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2021-10-28 20:03:42

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診療マル秘裏話  号外Vol.1995 令和2年12月26日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)口腔内細菌が食道ガンリスクになり得ることを解明
2)国産初手術支援ロボットhinotoriTMを販売開始

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 口腔内細菌が食道ガンリスクになり得ることを解明

 
 
 
 
 
 東京医科歯科大学は12月3日、
口腔内細菌が食道ガンのリスク
になり得ることを突き止めたと
発表しました。この研究は、同
大大学院医歯学総合研究科臨床
腫瘍学分野の三宅智教授と川崎
万知子大学院生、歯周病学分野
の池田裕一助教ら、江戸川病院、
総合南東北病院オーラルペリオ
センターの研究グループによる
ものです。研究成果は、国際科
学誌「Cancer」オンライン版に
掲載されています。

 食道ガンは、ガンの死因の中
でも6番目に多く、また発症数
では世界で7番目に多いとされ
ています。早期診断が困難であ
り、浸潤や転移の頻度が高く、
生存率が低いことが特徴です。
一方、歯周病は歯茎の炎症や出
血から始まり、歯を支える骨や
線維など深い組織に炎症が広が
り、最終的には歯が喪失してし
まう、日本でもとても高い罹患
率の口腔内細菌感染症です。歯
周病は、糖尿病や動脈硬化など
を含む全身疾患の悪化に関与し
ているといわれており、ガンに
おいても歯周病がリスクを増加
させる可能性があると報告され
てきました。

 先行研究により、口腔内に存
在する細菌や歯周病に関わる細
菌が消化管のガン組織から検出
されたことが報告されています。
食道や胃のガン組織で、口腔内
の膿瘍で良く検出されるストレ
プトコッカス アンギノーサス
菌が発見されたことで、消化管
ガンと細菌の関連がより注目を
集めるようになりました。食道
ガン細胞をストレプトコッカス
アンギノーサス菌に感染させる
と、発ガンが促進することが知
られています。

 これらの知見に基づいて口腔
内細菌と食道ガンの関連が示唆
されてきましたが、食道ガンと
歯周病、それぞれの臨床所見に
基づいて、口腔内細菌のガンへ
の影響を検討した研究はほとん
どありません。今回の研究では、
食道ガン患者さんにおける口腔
内所見と口腔内細菌叢の特徴を
明らかにすることを目的としま
した。

 今回の研究では、同大医学部
附属病院消化器外科に入院した
食道ガンと診断された患者さん
61人と非ガン患者さん62人の口
腔内の診察を行い、唾液と歯茎
の下の歯垢を採取しました。採
取したサンプルから細菌のDNA
を抽出し、リアルタイムPCR 法
を用いて7種類の口腔細菌の菌
数を計測しました。

 その結果、食道ガン患者さん
では非ガン患者さんと比較する
と、歯周病の状態が有意に悪く、
喫煙率や飲酒習慣が高いことが
判明しました。歯茎の下の歯垢
中には歯周病に関わる多くの細
菌が有意に高く検出されました。
中でもアグリゲイティバクター
アクチノミセテムコミタンス菌
については、ガン患者さんで16
人検出されたのに対し、非ガン
患者さんで検出されたのは1人
でした。

 唾液において、アグリゲイテ
ィバクター アクチノミセテム
コミタンス菌の検出率はガン患
者さんで有意に高く、アグリゲ
イティバクター アクチノミセ
テムコミタンス菌とストレプト
コッカス アンギノーサス菌の
量はガン患者さんで有意に多く
検出されました。

 これらの研究結果から、食道
ガンのリスクとなる因子を見つ
けるため、ロジスティック回帰
分析を用いて統計学的に解析を
実施しました。

 その結果、飲酒習慣で17.10
倍、歯垢中のストレプトコッカ
ス アンギノーサス菌の検出で3
2.80倍、唾液中のアグリゲイテ
ィバクター アクチノミセテム
コミタンス菌の検出で5.77倍、
食道ガンの患者さんが増加する
結果が得られました。

 食道ガン患者さんの長期生存
率は、依然として低いままです。
これは食道ガンの特徴である周
囲の臓器や組織への急速な広が
りと無症候性の浸潤が、早期発
見を困難にしていることが理由
です。つまり、早期のスクリー
ニング、検出、および診断は、
食道ガンの重要な要素となりま
す。

