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2021-06-14 22:26:43

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診療マル秘裏話  号外Vol.1878 令和2年8月11日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
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目次

1)人の組織傷害が,アレルギー症状にIL-33の産生惹起
2)小児期の神経発達症に伴なう入眠困難の改善薬

 
 
 
 
 
 
 
 
 
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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 人の組織傷害が,アレルギー症状にIL-33の産生惹起

 
 
 
 
 
 
 
 兵庫医科大学は7月16日、さ
まざまな病気に関わる「人の組
織傷害」が、アレルギー症状を
引き起こす原因となる物質(IL
-33 )の産生を引き起こすこと
を証明したと発表しました。こ
の研究は、同大免疫学講座の足
立匠助教らの研究グループによ
るものです。研究成果は、「In
ternational Immunology」に掲
載されています。気管支喘息や
腸管寄生虫が感染した肺では、
著明な好酸球浸潤と杯細胞から
の粘液分泌亢進が認められます。
このような変化はIL-5やIL-13
といったTh2 型サイトカインの
作用で誘導されます。従来はTh
2 細胞がIL-5とIL-13 を産生す
ると考えられてきました。その
後、同研究グループの糞線虫感
染モデルを用いた研究などから、
感染初期にはグループ2自然リ
ンパ球(ILC2)がTh2 型サイト
カインを産生することが明らか
となりました。肺で産生された
IL-33 はILC2の強力な活性化因
子として作用し、ILC2の増殖と
IL-5とIL-13 の産生を誘導しま
す。その結果、肺において好酸
球性炎症が誘導されます。しか
し、IL-33 の発現がどのような
機序で誘導されるのか全く不明
でした。研究グループは、アレ
ルゲンや寄生虫によって組織が
傷害されるとDAMPsもしくはAla
rminと呼ばれる細胞内物質群が
細胞外へと放出され、次に、DA
MPsの作用で肺組織がIL-33を産
生するようになると考え、今回、
DAMPsの同定、並びにDAMPsによ
るIL-33 産生誘導メカニズムを
研究しました。研究グループは
まず、マウス肺の組織抽出物を
作製し、in vitroで線維芽細胞
を刺激、またはマウスに経鼻投
与しました。その結果、組織抽
出物がIL-33 のmRNA発現を誘導
することが判明しました。そこ
で、肺の組織抽出物中の可溶性
蛋白画分を分離精製し、プロテ
オミクス解析を行ったところ、
RBBP9 が同定されました。

続けて、肺組織抽出物、または
リコンビナントRBBP9 で線維芽
細胞を刺激した結果、強力なCO
X2とPGE2合成酵素-1の発現が誘
導され、また、PGE2産生が認め
られました。さらに、COX2阻害
剤、PGE2レセプター競合阻害剤
を用いた実験を重ねた結果、肺
組織抽出物、またはリコンビナ
ントRBBP9 刺激による線維芽細
胞のIL-33 発現誘導がPGE2を介
することがin vitro、in vivo
で判明しました。

最後に、CRISPR-Cas9 を用いた
遺伝子編集によりRBBP9 欠損マ
ウスを作製して解析しました。
その結果、糞線虫感染後の初期
のIL-33 発現上昇が、野生型マ
ウスに比べ有意に抑制されてい
ることが明らかとなりました。

IL-33 はT細胞、肥満細胞、IL
C2を刺激して、アレルギー応答
に関与する2型炎症応答を誘導
します。従ってIL-33 産生を誘
導するRBBP9 の発見は、アレル
ギー炎症の制御を可能にする新
規ターゲット因子の発見でもあ
ると考えられます。さらに、今
回の研究からRBBP9 がPGE2の産
生を介してIL-33 の産生を誘導
することが明らかとなりました。
研究グループは、「今後、RBBP
9 とPGE2の産生と機能を制御す
ることで、IL-33 が関与するア
レルギー疾患の治療に役立つも
のと期待している」と、述べて
います。

グループ2自然リンパ球につい

て解説している動画です。

 
 


 
 
 
 酸性の溶液を産生する。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 小児期の神経発達症に伴なう入眠困難の改善薬

 
 
 
 
 
 
 
 製薬ベンチャーのノーベルフ
ァーマ(東京都中央区)は、小
児期の神経発達症にともなう入
眠困難の改善薬「メラトベル顆
粒小児用0・2%」を発売しま
した。日本初となる生体内ホル
モンと同一の化学構造式を持つ
メラトニンを有効成分とするメ
ラトニン受容体作動性入眠改善
薬です。神経発達症の小児は睡
眠障害の有病率が高いといわれ、
自閉スペクトラム症では50~
80%、ADHD(注意欠如・
多動症)では25~50%の割
合で睡眠障害が併存するとの報
告があります。ピーク時の年間
売上高は11億円を見込んでい
ます。

メルトラベルについて解説して

いる動画です。

 
 


 
 
 生涯、睡眠障害に悩まされる
ことがないことを願う。  笑

 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 兵庫医科大学が7月16日、さ
まざまな病気に関わる「人の組
織傷害」が、アレルギー症状を
引き起こす原因となる物質(IL
-33 )の産生を引き起こすこと
を証明したと発表したのは偉大
な業績です。まず、マウス肺の
組織抽出物を作製し、in vitro
で線維芽細胞を刺激、またはマ
ウスに経鼻投与しました。その
結果、組織抽出物がIL-33 のmR
NA発現を誘導することが判明し
ました。そこで、肺の組織抽出
物中の可溶性蛋白画分を分離精
製し、プロテオミクス解析を行
ったところ、RBBP9 が同定され
たということです。さらに、肺
組織抽出物、またはリコンビナ
ントRBBP9 刺激による線維芽細
胞のIL-33 発現誘導がPGE2を介
することがin vitro、in vivo
で判明したので、今後、RBBP9
とPGE2の産生と機能を制御する
ことで、IL-33 が関与するアレ
ルギー疾患の治療に役立つよう
にして頂きたいと切に願う次第
です。
 製薬ベンチャーのノーベルフ
ァーマ(東京都中央区)が、小
児期の神経発達症にともなう入
眠困難の改善薬「メラトベル顆
粒小児用0・2%」を発売した
のは、喜ばしいことです。健康
な小児では、夜泣きを除いて、
早寝、早起きができるように、
体内時計が設定されています。
むしろ、大人が小児の早寝、早
起きに付き合うと、夜中に眼が
覚めてしまい、眠れなくなる(
早朝覚醒)ことが起こります。
ところが、神経発達症に伴なう
小児の入眠困難には、なかなな
大人の睡眠薬や安定剤を使うこ
とができませんでした。生理的
なメラトニンの受容体を刺激す
る薬であれば、副作用も少ない
と推測されます。神経発達症の
小児は睡眠障害の有病率が高い
といわれ、自閉スペクトラム症
では50~80%、ADHD(
注意欠如・多動症)では25~
50%の割合で睡眠障害が併存
するとの報告があるため、安全
に投与できる薬が上梓された事
は、一安心と言えましょう。

 覚醒剤の濫用は、昔と較べて
隔世の感がある。     笑

 
 
 
 
 
 
 
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藤田 亨
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