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2021-07-18 21:07:18

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診療マル秘裏話  号外Vol.1908 令和2年9月15日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)血液で肺ガン原因遺伝子解明リキッドバイオプシー試薬
2)加齢に伴い、オートファジー過剰で生活習慣病を惹起

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 血液で肺ガン原因遺伝子解明リキッドバイオプシー試薬

 
 
 
 
 
 
 
 リコーとDNAチップ研究所
(東京都港区)は、血液から肺
ガンの原因遺伝子をつきとめる
リキッドパイオプシー向け試薬
を共同開発しました。肺ガンは
原因遺伝子の種類によって適切
な薬剤が異なりますが、患者さ
んの肺からガン細胞を採取して
検査する必要があり、侵襲性の
低いリキッドバイオプシーが期
待されています。しかし、血中
の遺伝子は極めて少量のため、
検査の精度が必ずしも十分では
ありません。試薬により事前に
検査精度を確認できます。

 リコーが「スタンダードDN
Aシリーズ」の新製品として「
EGFRミューテーション タイプ
001」を発売しました。DN
Aチップ研究所が先だって発売
したリキッドバイオプシー検査
キットに対応しています。日本
人の非小細胞肺ガン患者さんに
最も多いEGFR遺伝子変異の
有無を正確に調べられます。

 新製品は、成分含有量を明確
にした標準物質からなる試薬で
す。リキッドバイオプシーの手
がかりとなる血中の遊離DNA
には、正常細胞由来のものとガ
ン細胞由来のものが存在します。
これらの比率を模した標準物質
と比較することで、ガン細胞由
来DNAが微量であっても、リ
キッドバイオプシーの精度を確
かめられます。

 スタンダードDNAシリーズ
は、リコーが農研機構などとと
もに実用化したプレート入り試
薬製品群です。インクジェット
技術を使い、DNAを1分子単
位でプレートに注入したもので、
標準物質として研究に使えます。
ウイルス検査用などがあります
が、リキッドバイオプシー用は
今回が初となります。約2年に
わたるDNAチップ研究所との
共同で製品化しました。

 非小細胞肺ガンの代表的な原
因遺伝子としてEGFRやAL
Kなどが知られています。遺伝
子変異ごとに対応した分子標的
薬が複数上市されていますが、
変異を調べるには口や鼻から内
視鏡を差し込む手法が一般的で
す。DNAチップ研究所の的場
亮社長は「複数の遺伝子変異を
同時に調べられる製品も開発中」
と述べており、リコー製品の利
用範囲も広がる可能性がありま
す。

血中遊離腫瘍DNAを扱う日本の

企業の作成動画です。出てくる

のは、簡単な英単語なので映像

をお楽しみください。

 
 


 
 
 童子の同時出現に動じる。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 加齢に伴い、オートファジー過剰で生活習慣病を惹起

 
 
 
 
 
 
 
 大阪大学は8月20日、生活習
慣病を予防する働きのある脂肪
細胞において、加齢に伴いオー
トファジーが過剰となった結果、
脂肪細胞の機能を低下させて生
活習慣病を引き起こすこと、そ
の背景にあるメカニズムを明ら
かにしたと発表しました。これ
は、同大大学院医学系研究科の
山室禎研究生(遺伝学)、医学
系研究科兼生命機能研究科の吉
森保教授(遺伝学/細胞内膜動
態研究室)のグループと、医学
系研究科の下村伊一郎教授(内
分泌・代謝内科学)らと共同研
究によるものです。成果は、「
Nature Communications 」に掲
載されています。老化によって
脂肪細胞の機能が徐々に低下し、
この機能低下が糖尿病や脂質異
常症、脂肪肝といった生活習慣
病の原因になることがこれまで
の研究で明らかになっています。
しかし、そのメカニズムは不明
なままとなっています。オート
ファジーは、細胞内の構成成分
を分解する仕組みであり、新陳
代謝を担うことで細胞の健康を
維持しています。そのためオー
トファジーはさまざまな疾患を
抑制しうることが明らかになっ
ています。

研究グループの吉森教授らは以
前に、「Rubicon 」というオー
トファジーの抑制因子が肝臓や
腎臓など多くの臓器で加齢に伴
って蓄積し、オートファジーを
低下させることで老化を促進し
ていることを明らかにしました。
その一方で、脂肪細胞のオート
ファジーが老化に伴いどのよう
に変化するか、その変化は生活
習慣病の発症にどう影響するか
は未解明のままでした。そこで
今回、老化過程における脂肪細
胞のRubicon に着目して研究を
行いました。まず、老化個体の
脂肪組織におけるRubicon の発
現量を調べました。 その結果、
他の多くの臓器とは異なり、脂
肪組織では加齢に伴いRubicon
が顕著に低下していました。そ
れに伴い、オートファジーが過
剰になっていることも判明しま
した。

