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2021-09-06 22:08:59

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診療マル秘裏話  号外Vol.1951 令和2年11月5日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
目次

1)腫瘍細胞由来血中循環遊離DNA の血液検査発表
2)急性肝性ポルフィリン症のRNA干渉薬の国内承認申請

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 腫瘍細胞由来血中循環遊離DNA の血液検査発表

 
 
 
 
 
 岩手医科大学は10月12日、ガ
ン由来のDNA (腫瘍細胞由来血
中循環遊離DNA、circulating t
umor DNA:ctDNA )を用いた血
液検査が、CT検査や腫瘍マーカ
ー検査に比べ、高い精度で早期
再発検出、治療効果判定、およ
び無再発状態確定に役立つこと
を発表しました。これは同大外
科学講座の岩谷岳准教授、医歯
薬総合研究所医療開発研究部門
の西塚哲教授らの研究グループ
と、札幌医科大学フロンティア
医学研究所ゲノム医科学部門の
時野隆至教授、医療人育成セン
ター生物学教室の佐々木泰史教
授、国立ガン研究センター研究
所細胞情報学分野連携研究室の
増田万里主任研究員らとの共同
研究によるものです。研究成果
は「Gastroenterology」の電子
版に掲載されています。

 ガン患者さんの診療における
治療方針の決定、治療効果判定、
治療後の再発診断にはCTスキャ
ンや血液腫瘍マーカーが用いら
れています。CTスキャンは進行
度診断再発診断に不可欠な検査
ではありますが、放射線被曝や
微小病変の診断精度が問題点と
なっています。一方、血液を用
いた腫瘍マーカー検査は簡便で
すが偽陽性/偽陰性が多く、診
療経過中の腫瘍量の増減を正確
に反映していない症例も数多く
見られます。

 血中には体内の細胞から遊離
したDNA 断片が存在しますが、
ガン患者さんではガン細胞から
遊離したctDNA も循環していま
す。ctDNA は、ガン細胞に由来
するため個々の患者さんのガン
に生じている特有の変異を共有
しており、個別化血液バイオマ
ーカーとして近年注目されてい
ます。さまざまなガンでctDNA
を用いた診断の有用性を期待す
る報告がされていますが、その
実用性に関する検証は少なく、
いまだ日常検査には至っていま
せん。

 ctDNA 検査法は次世代シーク
エンサー(Nextgenerationsequ
encer:NGS)を用いた方法とデ
ジタルPCR を用いた方法に大き
く分けられます。前者は多数の
遺伝子異常を同時に解析可能で
あり、薬物療法の根拠となる変
異の同定などスクリーニング検
査に優れています。しかし、解
析費用が高額かつ検査に時間が
かかるためくり返し行われる検
査としては普及させにくいのが
現状です。一方、デジタルPCR
は、少数の変異のみを解析する
方法ですが、対象とする変異に
対してはNGS 解析に比較して10
~100 倍の検出感度を有する他、
検査時間が短く安価なため、く
り返し検査に適した手法です。
そこで研究グループは、デジタ
ルPCRによるctDNA検査が、再発
リスクを有する食道ガン治療後
の検査に有効かどうかを検証し
ました。

 ステージ1から4の食道ガン患
者さんを対象とし、食道ガンで
高頻度に異常が見られる31遺伝
子の変異スクリーニングを実施
しました。患者さん特有の変異
を用いてデジタルPCR により診
療経過中のctDNA の推移を追跡
し、CTスキャンや腫瘍マーカー
との比較検討を行いました。

 その結果、ctDNA 陰性化が見
られた患者さんでは、高度進行
ガンであっても長期生存が得ら
れました。また、再発が見られ
た患者さんではCTスキャンより
約5か月早くctDNAの上昇が確認
されました。さらに、手術、放
射線治療、化学療法の治療効果
に合わせてctDNA の増減が見ら
れ、治療終了後無再発の患者さ
んではctDNA の陰性状態が維持
されていました。ctDNA による
追跡を行った91%の症例で、「
再発増大の早期予測」「治療効
果の正確な判定」「無再発状態
の確認」の1つ以上の項目で臨
床検査としての妥当性を有する
ことが明らかになりました。い
ずれの項目でもctDNA 検査は既
存の血液腫瘍マーカーに比べて
より多くの症例で臨床所見の推
移に合致していました。

