し、オンラインで「その日の
治療計画」を作成します。腫瘍
位置の変化に対応するマージン
を最小化することで、健常組織
への放射線の影響を最小限に抑
えながら、腫瘍への照射線量を
高めることができます。

 また、照射開始から終了まで
リアルタイムで腫瘍や重要臓器
の位置・形状の変化をMRI で監
視することができます。MRI は
放射線を使わないため、従来の
X線透視装置やCTと異なり、画
像誘導のための被ばくがありま
せん。例えば、小腸が治療中に
照射野内に移動した場合に、医
師がそれを目視で確認できるた
め、照射を一時中断することも
可能となり、より安全な放射線
治療を提供することができます。

 さらに、高磁場MRI では解剖
情報のみならず、腫瘍内の機能
情報も取得できるため、今後、
腫瘍内の細胞活動を測定するこ
とで、放射線に対する腫瘍の反
応を早期に予測し、治療計画を
変更することが可能となること
が期待されます。

「リニアック(Linac)」とは、
日本語では「直線加速器」とい
われるもので、荷電粒子を一直
線上で加速させて発生した放射
線を当てることで、ガンなどの
治療をする機器です。放射線治
療では、体の内部の腫瘍を治療
するために、検査(X線撮影、
CTなど)で用いられる放射線よ
りもはるかに高いエネルギーの
放射線を用いるとされています。

高精度放射線治療について解説

している動画です。

 
 


 
 
 黙示録を目視で確認する。笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 睡眠導入剤成分が混入し自主回収している問題

 
 
 
 
 
 
 爪水虫などの治療薬約9万錠
に睡眠導入剤成分が混入し、製
造した製薬会社「小林化工」(
福井県あわら市)が自主回収し
ている問題で、同社は12月12日、
薬を服用して首都圏の病院に入
院していた70歳代女性が12月10
日に死亡したと発表しました。
死者が確認されたのは初めてと
いうことです。同社は死亡と服
用の因果関係などを調べており、
12月12日午後、小林広幸社長が
問題について謝罪しました。

 同社は問題の錠剤を処方され
た大阪府など31都道府県の患者
さん364人を特定、服用しな
いように求めました。12月11日
午前0時現在、133人が健康
被害を訴え、入院したか救急搬
送された患者さんは34人(退
院者を含む)に上ります。車を
運転中に意識を失うなどして起
きた物損事故も16件確認されて
います。

 同社によると、薬は「イトラ
コナゾール錠50『MEEK』」
で、服用には医師の処方箋が必
要です。今年9~12月の出荷分
に、1錠あたり5ミリ・グラム
の睡眠導入剤成分「リルマザホ
ン塩酸塩水和物」が混入してい
ました。

 福井県によると、同社は製造
の過程で減った薬の成分を補充
しており、その際に従業員が誤
って睡眠導入剤の成分を混入し
たという。県は、医薬品医療機
器法違反の可能性があるとみて
調査しています。

 1錠に混入された睡眠導入剤
成分は1回あたりの最大投与量
の2.5 倍。1日8錠服用する人
もおり、その場合は20倍に相当
します。大量に服用すると、副
作用のリスクが高まり、意識が
もうろうとするなどの状態に陥
る恐れもあるということです。

 船山信次・日本薬科大特任教
授(薬学)は「亡くなった患者
の状態を可能な限り明らかにす
る必要がある」と指摘していま
す。

 小林社長は混入について「重
大な過失を犯し、深くおわびす
る」と話しました。問い合わせ
は同社学術部(0120・09
3・291)です。

小林化工の問題について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 私的な指摘を重く受け止める。


 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 東北大学が12月9日、従来よ
りも高精度にガン放射線治療が
可能である 「Elekta Unity MR
リニアックシステム(以下、El
ekta Unity)」を導入する契約
を、同大病院がエレクタ株式会
社と締結したと発表したのは、
凄いことだと思います。ただし、
用いているのは、X線であり、
重粒子線ではないので、どうし
ても、正常細胞への影響を考慮
しなければ、ならないのは残念
です。でも高磁場MRI では解剖
情報のみならず、腫瘍内の機能
情報も取得できるため、今後、
腫瘍内の細胞活動を測定するこ
とで、放射線に対する腫瘍の反
応を早期に予測し、治療計画を
変更することが可能となるのは
治療に柔軟性があって良いこと
だと思います。放射線治療に限
らず、このような柔軟な対応が
できる治療法を将来的に優遇し
て頂きたいものです。
 爪水虫などの治療薬約9万錠
に睡眠導入剤成分が混入し、製
造した製薬会社「小林化工」(
福井県あわら市)が自主回収し
ている問題で、同社が12月12日、
薬を服用して首都圏の病院に入
院していた70歳代女性が12月10
日に死亡したと発表したのは、
本当に残念なことです。「1日
8錠服用する人もおり、…」と
いうのは、イトリコナゾールの
パルス療法のことを言っている
のではないかと思います。爪白
癬の治療では、通常用量を服用
するのでは、効果が薄いため、
1日8錠という内服を7日間続
けて、3週間休薬するという、
服薬方法をとります。この投与
方法が仇になった可能性がある
と考えます。先発メーカー品で
このようなことが起こったこと
は、かつてないと思いますので、
パルス療法は、先発品に限るな
どの措置が必要ではないかと思
われます。

 通常用量を要領よく服用する。


 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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2021-11-04 21:49:05

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診療マル秘裏話  号外Vol.2001 令和3年1月2日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)ガン原因遺伝子ELF3EMT制御し免疫細胞機能調節
2)食物アレルギーPTS法で,質量分析測定を効率化した

