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診療マル秘裏話  号外Vol.2014 令和3年1月17日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)抗体薬物複合体を、FDAが,進行TNBCに迅速承認
2)黄色ブドウ球菌低分子治療薬候補,治験開始申請

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 抗体薬物複合体を、FDAが,進行TNBCに迅速承認

 
 
 
 
 抗Trop-2抗体とイリノテカン
の活性代謝産物SN-38 を結合さ
せた抗体薬物複合体(ADC) sac
ituzumab govitecanは、米食品
医薬品局(FDA)により,進行ト
リプルネガティブ乳ガン(TNBC)
に対して迅速承認されています。
米・University of California
のSara A. Hurvitz 氏らは、進
行TNBC患者さんの三次治療にお
けるsacituzumab govitecan の
有効性と安全性を、担当医が選
択した化学療法を対照に検証し
た第3相ランダム化比較試験AS
CENTの探索的バイオマーカー解
析の結果を、第43回サンアント
ニオ乳ガンシンポジウム(SABC
S 2020、12月8~11日,ウェブ開
催)で発表しました。主解析と
同様、Trop-2の発現にかかわら
ず,sacituzumab govitecan投与
により良好な結果が示されたこ
とを報告しました。

 同試験の対象は、進行病変に
対する2ライン以上の化学療法
歴を有する進行TNBC患者529 例
です。 sacituzumab govitecan
を21日サイクルでday1、day8に
10mg/kg投与する検証群(267例)
と担当医の選択によりエリブリ
ン、カペシタビン、ゲムシタビ
ン、ビノレルビンのいずれかを
投与する対照群(262例)に1:
1でランダムに割り付けました。
試験の対象には脳転移例も含ま
れましたが、主要評価項目は脳
転移例を除いた集団における無
増悪生存期間(PFS),副次評価
項目は全集団におけるPFS およ
び全生存期間(OS)、奏効率(
ORR),奏効期間、初回奏効まで
の期間としました。

 両群の患者さんの背景は同様
で、前治療のレジメン数の中央
値は各4レジメンと濃厚な治療
歴を有する患者さんが含まれま
した。主解析の結果は今年(20
20年)の欧州臨床腫瘍学会(ES
MO 2020)で発表されており、P
FS中央値は対照群の1.7 カ月(
95%CI 1.5~2.6カ月)に対し,
検証群では5.6 カ月(同4.3~6
.3カ月)と有意に良好でした。
またOS、ORR についてもいずれ
も有意な改善が認められ、その
効果の高さが注目されました〔
ハザード比(HR)0.41、95%CI
0.32~0.52、P<0.0001〕

 Trop-2は、乳ガンの全てのサ
ブタイプで発現しうる抗原で予
後不良因子として知られ、BRCA
1/2変異は乳ガンの発症リスク
と関連しますが、今回の発表で
は探索的バイオマーカー解析と
して、非脳転移例でTrop-2の発
現(検証群151例、対照群139例)
およびBRCA1/2変異状況のデー
タが入手できた患者さん群(同
149例、143例)におけるsacitu
zumab govitecan の有効性と安
全性が報告されました。

 Trop-2の発現状況はバイオプ
シーまたは摘出標本に基づいて
登録時に調査し、Histo-Score
(H-スコア)により低度(H-ス
コア100未満)、中等度(同100
~200),高度(200~300)に層
別化しました。また、BRCA1/2
変異に関する情報についても登
録時に調査しました。

 BRCA1/2変異およびTrop-2の
発現状況を見ると、BRCA1/2変
異陽性は検証群16例、対照群18
例、同陰性はそれぞれ133例、1
25例で、Trop-2はH-スコアが高
度は85例、72例、中等度は39例、
35例、低度は27例、32例でした。

 解析の結果、Trop-2の発現状
況別に見たPFS の中央値は、H-
スコアが高度の患者さん群では
対照群の2.5カ月(95%CI 1.5~
2.9カ月)に対し検証群では6.9
カ月(同5.8~7.4カ月)、中等
度ではそれぞれ2.2 カ月(同1.
4~4.3カ月)、5.6 カ月(同2.
9~8.2カ月)、低度で1.6 カ月
(1.4~2.7カ月)、2.7 カ月(
1.4~5.8カ月)と、Trop-2の発
現状況に関わらず検証群で良好
な傾向が認められました。