 また、食道ガン治療経過中の
ctDNA の推移を調べた所、既存
の腫瘍マーカー検査ではおそら
く困難であったような、治療が
奏功した場合のctDNA の陰性化、
再発に先行したctDNA の上昇、
治療後の無再発状態でのctDNA
陰性の維持など、ctDNA が迅速
に必要な情報を反映しているこ
とが確認できました。ctDNA と
食道ガン患者さんの予後に関す
る検討では、治療開始後にctDN
A が陰性化する患者さんは治療
後もctDNA 陽性を維持する患者
さんに比べ有意に予後が良いこ
とが示されました。以上から、
治療経過に合わせ複数の採血ポ
イントでctDNA の変動を追跡す
ることが重要と考えられます。

 超高感度デジタルPCR 検査を
行うことで、ctDNA 検査は採血
という小さな体の負担のみで、
既存のCTスキャンより高い精度
で治療後食道ガンの診断が可能
になります。「デジタルPCR を
活用した本手法は導入しやすく、
既存の検査システムを大きく改
善する可能性がある」と、研究
グループは述べています。

ctDNA について解説している

動画です。英語が苦手な方は、

自動翻訳で、日本語字幕でご覧

下さい。

 
 


 
 
 
 樹木の選定と剪定を行う。笑

 
 
 
 
 
 
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2】 急性肝性ポルフィリン症のRNA干渉薬の国内承認申請

 
 
 
 
 
 米系製薬のアルナイラムジャ
パン(東京都千代田区)は、急
性肝性ポルフィリン症(AHP)
向けのRNA干渉薬「ギボシラ
ン」の国内承認申請を行ったと
発表しました。AHPは遺伝性
の希少疾患で有効な治療法があ
りません。日本で承認されてい
るRNA干渉薬としては、同社
のトランスサイレチン型家族性
アミロイドポリニューロパチー
の治療薬「オンパットロ」があ
り、承認されれば2品目となり
ます。

 RNA干渉薬は核酸医薬の一
種で、遺伝情報伝達を担うメッ
センジャーRNAを分解します。
ギボシランはAHPの症状であ
るポルフィリン過剰産出をひき
おこす「アミノレブリン酸合成
酵素1(ALAS1)」を狙い、
その遺伝子発現を防ぎます。

 核酸医薬はスプライシング制
御を機序とするアンチセンス核
酸と、RNA干渉を機序とする
siRNAに大別されます。ア
ルナイラムはRNA干渉薬に特
化しました。ギボシランは「ギ
ブラーリ」の製品名で米欧で発
売されています。

ポルフィリン症の症状と治療に

ついて解説している動画です。

 
 


 
 
 過剰産出の産出量を算出した。


 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 岩手医科大学が10月12日、ガ
ン由来のDNA (腫瘍細胞由来血
中循環遊離DNA、circulating t
umor DNA:ctDNA )を用いた血
液検査が、CT検査や腫瘍マーカ
ー検査に比べ、高い精度で早期
再発検出、治療効果判定、およ
び無再発状態確定に役立つこと
を発表したのは、喜ばしいこと
です。デジタルPCR を活用した
本手法は、患者さんの侵襲が少
ないことと既存のCTスキャンよ
り高い精度で、治療後食道ガン
の診断が可能なことであるため、
導入しやすいことが分かってい
ます。既得権益を恐れず、既存
の検査システムを大きく改善す
る可能性を追求して欲しいもの
です。
 米系製薬のアルナイラムジャ
パン(東京都千代田区)が、急
性肝性ポルフィリン症(AHP)
向けのRNA干渉薬「ギボシラ
ン」の国内承認申請を行ったと
発表したのは、喜ばしいことで
す。ギボシランはAHPの症状
であるポルフィリン過剰産出を
ひきおこす「アミノレブリン酸
合成酵素1(ALAS1)」を
狙い、その遺伝子発現を防ぐこ
とで、病気の改善を図る薬です。
核酸医薬はスプライシング制御
を機序とするアンチセンス核酸
と、RNA干渉を機序とするs
iRNAに大別されますが、ト
ランスサイレチン型家族性アミ
ロイドポリニューロパチーの治
療薬「オンパットロ」に続いて、
承認されればRNA干渉を機序
とするsiRNA2品目となる
のは素晴らしいことです。

 RNA干渉の開発で完勝した。


 
 
 
 
 
 
 
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