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2021-09-17 21:33:51

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診療マル秘裏話  号外Vol.1960 令和2年11月15日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)0.5ミリ未満の早期乳ガンを染色せずにイメージング可
2)ミトコンドリア病の迅速かつ全自動診断デバイス開発す

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 0.5ミリ未満の早期乳ガンを染色せずにイメージング可

 
 
 
 
 
 大阪大学は10月22日、レーザ
ー光を非線形光学結晶に照射し
た際に局所的に発生する「テラ
ヘルツ波」を利用して,0.5ミリ
未満の早期乳ガンを、染色せず
に高い精度でテラヘルツイメー
ジングすることに初めて成功し
たと発表しました。これは、同
大レーザー科学研究所の芹田和
則特任助教、斗内政吉教授、同
大学院工学研究科の岡田航介大
学院生(博士後期課程)および仏
ボルドー大学、ベルゴニエ研究
所の国際共同研究グループによ
るものです。研究成果は、「Jo
urnal of Physics: Photonics」
(オンライン)に掲載されてい
ます。

 乳ガンは、浸潤性のものと非
浸潤性のものに大きく分けられ
ます。浸潤性のガンはすでにガ
ンが進行した状態です。非浸潤
性のガンはまだ進行が進んでい
ない初期の小さな乳ガンで、非
浸潤性乳管ガン(DCIS)と呼ば
れます。乳管内部でガン細胞が
増殖し、放置しておくと悪性度
の高い浸潤性のガンとして進行
していきます。そのためDCISの
早期発見が重要です。ガンの病
理診断では、化学物質を使った
染色で組織を色分けし、その染
色画像を使って病理医が診断を
しますが、この染色工程に手間
と時間がかかることが課題とな
っています。また、DCISは、た
とえ染色したとしても病巣その
ものの見た目が浸潤性乳管ガン
(IDC )と類似していることか
ら、正確な識別が難しいとされ
ています。

 テラヘルツ波は、周波数にし
て0.1~10 テラヘルツの電磁波
を指し、光と電波の中間帯に位
置します。特にイメージングで
は、X線とは異なり、物質を被
曝させずに可視化することがで
きることから、それに代わる安
心安全な評価技術として注目さ
れています。また、生体組織の
計測に利用することで、ガン組
織と正常組織を、染色を行わず
に識別することができるとされ
ており、将来の新しいガン診断
技術としても期待されています。
しかし、従来のテラヘルツ計測
では、テラヘルツ波をレンズで
絞ってサンプルに照射させてい
たため、観察可能な領域が数ミ
リメートルから数センチメート
ル程度に制限されていました。
そのためテラヘルツ波でDCISな
どの早期ガンを観察することは
できませんでした。

 研究グループは今回、非線形
光学結晶に、フェムト秒(1フ
ェムト秒は10~15秒)パルスレ
ーザー光を照射した際にテラヘ
ルツ波が局所的に発生すること
に着目しました。ここで発生す
るテラヘルツ波は、その波長(
1テラヘルツは約0.3ミリメート
ル)より数桁小さい点光源とし
て扱うことができます。これと
サンプルを直接相互作用させて
イメージングを行うことで、従
来難しかった0.5 ミリメートル
未満のDCISの鮮明なテラヘルツ
イメージングに初めて成功しま
した。

 具体的には、非線形光学結晶
表面に転写した乳ガン組織の下
からレーザーを照射して、結晶
の表面にテラヘルツ波を発生さ
せます。このテラヘルツ波を走
査させて乳ガン組織のイメージ
ングを行うというものです。フ
ランスチームが観測に適合した
特殊な試料を準備することで成
功した、国際共同研究の大きな
成果です。

 また、テラヘルツ波の強度分
布がDCISとIDC で異なることを
観測したことから、それらの定
量的な識別が可能であることが
示唆されました。これらは、従
来のテラヘルツ波によるガン測
定と比較して,1,000倍近く精度
よくガン組織をイメージングで
きていることになります。

 今回の研究成果から、病理診
断において、乳ガンを含めたさ
まざまな早期ガンを染色せずに
迅速に診断できるようになり、
オンサイト診断の実現が期待さ
れます。ガンによっては治療を
必要としない悪性度の低いガン
も存在するとされており、それ
らを含めた定量的なガン診断の
手法が確立することで、ガンの
グレードを判定する上でも役立
つ可能性があり、機械学習と組
み合わせることで、病理医の診
断を強力にサポートすると考え
られます。