 また、Trop-2の発現状況別に
OSの中央値を見ても、H-スコア
が高度の患者さん群では対照群
の6.9 カ月(95%CI 5.3~8.9カ
月)に対し検証群では14.2カ月
(同11.3~17.5カ月)、中等度
ではそれぞれ6.9カ月(同4.6~
10.1カ月),14.9カ月(同6.9~
未到達)、低度で7.6 カ月(5.
0~9.6カ月)、9.3カ月(7.5~
17.8カ月)とPFS と同様、Trop
-2の発現状況にかかわらず検証
群で良好な傾向が認められまし
た。奏効率(ORR) についても、
H-スコアにかかわらず対照群と
比べて検証群で一貫して良好で
したが、とりわけ高度の患者さ
ん群(1% vs. 44%)ではその
差が大きいことが明らかになり
ました。

 これらの有効性の結果はBRCA
1/2変異別に見ても一貫してお
り、BRCA1/2変異陽性(6% vs.
19%)、同陰性(6% vs. 33%)
別に見たORR、PFS中央値(同陽
性:2.5%カ月 vs. 4.6カ月、同
陰性:1.6カ月 vs. 4.9カ月),
OS中央値(同陽性:4.4カ月 vs.
15.6カ月、同陰性:7カ月 vs.
10.9カ月)のいずれにおいても
対照群と比較して検証群で良好
な傾向が認められました。

 検証群の有害事象については、
Trop-2の発現にかかわらず対照
群と比較して高く、グレード3
以上のものとして好中球減少症
(47% vs. 32%)や下痢(12%
vs. 0%)、貧血(10% vs. 5%)
などが挙げられたものの、いず
れも管理可能でした。

 以上の結果を踏まえ、Hurvit
z氏は,「複数の治療歴がある進
行TNBC患者におけるsacituzuma
b govitecan の臨床的ベネフィ
ットは、ベースライン時のTrop
-2発現やBRCA1/2変異状況にか
かわらず認められた」とまとめ
ました。一方で、「H-スコアが
低度およびBRCA1/2変異陽性の
患者群のサンプルサイズが小さ
い点には注意する必要がある」
と指摘しました。

トリプルネガティブ乳ガンにつ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 
 そうこうしているうちに奏効
率がアップする。     笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 黄色ブドウ球菌低分子治療薬候補,治験開始申請

 
 
 
 
 
 
 
 未対応医療ニーズ(アンメッ
ト・メディカル・ニーズ)に取
り組む香港の製薬企業の知臨集
団(NASDAQ:APM)は、
黄色ブドウ球菌感染症の経口低
分子治療薬候補「ALS-4」
の臨床試験開始申請をカナダ公
衆衛生庁に行ったと発表しまし
た。非抗生物質のALS-4は、
宿主の免疫機能を活用して細菌
の病原性を阻害する抗菌薬です。
カナダで実施する第1相試験で
は、健康なボランティアでAL
S-4の安全性、忍容性、薬物
動態を評価します。

 アンメット・メディカル・ニ
ーズとは、いまだ満たされてい
ない医療ニーズ、つまり、いま
だ有効な治療方法がない疾患に
対する医療ニーズのことです。
新薬の創出とともに今なおアン
メット・メディカル・ニーズは
数多く存在しており、さらなる
ニーズに応えるためには、これ
まで以上の研究開発活動が必要
不可欠となります。

黄色ブドウ球菌について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
 新薬を創出すると研究員は、
お払い箱となり、研究室から、
送出された。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 抗Trop-2抗体とイリノテカン
の活性代謝産物SN-38 を結合さ
せた抗体薬物複合体(ADC) sac
ituzumab govitecanは、米食品
医薬品局(FDA)により,進行ト
リプルネガティブ乳ガン(TNBC)
に対して迅速承認されていると
言うのは、本当に素晴らしいこ
とです。抗体薬物複合体自体が
副作用が出にくく設計されてい
るので、進行トリプルネガティ
ブ乳ガン(TNBC)に対して奏功
しているのではないかと拝察致
します。TNBCは、非常に予後が
悪いことが知られているので、
奏功する新薬が一つでも多く使
えるようにして頂けることを期
待したいと思います。
 未対応医療ニーズ(アンメッ
ト・メディカル・ニーズ)に取
り組む香港の製薬企業の知臨集
団(NASDAQ:APM)が、
黄色ブドウ球菌感染症の経口低
分子治療薬候補「ALS-4」
の臨床試験開始申請をカナダ公
衆衛生庁に行ったと発表したの
は、素晴らしい業績です。黄色
ブドウ球菌は、薬剤耐性を獲得
しやすく、抗生物質での治療は、
耐性が生じてすぐに、MRSAとな
ってしまうことが知られていま
す。黄色ブドウ球菌感染症の経
口低分子治療薬候補「ALS-
4」は、宿主の免疫機能を活用
して細菌の病原性を阻害する抗
菌薬ということなので抗生物質
による治療とは、一線を画した
治療効果が臨床の現場で使える
様にして頂きたいものです。

 一戦交えることで一線を画し
た働きをした。      笑

 
 
 
 
 
 
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職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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