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診療マル秘裏話  号外Vol.1989 令和2年12月19日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)腫瘍間質が口腔ガン悪性度や浸潤等性格を制御
2)脂肪幹細胞分化制御の遺伝子発現が老齢で動揺

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 腫瘍間質が口腔ガン悪性度や浸潤等性格を制御

 
 
 
 
 
 岡山大学は11月26日、通常は
口腔ガンの手助けをするはずの
腫瘍間質が、口腔ガンの悪性度
や浸潤などの性格を制御してい
ることを見出したと発表しまし
た。この研究は、同大大学院医
歯薬学総合研究科(歯)の長塚
仁教授、高畠清文助教らの研究
グループによるものです。研究
成果は、スイスの学術誌「Inte
rnational Journal of Molecul
ar Sciences」 に掲載されてい
ます。

 口腔ガンの中には、病変が口
腔粘膜の表層上皮に限局し、深
部に浸潤していないにもかかわ
らず、病変部を切除した後の再
生上皮組織にガンの再発を繰り
返すものがあります。また、口
腔ガンの手術後に皮膚皮弁を用
いて再建する場合がありますが、
ガンが存在しないはずの皮膚皮
弁からガンが発生する症例があ
ります。

 このように口腔ガンを取り切
ったにもかかわらず再発を起こ
す症例が散見され、従来のガン
化の概念では説明できない現象
が臨床の場で起こっています。
そのため、このガン化メカニズ
ムの解明が強く望まれています。

 今回の研究では、浸潤度の異
なる2種類の腫瘍間質を口腔ガ
ン手術材料から採取し、ヒト由
来口腔扁平上皮ガン細胞株とと
もにマウスの頭蓋部に移植しま
した。移植後1か月、腫瘍が成
長したところで摘出して顕微鏡
で観察しました。

 すると、浸潤性の高い口腔ガ
ンから採取した腫瘍間質を移植
したマウスでは、口腔ガンの浸
潤が著しく、また分化度が低く
なりました。一方で、浸潤性に
乏しい口腔ガンから採取した腫
瘍間質を移植したマウスでは、
口腔ガンの浸潤性は低く、分化
度も高くなりました。

 このように同一の口腔ガン細
胞を移植したにも関わらず、移
植した腫瘍間質が異なると、口
腔ガン細胞の浸潤性や分化度な
どの性格が異なることが分かり
ました。このことから、研究グ
ループは「ガン細胞は一度手懐
けたはずの腫瘍間質により、逆
に影響を受けて生物学的性格を
変化させる可能性が示唆された」
としています。

 今回の研究結果は、従来から
考えられている口腔ガンの発ガ
ン・進展メカニズムとは異なる
新たな腫瘍学の概念を提示する
結果だということです。

 口腔ガン治療では手術による
切除が一般的ですが、腫瘍切除
時の外科的切除範囲設定の新た
な基準をもたらし、再発率を軽
減させることが期待される、と
研究グループは述べています。

口腔ガンについて解説している

動画です。

 
 


 
 
 定時で帰ることを、提示する。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 脂肪幹細胞分化制御の遺伝子発現が老齢で動揺

 
 
 
 
 
 
 東京都健康長寿医療センター
は11月26日、包括的1細胞遺伝
子発現解析により、脂肪組織か
ら培養を経ない幹細胞を同定し、
脂肪幹細胞の分化を制御する遺
伝子発現が老齢で揺らいでいる
ことをはじめて明らかにしたと
発表しました。これは同センタ
ー石神昭人研究部長、土志田裕
太、佐野遙香連携大学院生と、
和歌山県立医科大学の橋本真一
教授、岩淵禎弘助教、東京都立
大学の相垣敏郎教授、東京医科
歯科大学の吉田雅幸教授らと共
同研究によるものです。研究成
果は、「PLOS ONE」電子版に掲
載されています。