 
 
 
 
 
 
 
 
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不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 ガン原因遺伝子ELF3EMT制御し免疫細胞機能調節

 
 
 
 
 
 国立ガン研究センターは12月
8日、大阪大学大学院ゲノム生
物学講座ガンゲノム情報学教授
の谷内田真一氏および国立ガン
研究センター先端医療開発セン
ターHPV 関連ガン予防・治療プ
ロジェクトリーダーの清野透氏
らの研究グループが、ガン原因
遺伝子であるELF3が、ガンの転
移や浸潤に関わる上皮間葉転換
を制御すること、免疫細胞の機
能を調節することを初めて明ら
かにし、Cancer Res(2020年12
月8日オンライン版)に報告し
ました。

 正常な上皮組織の維持を担う
転写因子であるELF3は、胆管ガ
ン・十二指腸乳頭部ガンなどの
ガン原因遺伝子として知られて
いましたが、どのようにしてガ
ンの進展にかかわっているかは
これまで不明でした。今回研究
グループは、ELF3の不活化変異
により上皮間葉転換を来して浸
潤・転移や生じやすくなり、ま
た、免疫能が低下することを明
らかにしました。ELF3不活化変
異や発現が低下したガンに対す
る新規薬剤の開発が期待されま
す。

消化器ガンについて解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 昨日の免疫機能を測定する。


 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 食物アレルギーPTS法で,質量分析測定を効率化した

 
 
 
 
 
 
 食物アレルギーの予防にはア
レルゲンの摂取を回避すること
が有効ですが、食物アレルゲン
の測定で一般的に用いられる酵
素結合免疫吸着測定法(ELISA
法)は1種類ずつしか測定でき
ず非効率的でした。そこで熊本
大学大学院生命科学研究部の増
田豪氏らは、蛋白質の質量分析
を効率化する相間移動溶解剤を
用いたショットガンプロテオミ
クスアプローチ(PTS 法)を開
発しました。同法が食物中アレ
ルゲン測定の飛躍的な効率化に
寄与することをプレスリリース
で発表しました。

 ELISA 法では、食物からの効
率的なアレルゲン抽出に使用さ
れるドデシル硫酸ナトリウム(
SDS) を用いて細胞を溶解し、
アレルゲン蛋白質を抽出するが、
一度に1種類のアレルゲンしか
測定できません。

 一方、さまざまな物質の分析
に用いられている液体クロマト
グラフィ質量分析法(LC-MS法)
では、一度に複数のアレルゲン
を測定できますが、SDS が適合
しません。そのためSDS よりも
可溶化能力の低い試薬を使わざ
るをえず、アレルゲンの抽出が
困難でした。

 こうした状況に鑑み、増田氏
らはPTS法をLC-MS法による蛋白
質分析の前処理に適用すること
で、効率的に小麦粉やカレーペ
ーストなどの食物からアレルゲ
ンが抽出できるかどうか検討し
ました。

 検討の結果、PTS 法を前処理
として適用したLC-MS 法により、
SDS と同等の抽出効率で小麦粉
から小麦蛋白標準品を抽出・調
整でき、カレーペースト中の小
麦蛋白も検出・測定できました。
今後は、カレーペースト以外の
食物サンプルでも同様の検討を
続ける予定ということです。

 LC-MS法 の意義について、同
氏らは「現行のELISA 法をはじ
めとする個別分析と比べ、LC-M
S 法による分析は複数のアレル
ゲンを一度に検出できるため、
意図しないアレルゲン混入時の
検査に適している。また、偽陽
性・偽陰性のリスクが低いこと
から、PTS 法で前処理したLC-M
S 法は、より正確なアレルゲン
の検出および食品表示につなが
ると期待される」と述べていま
す。

食物アレルギーの基礎知識につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 会費の支払いを回避する。笑

 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 国立ガン研究センターが12月
8日、大阪大学大学院ゲノム生
物学講座ガンゲノム情報学教授
の谷内田真一氏および国立ガン
研究センター先端医療開発セン
ターHPV 関連ガン予防・治療プ
ロジェクトリーダーの清野透氏
らの研究グループが、ガン原因
遺伝子であるELF3が、ガンの転
移や浸潤に関わる上皮間葉転換
を制御すること、免疫細胞の機
能を調節することを初めて明ら
かにしたのは、素晴らしい業績
です。上皮間葉転換はガン細胞
の転移や増殖力のアップと密接
に関係していると考えられてい
ます。ELF3の不活化変異により
上皮間葉転換を来して浸潤・転
移を生じやすくなり、また、免
疫能が低下することを明らかに
したのは天晴れとしか言いよう
がありません。
 食物アレルギーの予防にはア
レルゲンの摂取を回避すること
が有効ですが、食物アレルゲン
の測定で一般的に用いられる酵
素結合免疫吸着測定法(ELISA
法)は1種類ずつしか測定でき
ず非効率的でした。そんな中、
蛋白質の質量分析を効率化する
相間移動溶解剤を用いたショッ
トガンプロテオミクスアプロー
チ(PTS 法)を開発したのは、
喜ぶべきことです。さまざまな
物質の分析に用いられている液
体クロマトグラフィ質量分析法
(LC-MS 法)では、一度に複数
のアレルゲンを測定できますが、
SDS が適合しません。そのため
SDS よりも可溶化能力の低い試
薬を使わざるをえず、アレルゲ
ンの抽出が困難ということです
が、PTS 法を前処理として適用
したLC-MS 法により、SDS と同
等の抽出効率で小麦粉から小麦
蛋白標準品を抽出・調整でき、
カレーペースト中の小麦蛋白も
検出・測定できたということで
工夫次第で検査はできるのだと
思いました。

