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2021-06-13 23:09:17

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診療マル秘裏話  号外Vol.1877 令和2年8月10日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨

 
 
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 
 
 
 
 
 
 
目次

1)特定分子を胃ガン細胞が取込み抗ガン剤治療抵抗
2)熟成ホップ由来苦味酸が認知機能と気分状態改善

 
 
 
 
 
 
 
 
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 
 
 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 
 
 
 
 
 
 
1】 特定分子を胃ガン細胞が取込み抗ガン剤治療抵抗

 
 
 
 
 
 
 
 熊本大学は7月15日、ガン関
連線維芽細胞(CAFs)が分泌す
る細胞外小胞(EVs )に含まれ
るAnnexinA6 という分子が胃ガ
ン細胞に取り込まれることで抗
ガン剤治療抵抗性につながるこ
とを確認したと発表しました。
これは、同大・国際先端医学研
究機構(IRCMS )消化器ガン生
物学・内原智幸研究員(令和2
年3月まで在籍)、石本崇胤特
任准教授、生命科学研究部消化
器外科学・馬場秀夫教授らの研
究グループと、国立ガン研究セ
ンター研究所、大阪市立大学、
シンガポール国立大学、テキサ
ス大学MDアンダーソンガンセン
ターとの共同研究によるもので
す。研究成果は、「Cancer Res
earch 」のオンライン版に掲載
されています。胃ガンは日本に
おいて2番目に多いガンです。
特に進行した胃ガンにおいては
抗ガン剤などのさまざまな薬剤
が用いられていますが、十分な
病状の改善は得られていない。
ガン細胞の周りはガン微小環境
とよばれるさまざまな細胞によ
って構成されている。その構成
細胞の一つであるCAFsは、さま
ざまな因子を分泌することでガ
ンの悪性化を強めることが知ら
れています。同研究では、抗ガ
ン剤治療への抵抗性に関わるCA
Fs由来の分子を同定し、新規創
薬への可能性を見出しました。
研究グループはまず、胃ガン患
者さんの組織において、CAFsの
量が多いと、その後の病状が悪
いことを明らかにしました。こ
の関係は進行ガンで抗ガン剤治
療を行った胃ガン患者さんでも
同様の結果でした。この結果を
受けて、抗ガン剤抵抗性獲得の
原因となるCAFs由来の因子が存
在するのではないかと考えまし
た。

次に、ヒトの生体の条件に近づ
けた細胞実験によって、CAFsの
培養上清で培養した胃ガン細胞
が抗ガン剤抵抗性を獲得するこ
とを示しました。どの遺伝子が
働いているか(発現しているか)
を調べる遺伝子発現解析を胃ガ
ン細胞で行った結果、CAFs由来
のAnnexinA6を発現するEVsが、
胃ガン細胞の抗ガン剤抵抗性に
大事な働きをしていることを発
見しました。また、AnnexinA6
は胃ガン細胞にはほとんど発現
せず、CAFsだけに存在している
ことが明らかになりました。

これらのことから、AnnexinA6
がEVs を介して胃ガン細胞に取
り込まれることで、抗ガン剤抵
抗性獲得に関わることが判明し
ました。さらに、AnnexinA6 は
胃ガン細胞内に取り込まれた後、
胃ガン細胞膜上のβ1インテグ
リンを安定化させ、下流のシグ
ナルを活性化することで、抗ガ
ン剤抵抗性の獲得に寄与するこ
とを明らかにしました。

今回の研究成果により、胃ガン
細胞の周りにあるCAFs由来のAn
nexinA6 が抗ガン剤治療抵抗性
を引き起こしていることが明ら
かにされました。研究グループ
は、「今後の研究の進捗によっ
て、胃ガンにおいてAnnexinA6
やCAFsをターゲットにした新た
な創薬開発が期待される」と、
述べています。

ガン関連繊維芽細胞について

解説している動画です。

 
 


 
 
 本の校正で構成を変える。笑

 
 
 
 
 
 
 
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2】 熟成ホップ由来苦味酸が認知機能と気分状態改善

 
 
 
 
 
 
 
 キリンホールディングスと順
天堂大学などの研究グループは、
物忘れの自覚症状がある中高齢
者を対象とする臨床試験で、ビ
ール含有苦味成分「熟成ホップ
由来苦味酸」が認知機能と気分
状態を改善することを確認しま
した。ヒトで十分な効果が示さ
れたのは初めてです。食生活を
通じた認知症予防法の開発につ
ながる可能性があります。

試験は、認知機能低下の自覚
症状(SCD)がある45-69歳
の中高齢者から質問への回答な
どをもとに健常な100人を選
抜しました。熟成ホップ由来苦
味酸含有サプリメント摂取と、
疑似薬摂取の2群に分けて二重
盲検試験を実施しました。摂取
はじめと12週目に被験者の認知
機能を神経心理テストを用いて
評価しました。また、注意機能
は言語・記憶機能を評価する標
準注意検査法(CAT)、スト
レス状態は唾液中のマーカー物
質測定で評価しました。

 12週目の認知機能評価テスト
では、苦味酸サプリ摂取群の正
答率は疑似薬群に比べて統計学
的に有意に改善しました。神経
心理テスト後のマーカー物質β
エンドルフィン濃度も有意に低
値を示すようになりました。S
CDの解析でも改善がみられま
した。成果は、国際科学誌「ジ
ャーナル・オブ・アルツハイマ
ーズ・ディジーズ」に掲載され
ました。

ホップについて解説している

動画です。

 
 


 
 
 氷菓の味を評価する。笑

 
 
 
 
 
 
 
 
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編集後記

 
 
 熊本大学が7月15日、ガン関
連線維芽細胞(CAFs)が分泌す
る細胞外小胞(EVs )に含まれ
るAnnexinA6 という分子が胃ガ
ン細胞に取り込まれることで抗
ガン剤治療抵抗性につながるこ
とを確認したと発表したのは、
素晴らしい業績です。近年ガン
関連線維芽細胞(CAFs)が注目
されているのは、知っていまし
たが、抗ガン剤治療抵抗性につ
ながるというのは、初耳でした。
TGF-βに関係して、ガンの悪性
度が高くなることは、先日のメ
ルマガで紹介した通りです。今
後の研究の進捗によって、胃ガ
ンにおいてAnnexinA6 やCAFsを
ターゲットにした新たな創薬開
発に期待したいと思います。
 キリンホールディングスと順
天堂大学などの研究グループが、
物忘れの自覚症状がある中高齢
者を対象とする臨床試験で、ビ
ール含有苦味成分「熟成ホップ
由来苦味酸」が認知機能と気分
状態を改善することを確認しま
したのは、素晴らしい業績です。
ホップ由来苦み酸に健康効果が
あるのは、存じていましたが、
認知機能と気分状態を改善する
ことは、知りませんでした。ヒ
トで十分な効果が示されたのは
初めてであり、食生活を通じた
認知症予防法の開発につながる
可能性をぜひ追及して頂きたい
ものです。現在、認知症の治療
薬は、進行を遅くするだけで、
根本的な治療は、ありません。
そうした状態では、予防が一番
重要と言えましょう。

 昨日の認知機能を発表する。


 
 
 
 
 
 
 
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