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2021-06-24 23:20:49

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診療マル秘裏話  号外Vol.1886 令和2年8月21日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)TGF-βの全てを抑制する新規Fc融合蛋白質開発
2)心不全指標血中濃度が低い程,110歳以上に到達

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 TGF-βの全てを抑制する新規Fc融合蛋白質開発

 
 
 
 
 
 
 
 東京医科歯科大学は7月27日、
ガンの悪性化因子であるTGF-β
の全てのアイソフォームを抑制
する新規Fc融合蛋白質を開発し
たと発表しました。これは、同
大大学院医歯学総合研究科硬組
織病態生化学分野の渡部徹郎教
授、井上カタジナアンナ助教と
高橋和樹大学院生らの研究グル
ープは、理化学研究所生命機能
科学研究センター創薬蛋白質解
析基盤ユニットの白水美香子基
盤ユニットリーダーと松本武久
研究員、新潟大学大学院医歯学
総合研究科薬理学分野の吉松康
裕准教授、東京大学大学院医学
系研究科分子病理学分野の宮園
浩平教授、鯉沼代造准教授、赤
津裕一研究員(現・日本化薬株
式会社)との共同研究によるも
のです。研究成果は「Journal
of Biological Chemistry 」オ
ンライン版に掲載され、特に優
れた論文に与えられるEditors’
Picksに選ばれています。近年、
ガン治療の標的として、ガン細
胞のみならず、ガン微小環境の
構成因子である腫瘍血管、ガン
を悪性化させるガン関連線維芽
細胞(CAFs)、ガン免疫を抑制
する制御性T細胞に注目が集ま
っています。ガンの悪性化は、
ガン微小環境におけるさまざま
なサイトカインによって調節さ
れています。こうしたサイトカ
インの中でも、トランスフォー
ミング増殖因子β(TGF-β)は、
ガン微小環境に存在するさまざ
まな種類の細胞から分泌されて、
上皮ガン細胞の上皮間葉移行(
EMT )、腫瘍血管新生、CAFsの
形成、制御性T細胞の分化誘導
などを介して腫瘍環境をガンの
悪性化へと誘うことが明らかに
なっており、ガンの治療標的と
して注目されています。TGF-β
ファミリーには,TGF-β1、-β
2、-β3という3つのアイソフ
ォームが存在しますが、なかで
もTGF-β2の発現は、神経膠芽
腫(グリオーマ)などの難治ガ
ンにおいて高いことが知られて
います。さらに、研究グループ
は最近、腫瘍血管内皮細胞由来
のCAFsがTGF-β2を分泌するこ
とで、ガン細胞のEMT を誘導す
ることを報告しました。つまり、
ガン微小環境の構成因子は、ネ
ットワークを形成し、そのネッ
トワークを制御するTGF-β2の
治療標的としての重要性が高い
ことが明らかになりつつありま
す。

ガン促進シグナルを阻害する蛋
白質製剤(治療薬)を開発する
目的で、ガン微小環境において
存在するサイトカインの受容体
細胞外領域と免疫グロブリンの
Fc領域を融合させたFc融合蛋白
質が開発されていました。TGF-
βは1型受容体(TβR1)と2
型受容体(TβR2)に結合して
そのシグナルを伝達しますが、
TGF-βを標的とした治療薬の候
補としては、2型受容体を用い
たFc融合蛋白質(TβR2-Fc)が
開発されています。TβR2-Fcは
TGF-β1とTGF-β3を効率良く
阻害できるものの、TGF-β2に
対する阻害作用が低いと報告さ
れており、全てのTGF-βアイソ
フォームを阻害できるFc融合蛋
白質の開発が待ち望まれていま
した。

そこで、TβR1とTβR2の両方を
含む新規Fc融合蛋白質(TβR1T
βR2-Fc )を開発しました。こ
の新規TβR1-TβR2-Fcは、TGF-
βの全てのアイソフォームに結
合し、TGF-β2を含む全てのア
イソフォームによるシグナル伝
達を阻害することを示しました。
研究グループは、新規Fc融合蛋
白質の作用について検討を行い
ました。頭頸部ガンに含まれる
口腔ガン由来の口腔扁平上皮ガ
ン細胞の悪性化の指標となる上
皮間葉移行(EMT )はTGF-βに
より誘導されます。TβR2-Fcで
は、TGF-β1とTGF-β3による
EMT 誘導を抑制するにもかかわ
らず、TGF-β2によるEMT 誘導
を抑制できないことが示されま
した。一方、TβR1-TβR2-Fcは、
TGF-βの全てのアイソフォーム
によるEMT 誘導を抑制できるこ
とが明らかになりました。これ
により、頭頸部ガン患者で、TG
F-β2が予後不良因子であるこ
とを見出しました。

