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2021-11-16 20:05:06

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診療マル秘裏話  号外Vol.2012 令和3年1月15日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)DRで,高脂血症治療薬のピタバスタチンに抗ガン作用
2)ウーロン茶,カフェイン飲料で睡眠影響なく脂肪燃焼促進

 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 DRで,高脂血症治療薬のピタバスタチンに抗ガン作用

 
 
 
 
 
 東京医科歯科大学は、12月23
日、既承認薬再配置(Drug rep
urposing:DR)の概念をもとに、
766種類の薬剤を搭載したFDA承
認薬ライブラリーを用いた解析
から高脂血症治療薬のピタバス
タチンに抗ガン作用があること
を見出したと発表しました。こ
の研究は、同大難治疾患研究所・
難病基盤・応用研究プロジェク
ト室の村松智輝助教、分子細胞
遺伝分野の稲澤譲治教授らの研
究グループによるものです。研
究成果は、「Molecular Cancer
Research」 に掲載されていま
す。

 口腔・食道扁平上皮ガン(OS
CC、ESCC)は、比較的リンパ節
転移をしやすく、予後不良な疾
患です。現在までにOSCC、ESCC
に対する特効薬となるような抗
ガン剤は開発されていないため、
その開発は喫緊の課題となって
います。しかし、抗ガン剤の開
発には多くの時間や費用がかか
ります。近年、既に他の疾患に
認可されている薬剤を異なる疾
患に応用しようという取り組み
であるDRの概念が広まりつつあ
り、アスピリンを代表とする複
数の薬剤がその適応を拡大させ
ています。DRのメリットはヒト
での安全性が確保されているこ
とや作用機序が明らかとなって
いる薬剤を他の疾患で検討する
ため、開発にかかる時間や費用
を大きく削減できることです。
このような背景から、今回、研
究グループは、FDA 承認薬ライ
ブラリーを用いてOSCC、ESCCに
対する新規抗ガン剤候補を同定
することを試みました。

 研究グループは、766種類のF
DA承認薬を搭載したライブラリ
ーと高転移性を有するOSCC細胞
株(HOC313-LM) を用いて、細
胞増殖抑制効果を有する新たな
抗ガン剤候補の探索を実施しま
した。その結果、ピタバスタチ
ンが顕著にガン細胞の増殖を抑
制することが分かりました。ピ
タバスタチンはメバロン酸経路
を阻害する薬剤であり、脂質異
常症治療薬として臨床応用され
ていますが、ガン領域での適応
はありません。ピタバスタチン
は、MET のプロセシングを阻害
することによりMET シグナルを
阻害し、ERK、AKT活性を低下さ
せることで細胞増殖を抑制しま
した。

 また、MET 阻害剤であるカプ
マチニブとの併用により、ピタ
バスタチン単剤よりも強い細胞
増殖抑制効果を示しました。さ
らにピタバスタチンの感受性は、
メバロン酸経路代謝産物である
GGPPの合成酵素であるGGPS1 遺
伝子の発現に依存する傾向が認
められました。以上より、ピタ
バスタチンおよびカプマチニブ
との併用は、OSCC、ESCCの新た
なガン治療戦略となる可能性が
あり、その感受性においてGGPS
1 の発現量が重要であることが
明らかとなりました。つまり、
ピタバスタチンの細胞増殖抑制
効果を予測するために、ガン細
胞中のGGPS1 の発現の確認が重
要であり、適用患者の層別化バ
イオマーカーとして利用できる
可能性が示されました。今後、
OSCC、ESCCに対するピタバスタ
チンを用いた新規ガン治療法の
開発が期待されます。

 スタチンとガンの話について

解説している動画です。

 
 


 
 
 心機一転、新規ガン治療法の
開発に取り組む。     笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 ウーロン茶,カフェイン飲料で睡眠影響なく脂肪燃焼促進

 
 
 
 
 
 
 筑波大学は12月23日、ウーロ
ン茶の習慣的な摂取が24時間の
エネルギー代謝と睡眠に及ぼす
効果を検証し、ウーロン茶やカ
フェイン飲料350mlを朝昼2回飲
んだ場合、睡眠を妨げずに1日
の脂肪燃焼が促進されていたこ
とが分かったと発表しました。
これは、同大国際統合睡眠医科
学研究機構(WPI-IIIS)の徳山
薫平教授らの研究グループによ
るものです。研究成果は、「Nu
trients」に掲載されています。
 茶の生葉を乾燥・発酵させて
つくる過程の発酵度合いの違い
によって、緑茶、ウーロン茶、
紅茶などさまざまな種類のお茶
が作られ、それぞれの成分も異
なります。とりわけウーロン茶
には、他の茶葉と比べてカテキ
ン類が重合して生成する重合ポ
リフェノールが多く含まれます。
お茶に含まれるカフェイン、カ
テキンおよび重合ポリフェノー
ルなどがエネルギー代謝に与え
る効果について、これまでに多
くの研究が行われてきました。
しかし、それらは主にその急性
効果(1回、あるいは1日摂取し
た場合の効果)の研究であり、
お茶の飲用習慣を考慮すると、
繰り返し摂取した場合の効果を
評価することが、より重要と考
えられます。