 斯様な可溶化能力の低さが、
欠点となる。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  Vol.836 令和1年12月18日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)AMPA型グルタミン酸受容体作動時の分子機構を解明
2)2型ナルコレプシーモデルマウスの作製に世界で初めて成功

 
 
 
 
 
 
 
 
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1】AMPA型グルタミン酸受容体作動時の分子機構を解明

 
 
 
 
 
 岐阜大学は11月20日、脳の記
憶と学習に重要な働きをする蛋
白質分子であるAMPA型グルタミ
ン酸受容体が働くときに、どの
ように分子が組み立てられて働
くのかを解明したと発表しまし
た。この研究は、京都大学大学
院医学研究科 岡昌 吾教授、森
瀬譲二同助教、岐阜大学研究推
進・社会連携機構 生命の鎖統
合研究センター(G-CHAIN )鈴
木健一教授、沖縄科学技術大学
院大学 楠見明弘教授(後者2人
は、京都大学物質・細胞統合シ
ステム拠点であるiCeMS 客員教
授兼任)らの研究グループによ
るものです。研究成果は「Natu
re Communications 」に掲載さ
れています。ヒトの神経細胞同
士の結び目にあるシナプスは、
一旦形成された後も環境因子や
学習などの神経活動によって変
化することが知られており、シ
ナプス可塑性と呼ばれる柔軟性
を持っています。シナプス可塑
性の分子機構を明らかにするこ
とは、学習記憶の分子基盤の理
解、また、シナプスに病変があ
るさまざまな神経疾患の病態解
明にも、とても重要な研究課題
とされています。

AMPA型グルタミン酸受容体は4
つのサブユニット(GluA1-4 )
から成り、四量体で機能するイ
オンチャネル型受容体で脳内の
興奮性シナプスの可塑性に特に
重要な分子です。神経活動に応
じてAMPA型グルタミン酸受容体
は、シナプス後部での数やサブ
ユニットの組み合わせが変化し、
これによりシナプスでの伝達効
率が変化します。AMPA受容体は
シナプス後部で働きますが、そ
の主要な供給源はシナプス領域
外の樹状突起膜と考えられてい
ます。そのため、AMPA受容体は
神経活動に対応し、樹状突起膜
からシナプス後部への素早い移
動が必要となります。これまで、
AMPA受容体は小胞体内で四量体
が構築された後、細胞膜へ運ば
れても依然安定な四量体として
移動すると考えられてきました。
しかし、この定説には疑問点が
複数挙げられており、AMPA受容
体は四量体の形では神経細胞膜
上をほとんど動かないという報
告もあります。また、神経活動
に伴い、サブユニットの組成が
異なる受容体がシナプスに出現
しますが、四量体が安定してい
ると、不要な受容体をシナプス
から追い出し、全く新しい組み
合わせの四量体を合成してシナ
プスまで運ぶ必要があります。
これには多大な時間とエネルギ
ーや原材料などのリソースが必
要で、組成の異なる受容体に取
り替えるのは非常に困難と予想
されます。

研究グループは過去に、ゴルジ
体での糖鎖修飾がAMPA受容体の
四量体構成を大きく変えること
を見出しており、この結果は、
以前からの定説が間違っている
可能性を示唆していました。研
究グループは今回、本当に細胞
膜上のAMPA受容体が四量体とし
て存在するのか、同研究グルー
プが開発した最先端の1蛍光分
子イメージング法を改善して応
用し、AMPA受容体サブユニット
の1分子観察を行いました。

まず、AMPA受容体を持たないHE
K293細胞膜上で、蛍光標識AMPA
受容体を観察しました。この条
件では、すべてのAMPA受容体分
子を見ることが可能です。する
と、四量体以外にも、単量体が
たくさん発見されました。加え
て、その四量体も安定的ではな
く、単量体が集まっては一過的
に四量体を形成し、0.1~0.2秒
後には再び単量体・二量体・三
量体へ分かれていく様子が極め
て明瞭に観察されました。四量
体の寿命は0.1~0.2秒ですが、
その間にイオンチャネルとして
働くことも判明しました。同様
に神経細胞でも蛍光標識AMPA受
容体を観察しました。その結果、
樹状突起膜上では、多くが単量
体(または一部二量体)として
高速で動いてシナプス内に入り
込むこと、また、シナプスから
出ていくときも単量体として素
早く出ていくことが分かりまし
た。

シナプス内では、多数のAMPA受
容体のサブユニットが濃縮され
ています。そのため、単量体は
すぐに四量体となりますが、四
量体の寿命は0.1~0.2秒なので、
すぐに分解します。四量体が分
解する速度は決まっているもの
の、サブユニット濃度が高いと
単量体同士がぶつかる機会が増
え、単量体ができるとすぐに四
量体となるため、各サブユニッ
ト分子は、シナプス内では、四
量体として過ごす時間が増えま
す。ただ、あくまでも、1個の
四量体の寿命は変わらない可能
性が高く、この四量体が、チャ
ネルとして機能していると考え
られました。

今回の研究で、研究グループは
これまでの定説を覆し、受容体
の4つのパーツが0.1秒ほどでバ
ラバラになり、それらがまたす
ぐに違うパーツと集まって4個
で受容体を作って0.1 秒間働き、
またすぐにバラバラになるとい
うことを繰り返す、という仕組
みで働いていることを明らかに
しました。また、この仕組みを
使うことで、神経細胞は環境変
化や刺激に応じて、直ちに適し
た受容体をシナプスで作ること
ができ、4つのパーツに分けて
運ぶことで、シナプスに受容体
を集めるのも素早くなることも
判明しました。