 今回の研究では、初めてアグ
リゲイティバクター アクチノ
ミセテムコミタンス菌が食道ガ
ンと関連することを発見しまし
た。また「アグリゲイティバク
ター アクチノミセテムコミタ
ンス菌やストレプトコッカス
アンギノーサス菌、生活習慣の
アンケート結果を組み合わせる
ことで、迅速で簡単な食道ガン
のスクリーニング方法が開発で
きるかもしれないという臨床的
重要性を示唆している」と研究
グループは述べています。

口腔内細菌は疾患の元であるこ

とを分かりやすく解説している

動画です。

 
 


 
 
 
 簡単な食道ガンのスクリーニ
ング方法に感嘆する。   笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 国産初手術支援ロボットhinotoriTMを販売開始

 
 
 
 
 
 
 シスメックスは12月3日、手
術用ロボット手術ユニット「hi
notoriTMサージカルロボットシ
ステム」および再使用可能な内
視鏡用能動処置具 「HF シリー
ズ インストゥルメント」 (以
下「hinotoriTM」、製造販売元
はメディカロイド社)を12月4
日より国内の医療機関を対象に
発売することを発表しました。

 国産初の手術支援ロボットで
あるhinotoriTMについては、メ
ディカロイドが2020年8月17日
に製造販売承認を取得しました。
また、hinotoriTMは2020年9月1
日から「A2(特定包括)手術用
ロボット手術 ユニット(1)」
として保険適用されました。そ
の後、日本内視鏡外科学会から
トレーニングプログラムの承認
を取得した上で、12月3日に神
戸大学病院国際ガン医療・研究
センター内にトレーニングセン
ターを開設しました。これによ
り、臨床現場への製品導入に向
けた体制構築が完了したという
ことです。

 hinotoriTMは、日本国内の手
術室サイズを考慮したコンパク
トな設計により、既存の手術室
への導入を可能にしました。ま
た、高い操作性に加え、アーム
同士の干渉を低減し、手術助手
の作業スペースの確保を可能に
するロボットアームや、組織の
微細構造の視認を可能とする高
精細な3D画像、長時間の手術に
おける施術者の疲労を低減する
操作コックピット、hinotoriTM
の動作状況をモニタリングする
ネットワークサポートを実装し
ています。すでに手術支援ロボ
ットが活用されている泌尿器科
や婦人科の外科手術などにおい
て、医療従事者により的確な施
術を支援するものと期待されて
います。

hinotori についての特集動画で

す。

 
 


 
 
 上京して動作状況を確認する。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東京医科歯科大学が12月3日、
口腔内細菌が食道ガンのリスク
になり得ることを突き止めたと
発表したのは、偉大な業績です。
先行研究などの知見に基づいて
口腔内細菌と食道ガンの関連が
示唆されてきましたが、食道ガ
ンと歯周病、それぞれの臨床所
見に基づいて、口腔内細菌のガ
ンへの影響を検討した研究はほ
とんどなかったというのは意外
でした。人がやっていない研究
をするというのが定石だと思い
ますので、この研究を思い立っ
た先生は、慧眼だったと思いま
す。アグリゲイティバクター
アクチノミセテムコミタンス菌
やストレプトコッカス アンギ
ノーサス菌、生活習慣のアンケ
ート結果を組み合わせることで、
迅速で簡単な食道ガンのスクリ
ーニング方法を是非、開発して
頂きたいものです。
 シスメックスが12月3日、手
術用ロボット手術ユニット「hi
notoriTMサージカルロボットシ
ステム」および再使用可能な内
視鏡用能動処置具 「HF シリー
ズ インストゥルメント」 (以
下「hinotoriTM」、製造販売元
はメディカロイド社)を12月4
日より国内の医療機関を対象に
発売することを発表したのは、
喜ばしいことです。手術用ロボ
ットでは、ダビンチが有名です
が、ダビンチの特許が昨年切れ
たため、ダビンチの機能を継承
しつつも、新しい製品が開発さ
れていると聞いています。日本
初というのも希少価値があると
私は、考えます。実際に手術を
する医師の負担が軽減すること
で良い手術ができて、患者さん
に利益が還元されることを期待
したいと思います。

 清貧な製品の開発を行う。笑

 
 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
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