また、TGF-β2の発現が高い口
腔ガン細胞の皮下移植モデルを
用いて、TβR1-TβR2-FcがTβ2
-Fc よりも効率良く腫瘍形成を
抑制することを見出しました。
さらに、この作用が腫瘍血管新
生の抑制を介することも分かり
ました。以上の結果から、TβR
1-TβR2-Fcが、ガン微小環境に
存在するTGF-βの全てのアイソ
フォームを標的とした有望な分
子標的治療薬となることが示唆
されました。

ガン微小環境中のサイトカイン
を阻害する分子標的治療薬の候
補として、Fc融合蛋白質が注目
されています。Fc融合蛋白質な
どの蛋白質製剤は、多くの低分
子医薬品よりも血中半減期が長
いことが知られており、治療薬
としての優位性があることが分
かっています。「研究成果より、
TGF-βの全てのアイソフォーム
を阻害できるFc融合蛋白質が、
腫瘍形成をより効率良く抑制で
きることが示された。将来的に
口腔ガンや神経膠芽腫における
ガン微小環境ネットワークシグ
ナルを標的とした新たなガン治
療法への導出が期待される」と、
研究グループは述べています。

TGF-βに就て解説している動画

です。

 
 


 
 
 
 将来的に、講師を招来する。


 
 
 
 
 
 
 
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2】 心不全指標血中濃度が低い程,110歳以上に到達

 
 
 
 
 
 
 
 慶応大などの研究チームは、
110歳以上の超長寿者36人を
含む高齢者の追跡調査から、心
疾患に関連する分子の血中濃度
が低いほど、110歳以上に到
達する可能性が高いことを見い
だしました。超長寿者は心臓の
老化が遅いことを示していると
いい、高齢者の心疾患予防や新
たな治療法開発の糸口になると
期待されています。論文は7月
30日、英科学誌ネイチャー・コ
ミュニケーションズ電子版に掲
載されました。
 慶応大医学部の新井康通専任
講師らは、2000年以降に国内で
行われた高齢者の追跡調査を解
析しました。110歳以上36人
を含む高齢者1427人を対象に、
心疾患や炎症などと関連する9
種類の血液中分子と、寿命との
関連を詳しく調べました。
 その結果、心不全の診断や重
症度判定に用いられる分子「NT
-ProBNP」が105歳以降の余命と
強い関連があることが判明しま
した。血液中濃度が低いほど、
110歳以上に到達する可能性
が高いことが分かりました。
この分子は、心不全など心疾
患があると濃度が上昇しますが、
疾患がなくても心臓の老化によ
って徐々に上がる傾向があると
いうことです。
 新井さんは「100歳を超え
るような人は心臓病は少ないが、
年齢とともにNT-proBNP の濃度
は上がる。心臓の老化が究極的
には人間の寿命を決めているの
ではないか」と話しています。
研究チームには、熊本大、岐
阜薬科大の研究者も参加してい
ます。

BNPについて解説している動画

です。

 
 


 
 
 
 酸化についてのセミナーに、
参加する。        笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 東京医科歯科大学が7月27日、
ガンの悪性化因子であるTGF-β
の全てのアイソフォームを抑制
する新規Fc融合蛋白質を開発し
たと発表したのは、喜ばしい事
です。トランスフォーミング増
殖因子β(TGF-β)は、ガン微
小環境に存在するさまざまな種
類の細胞から分泌されて、上皮
ガン細胞の上皮間葉移行(EMT )、
腫瘍血管新生、CAFsの形成、制
御性T細胞の分化誘導などを介
して腫瘍環境をガンの悪性化へ
と誘うことが明らかになってお
り、ガンの治療標的として注目
されている中で、すべてのアイ
ソフォームを抑制する新規Fc融
合蛋白質を開発できたのは偉大
な業績です。
 慶応大などの研究チームが、
110歳以上の超長寿者36人を
含む高齢者の追跡調査から、心
疾患に関連する分子の血中濃度
が低いほど、110歳以上に到
達する可能性が高いことを見い
だしたのは素晴らしい業績です。
以前より、私は、心臓と寿命に
ついて関連が大きいと考えてき
ました。そのため、高血圧の人
には、血液検査で、できるだけ
NT-pro BNPを検査するようにし
てきました。その見立ては誤っ
ていなかったようです。ただ、
NT-pro BNPが高値になるのは心
疾患だけではなく、腎臓疾患の
場合も高値になることを忘れて
はならないと思います。

 高知の高地で一酸化炭素高値
となる。         笑

 
 
 
 
 
 
 
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