 再生医療は、組織や臓器の欠
損や機能不全に対して、幹細胞
を用いて機能を回復する医療で
す。幹細胞には、iPS 細胞のよ
うな多能性幹細胞と間葉系幹細
胞のような体性幹細胞がありま
す。間葉系幹細胞は、骨髄や脂
肪、皮膚など全身のさまざまな
場所に存在しており、自分自身
から採取した間葉系幹細胞を再
生医療に使用することが可能で
す。超高齢社会において再生医
療を受ける患者さんでは今後、
高齢者の増加が予想されます。
しかし、高齢者から採取した間
葉系幹細胞が、若年者の間葉系
幹細胞と分化能が同等であるか
は分かっていませんでした。

 そこで今回研究グループは、
老齢と若齢のマウス脂肪組織か
ら培養を経ない幹細胞を同定し
て、脂肪幹細胞の遺伝子発現が
老若マウスで同等であるかを明
らかにすることを目的に、多く
の細胞集団から細胞1個ずつを
区別して解析できる、最新の1
細胞遺伝子発現解析を行いまし
た。

 その結果、包括的1細胞遺伝
子発現解析により、老若マウス
の脂肪組織から成熟脂肪細胞を
除いた間質血管画分を分離、精
製して、培養を経ることなく、
間質血管画分に存在する脂肪幹
細胞を同定しました。そして、
細胞分化の抑制に関与する3種
類の遺伝子(Adamts7、Snai2、
Tgfbr1)が脂肪幹細胞で高発現
していることを新たに見出しま
した。さらに、これらの遺伝子
と脂肪前駆細胞で高発現する遺
伝子を老若マウスの間で比較し
た所、脂肪幹細胞の分化を制御
する遺伝子発現の厳密性が、老
齢で揺らいでいることが分かっ
たということです。

 今回の研究から、培養を経る
ことなく間質血管画分に存在す
る脂肪幹細胞が同定されました。
また、再生医療に使用される脂
肪幹細胞は、老齢で分化を制御
する遺伝子発現が揺らぐことを
明らかにしました。「この研究
成果は、脂肪幹細胞を使用する
高齢者の再生医療に大きく貢献
するものと期待される」と、研
究グループは述べています。

脂肪幹細胞を使う再生医療につ

いて解説している動画です。

 
 


 
 
 遺伝子発現について発言する。


 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 岡山大学が11月26日、通常は
口腔ガンの手助けをするはずの
腫瘍間質が、口腔ガンの悪性度
や浸潤などの性格を制御してい
ることを見出したと発表したの
は、素晴らしい業績です。同一
の口腔ガン細胞を移植したにも
関わらず、移植した腫瘍間質が
異なると、口腔ガン細胞の浸潤
性や分化度などの性格が異なる
ことが分かったというのは本当
に驚きでした。口腔ガン治療で
は手術による切除が一般的です。
しかし、腫瘍切除時の外科的切
除範囲設定の新たな基準をもた
らし、再発率を軽減させること
が期待されるようですから、訳
の分からない再発に対する手立
てができるということだと私は、
理解しました。
 東京都健康長寿医療センター
が11月26日、包括的1細胞遺伝
子発現解析により、脂肪組織か
ら培養を経ない幹細胞を同定し、
脂肪幹細胞の分化を制御する遺
伝子発現が老齢で揺らいでいる
ことをはじめて明らかにしたと
発表したのは、素晴らしい業績
です。高齢者から採取した間葉
系幹細胞が、若年者の間葉系幹
細胞と分化能が同等であるかは
分かっていなかったということ
ですので、遺伝子発現について
はっきり結果が出たのは、老化
が幹細胞の分化に関与している
ことを示唆していると思います。
老化が問題であれば、NMN のよ
うなサーチュイン遺伝子を活性
化する物質で若返らせることを
考えた方が良いと思います。

 廊下で互いの老化の話をした。


 
 
 
 
 
 
 
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