 「非線形光学結晶と試料を接
触させる測定手法をとっている
ため、センサー部のコンパクト
化が可能となり、フレキシブル
なテラヘルツ医用診断デバイス
開発も期待される。例えば、フ
ァイバー光学系とMEMS技術を組
み合わせることで、ハンドヘル
ド型のテラヘルツ診断デバイス
やテラヘルツ内視鏡への応用も
考えられる」と、研究グループ
は述べています。

テラヘルツ波について解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 
 ガン診断の手法が、確立する
確率を計算する。     笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 ミトコンドリア病の迅速かつ全自動診断デバイス開発す

 
 
 
 
 
 久留米大学は10月22日、ミト
コンドリア病の迅速かつ全自動
診断デバイスを、世界に先駆け
て開発したと発表しました。こ
れは、同大小児科学講座の古賀
靖敏教授らの研究グループによ
るものです。研究成果は、「Jo
urnal of Inherited Metabolic
Disease」に掲載されています。

 ミトコンドリア病は、ミトコ
ンドリアのエネルギー産生系酵
素の遺伝的異常によって引き起
こされる希少疾患であり、精神・
運動発達の遅れや心不全、糖尿
病などの症状を来す、遺伝性進
行性難病です。古賀教授はこれ
までに、ミトコンドリア病の診
断バイオマーカーとしてGDF15
を発見し、国内特許を取得し、
その診断精度は感度・特異度98
%であることを示しました。そ
の後、日本医療研究開発機構(
AMED)の研究支援を受け、株式
会社医学生物学研究所(MBL )
と共同で、大病院で使用されて
いる汎用自動分析機器に搭載す
ることでGDF15 を測定できる診
断薬(LTIAデバイス)を世界に
先駆けて開発しました。

 新たに開発した診断薬を用い
た場合、これまでは研究室で検
査技師が時間をかけて行ってい
たGDF15 の測定を10分という測
定時間で迅速に、しかも全自動
で大量の検体が処理可能となり、
かつ1検体当たりの測定単価は
従来の25%と非常に安価となり
ます。この診断薬によるミトコ
ンドリア病診断の性能は、感度
94.0%、特異度91.0%と、これ
まで研究室での測定に使用して
きたELISA 製品と同等であり、
日本の診断薬としての要件を十
分満たすことが検証されました。

 研究グループは、「この技術
により、専門医のいない病院に
おいても、ミトコンドリア病を
早期発見、早期治療することが
可能となる。また、従来、ミト
コンドリア病の診断根拠として
用いられていた乳酸値の高値は、
3歳未満の子どもでは、採血の
ために腕を駆血したり泣いたり
することで容易に乳酸値が高く
なり、それが誤診の原因となっ
ていた。GDF15 は駆血の影響を
受けず、何度も繰り返し乳酸を
測定する必要も無くなるため、
患者さんの負担も減る。GDF15
は既にミトコンドリア病を診断
する際の重要な検査となってい
る」と、述べています。

ミトコンドリア病の治療につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 
 九傑が駆血帯を巻いた。 笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 大阪大学が10月22日、レーザ
ー光を非線形光学結晶に照射し
た際に局所的に発生する「テラ
ヘルツ波」を利用して,0.5ミリ
未満の早期乳ガンを、染色せず
に高い精度でテラヘルツイメー
ジングすることに初めて成功し
たと発表したと発表したのは、
素晴らしい業績です。テラヘル
ツ波は、周波数にして0.1~10
テラヘルツの電磁波を指し、光
と電波の中間帯に位置して特に
イメージングでは、X線とは異
なり、物質を被曝させずに可視
化することができることから、
それに代わる安心安全な評価技
術として注目されているという
ことで、驚天動地の凄い技術で
あることに感心しました。
 久留米大学が10月22日、ミト
コンドリア病の迅速かつ全自動
診断デバイスを、世界に先駆け
て開発したと発表したのは素晴
らしい業績です。古賀教授はこ
れまでに、ミトコンドリア病の
診断バイオマーカーとしてGDF1
5 を発見し、国内特許を取得し
ています。その診断精度が感度・
特異度98%であることを示して
いることだけでも凄いのに、こ
の技術により、専門医のいない
病院においても、ミトコンドリ
ア病を早期発見、早期治療する
ことが可能となるということは、
患者さんやご家族にとって本当
に、ありがたいことだと私は考
えています。

 早期発見を想起する技術です。


 
 
 
 
 
 
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