AMPA型グルタミン酸受容体は、
てんかん発作の原因分子として
も知られており、受容体のチャ
ネル活性を制御する拮抗剤も治
療薬として注目されています。
研究グループは「本成果により、
学習記憶の分子機構の理解や、
関連する疾患への新たな治療薬
の開発につながることが期待さ
れる」と述べています。

AMPA型グルタミン酸受容体に

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 分子機構の講義を聞こう。笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 2型ナルコレプシーモデルマウスの作製に世界で初めて成功

 
 
 
 
 
 名古屋大学は11月19日、2型
ナルコレプシーのモデルマウス
の作製に世界で初めて成功した
と発表しました。 この研究は、
同大学環境医学研究所神経系分
野2の山中章弘教授らの研究グ
ループによるものです。 研究
成果は、「The Journal of Neu
roscience 」に掲載されていま
す。ナルコレプシーは睡眠障害
の一種で、日中に過度の眠気を
伴い、突然眠ってしまう病気で
す。日本人は600人に1人がナル
コレプシー患者さんだと言われ
ています。主な症状は、突然眠
ってしまう睡眠発作、突然体の
力が入らなくなる脱力発作(カ
タプレキシー)、いわゆる金縛
りである睡眠麻痺・入眠時幻覚
です。

ナルコレプシーには1型と2型が
あり、2型のナルコレプシー患
者さんでは、カタプレキシーの
症状は見られません。病気が起
こるメカニズムを理解するため
には、同様の症状を示すモデル
マウスの存在が重要です。1型
ナルコレプシーに関しては、オ
レキシン神経を脱落させたマウ
スがモデルマウスとなっていま
したが、これまでに2型ナルコ
レプシーのモデルマウスは存在
しませんでした。今回、研究グ
ループはオレキシン神経の活動
だけを制御するために、新しく
遺伝子を改変したマウスを作製
しました。近年、光遺伝学とい
う手法が、神経科学研究に導入
されています。黄色の光を当て
ると神経の活動を抑えることの
できるアーキロドプシン3と呼
ばれる光感受性蛋白質をオレキ
シン神経だけに発現するマウス
を作製しました。緑色の光を脳
内に照射すると、実際にオレキ
シン神経の活動を抑えることが
でき、その結果、マウスを眠ら
せることに成功したということ
です。

また、オレキシン神経にアーキ
ロドプシン3蛋白質が多く発現
するよう遺伝子を改変したマウ
スでは、光を照射しなくても、
体内時計のリズム異常や、睡眠
障害が現れることが分かりまし
た。同マウスでは、ナルコレプ
シー患者さんで見られるレム睡
眠の増加が観察されましたが、
1型ナルコレプシーに特徴的な
症状であるカタプレキシーの症
状は見られず、オレキシン神経
の脱落は見られませんでした。
これらの結果より、研究グルー
プは、世界で初めて、2型ナル
コレプシーモデルマウスの作製
に成功したとしています。

今回の研究成果により、2型ナ
ルコレプシーの症状が発現する
メカニズムが明らかになり、よ
り良い治療薬の開発に役立つ可
能性があるとし、今後は、作製
したモデルマウスを用いて、さ
まざまな薬物のスクリーニング
などを行い、ナルコレプシー2
型の症状を改善する薬剤の開発
に寄与したい、と研究グループ
は述べています。

ナルコレプシー2型について

解説している動画です。

 
 


 
 
 
 キヨさんが坊ちゃんの仕事に
寄与したいと言った。   笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 岐阜大学が11月20日、脳の記
憶と学習に重要な働きをする蛋
白質分子であるAMPA型グルタミ
ン酸受容体が働くときに、どの
ように分子が組み立てられて働
くのかを解明したと発表したの
は素晴らしい業績です。今回の
研究で、研究グループはこれま
での定説を覆し、受容体の4つ
のパーツが0.1 秒ほどでバラバ
ラになり、それらがまたすぐに
違うパーツと集まって4個で受
容体を作って、0.1 秒間働き、
またすぐにバラバラになるとい
うことを繰り返す、という仕組
みで働いていることを明らかに
したということですが、この様
な受容体の離合集散の仕組みを
使うことで、神経細胞は環境変
化や刺激に応じて、直ちに適し
た受容体をシナプスで作ること
ができ、4つのパーツに分けて
運ぶことで、シナプスに受容体
を集めるのも素早くなるという
ことでメリットが大きいと考え
られます。
 名古屋大学が11月19日、2型
ナルコレプシーのモデルマウス
の作製に世界で初めて成功した
と発表したのは偉大な業績です。
ナルコレプシーには1型と2型が
あり、2型のナルコレプシー患
者さんでは、カタプレキシーの
症状は見られません。病気が起
こるメカニズムを理解するため
には、同様の症状を示すモデル
マウスの存在が重要です。1型
ナルコレプシーに関しては、オ
レキシン神経を脱落させたマウ
スがモデルマウスとなっていま
したが、これまでに2型ナルコ
レプシーのモデルマウスは存在
しなかったという経緯がある様
です。 今回の研究成果により、
2型ナルコレプシーの症状が発
現するメカニズムが明らかにな
り、より良い治療薬の開発に役
立つ可能性があるとし、今後は、
作製したモデルマウスを用いて、
さまざまな薬物のスクリーニン
グなどを行い、ナルコレプシー
2型の症状を改善する薬剤の開
発に寄与して頂きたいものです。

