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2021-10-24 17:52:38

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診療マル秘裏話  号外Vol.1992 令和2年12月22日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)神経芽腫のGM-CSFの併用薬ヒト化モノクロナル抗体承認
2)原発性胆汁性胆管炎の長期観察研究の結果報告

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 神経芽腫のGM-CSFの併用薬ヒト化モノクロナル抗体承認

 
 
 
 
 
 米国食品医薬品局(FDA) は
11月24日、前治療の効果が不完
全な(部分奏効、やや有効また
は安定)骨または骨髄の再発・
難治性高リスク神経芽腫の1歳
以上の小児および成人の患者さ
んに対し、顆粒球マクロファー
ジコロニー刺激因子(GM-CSF)
との併用薬として、ヒト化モノ
クローナル抗体naxitamab (商
品名DANYELZA、Y-mAbs Therape
utics社,国内未承認)を迅速承
認しました。

 今回の承認は、再発・難治性
神経芽腫患者さんを対象とした
非盲検単群試験2件(201試験お
よび12-230試験)の結果を受け
たものです。前治療後に病勢が
進行した患者さんは対象から除
外しました。多施設共同の201
試験では22例、単施設の12-230
試験では38例に、4週間サイク
ルの-4日目から0日目にGM-CSF
250μg/m2/日、1-5日目にはGM
-CSF500μg/m2/日を皮下投与し
た上で,1日目、3日目および5日
目にnaxitamab 3mg/kgを点滴静
注しました。このほか、治験責
任医師の裁量で、201 試験では
原発巣、12-230試験では非標的
骨病変または軟部組織病変にそ
れぞれ放射線療法を実施しまし
た。主要有効性評価項目は、改
訂国際神経芽細胞腫応答基準(
INRC)で判定した全奏効率(OR
R)と奏効期間(DOR)でした。

 その結果、201試験のORRは45
%で、治療が有効だった患者さ
んの30%では、DORが6カ月以上
でした。一方、12-230試験のOR
Rは34%で、患者さんの23%でD
ORが6カ月以上を示しました。
いずれの試験でも、骨または骨
髄で有効性が確認されました。

 なお、naxitamab の添付文書
には、同薬は重篤な輸注反応の
ほか、重度の神経障害性疼痛や
横断性脊髄炎、可逆性後頭葉白
質脳症症候群(RPLS)などの重
篤な神経毒性を引き起こす危険
性を示す黒枠警告が記載されて
います。FDA は、このリスクを
抑制するためには、naxitamab
投与前に前投薬を実施し、点滴
中および点滴終了後2時間以上
は慎重に観察すべきだとしてい
ます。

 発現頻度の高かった(両試験
ともに25%以上)の有害反応は、
輸注反応、疼痛、頻脈、嘔吐、
咳、悪心、下痢、食欲減退、高
血圧、倦怠感、多形紅斑、末梢
神経障害、蕁麻疹、発熱、頭痛、
注射部位反応、浮腫、不安、限
局性浮腫および過敏症でした。
最も発現頻度の高かった(両試
験ともに5%以上)グレード3
または4の臨床検査値異常に、
リンパ球や好中球、ヘモグロビ
ン、血小板数の減少、カリウム
濃度の低下、アラニンアミノト
ランスフェラーゼ(ALT) 増加、
血糖低下、カルシウムやアルブ
ミン、ナトリウム、リンの濃度
低下がありました。

神経芽腫の症状と治療について

解説している動画です。

 
 


 
 
 広範な多型紅斑を認める。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 原発性胆汁性胆管炎の長期観察研究の結果報告

 
 
 
 
 
 
 新潟大学は11月27日、原発性
胆汁性胆管炎(Primary bilia
ry cholangitis: PBC)の長期
(1982~2016年まで)観察研究
を行い、その結果を報告したと
発表しました。この研究は、同
大大学院医歯学総合研究科消化
器内科学分野の寺井崇二教授と
高村昌昭准教授らが、関連施設
とともに行ったものです。研究
成果は、「Hepatology Researc
h」 にオンライン掲載されてい
ます。

