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2021-09-07 20:16:12

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診療マル秘裏話  号外Vol.1952 令和2年11月6日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)進行前立腺ガンの弱点突く,新治療薬開発に成功
2)PGE2異所性脂肪蓄積惹起し生活習慣病発症促進

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 進行前立腺ガンの弱点突く,新治療薬開発に成功

 
 
 
 
 
 金沢大学は10月13日、進行前
立腺ガンの弱点を突く新しい治
療薬の開発に成功したと発表し
ました。これは、同大ガン進展
制御研究所の河野晋特任助教と
髙橋智聡教授らの研究グループ
によるものです。研究成果は、
「Oncogene」オンライン版に掲
載されています。

 前立腺ガンは、胃ガンや肺ガ
ン、大腸ガンなどと並び、男性
が罹患するガンの中でも患者数
が多く、特に60歳以上の高齢男
性の罹患率が高いガンです。比
較的に進行が遅い特徴を持って
いますが、転移することがあり、
すでに他臓器に広がっている場
合は「進行前立腺ガン」と呼ば
れます。進行前立腺ガンは、男
性ホルモンを抑える薬を投与し
て治療しますが、このホルモン
療法を続けていると2年ほどで
効果が出にくくなることもあり、
新しい治療法の開発が期待され
ています。

 進行前立腺ガンにおいて10~
30%の割合で発生する「RB1 遺
伝子」欠失に付随して起こる「
SUCLA2遺伝子」欠失に研究グル
ープは注目しました。ガンを抑
制するRB1 遺伝子は、網膜芽細
胞腫や小細胞肺ガンの発症時に
変異・欠失したり、前立腺ガン
のようにガンが進行するときに
欠失したりします。また、SUCL
A2遺伝子は、クエン酸回路を構
成する代謝酵素の1つをコード
しており、生殖系列における変
異はミトコンドリア脳筋症とい
う遺伝疾患を引き起こします。
また、SUCLA2遺伝子の欠失によ
り、ガン細胞の代謝経路に脆弱
性をもたらします。

 今回研究グループは、SUCLA2
遺伝子を標的としてガンの進行
を抑制する新しい治療薬剤を開
発しました。およそ2,000 個の
化合物を調査した結果、「チモ
キノン」と呼ばれる化合物が、
SUCLA2遺伝子欠失のガン細胞に、
細胞死を誘導し、進行前立腺ガ
ンの治療に効果的であることを
明らかにしました。チモキノン
は、「ブラッククミンシード」
と呼ばれる植物ニゲラサティバ
の抽出物の有効成分です。抗酸
化作用があるとされ、炎症、肝
臓病、ガンやアルツハイマー病
への効能が期待されています。
チモキノンが結合する分子標的
はまだ判明していません。

 RB1 遺伝子欠失は、一般にガ
ンの生育のための助けとなりま
すが、進行前立腺ガンのかなり
の割合がRB1 遺伝子に加えてSU
CLA2遺伝子の欠失を抱えてしま
うため、そのことがかえって、
本症の弱点となります。「今回
の研究によって見いだされた治
療薬は、今後、進行前立腺ガン
だけではなく、SUCLA2遺伝子欠
失が一定程度の患者さんにおい
て観察されている肝細胞ガンな
ど、様々なガンの新しい治療に
もつながることが期待される」
と、研究グループは述べていま
す。

金沢大学の前立腺ガンの治験に

ついてのニュース動画です。

 
 


 
 
 
 本症の弱点を突いた治療によ
り、ガン細胞が本性を現す。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 PGE2異所性脂肪蓄積惹起し生活習慣病発症促進

 
 
 
 