 コンゴで今後のことを考える。


 
 
 
 
 
 
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2021-11-02 17:56:16

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診療マル秘裏話  号外Vol.2000 令和3年1月1日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)創薬ベンチャーと,腫瘍溶解性ウイルス独占的ライセンス契約
2)ダラツムマブ,全身性ALアミロイドーシス適応追加承認申請

 
 
 
 
 
 
 
 
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から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 創薬ベンチャーと,腫瘍溶解性ウイルス独占的ライセンス契約

 
 
 
 
 
 アステラス製薬は、創薬ベン
チャーの米カリビア・イムノセ
ラピューティクス(ペンシルベ
ニア州)と、ウイルスを使って
ガンを死滅させる腫瘍溶解性ウ
イルスの独占的ライセンス契約
を結んだと発表しました。米社
は遺伝子組み換えワクシニアウ
イルスを用いたガン治療薬を、
抗PD1抗体が効かない固形ガ
ンの治療に応用しています。ア
ステラスの腫瘍溶解性ウイルス
の案件は鳥取大学と共同で創出
した開発品に続く2つ目です。

 カリビア社の腫瘍溶解性ウイ
ルスの特徴は静脈内投与が可能
なことが示されています。アス
テラスが鳥取大と取り組むプロ
グラムは腫瘍内投与で、治療手
順が複雑とされています。静脈
内投与であれば表層化していな
い腫瘍組織など全身の腫瘍に治
療薬を届けられます。ガン細胞
の破壊と同時にガン免疫を活性
化する作用も持っています。

 カリビア社が前臨床試験を進
めているレプチン、インターロ
イキン2を搭載した腫瘍溶解性
ウイルスと、その後続の開発品
について共同で研究開発を行い
ます。アステラスは契約一時金
などとして計5600万ドルを支払
うほか、開発進捗に応じた達成
報酬として計最大5億7800万ド
ルを支払う可能性があります。

 妖怪退治することで、妖怪の
住み家が溶解した。    笑

 ワクシニアウイルスは牛痘ウ
イルスときわめて近縁であり、
この2つは歴史的にはしばしば
同一のものと見なされていまし
た。ワクシニアウイルスは何十
年にもわたって研究室で繰り返
し継代培養され、記録管理もな
されていなかったために、正確
な起源は不明です。最も一般的
なのは、ワクシニアウイルス、
牛痘ウイルス、天然痘ウイルス
はすべて共通の祖先ウイルスに
由来する、という考えです。ま
た、ワクシニアウイルスはもと
もとウマから単離されたもので
あるという推測もあり、初期 (
1902年) の天然痘ワクチン試料
のDNA 分析によって、馬痘ウイ
ルス (horsepox virus) と99.7
%類似していることが示されま
した。

腫瘍溶解ウイルスについて解説

している動画です。

 
 


 
 
 紀元前に起源を発する種族を
発見。          笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 ダラツムマブ,全身性ALアミロイドーシス適応追加承認申請

 
 
 
 
 
 
 全身性アミロイドーシスは、
線維構造を持つ蛋白質であるア
ミロイドが、全身の臓器に沈着
することによって機能障害を起
こす疾患です。これまで30種類
のアミロイドーシスが報告され
ていますが、このうち骨髄の異
常形質細胞から産生されるアミ
ロイドが沈着して多臓器障害が
生じる「全身性免疫グロブリン
軽鎖(AL)アミロイドーシス」
に対し十分なエビデンスが示さ
れている薬剤はなく、アンメッ
ト・メディカルニーズが高い疾
患の1つです。そうした中、ヤ
ンセンファーマは12月2日、多
発性骨髄腫の治療薬であるダラ
ツムマブについて、全身性ALア
ミロイドーシスの適応追加の承
認申請を行ったと発表しました。

 全身性ALアミロイドーシスは
国の指定難病で、2014年に実施
された全国疫学調査によると国
内の推定患者数は3,200 人とさ
れています。異常形質細胞が原
因で発症し、モノクローナルな
免疫グロブリン(M蛋白) の軽
鎖(L鎖) が特定の臓器または
組織の細胞外にアミロイド線維
として沈着し、機能障害を引き
起こします。

 ダラツムマブはCD38を標的と
するモノクローナル抗体で、国
内では2017年に多発性骨髄腫の
治療薬として発売されました。
今回の承認申請は全身性ALアミ
ロイドーシスの適応追加を目指
したもので、国際共同第3相試
験結果に基づいて行われました。

 同試験は、未治療の全身性AL
アミロイドーシス患者さん388
例を対象に、CyBorD療法(シク
ロホスファミド+ボルテゾミブ
+デキサメタゾン)へのダラツ
ムマブ上乗せの有効性と安全性
を検討したものです。主要評価
項目は国際アミロイドーシス統
一治療効果判定基準に基づく完
全奏効率で、有効性と忍容性が
確認されたということです。ダ
ラツムマブの医療上の必要性は
高いと判断され、11月25日に希
少疾病用医薬品の指定を受けて
います。

 全身性ALアミロイドーシスで
高頻度に障害される臓器は腎、
心、肝と末梢神経とされ、病型
ごとに症状は多様です。進行性
の致死性疾患で、診断からの生
存期間は、積極的な治療を行わ
ない場合は13カ月との報告があ
ります。