 PBC は、厚生労働省の難病指
定にされており、肝臓の小さな
胆管が免疫異常により障害を受
ける疾患です。早期では胆汁の
流れが少し滞る軽度の胆管炎を
きたす程度ですが、進行し多く
の小さな胆管が破壊され、胆汁
の流れが一層悪くなると肝硬変
さらには肝不全に至ることもあ
ります。

PBC は、早期より黄疸を呈し
肝不全に至る症例もあり、早期
に診断し適切な治療を受けるこ
とが重要となります。消化器内
科学分野ではその前身の医学部
第三内科の初代教授である故市
田文弘名誉教授が、国内でPBC
の疾患概念の認識が普及し始め
た1968年に、黄疸が見られる進
行したPBC 症例を報告しました。
その後、歴代教授、教室、関連
施設をあげて早期診断・治療を
行ってきました。

 最近では、症状もなく健診等
で胆管障害の目安となるアルカ
リフォスファターゼ(ALP) が
高値を示したことが発見の契機
となることも多く、早期に診断
し適切な治療を行うことで予後
良好な症例が増えています。同
疾患の病態や予後に関して、多
数例の長期にわたる観察研究は
ほとんど行われておらず、今回
の研究は、国内初の報告となる
もので、教室の伝統を踏まえた、
教室全体の成果だということで
す。

 研究では、消化器内科学分野
および21の関連施設で集積され
長期追跡調査を行ってきたPBC
症例508 例を用いました。診断
された時期を1999年以前、2000
~2009年、2010年以降と3つの
年代別に分け、年齢、性別、血
液検査所見、治療薬投与状況や
反応性、生命予後等のさまざま
な因子を解析しました。

 その結果、近年では男性例が
有意に増加しており、女性例は
高齢で診断される例が有意に増
加していました。研究の対象症
例は、無症状の時点で診断され
た例が1999年以前の診断例でも
83.5%と多く、胆管障害の目安
となるALP 値や黄疸の目安とな
る総ビリルビン値も低い軽症例
が多いことが分かりました。ま
た組織学的検査が行われた症例
では、軽症例が90%を越えてい
ることが分かりました。研究グ
ループは、「今後もPBC 長期追
跡調査を継続し、同疾患に対し
てさらなる病態解明を行い、難
病に苦しんでいる患者の救命に
貢献したいと考えている」と、
述べています。

原発性胆汁性胆管炎の症状と治

療について解説している動画で

す。

 
 


 
 
 軽症例に警鐘を鳴らす。 笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 川崎医科大(岡山県倉敷市松
島)肝胆膵(すい)内科学の日
野啓輔教授らのグループが、肝
臓ガン細胞の増殖を防ぐ薬剤を
超微細な粒子にしてマウスに投
与すると、効率的に患部まで運
ばれ、抗ガン効果を高めること
を突き止めたのは、素晴らしい
業績です。抗ガン効果だけでな
く、免疫が高まる効果も確認で
きたということで総合的にガン
対策ができると期待されます。
治療の選択肢を増やせるよう、
さらに大きな動物で効果や安全
性などを検証し、新たな治療法
の確立につなげて頂きたいもの
です。
 京都大学医学部附属病院が、
再生医療ベンチャーのサイフュ
ーズ(東京都文京区、秋枝静香
社長)と神経損傷に対して、3
Dプリンターを用いた治験の開
始を発表したのは、素晴らしい
業績です。現在主流になってい
る末梢神経損傷に対する治療方
法は自家神経の移植です。しか
し、神経の一部を摘出するため、
周辺の部位に異常をもたらすケ
ースもあり、最善の治療法では
ないと分かっています。今回の
バイオ3Dプリンターを用いる
のは、画期的と言えましょう。
この治療法で、たくさんの末梢
神経損傷の患者さんを救って頂
きたいものです。

 腫瘤に対する主流な治療法を
検討する。        笑

 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
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