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2021-09-02 17:14:30

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診療マル秘裏話  号外Vol.1947 令和2年10月31日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)肺腺ガンで,腫瘍細胞粘液発現タイプ解析予後予測
2)抗ガン剤・HBI-8000,日本で提携企業が承認申請

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 肺腺ガンで,腫瘍細胞粘液発現タイプ解析予後予測

 
 
 
 順天堂大学は10月8日、肺ガ
ンの一種である浸潤性粘液性肺
腺ガンにおいて、腫瘍細胞の粘
液発現タイプを解析することに
より、患者さんの予後が予測で
きる可能性を見出したと発表し
ました。この研究は、同大医学
部人体病理病態学講座の岸川さ
つき助手、林大久生准教授、齋
藤剛准教授、呼吸器外科学講座
の高持一矢准教授らが、国立ガ
ン研究センターの研究グループ
と共同で行ったものです。研究
成果は、「Modern pathology」
オンライン版に掲載されていま
す。

 肺ガンは国内においてガンに
よる死亡の一位を占めており、
なかでも、肺腺ガンの一種であ
る浸潤性粘液性肺腺ガンは、い
まだ効果的な治療法がなく、化
学療法、外科手術、放射線治療
を組み合わせた治療が行われて
います。また、分子標的治療の
対象となり得る遺伝子異常が少
なく、患者さんの予後に個人差
があることが課題でした。浸潤
性粘液性肺腺ガンには限局性病
変を形成する予後のよい群と、
両側の肺に広く進展する予後の
悪い群があることですから、患
者さんのよりよい治療法選択の
ために、このような群を簡便に
区別する方法の開発が必要とさ
れています。そこで今回、研究
グループは、浸潤性粘液性肺腺
ガンを区別し、診断の細分化と
患者さんの予後を予測すること
を目的に浸潤性粘液性肺腺ガン
の粘液に着目して、網羅的遺伝
子解析と粘液発現パターンを組
み合わせた解析を進めました。

 研究グループは、順天堂医院
で患者さんから切除された浸潤
性粘液性肺腺ガンの組織に対し、
次世代シークエンサーを用いた
網羅的遺伝子解析と免疫組織化
学による蛋白質発現の統合的解
析を実施しました。腫瘍の分子
病理学的特徴や粘液発現パター
ンを詳細に調べました。その結
果、浸潤性粘液性肺腺ガンの全
ての再発は肺内に限局し、肺外
転移もみられなかったことから、
一般的な肺腺ガンとは大きく異
なる特徴をもつことが判明しま
した。さらに、遺伝子解析の結
果からガンの発生・進展に直接
的に重要な役割を果たすドライ
バー遺伝子の変異として約3分
の2にKRAS変異がみられ、一般
的な肺腺ガンで見られるEGFR変
異、ALK、ROS1、RET融合遺伝子
は認めませんでした。 そして、
KRAS変異型の方がKRAS野生型に
比べ予後不良であることが分か
りました。

 一方、粘液発現パターン解析
の結果では、粘膜の粘性物質ム
チンMUC1およびMUC4陽性例は陰
性例に比べ予後不良でした。さ
らに、ヒトでは通常発現の無い
MUC6が高発現する症例群は、MU
C6陰性・低発現の症例群に比べ
予後良好であり、MUC6高発現群
においては1例も再発、死亡を
認めないことが判明しました。
そして、MUC6高発現症例は、よ
り小さな腫瘍径、女性、KRAS野
生型と有意に関連していること
が明らかとなりました。これら
の結果から、浸潤性粘液性肺腺
ガンにおける腫瘍の粘液発現パ
ターンを調べることで、患者さ
んの予後が予測できる可能性を
見出しました。今回の研究でMU
C6が高発現するタイプの浸潤性
粘液性肺腺ガンでは、良好な予
後が期待できることが分かりま
した。