 多発性骨髄腫に合併するもの
と、明らかな基礎疾患が見つか
らない原発性に大別されます。
治療の要点は、M蛋白量をでき
るだけ早く、消失させることと
され、多発性骨髄腫の治療が取
り入れられています。自己造血
幹細胞移植(ASCT)や悪性形質
細胞を標的とした薬物療法(抗
形質細胞療法)が国内外のガイ
ドラインで推奨されていますが、
いずれも有効性や安全性に関す
る十分なエビデンスは得られて
いません。

ALアミロイドーシスについて

解説している動画です。

 
 


 
 
 占い師は、水晶占いを推奨し
た。           笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 アステラス製薬が、創薬ベン
チャーの米カリビア・イムノセ
ラピューティクス(ペンシルベ
ニア州)と、ウイルスを使って
ガンを死滅させる腫瘍溶解性ウ
イルスの独占的ライセンス契約
を結んだと発表したのは、喜ば
しいことです。腫瘍溶解ウイル
スは、安全性さえ確保されれば、
何回でも、繰り返し投与するこ
とが、可能であると考えられて
います。勿論、ウイルス製剤に
強い副作用があれば、別ですが、
その可能性は、低いでしょう。
ウイルスを扱うこと自体リスク
と考えられるので、安全性には、
配慮されているのが当然だから
です。カリビア社の腫瘍溶解性
ウイルスの特徴は静脈内投与が
可能なことが示されているとい
うことですので、その利点を考
えて高額の契約を結んだのだと
思われます。
 全身性アミロイドーシスは、
線維構造を持つ蛋白質であるア
ミロイドが、全身の臓器に沈着
することによって機能障害を起
こす疾患です。これまで30種類
のアミロイドーシスが報告され
ていますが、このうち骨髄の異
常形質細胞から産生されるアミ
ロイドが沈着して多臓器障害が
生じる「全身性免疫グロブリン
軽鎖(AL)アミロイドーシス」
に対し十分なエビデンスが示さ
れている薬剤はなく、アンメッ
ト・メディカルニーズが高い疾
患の1つということです。全身
性ALアミロイドーシスで高頻度
に障害される臓器は腎、心、肝
と末梢神経とされ、病型ごとに
症状は多様です。進行性の致死
性疾患で、診断からの生存期間
は、積極的な治療を行わない場
合は13カ月との報告があるので
全身性ALアミロイドーシスの適
応追加の承認申請を行ったこと
は、患者さんにとって一筋の光
と言えましょう。

 末梢神経の副作用を抹消する。


 
 
 
 
 
 
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診療マル秘裏話  号外Vol.1999 令和2年12月31日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)肝ガン新規バイオマーカーST6GAL1の同定に成功と発表
2)原発性腋窩多汗症の初の保険適用有する外用薬

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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1】 肝ガン新規バイオマーカーST6GAL1の同定に成功と発表

 
 
 
 
 
 大阪大学は12月8日、肝ガン
では患者さんごとに異なるさま
ざまなガン遺伝子の異常が発症
に関与している(腫瘍間不均一
性)ことから、これらガン遺伝
子の違いがガンの悪性度や薬物
療法の治療効果に影響を与えて
いると仮説を立て、新たなマウ
スモデルを樹立することで、新
規バイオマーカーST6GAL1 の同
定に成功したと発表しました。
この研究は、同大大学院医学系
研究科の明神悠太医員、小玉尚
宏助教、竹原徹郎教授(消化器
内科学)らの研究グループによ
るものです。研究成果は、「Cl
inical Cancer Research」に掲
載されています。

 C型肝炎、B型肝炎、並びに近
年増加傾向にある非アルコール
性脂肪肝炎(NASH)などの慢性
肝疾患の患者さんは病気の進行
に伴い肝ガンを併発することが
知られており、その発症は生命
予後に大きな影響を与えます。
肝ガンは、現在日本においてガ
ンによる死亡原因のうち第5位
となっている極めて予後不良な
疾患です。特に悪性度の高い肝
ガンは早期発見が極めて重要で
すが、現在用いられている腫瘍
マーカーの感度は十分ではなく、
悪性度の高い肝ガンを同定出来
る有用なバイオマーカーはあり
ませんでした。また、進行肝ガ
ンに対してはこれまでマルチチ
ロシンキナーゼ阻害薬(TKI)
であるソラフェニブとレンバチ
ニブが標準治療として使用され
てきました。現在異なる作用機
序を有する新たな治療薬も開発
されていますが、この2剤のTKI
は肝ガン治療において重要な役
割を担っています。一方で、2
剤の治療効果は同程度であり薬
剤選択の指標となる有用なバイ
オマーカーはありませんでした。

 ガンは遺伝子の変異による病
気であるという考え方に基づき、
近年多数例の肝ガンを対象とし
たガンゲノムシークエンス解析
が世界的なプロジェクトとして
行われてきました。その結果、
肝ガンにおいては病態進展に関
わるガン遺伝子の異常が非常に
多様で、患者さんごとに異なる
ことから、極めてガン遺伝子の
腫瘍間不均一性が高いことが明
らかとなりました。一方で、こ
の腫瘍間不均一性が薬物療法の
治療効果に与える影響はよく分
かっていませんでした。

 今回、研究グループは、ガン
遺伝子の違いによる腫瘍間不均
一性が、ガンの悪性度や薬物療
法の治療効果に影響を与えてい
ると仮説を立て研究を開始しま
した。まず複数のガン遺伝子を
一度に肝細胞に導入する手法を
確立し、これによりガン遺伝子
がランダムに活性化した腫瘍間
不均一性の高い肝ガンを発症す
る新規のマウスモデルを作製す
ることに成功しました。

