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2021-10-29 20:41:54

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診療マル秘裏話  号外Vol.1996 令和2年12月27日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)FDAは,甲状腺髄様ガン治療薬のRET阻害薬を承認
2)遺伝性血管性浮腫の血漿カリクレイン阻害薬使用治験

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 FDAは,甲状腺髄様ガン治療薬のRET阻害薬を承認

 
 
 
 
 
 米国食品医薬品局(FDA)は1
2月1日、全身療法を要する進行
性または転移性RET 遺伝子変異
を伴う甲状腺髄様ガン(MTC)
またはRET 融合遺伝子陽性の甲
状腺ガンで、放射性ヨウ素の効
果が見られない成人および12歳
以上の小児患者さんの治療薬と
して、RET阻害薬のpralsetinib
(商品名GAVRETO,米ブループリ
ント・メディシンズ社)を承認
しました。

  の有効性は、腫
瘍にRET 遺伝子変異がある患者
さんを対象とした多施設共同非
盲検マルチコホート第3相臨床
試験「ARROW」 で評価されまし
た。RET 遺伝子変異の有無は、
地域の検査施設で、次世代シー
ケンシングや蛍光in situ ハイ
ブリダイゼーションなどの検査
法を用いて前向きに同定しまし
た。主要有効性評価項目は、治
療の割り付けを知らされていな
い独立審査委員会が判定する奏
効率(ORR) および奏効期間と
しました。

 マルチキナーゼ阻害薬caboza
ntinibまたはVEGFR/EGFRチロシ
ンキナーゼ阻害薬バンデタニブ
による治療歴があり、RET 遺伝
子変異陽性の進行性または転移
性MTC 55例のORR は60%、奏効
例の79%が6カ月以上の奏効期
間を得ました。このほか、両剤
による治療歴のないRET 遺伝子
変異陽性MTC 29例のORRは,66%、
奏効例の84%が6カ月以上の奏
効期間を得ました。さらに、RE
T 融合遺伝子陽性の甲状腺ガン
で、放射性ヨウ素の効果が見ら
れない患者さん9例のORRは89%、
奏効が認められた全例が6カ月
以上の奏効期間を得ました。

 発現頻度の高かった(25%以
上に発現)有害反応は、便秘、
高血圧、倦怠感、筋骨格痛、下
痢でした。このほか、発現頻度
の高かったグレード3-4 の臨床
検査値異常(2%以上に発現)
は、リンパ球減少、好中球減少、
ヘモグロビン減少、リン酸減少、
カルシウム減少(補正値)、ナ
トリウム減少、AST増加、ALT増
加、血小板減少、アルカリホス
ファターゼ(ALP) 増加があり
ました。

甲状腺ガンについて解説してい
る動画です。

 
 


 
 
 
 リンパ球減少を一現象として
解釈した。        笑

 甲状腺髄様ガンは甲状腺ガン
の中の約1.5%程度であり、比較
的まれな病気です。甲状腺ガン
の大部分を占める乳頭ガンや濾
胞ガンは、甲状腺ホルモンを作
る濾胞細胞からできるガンです
が、髄様ガンはカルシトニンと
いうホルモンを分泌するC細胞
からできるガンです。 治療は、
散発性(非遺伝性)の髄様ガン
は乳頭ガンと同様にガンの広が
りに応じた範囲を手術で切除し
ます。遺伝性の髄様ガンは甲状
腺の両側にガンができるので必
ず甲状腺を全て摘出し、リンパ
節の郭清をします。褐色細胞腫
がある場合には、こちらの手術
を先に行わないと危険です。 R
ET遺伝子診断などで極めて早期
に診断された場合、甲状腺は全
て摘出しますが、リンパ節郭清
は気管周囲のみの小範囲でよい
とされています。なお乳頭ガン
や濾胞ガンはヨウ素を取り込む
性質があり、放射性ヨウ素によ
る治療(アイソトープ療法)が
できる場合がありますが、髄様
ガンにはこのような性質はない
のでアイソトープ療法はできま
せん。

 
 
 
 
 
 
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2】 遺伝性血管性浮腫の血漿カリクレイン阻害薬使用治験

 
 
 
 
 
 
 11カ国40施設で、C1インヒビ
ター欠損症による遺伝性血管性
浮腫(HAE)患者さん120例を対
象に血漿カリクレイン阻害薬be
rotralstat(BCX7353) 1日1回
経口投与の有効性、安全性、忍
容性を検討する第3相無作為化
試験を実施(APeX-2試験)しま
した。主要評価項目は、24週間
の治療期間中に治験責任医師が
確認したHAE 発作の発生率とし
ました。

 その結果、1カ月当たりのHAE
発作率は、プラセボ群2.35件、
berotralstat 110mg群1.65件(
P=0.024),同150mg群1.31件(
P<0.001)でした。プラセボ群
より発生頻度が高かったberotr
alstat群の有害事象は、腹痛、
嘔吐、下痢、背部痛で、薬剤関
連の重篤有害事象は報告されま
せんでした。

遺伝性血管浮腫(HAE)につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 腫瘍に対する、新薬の主要な
作用を整理する。     笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 米国食品医薬品局(FDA)が1
2月1日、全身療法を要する進行
性または転移性RET 遺伝子変異
を伴う甲状腺髄様ガン(MTC)
またはRET 融合遺伝子陽性の甲
状腺ガンで、放射性ヨウ素の効
果が見られない成人および12歳
以上の小児患者さんの治療薬と
して、RET阻害薬のpralsetinib
(商品名GAVRETO,米ブループリ
ント・メディシンズ社)を承認
したのは、喜ばしいことです。
放射性ヨウ素の効果が見られな
い成人および12歳以上の小児患
者さんとのことですが、そもそ
も、甲状腺髄様ガンは、放射性
ヨウ素のアイソトープ療法の対
象ではないので、記述が間違っ
ていると考えられます。
 11カ国40施設で、C1インヒビ
ター欠損症による遺伝性血管性
浮腫(HAE)患者さん120例を対
象に血漿カリクレイン阻害薬be
rotralstat(BCX7353) 1日1回
経口投与の有効性、安全性、忍
容性を検討する第3相無作為化
試験を実施(APeX-2試験)した
のは、喜ばしいことです。この
遺伝性血管性浮腫と推測される
患者さんが当クリニックにもい
らっしゃいますが、トラネキサ
ム酸での治療では、浮腫の治ま
りが悪いので、このような薬剤
が出てくることは、患者さんに
とって救いの一筋の光であると
考えます。副作用も少ないと予
想されるので、早く臨床試験を
終えて、臨床で普通に使えるよ
うになって頂きたいものです。

 水害で普通に不通となった。


 
 
 
 
 
 
 
 
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