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2021-07-20 18:50:42

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診療マル秘裏話  号外Vol.1910 令和2年9月18日作成
作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
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目次

1)低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬を,発売
2)武漢熱ウイルス感染で早期にIL-6増加し,PAI-1放出

 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
1】 低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬を,発売

 
 
 
 
 
 グラクソ・スミスクライン株
式会社は8月26日、経口の低酸
素誘導因子プロリン水酸化酵素
阻害薬(hypoxia-inducible fa
ctor prolyl-hydroxylase inhi
bitor、以下HIF-PHI)である「
ダーブロック錠」(一般名:ダ
プロデュスタット)について、
腎性貧血を効能・効果として、
同日より発売したと発表しまし
た。ダーブロック錠は、経口の
低酸素誘導因子プロリン水酸化
酵素阻害薬です。透析の有無に
関わらず、成人の腎性貧血を効
能・効果とした治療薬です。酸
素を検知するプロリン水酸化酵
素を阻害することで低酸素誘導
因子を安定化し、高地で身体に
生じる生理学的作用と同様に、
赤血球産生や鉄代謝に関与する
エリスロポエチンやその他の遺
伝子の転写を誘導すると考えら
れています。慢性腎臓病(Chro
nic Kidney Disease)の患者さ
んでは、赤血球産生を促すホル
モンであるエリスロポエチンが
十分に産生されないため、貧血
がよく見られます。これを腎性
貧血と呼びます。腎性貧血に対
して注射剤による標準治療はあ
るものの、経口薬による治療に
対するアンメットメディカルニ
ーズがありました。そこで、透
析の有無に関わらず経口投与が
可能で、1日1回投与、低温保管
の必要性がない同剤が、新たな
治療選択肢として開発されまし
た。

 同剤の日本国内における流通・
販売業務は、2018年に締結した
戦略的販売提携契約に基づき、
協和キリン株式会社が独占的に
行う予定です。また、医療機関
等へのプロモーション活動は協
和キリンが実施し、MSL 活動は
協和キリンとGSK が協働で実施
するとしています。

HIF–PH阻害薬について解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
 携行して経口投与可能な薬剤。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 武漢熱ウイルス感染で早期にIL-6増加し,PAI-1放出

 
 
 
 
 
 
 大阪大学は8月24日、武漢熱
ウイルス感染により早期にIL-6
が血中に増加し、このIL-6が血
管から血液凝固を促進する分子
Plasminogen Activator Inhib
itor-1(PAI-1)を,放出させる
ことを発見したと発表しました。
この研究は、同大免疫学フロン
ティア研究センター(IFReC )
免疫機能統御学の姜秀辰(カン・
スジン)助教、岸本忠三特任教
授らの研究グループによるもの
です。研究成果は、「Proceedi
ngs of the National Academy
of Sciences (PNAS)」にオン
ライン掲載されています。世界
中に蔓延する武漢ウイルス感染
症(COVID-19)とそれに起因す
る肺炎の重症化は人類の健康・
福祉にとって克服すべき大きな
課題です。新型コロナウイルス
感染性肺炎の重症化には炎症性
サイトカインIL-6が関与してお
り、その機構を解明するのは重
要と考えられます。今回、研究
グループは、武漢熱ウイルス感
染により早期にIL-6が血中に増
加し、このIL-6が血管から血液
凝固促進する分子「PAI-1 」を
放出させることを発見しました。
PAI-1は、血管内皮細胞や,肝臓、
血小板などに存在し、血管内皮
障害や血小板の崩壊により血中
に放出されます。血中で高い値
を示す場合、血栓の溶解を阻害
し血栓の成長を促進する危険因
子となります。

COVID-19患者さんのPAI-1 レ
ベルは細菌性敗血症または重症
熱傷の患者さんに匹敵する高さ
でした。このことが、肺をはじ
めとする多くの臓器で血栓を作
らせ、血管から液性成分を漏出
させ、炎症の重症化につながり
ます。この事実は実験室系(In
vitro)で血管内皮細胞をIL-6
で刺激するとPAI-1 が誘導され
ることで確認されました。また、
この現象はIL-6の働きをブロッ
クする抗体医薬品トシリズマブ
(製品名:アクテムラ(R))
により抑えられました。今回の
成果から、研究グループは、「
新型コロナウイルス感染におい
てはIL-6が上昇する早期にアク
テムラによってPAI-1 の産生を
抑えることが有効な治療になる
と予測される」と述べています。

武漢熱のサイトカインストーム

について解説している動画です。

 
 


 
 
 
 酸性物質の産生を抑える。笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 グラクソ・スミスクライン株
式会社が8月26日、経口の低酸
素誘導因子プロリン水酸化酵素
阻害薬(hypoxia-inducible fa
ctor prolyl-hydroxylase inhi
bitor、以下HIF-PHI)である「
ダーブロック錠」(一般名:ダ
プロデュスタット)について、
腎性貧血を効能・効果として、
同日より発売したと発表したの
は喜ばしいことです。腎性貧血
が効能とされていますが、私は、
ガンにも効果があるのではない
かと考えています。この考えは、
誤っておりました。謹んで訂正
させて頂きます。この薬剤は、
HIF を阻害するのではなく、分
解を抑制し、HIF を促進するか
らです。むしろ、この薬剤を使
う際は、ガン細胞が増殖する可
能性を考えなくては、いけない
のです。その後、赤血球を増や
して酸素供給が増し、活性酸素
ができることを割り引いて考え
も、ガンの増殖には十分な注意
が必要と言えましょう。
 大阪大学が8月24日、武漢熱
ウイルス感染により早期にIL-6
が血中に増加し、このIL-6が血
管から血液凝固を促進する分子
Plasminogen Activator Inhib
itor-1(PAI-1)を,放出させる
ことを発見したと発表したのは、
素晴らしい業績です。いままで、
なぜ武漢熱ウイルス感染症で、
血栓症が起こるのか不明でした
が、IL-6が感染早期に、血中に
増加することで、PAI-1を,放出
させるというメカニズムが明ら
かになると同時に、IL-6阻害剤
であるアクテムラで,PAI-1の血
管内皮細胞からの誘導が抑制さ
れたということですから重症化
阻止に向けて、アクテムラが有
用であることが証明されました。

 童子と童女が同時に出現した。


 
 
 
 
 
 
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