 そこで、このモデルに対して
レンバチニブ治療を行った所、
FGF19 遺伝子を発現した腫瘍の
割合が無治療群と比べて有意に
減少し、FGF19 高発現肝ガンが
レンバチニブに対して高感受性
であることを見出しました。次
に肝ガン細胞株を用いたプロテ
オーム解析により、FGF19 の発
現制御を受ける分泌蛋白質ST6G
AL1 を同定しました。

 また肝ガン外科切除例の検討
から、血清ST6GAL1 により予後
不良なFGF19 高発現肝ガンを選
別できることを見出しました。
さらに、血清ST6GAL1 濃度に基
づいて患者さんを層別化すると、
ST6GAL1 高値群ではレンバチニ
ブ治療群の予後がソラフェニブ
治療群より有意に延長している
ことを見出しました。以上より、
血清ST6GAL1 濃度が高悪性度肝
ガンの同定や肝ガン薬物療法に
おける最適な薬剤選択のバイオ
マーカーとして有用である可能
性が明らかとなりました。

 研究グループは、「バイオマ
ーカーST6GAL1 の臨床応用が進
むことで、慢性肝疾患患者にお
ける高悪性度肝ガンの発見や、
進行肝ガン患者における薬物療
法のより最適・最良な薬剤選択
が可能となり、生命予後の改善
に寄与することが期待される」
と、述べています。

肝細胞ガンについて解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 高悪性度肝ガンの研究をガン
ガン行った。       笑

 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
2】 原発性腋窩多汗症の初の保険適用有する外用薬

 
 
 
 
 
 
 温熱や精神的負荷の有無にか
かわらず、汗腺が密集している
頭部・顔面、手掌、足底、腋窩
に大量の発汗を生じる多汗症と
言われる病気があります。国民
の7人に1人が悩みを抱えており、
精神的な苦痛を伴う場合も多い
ということです。このうち「原
発性腋窩多汗症」に対する初の
保険適用を有する外用薬として、
ソフピロニウム(商品名エクロ
ック)が11月26日に発売されま
した。それに先立ち、科研製薬
が11月20日に開催したオンライ
ンプレスセミナーで、東京医科
歯科大学大学院皮膚科分野教授
の横関博雄氏が講演し、「ソフ
ピロニウムは簡便に使用でき、
副作用が少ない薬剤」と解説し
ました。「皮膚科だけでなく、
内科などでも処方可能な薬剤。
今後は、患者を治療できる診療
科が増える可能性がある」と期
待感を示しました。

 多汗症は体温調節の役割を担
うエクリン汗腺の機能亢進によ
り、全身性あるいは局所性に過
剰に発汗を生じる疾患です。エ
クリン汗腺は交感神経により調
節されており、アセチルコリン
がエクリン汗腺のムスカリン受
容体サブタイプ3(M3)を刺激、
発汗を誘発すると考えられてい
ます。全身の発汗が増加する「
全身性多汗症」と体の一部のみ
発汗量が増加する「局所多汗症」
に大別され、基礎疾患がないの
に過剰に発汗する「原発性多汗
症」と他の疾患が原因で過剰に
汗が出る「続発性多汗症」に分
けられます。

 患者さんの平均年齢は37歳と
いう報告があり、働き世代の罹
患率が高く、日常生活にも多大
な影響を及ぼすということです。

 このうち、原発性局所多汗症
は、局所的に過剰な発汗の明ら
かな原因がないまま、手掌、腋
窩、頭、顔面に過去6カ月の間
認められ、以下の6項目中2項目
以上満たすものを言います。1.
両側性で左右対称性2.毎日の生
活に支障を来す 3.1週間に最
低1回の大量の発汗発作がある
4.最初に症状が現れるのが25歳
以下5.家族歴がある6.睡眠中は
局所多汗を認めない

 発汗部位によって、幾つかの
タイプがあり、脇の下に大量の
汗をかく「腋窩多汗症」、手掌
に多汗症が見られる「手掌多汗
症」、足底に見られる「足底多
汗症」などがあります。厚生労
働省の研究班の調査によると、
有病率はそれぞれ人口の5.7%、
5.3%、2.7%との報告がありま
す。

 多汗症は生活にさまざまな影
響を及ぼし、QOL が著しく低下
します。横関氏によると患者か
ら「授業中や試験中に手掌から
汗が止まらず常にタオルを持参
しているが、テストの際には学
校の許可が必要なため受験の際
には不安」「手がつなげない、
握手できない。子どもに嫌がら
れる」「携帯電話やパソコンが
錆びたり、壊れたりする」とい
った悩みが聞かれるということ
です。仕事や勉強への悪影響、
対人関係への支障から登校拒否
や進学を断念するケースもあり、
うつ病などの精神疾患を合併す
ることもあります。

 原発性腋窩多汗症の場合、シ
ャツに汗染みができて人目が気
になったり、衣服の選択が制限
されるケースもあります。また
頻繁な衣服の交換やシャワーが
必要になります。

 治療の第一選択薬は、汗腺を
塞いで発汗を抑える効果を有す
る塩化アルミニウム溶液ですが、
保険適用がなく院内製剤として
処方されており、医療現場から
は新たな外用薬が望まれていま
した。

 横関氏は従来の治療法の課題
について「塩化アルミニウム溶
液を調剤薬局で製剤調整して処
方されて外用療法を行っている
患者は、かなり少ない」と説明
しました。さらに「塩化アルミ
ニウム溶液で治療すると高率で
接触皮膚炎が起こるため、ステ
ロイド外用薬による治療が必要
になる」と述べました。

