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2021-10-22 21:17:05

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診療マル秘裏話  号外Vol.1990 令和2年12月20日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
目次

1)膵くびれ指摘が膵ガン早期発見に繋がる可能性
2)喫煙が日本人排尿症状悪化要因であること解明

 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 膵くびれ指摘が膵ガン早期発見に繋がる可能性

 
 
 
 
 
 膵ガンでは慢性膵炎が発ガン
に関連することが知られていま
すが、慢性膵炎患者におけるス
クリーニングが膵ガンの早期診
断につながっているとはいえま
せん。東京歯科大学市川総合病
院放射線科講師の小橋優子氏は
「CTスクリーニングによる膵く
びれの指摘が膵ガンの早期発見
につながる可能性がある」と第
28回日本消化器関連学会週間(
JDDW 2020、11月5〜8日、ウェ
ブ併催)で報告しました。

 小橋氏らは、以前から膵のCT
スクリーニングから膵ガンの早
期診断につながる所見について
の検討を行っています。同院の
先行研究では、膵ガン患者さん
32例における診断前の過去のCT
所見を観察した所、24例(75%)
に膵くびれが見られました。

 そこで同氏らは、膵くびれが
膵ガンの早期診断につながるか、
炎症と関連があるかどうかを前
向き研究で明らかにすることと
しました。同院で撮影される胸
腹部CT全てをスクリーニングの
対象とし、膵くびれが見られた
場合はCTおよび磁気共鳴胆管膵
管造影(MRCP)で追跡しました。
くびれの進行がある場合にはさ
らに精査します。画像の追跡は
3〜6カ月間行い、全観察期間は
5年間としました。

 2017年11月〜19年10月の2年
間で1万6,920件の腹部CTを撮影・
診断し、16例(0.09%)を膵く
びれと同定(多スライスで周囲
膵組織より痩せている部分をく
びれと判断します)。そのうち
15例で画像の追跡を行いました。
15例中3例(20%)に膵くびれよ
り尾部側で主膵管の拡張が認め
られ、膵ガンの存在を疑い脾合
併膵体尾部切除術を施行しまし
た。観察期間は平均15カ月でし
た。

 小橋氏は、3例の所見を紹介
しました。症例1(女性、77歳、
膵尾部にくびれ)では、スリッ
ト状の膵くびれを指摘し、3カ
月後には主膵管の拡張が発生、
4.5 カ月後には拡張が進行しま
した。内視鏡的逆行性膵管造影
(ERP) では主膵管狭窄が確認
されました。術中に肉眼ではく
びれは同定できず、術中エコー
では主膵管内部に低エコー結節
が認められました。

 症例2(男性、81歳、膵体
部にくびれ)では、膵くびれ同
定から12カ月後には特に変化が
ありませんでしたが、24カ月後
に膵くびれの進行と主膵管の拡
張が認められました。MRCPでは
膵くびれ部分に一致した主膵管
の狭小化と膵尾部膵管の拡張が
認められました。術中肉眼所見
でくびれは同定できず、術中エ
コーでも明確な腫瘍は指摘でき
ませんでした。

 症例3(男性、81歳、膵体部
にくびれ)では、膵くびれ発見
時にくびれ部分は脂肪組織が非
常に目立っていました。6カ月
後には膵くびれの脂肪濃度が消
失して目立たなくなり、MRCPの
最大値投影(MIP) 画像ではく
びれ部分の主膵管の狭小化が認
められました。12カ月後には主
膵管拡張が出現し、くびれ部分
には不明瞭ながら腫瘍が存在し
ているように見えました。MIP
画像では主膵管の拡張とくびれ
部分に相当する主膵管の途絶が
認められましたが、術中肉眼に
よるくびれの同定はできません
でした。体尾部切除が施行され、
直径12mmの浸潤性膵管ガンでし
た。

 肉眼病理標本では、症例1は
膵周囲に脂肪があり、膵くびれ
の脇にわずかな上皮内ガンが認
められました。症例2でも膵実
質は少なく脂肪が多く、くびれ
に相当する部位である主膵管に
浸潤性膵管ガンが、その周辺に
上皮内ガンが認められました。
症例3では膵くびれは既にガン
に置換しており同定できず、く
びれ相当部位で浸潤性膵管ガン
が認められました。周囲の脂肪
組織も明確には同定できません
でした。

