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診療マル秘裏話  Vol.828 令和1年10月23日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)アルデヒド脱水素酵素阻害剤等が,子宮体ガン抑制
2)運動が身体の炎症・老化を抑制する分子メカニズム

 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】アルデヒド脱水素酵素阻害剤等が,子宮体ガン抑制

 
 
 
 
 
 新潟大学は9月27日、子宮体
ガン幹細胞の培養に成功し、ア
ルデヒド脱水素酵素の阻害剤お
よび糖取り込み阻害剤が、抗が
ん剤パクリタキセルと協調して、
子宮体ガンの増殖を抑制するこ
とを明らかにしたと発表しまし
た。この研究は、同大大学院医
歯学総合研究科産科婦人科学分
野の榎本隆之教授、石黒竜也助
教らの研究グループが、同循環
器内科学分野南野徹教授、国立
ガン研究センター研究所の岡本
康司分野長らと共同で行ったも
のです。研究結果は「Stem Cel
l Reports 」に掲載されていま
す。

子宮体ガンは早期であれば再発
率が低く予後は良好ですが、遠
隔転移を認める例や高悪性度の
場合には未だに予後不良な疾患
です。また、現在使用されてい
る治療薬が少ないため、治療に
難渋する例も多く、新たな治療
薬の開発が望まれています。近
年、ガンの増殖や転移、治療抵
抗性に関わる「ガン幹細胞」の
研究が進み、「ガン幹細胞」を
標的とした治療戦略の開発が期
待されています。ガン幹細胞の
研究において、臨床患者さんの
腫瘍からガン幹細胞を培養する
ことは大変有用です。 しかし、
子宮体ガンの腫瘍を用いたガン
幹細胞の安定的な培養法はこれ
まで十分に報告されてませんで
した。今回の研究ではまず、予
後不良な高悪性度の子宮体ガン
患者さんから提供されたガン組
織を用いて、ガン幹細胞の安定
的な培養に成功しました。同細
胞を免疫不全マウスへ移植し、
患者さんの腫瘍と同様の腫瘍を
形成することを確認しました。

また、子宮体ガン幹細胞を特定
するマーカーとして、他のガン
腫でも報告のある「アルデヒド
脱水素酵素(ALDH)の活性」が
有効である可能性を見出しまし
た。アルコール依存症の治療薬
として使用されている「ジスル
フィラム」などを用い、アルデ
ヒド脱水素酵素の活性を抑制す
ることで、子宮体ガンの増殖が
抑制されることが分かりました。

さらに、アルデヒド脱水素酵素
が高活性の子宮体ガン幹細胞に
おいて、細胞内のエネルギー代
謝に関わる「解糖系」が亢進し
ていることを発見しました。特
に糖(グルコース)の取り込み
が重要であり、糖の取り込みに
関わる糖輸送体GLUT1 の働きを
抑えることで、子宮体ガンの増
殖が抑制されることを見出しま
した。加えて、アルデヒド脱水
素酵素が高活性のガン幹細胞は、
現在子宮体ガン治療に使用され
ている抗ガン剤「パクリタキセ
ル」に反応しにくいことも判明
しました。パクリタキセルにア
ルデヒド脱水素酵素活性の阻害
剤または糖輸送体の阻害剤を併
用することで、協調的に子宮体
ガンの増殖を抑制できることを
明らかにしました。

これらの研究結果により、アル
デヒド脱水素酵素阻害剤または
糖取り込み阻害剤が子宮体ガン
の新たな治療薬として臨床応用
される可能性があります。「ア
ルデヒド脱水素酵素阻害薬のジ
スルフィラムは抗酒薬として国
内で既に保険収載されており、
今後の子宮体ガン治療への使用
が期待される」と、研究グルー
プは述べています。

子宮体ガンについて解説してい

る動画です。

 
 


 
 
 
 協調して動くことを強調した。


 
 
 
 
 
 
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2】 運動が身体の炎症・老化を抑制する分子メカニズム

 
 
 
 