 外用薬の効果が不十分な場合
や副作用により継続が困難な場
合には、ボツリヌス療法(注射)
が第二選択薬と位置付けられて
います。しかし、侵襲性があり、
施行できるのは講習を受けた医
師に限定されています。また、
抗コリン薬やベンゾジアゼピン
系薬剤による内服療法も行われ
ますが、エビデンスレベルが低
いといった問題があります。

 そうした背景の下、登場した
のがソフピロニウムです。同薬
の有効性と安全性を検証した国
内第3相比較試験において、発
汗重量および自覚症状の指標と
した多汗症疾患重症度評価尺度
(HDSS)を検証した所、ソフピ
ロニウム群は基剤群と比べ有意
な改善を示しました。安全面で
は、塗布部位で皮膚炎などが見
られたものの、発現頻度は6.4%
と低く、多くは軽度で適切な処
置によって継続可能でした。

 試験結果で見られた皮膚炎な
どの副作用について、横関氏は
「臨床使用で問題となる事象で
はないと考えられる」とコメン
トしました。一方、全身性の抗
コリン作用に関連する副作用も
出現しますが、口喝が1.4%、散
瞳が0.7%と頻度は少なく、「適
正に使用することで臨床応用で
の問題は少ないと考えられる」
と述べました。

 これらを踏まえ、横関氏はソ
フピロニウムの利点として「保
険適用のある外用薬という点が
大きな強みになる。また、現在
使われている塩化アルミニウム
外用薬ではほぼ全例にかぶれな
どの副作用が生じるが、ソフピ
ロニウムは皮膚炎が生じる頻度
は極めて少ない。また、抗コリ
ン作用による全身への副作用が
出現しにくく、使いやすい薬剤
だ」と評価しました。

 ソフピロニウムの用法用量は
1日1回、適量を腋窩に塗布しま
す。ボツリヌス療法のような侵
襲性はなく、抗コリン薬で懸念
される全身性の副作用のリスク
も少ないとされています。使用
方法は、アプリケーター(塗布
具)にゲル状の薬液を載せて腋
窩に塗布するため、薬液に手を
触れずに使用でき、簡便かつ利
便性の高い治療法として期待さ
れています。

 現在、原発性局所多汗症治療
の大半は皮膚科で行われている
のが現状ですが、同氏はソフピ
ロニウムが使用できる施設につ
いて、原発性局所多汗症の診断
ができ、重症度の高い患者さん
を診断可能な医師であれば「十
分処方できる」との見方を提示
しました。「皮膚科だけでなく、
内科などの先生方でも処方可能
な薬剤ではないか。そうした点
からも原発性腋窩多汗症の診療
ができる科が増える可能性があ
り、非常によいこと」と述べま
した。

 さらに、ソフピロニウムの登
場が医療現場にもたらすインパ
クトにも言及しました。「一部
の診療科では原発性腋窩多汗症
は治療しなくても治るという医
師や、病気ではないという誤っ
た認識を持つ医師もいる」と苦
言を呈した上で、多汗症患者さ
んの受診率は6.0%にすぎない点
に触れ、「第一選択肢として保
険適用の外用薬が使えるように
なれば、疾患への認知が広まり、
治療を行う患者が増えるのでは
ないか」と受診率の向上に期待
を寄せました。

多汗症について解説している動

画です。ソフピロニウムは商品

名:エクロック®ゲル5%です。

 
 


 
 
 化膿した可能性が高い。 笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 大阪大学が12月8日、肝ガン
では患者さんごとに異なるさま
ざまなガン遺伝子の異常が発症
に関与している(腫瘍間不均一
性)ことから、これらガン遺伝
子の違いがガンの悪性度や薬物
療法の治療効果に影響を与えて
いると仮説を立て、新たなマウ
スモデルを樹立することで、新
規バイオマーカーST6GAL1 の同
定に成功したと発表したのは素
晴らしい業績です。血清ST6GAL
1 濃度が高悪性度肝ガンの同定
や肝ガン薬物療法における最適
な薬剤選択のバイオマーカーと
して有用である可能性が明らか
となったのは喜ばしいことです。
バイオマーカーST6GAL1 の臨床
応用が進むことで、慢性肝疾患
患者さんにおける高悪性度肝ガ
ンの発見や、進行肝ガン患者さ
んにおける薬物療法のより最適・
最良な薬剤選択が可能となり、
生命予後の改善に寄与すること
を期待したいと思います。ただ、
進行肝ガン患者さんにおける薬
物療法は、工夫が認められない
ことが多く、副作用の問題が多
くあり、たとえ最良な薬剤選択
が可能になったとしても、薬が
効かない耐性の問題があること
を申し述べておきます。
 温熱や精神的負荷の有無にか
かわらず、汗腺が密集している
頭部・顔面、手掌、足底、腋窩
に大量の発汗を生じる多汗症と
言われる病気があるのは以前か
ら知っていました。特に手掌の
多汗症については、漢方薬の荊
芥連翹湯という薬剤を使って治
療して来ました。塩化アルミニ
ウム溶液は、保険適用がなく院
内製剤として処方されていたと
言うことは知りませんでした。
しかし、アルミニウムは重金属
であるため、イオン化しやすく、
接触性皮膚炎を起こす可能性が
高いので、知っていたとしても、
使わなかったと思います。ソフ
ピロニウムの用法用量は1日1回、
適量を腋窩に塗布し、ボツリヌ
ス療法のような侵襲性はなく、
抗コリン薬で懸念される全身性
の副作用のリスクも少ないとさ
れているので、使いやすい外用
薬であるという印象を持ちまし
た。

 信州で侵襲のある治療を受け
た。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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