 
 熊本大学は10月12日、プロス
タグランジン(PG)E2が、その
受容体EP4 を介して脂肪分解と
線維化を促進し、肝臓への異所
性脂肪の蓄積を引き起こして糖
尿病などの生活習慣病の発症を
促すことを世界で初めて明らか
にしたと発表しました。これは、
同大大学院生命科学研究部の杉
本幸彦教授、稲住知明助教らの
研究グループが、東京大学大学
院医学系研究科の村上誠教授、
熊本大学大学院生命科学研究部
の猿渡淳二教授、尾池雄一教授、
佐々木裕名誉教授、日本赤十字
社熊本健康管理センターの緒方
康博名誉所長らと共同で行った
ものです。研究成果は「Cell R
eports」に掲載されています。
 脂肪組織は、過剰なエネルギ
ーを貯蔵する組織であり、絶え
ず脂肪の合成と分解が行われ、
両者のバランスで脂肪蓄積量が
決まります。最近の研究で、脂
肪組織の線維化によって脂肪細
胞が脂肪を蓄積できなくなると
脂肪分解が進み、肝臓に異所性
脂肪が蓄積し(脂肪肝)、イン
スリン抵抗性が引き起こされる
ことが分かってきました。した
がって、脂肪分解の制御は代謝
性疾患の成因を考える上で重要
な要素となります。

 これまで、脂肪分解は絶食時
に放出されるグルカゴンや、低
温暴露で分泌されるエピネフリ
ンによって促進されることが知
られていましたが、他にどのよ
うな刺激で促進されるのかは明
らかにされておらず、脂肪組織
の線維化がどのような制御を受
けるのかについても不明でした。

 研究グループは、脂肪細胞の
機能に影響を与えるPG受容体を
同定するため、8種類のPG受容
体欠損マウスを比較しました。
その結果、受容体EP4 欠損マウ
スは白色脂肪組織(WAT )の重
量が増加するものの、肝脂肪の
蓄積が少なくインスリン感受性
も高い「代謝健康肥満」の表現
型を示しました。

 脂肪細胞特異的EP4 欠損マウ
スやEP4 作動薬を用いた一連の
研究により、摂食時のインスリ
ン刺激がWAT のEP4 経路を動か
し、脂肪リパーゼ関連分子を介
して脂肪分解を促進すること、
また、EP4 経路はコラーゲンの
発現亢進により、WAT の線維化
を促進することを発見しました。
つまり、摂食(インスリン)刺
激がWAT のEP4 経路を活性化し、
脂肪分解と線維化をともに促す
ことを見出しました。このEP4
の作用は、元来絶食から再摂食
への個体の環境適応に寄与する
ものですが、現代の飽食環境に
おいては、摂食の度にEP4 が脂
肪分解と線維化を亢進させ、糖
尿病など生活習慣病の発症を招
いてしまうと考えられます。

プロスタグランジンについて

解説している動画です。ただし

牛乳の摂取は、お勧めしません。

 
 


 
 
 
 口唇傾向の亢進を新生児で認
める。          笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 金沢大学が10月13日、進行前
立腺ガンの弱点を突く新しい治
療薬の開発に成功したと発表し
たのは、偉大な業績です。ただ
し、進行前立腺ガンにおいて10
~30%の割合で発生する「RB1
遺伝子」欠失に付随して起こる
「SUCLA2遺伝子」欠失がターゲ
ットであるので、進行性前立腺
ガンの70%~90%はチモキノン
が効かないということになりま
す。したがって、進行性前立腺
ガンの多くは、チモキノンが効
かないと考えられるので、そこ
が残念と言わざるを得ません。
 熊本大学が10月12日、プロス
タグランジン(PG)E2が、その
受容体EP4 を介して脂肪分解と
線維化を促進し、肝臓への異所
性脂肪の蓄積を引き起こして糖
尿病などの生活習慣病の発症を
促すことを世界で初めて明らか
にしたと発表したのは、素晴ら
しい業績です。摂食(インスリ
ン)刺激がWAT のEP4 経路を活
性化し、脂肪分解と線維化をと
もに促すことを見出し、糖尿病
など生活習慣病の発症を招いて
しまうということですので、食
べれば、食べるほど生活習慣病
のリスクが増えるということで
しょう。

 医書で異所性脂肪の蓄積につ
いて調べる。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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