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2021-10-31 19:40:32

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診療マル秘裏話  号外Vol.1998 令和2年12月29日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)正常膵臓細胞にPRR発現でガンになることを解明
2)GABAトマトが,国内初のゲノム編集食品となる見通し

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 正常膵臓細胞にPRR発現でガンになることを解明

 
 
 
 
 
 香川大学は11月27日、正常な
膵臓の細胞(培養ヒト膵管上皮
細胞)に(プロ)レニン受容体
((P)RR) が発現すると、ゲ
ノム不安定性、すなわち遺伝子
と染色体の異常が生じて、ガン
の性質を持つ細胞になることが
世界で初めて明らかとなったと
発表しました。この研究は、同
大医学部薬理学の柴山弓季研究
員と西山成教授らの研究グルー
プが、共同責任著者である東京
大学大学院医学系研究科国際保
健学専攻の藤本明洋教授の協力
のもと、藤田医科大学、大阪大
学、東北大学、宮城県立ガンセ
ンター、姫路市、大阪市立総合
医療センター、岐阜大学、神戸
大学、大阪医科大学、四日市看
護医療大学などの数多くの研究
グループと共同で行ったもので
す。研究成果は、「Communicat
ions Biology」に掲載されてい
ます。

 膵臓ガンは、最も治療が難し
いガンとして知られています。
膵臓ガンでは、ゲノムが不安定
のために多くの遺伝子や染色体
の異常が生じるとされており、
これが治療を困難にしている原
因と考えられています。一方、
(P)RRは,もともと高血圧など
に関与するレニン・アンジオテ
ンシン系の一部として機能する
ことがわかっていましたが、同
グループの先行研究において、
膵臓ガンでは(P)RR の発現が
増えており、ガンの進展に関わ
っていることを見つけていまし
た。さらに、この先行研究にお
いて、ガンになる一歩手前の前
ガン病変の段階で,(P)RRの発
現が増えてきていることが偶然
発見されました。そこで研究グ
ループは、正常の膵臓の細胞に
(P)RRの発現が増えてくると,
ガンで見られるゲノムの不安定
性、すなわち遺伝子や染色体に
異常が起こるかもしれないと考
え、今回の研究を立案しました。

 膵管上皮細胞がガン化すると
膵臓ガンとなります。そこで、
培養ヒト正常膵管上皮細胞(HP
DE-1/E6E7)に対し,永続的に(
P)RR が過剰に発現するように
遺伝子誘導した所、ガンで見ら
れるような大きさがバラバラで
いびつな形の核や細胞に変化し
てくることが分かりました。

 そこで、次世代シーケンサー
を使って、遺伝子と染色体を比
較しました。その結果,(P)RR
がたくさん発現すると、全染色
体レベルでゲノムの不安定性が
生じることが分かりました。つ
まり、ガンのように、遺伝子や
染色体が正常に機能しなくなる
可能性があるということが分か
ったということです。

 正常の培養ヒト膵管上皮細胞
に(P)RR を発現させると、細
胞の増殖スピードが上昇しまし
た。また、これを免疫不全マウ
スの腎臓に移植すると、ガンの
特徴である異型細胞を含む腫瘍
を形成しました。これらの結果
から、(P)RRが,膵臓ガンを形
成する主要な因子の一つである
と考えられました。

 今回の研究により、正常な膵
臓において(P)RR の発現が増
えると、ゲノム不安定性を生じ
て、それがガンの発症につなが
るのではないかと考えられまし
た。研究グループは、今回の成
果について、「膵臓ガンにおけ
る治療法や診断薬の開発におい
て,(P)RRが有効な分子ターゲ
ットになることを大きく支持す
るものであり、今後の新しい診
断・治療法の開発が期待される」
と、述べています。

膵臓ガンとその治療について

解説している動画です。

 
 


 
 
 染色体の性状は、至って正常
であった。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 GABAトマトが,国内初のゲノム編集食品となる見通し

 
 
 
 
 
 
 遺伝子を効率よく改変するゲ
ノム編集技術を使って東京都内
の企業が開発したトマトが、国
内初の「ゲノム編集食品」とな
る見通しとなりました。厚生労
働省の専門家会議が月内にも開
かれ、初の審議を経て企業が国
に販売・流通を届け出ます。供
給体制の整備などが必要なため、
市場に流通するのは1~2年ほ
ど先になるとみられています。