 病理所見においては、症例1、
2では膵組織の萎縮と脂肪変性
が見られ、さらに慢性炎症性細
胞浸潤や線維化も認められまし
た。症例3では脂肪変性ははっ
きりせず、線維化や慢性炎症性
細胞浸潤が目立っていました。

 小橋氏は「上皮内ガンや微小
浸潤性膵管ガンの段階で、既に
周囲の膵組織に炎症所見や線維
化、脂肪浸潤が認められたのは
非常に興味深い。CTでは膵実質
は脂肪変性後、経時的に脂肪濃
度が上昇していた。病理所見と
併せて考えると、最初になんら
かの原因による膵の限局性の炎
症から脂肪変性、その後線維化
が発生しているのではないか。
または、炎症から線維化、膵実
質の萎縮が起こり結果として脂
肪変性が生じた可能性もある」
と考察しました。

 さらに、「CTおよび病理所見
から、膵くびれは膵実質の脂肪
変性を反映していると考えられ
る。脂肪変性が発生し、その後
線維化が進行することで脂肪が
消失していくと思われ、最終的
には膵ガンに至ると推測できる」
と述べ、「CTによる膵くびれの
指摘と慎重な経過観察によって、
膵ガンの早期発見につながる可
能性が示唆された」と結びまし
た。

膵臓ガンの早期発見の取り組み

について解説している動画です。

 
 


 
 
 脂肪変性についての研究者の
編成が行われた。     笑

 
 
 
 
 
 
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2】 喫煙が日本人排尿症状悪化要因であること解明

 
 
 
 
 
 
 横浜市立大学附属市民総合医
療センター 泌尿器・腎移植科
河原崇司診療講師、上村博司診
療教授、伊藤悠城医師(横須賀
共済病院泌尿器科)らの研究グ
ループは、アイブリッジ社と共
同で世界初となる喫煙と排尿障
害に関する大規模な臨床研究を
行い、喫煙が日本人における排
尿症状悪化の要因であることを
明らかにしました。
 排尿障害の罹患率は8人に1
人と多い一方で、排尿の問題で
あることから恥ずかしくて病院
に来られないなど実際の患者数
より病院の受診が少ないと報告
されています。本研究ではイン
ターネット調査を用いて短期間
に今まで報告されている排尿障
害の研究の中で最大規模の調査
を実施することができました。
特に、排尿障害と喫煙との関係
を示した大規模研究は行われて
おらず、いずれの年齢層におい
ても喫煙が排尿障害のリスク因
子であったことが明らかになり
ました。さらに、若年者におい
て喫煙による排尿障害の影響は
顕著であり、高齢・糖尿病・高
血圧など、他の因子が少ない分
喫煙の影響が強く出たと考えら
れました。

 今後は、本研究での解析結果
をもとに、喫煙による排尿症状
の影響について基礎研究を進め
ていく予定です。本研究は、『
Scientific Reports』に掲載さ
れました。

喫煙の健康への有害性について

解説している動画です。

 
 


 
 
 収入印紙が忘れられる因子に
ついて考察。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 東京歯科大学市川総合病院放
射線科講師の小橋優子氏が「CT
スクリーニングによる膵くびれ
の指摘が膵ガンの早期発見につ
ながる可能性がある」と第28回
日本消化器関連学会週間(JDDW
2020、11月5〜8日、ウェブ併
催)で報告したのは素晴らしい
発見だったと思います。最近、
リキッドバイオプシーで膵ガン
を発見しようとする試みが続い
ていますが画像での新たな検出
法が出たのは、珍しいことだと
思います。リキッドバイオプシ
ーにしても、画像診断にしても
患者さんに、負担のかからない
検査は、これから進歩していっ
て欲しいものです。
 横浜市立大学附属市民総合医
療センター 泌尿器・腎移植科
河原崇司診療講師、上村博司診
療教授、伊藤悠城医師(横須賀
共済病院泌尿器科)らの研究グ
ループが、アイブリッジ社と共
同で世界初となる喫煙と排尿障
害に関する大規模な臨床研究を
行い、喫煙が日本人における排
尿症状悪化の要因であることを
明らかにしたのは、素晴らしい
業績です。喫煙とガンについて
の研究は、たくさん行われてい
ますが、喫煙と排尿障害につい
て解析されたのは、これが初め
てではないでしょうか?禁煙を
することで排尿障害の改善を認
めれば、喫煙している人に禁煙
を勧めやすいと考えました。

 近縁の人から禁煙を勧める。


 
 
 
 
 
 
 
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