 
 東京都健康長寿医療センター
は9月27日、運動が身体の炎症・
老化を抑制する分子メカニズム
を明らかにしたと発表しました。
同研究は、同センターと国立障
害者リハビリテーションセンタ
ー研究所運動機能系障害研究部
分子病態研究室、シンガポール
国立大学などとの共同研究グル
ープによるものです。研究成果
は「Science Advances」に掲載
されました。とくに高齢者で見
られる骨粗鬆症は、大腿骨頚部
骨折など生命維持に影響を与え
る可能性があるケガの原因とな
り、また、認知機能障害などさ
まざまな身体機能低下につなが
ります。先行研究において、運
動が骨粗鬆症の予防・治療に重
要なことは分かっていましたが、
運動が骨の健康を維持する仕組
みは明らかになっていませんで
した。

また、運動は身体のほとんどの
臓器・組織において炎症・老化
を抑制する効果があることは分
かっていましたが、その仕組み
については、明らかになってい
ませんでした。研究グループは、
普通に運動をしているマウスに
おいて、力を感知する蛋白質Ca
s が骨細胞の核内に分布し、細
胞・組織の炎症・老化に関与す
る蛋白質NF-κBの活性が低下す
ることで、骨破壊へのプロセス
が抑制されていることを発見し
ました。マウスの片方の後ろ足
の運動性を低下させ、マウスが
歩く、走るなどした時に骨に加
わる衝撃を弱めたところ、骨細
胞でCas が核外に分布し,NF-κ
B の活性を低下させることがで
きず、骨破壊へのプロセスが活
性化され、骨量が減少すること
が分かりました。また、骨細胞
でCas が欠損する遺伝子改変マ
ウスでは、普通に運動している
状態でも、骨に衝撃が加わらな
い状態と同様に骨量が減少して
いたということです。

骨に衝撃を与えた時に起きる骨
内の組織液(間質液)の流動で
骨細胞に加わる力学的刺激を培
養骨細胞に加えたところ、Cas
が核内に分布しNF-κB活性を低
下させ、破骨細胞分化へのプロ
セスを抑制していました。この
培養骨細胞への10分間の力学的
刺激の効果は、その後24時間以
上持続したということです。

今回、研究グループは骨への衝
撃の効果を検証しましたが、骨
以外の組織においても「間質液
流動→細胞に力学的刺激→Cas
が核内に分布→NF-κBの活性抑
制」という分子の仕組みが、運
動の炎症抑制・抗老化効果に関
与していることが考えられると
いうことです。今回の研究は、
間質液の動きを促進することが
健康維持法としての運動の本質
であり、障害などで運動できな
い人にも適用可能な擬似運動治
療法の開発につながる可能性を
見出せた、と研究グループは述
べています。

老化を防ぐ究極の方法について

解説している動画です。

 
 


 
 
 懸賞金のゆくえの検証を行う。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 子宮体ガン幹細胞を特定する
マーカーとして、他のガン腫で
も報告のある「アルデヒド脱水
素酵素(ALDH)の活性」が有効
である可能性を見出したのは、
素晴らしい業績です。 しかし、
アルコール依存症の治療薬とし
て使用されている「ジスルフィ
ラム」などを用い、アルデヒド
脱水素酵素の活性を抑制するこ
とで、子宮体ガンの増殖が抑制
されることが分かったかも知れ
ませんが、こうした薬剤を使用
することで、アルデヒドの体内
での存在時間が延びて、遺伝子
を傷つけ、他のガンの発生に、
寄与するという危惧は考慮しな
くて良いのでしょうか?子宮体
ガンの増殖が抑制されても他の
ガンを誘発するようでは、余り
良い治療手段であるとは、言え
ない気がします。
 東京都健康長寿医療センター
が9月27日、運動が身体の炎症・
老化を抑制する分子メカニズム
を明らかにしたと発表したのは
素晴らしい業績です。 老化を
抑制する分子メカニズムを解明
できたとすれば、その分子メカ
ニズムを利用して、アンチエイ
ジングを達成することも夢では
ないと考えられます。 今回の
研究は、間質液の動きを促進す
ることが,健康維持法としての
運動の本質であり、障害などで
運動できない人にも適用可能な
擬似運動治療法の開発につなが
る可能性を見出したとすれば、
画期的な運動治療法と言えるの
ではないでしょうか?障害など
で運動できない人にも適用可能
な擬似運動治療法の開発という
ものに私は非常に興味を持ちま
した。

 化膿の可能性を指摘した。笑

 
 
 
 
 
 
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