 ゲノム編集トマトは、筑波大
発のベンチャー企業「サナテッ
クシード」が筑波大と共同で開
発しました。同社は、厚労省の
助言を受けて必要なデータを集
め、専門家会議に提出します。
ほかにも複数の事業者が厚労省
と準備を進めていますが、十分
なデータがそろったのは今回が
初めてで、ゲノム編集食品の条
件を満たしている可能性が高い
ということです。

 このトマトは、人間の血圧の
上昇を抑える働きがある物質「
GABAギャバ 」を豊富に含
んでいるのが特徴です。通常の
トマトは、GABAの量を制限
する遺伝子が働いていますが、
同社はこの遺伝子の一部をゲノ
ム編集技術で壊し、GABAの
量を増やしました。

 ゲノム編集技術で作った食品
は、外部から別の遺伝子を導入
したものと、特定の遺伝子を壊
したものがあります。厚労省は
昨年10月、遺伝子を壊したもの
は従来の品種改良と差がないと
判断し、ゲノム編集食品とする
届け出制度を新設しました。一
方、別の遺伝子を導入した場合
は既存の「遺伝子組み換え食品」
と同じものとみなし、食品衛生
法上の安全性の審査が必要にな
ります。

 厚生労働省などによると、国
内で食品衛生法に基づき流通が
認められた遺伝子組み換え食品
は、害虫に強いトウモロコシや
特定の除草剤に強い大豆など8
種類があります。しかしゲノム
編集食品はまだありません。

 専門家会議では、同社が提出
したデータをもとに、トマトに
別の遺伝子が導入されていない
ことや、アレルギーを起こす副
産物がないかなど安全性につい
ても審査します。厚労省は、専
門家会議が問題がないと承認す
れば、同社の届け出を受理する
方針です。

 ゲノム編集技術は新手法が20
12年に開発され、生物の遺伝子
改変や品種改良が以前より簡単
にできるようになりました。開
発した米仏の2人の研究者が、
今年のノーベル化学賞を受賞す
ることが決まっています。

 ゲノム編集技術=生命の設計
図であるゲノム(全遺伝情報)
の一部を、まるで文章ソフトで
編集するかのように簡便に書き
換える技術です。生命科学の研
究や医療、医薬品の開発に応用
が進むほか、交配などで10年以
上かかる農作物の品種改良が、
数年程度でできるようになった
とされています。

このニュースのニュース動画で

す。

 
 


 
 
 後輩が農作物の交配で、品種
改良をおこなった。    笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 香川大学は11月27日、正常な
膵臓の細胞(培養ヒト膵管上皮
細胞)に(プロ)レニン受容体
((P)RR) が発現すると、ゲ
ノム不安定性、すなわち遺伝子
と染色体の異常が生じて、ガン
の性質を持つ細胞になることが
世界で初めて明らかとなったと
発表したのは喜ばしいことです。
膵臓は、身体の奥(内部)にあ
り、膵臓ガンは、初期では、ほ
とんど症状が出ないため、発見
が、遅れることが多いのです。
すなわち、症状が出現した時に
は、進行ガンとなっており手の
施しようがなくなる訳です。た
だ膵臓の細胞に(プロ)レニン
受容体が発現しているかどうか
は、ERCP(内視鏡など)で細胞
を採取してこないと難しいと思
います。
 遺伝子を効率よく改変するゲ
ノム編集技術を使って東京都内
の企業が開発したトマトが、国
内初の「ゲノム編集食品」とな
る見通しとなったことは、喜ば
しいことです。ゲノム編集技術
で作った食品は、外部から別の
遺伝子を導入したものと、特定
の遺伝子を壊したものがあり、
厚労省が昨年10月、遺伝子を壊
したものは従来の品種改良と差
がないと判断し、ゲノム編集食
品とする届け出制度を新設した
のも正しい判断だと思います。
それは、通常の品種改良の過程
とゲノム編集の過程が似通って
いるからです。ただ、品種改良
のスピードを速くしただけと私
は、認識しています。

 家庭で品種改良の過程を見守
る。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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