次に、脂肪細胞でRubicon 遺伝
子を欠損させ、オートファジー
を過剰にしたノックアウトマウ
スを作製しました。すると、こ
のマウスは若齢にもかかわらず、
痩せと耐糖能異常を示しました。
加えて、血中中性脂肪やコレス
テロールの増加、脂肪肝などの
症状も示したことから、研究グ
ループは、このマウスの症状は
高齢者の痩せや生活習慣病と類
似していると推察しました。

さらに、脂肪細胞でオートファ
ジーを抑制したマウスを老化さ
せたところ、このマウスでは加
齢性の脂肪肝が改善しました。
これらの結果から、脂肪組織の
オートファジー過剰が高齢者の
痩せや生活習慣病の原因となっ
ており、これを抑えることで生
活習慣病を治療しうることが示
唆されました。研究グループは、
Rubicon を抑制してオートファ
ジーを過剰にした脂肪細胞の遺
伝子発現の解析を行いました。
その結果、「PPARγ」という脂
肪細胞機能に必須の蛋白質の働
きが低下していることが分かり
ました。PPARγの発現量はRubi
con を抑制しても変わらなかっ
たため、PPARγの働きを助ける
ことで知られるSRC-1 とTIF2と
いう2つの蛋白質について調べ
た所、これらがオートファジー
によって分解されていることが
判明しました。つまり、老化個
体の脂肪細胞でRubicon が低下
してオートファジーが過剰にな
ると、SRC-1 とTIF2が分解され
て減少します。そのためPPARγ
の働きが弱まり、脂肪細胞の機
能が低下して生活習慣病を引き
起こすと考えられました。

また、個体が飢餓に晒された際
にも、脂肪細胞のRubicon が減
少してオートファジーを高め、
SRC-1 とTIF2が分解されること
も確認しました。これは脂肪細
胞の機能を積極的に下げること
で、脂肪細胞に貯蔵できなくな
った栄養を、飢餓の際に他の細
胞に利用させるためと考えられ
ます。この機構は飢餓という有
事のために存在していますが、
老化によってこの機構が誤って
働いてしまい、その結果、生活
習慣病を引き起こすと考えられ
るということです。

多くの臓器では老化に伴いオー
トファジーが低下しますが、脂
肪細胞では加齢に伴いオートフ
ァジーが過剰となり、生活習慣
病の発症につながりうることが
示されました。今後、脂肪細胞
のオートファジー阻害による生
活習慣病の創薬が期待されます。
山室研究生は、「過ぎたるは猶
及ばざるが如しという言葉の通
り、オートファジーが高い方が
良い、という潮流に一石を投じ
る結果だと考えている」と、述
べています。

オートファジーについて解説し

ている動画です。

 
 


 
 
 
 客船一隻で客船不要論を撤回
させ、一石を投じた。   笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 リコーとDNAチップ研究所
(東京都港区)が、血液から肺
ガンの原因遺伝子をつきとめる
リキッドパイオプシー向け試薬
を共同開発したのは素晴らしい
企画だと思います。 新製品は、
成分含有量を明確にした標準物
質からなる試薬です。リキッド
バイオプシーの手がかりとなる
血中の遊離DNAには、正常細
胞由来のものとガン細胞由来の
ものが混在しているということ
です。これらの比率を模した標
準物質と比較することで、ガン
細胞由来DNAが微量であって
も、リキッドバイオプシーの精
度を確かめられるので高い精度
をもつリキッドバイオプシーを
選んで、実施することが可能に
なるということでしょう。
 大阪大学が8月20日、生活習
慣病を予防する働きのある脂肪
細胞において、加齢に伴いオー
トファジーが過剰となった結果、
脂肪細胞の機能を低下させて生
活習慣病を引き起こすこと、そ
の背景にあるメカニズムを明ら
かにしたと発表したのは画期的
な発見と言えましょう。これま
で、オートファジーが起こると
様々な疾患を抑制することがで
きると言われていましたが、過
ぎたるは猶及ばざるが如しとい
う言葉の通り、オートファジー
が高い方が良い、という潮流に
一石を投じる結果になったのは、
凄いことだと思います。少なく
とも脂肪細胞で、オートファジ
ーが過剰になって良い結果をも
たらすことはないということで
しょう。

 箇条書きにした、過剰になる
要因の数々。       笑

 
 
 
 
 
 
 
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