 今回の研究成果は、これまで
不明であった浸潤性粘液性肺腺
ガンの予後と腫瘍の粘液発現タ
イプとの関係を明らかにし、今
後の肺腺ガンの診断の細分化と
治療法選択に大きく道を開く可
能性を示したとしています。現
在、浸潤性粘液性肺腺ガンは患
者さんによって様々な予後をた
どりますが、外科的治療以外の
治療としては一般的な化学療法
が選択されています。同研究の
成果は、浸潤性粘液性肺腺ガン
症例のガン細胞の粘液発現パタ
ーンを調べ、MUC6の高発現を認
めた場合には患者さんに良好な
予後が期待できることを示して
います。今後、さらなる研究に
より本成果を検証することで、
肺腺ガンにおける予後と結びつ
いた診断および適切な治療選択
によるガン個別化医療の発展が
期待される、と研究グループは
述べています。

肺腺ガンについて解説している

動画です。

 
 


 
 
 八点の発展方法を追求した。


 
 
 
 
 
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2】 抗ガン剤・HBI-8000,日本で提携企業が承認申請

 
 
 
 
 
 Meiji Seika ファルマは10月
7日、抗ガン剤・HBI-8000(開
発コード、一般名:ツシジノス
タット)について、提携企業の
米HUYA Bioscience Internatio
nal(HUYABIO)の日本法人が日
本で承認申請したと発表しまし
た。予定適応は、再発・難治の
成人T細胞白血病・リンパ腫(
ATLL)。Meiji は同剤を日本で
独占的に販売する権利を持って
います。

 HBI-8000はヒストン脱アセチ
ル化酵素(HDAC)を阻害するベ
ンズアミド系の経口剤で、エピ
ジェネティックな作用を有しま
す。クラスI(HDAC1、2、3)と
クラスIIb(HDAC10)のHDAC を
阻害することで、腫瘍細胞中で
アセチル化されたヒストン (H3
およびH4 )の集積を促します。
これによって、腫瘍細胞の増殖
停止に関与する複数の蛋白発現
を変化させ、ガン微小環境にお
ける免疫遺伝子の発現を調整す
るPD-L1 の核内移行を制御する
ことにより、腫瘍免疫力を増強
させます。

 HBI-8000は免疫チェックポイ
ント阻害薬のような抗ガン剤と
の併用により、効果を増強する
ことが示されているということ
です。

 Meijiは、「HUYABIOと協力し
てHBI-8000の一日でも早い開発、
普及を目指すとともに、ガン治
療薬並びにガン支持療法に用い
られる感染症治療薬などの提供
に全力で取り組む」としていま
す。

成人T細胞白血病・悪性リンパ腫

について解説している動画です。

 
 


 
 
 ガン支持療法を指示した。笑

 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 順天堂大学が10月8日、肺ガ
ンの一種である浸潤性粘液性肺
腺ガンにおいて、腫瘍細胞の粘
液発現タイプを解析することに
より、患者さんの予後が予測で
きる可能性を見出したと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
今回の研究成果で、これまで不
明であった浸潤性粘液性肺腺ガ
ンの予後と腫瘍の粘液発現タイ
プとの関係を明らかにし、今後
の肺腺ガンの診断の細分化と治
療法選択に大きく道を開く可能
性を示したのは、喜ばしいこと
です。しかし、粘液発現タイプ
で、予後不良とされた患者さん
は、絶望する可能性があり結果
次第で、天国と地獄に振り分け
られる気がしてなりません。
 Meiji Seika ファルマが10月
7日、抗ガン剤・HBI-8000(開
発コード、一般名:ツシジノス
タット)について、提携企業の
米HUYA Bioscience Internatio
nal(HUYABIO)の日本法人が日
本で承認申請したと発表したの
は喜ばしいことです。エピジェ
ネティックな作用で腫瘍細胞の
増殖停止に関与する複数の蛋白
発現を変化させ、ガン微小環境
における免疫遺伝子の発現を調
整するPD-L1 の核内移行を制御
することにより、腫瘍免疫力を
増強するという今までにない、
作用機序の抗ガン剤と言えまし
ょう。HBI-8000は免疫チェック
ポイント阻害薬のような抗ガン
剤との併用により、効果を増強
することが示されていることも
ユニークな点だと理解しました。

 左様な作用機序は、ユニーク
だ。           笑

 
 
 
 
 
 
 
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