 平成30年度厚生労働省国民健
康・栄養調査によると、20歳以
上の男性3人に1人、女性5人に1
人が肥満で、5人に1人が何らか
の睡眠障害を抱えているといわ
れています。睡眠不足は体重増
加と関係しており、睡眠時間の
短い者は体重が重い傾向があり
ます。また、睡眠とエネルギー
代謝の制御は調節因子を共有し
て協調していることから、エネ
ルギー代謝に影響することが予
想される食品素材の検討に際し
ては、睡眠に対する影響も考慮
することが重要となります。

 そこで、今回の研究では、ウー
ロン茶の習慣的な摂取が1日の
エネルギー代謝と睡眠に与える
効果について、プラセボおよび
カフェインのみを含有した飲料
と比較して検証しました。

 健常男性12人を被験者とし、
二重盲検ランダム化比較試験を
行いました。長時間にわたるエ
ネルギー消費を測定するために、
専用の代謝測定室(ヒューマン・
カロリメーター)を用いた間接
熱量測定を行い、睡眠時も含め
た1日のエネルギー代謝を、高
時間分解能で測定しました。具
体的には、ウーロン茶(カフェ
イン51.8mg、重合ポリフェノー
ル62.3mg、カテキン類48.5mg、
没食子酸10.7mg、市販ウーロン
茶350ml 相当量)、カフェイン
(51.8mg)のみ、プラセボ飲料
の3種について、毎日それぞれ
を朝食と昼食時に摂取し、2週
間目に睡眠と1日のエネルギー
代謝を測定しました。

 その結果、1日のエネルギー
消費は、ウーロン茶摂取とカフ
ェインのみ摂取のいずれも、プ
ラセボ試行との差は認めません
でしたが、1日の脂肪酸化量は
増大しました。また、ウーロン
茶摂取とカフェイン摂取が脂肪
燃焼を増やす効果は、睡眠時に
も認められましたが、いずれの
場合にも睡眠が阻害されること
はありませんでした。脂肪燃焼
を促す効果は、ウーロン茶摂取
の方がカフェイン摂取よりも大
きく、とりわけ睡眠時において
その効果が顕著だったというこ
とです。これは、食品素材がエ
ネルギー代謝に与える効果を検
証する際には、睡眠時も含めた
長時間の測定が重要であること
を示唆しています。また、体温
については、ウーロン茶摂取と
カフェイン摂取直後に体温上昇
が観察されましたが、睡眠時に
はプラセボ摂取試行との差は認
められませんでした。

 「ウーロン茶摂取とカフェイ
ン摂取の脂肪燃焼効果に差が認
められたことから、今後、ウー
ロン茶に含まれるカフェイン以
外の成分(重合ポリフェノール、
カテキン類、没食子酸)の代謝
調節作用の解析が必要だ。さら
に、長期間の習慣的な摂取と肥
満防止効果との関連についての
検討も課題だ」と、研究グルー
プは述べています。

 カフェインのリスクについて

解説している動画です。

 
 


 
 
 丞相は、自分の体温上昇に気
付かなかった。      笑

 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 
 
編集後記

 
 東京医科歯科大学が、12月23
日、既承認薬再配置(Drug rep
urposing:DR)の概念をもとに、
766種類の薬剤を搭載したFDA承
認薬ライブラリーを用いた解析
から高脂血症治療薬のピタバス
タチンに抗ガン作用があること
を見出したと発表したのは、素
晴らしい業績です。ドラッグリ
ポジショニング(以下、DRと略)
は、製薬業者にとって経費削減
でありながら、新規の効能追加
に結び付けることができる有益
な方法だと思います。スタチン
製剤は、血管新生阻害作用があ
ります。MET のプロセシングを
阻害することによりMET シグナ
ルを阻害し、ERK、AKT活性を低
下させることで細胞増殖を抑制
する機序が重なれば、鬼に金棒
ではないかと思います。
 筑波大学が12月23日、ウーロ
ン茶の習慣的な摂取が24時間の
エネルギー代謝と睡眠に及ぼす
効果を検証し、ウーロン茶やカ
フェイン飲料350mlを朝昼2回飲
んだ場合、睡眠を妨げずに1日
の脂肪燃焼が促進されていたこ
とが分かったと発表したのは、
素晴らしい業績です。この場合、
朝昼2回飲むということで夜間
の飲むことを回避した結果、睡
眠を妨げずに1日の脂肪燃焼が
促進するという良好な結果が得
られたものと考えます。人間が
起きて活動的になっている朝や
昼に、ウーロン茶やカフェイン
飲料を内服するのは、理に叶っ
ていると考えられます。脂肪の
燃焼効果については、エピガロ
カテキンの影響が推測されます。

 習慣的な摂取を週刊誌にスク
ープされる。       笑

 
 
 
 
 
 
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